思い募らせてね。
変に爆発する方が良い。
人里
「…なんですか」
「ああ、その…すまなかった。前のは…誤解と…」
「そうですか」ガララッ
「ぁ…」
扉を叩かれて出てみれば八雲藍だった。今は月が昇っている最中とは言え周りの人間は寝静まっているはずだ。扉は勢い良く閉めれない…策士というやつか。それとも妖怪だからか。妖怪だからか先日あんなことをしたのか。
「あれが誤解なら、もう来ねえと思うんだけどな」
翌日
「ぐ、偶然…だな?」
「なんですか」
「いやいや、前の誤解を解きたいのもそうだが…そうだ、一緒に団子でも…と思ったんだが」
「…すいません」
「やっぱりか…」
「この野菜安いな…腐ってんじゃねーか」
「なんで…」
さらに翌日
「待ち伏せですか?」
「いや!そんなことは断じてないと」
「言えるんですか。疑ってすみませんでした」
「な、なあ。頼む。話だけでも」
「それでは」
「…」
「信用してた妖怪に襲われたんですから、妖怪に警戒するのは普通ですよ」
「だからそれは誤解だと」
「妖怪は結局どこまで関係深めても妖怪なんですね。気付かせてくれてありがとうございました」
先週。藍さんの家に行った。広くて、豪華な家で。その中でも質素な部屋に通された。藍さんは緊張しないためとか言っていた。多分嘘だったんだろう。目が覚めたら分かった。異変だなんだって信じたかったけど…異変じゃないって断言されたし。
「…異変じゃない。じゃあ藍さんは食べるつもりだったのかー」
「そうは言ってない。まあ、耳と腕持ってかれたアンタに言っても無駄でしょうけど」
「やだなぁ、聞きはしますよ」
「私も暇じゃないの。藍はそんなことする妖怪じゃないけど何があったのかしらって聞いてんの」
「知らん」
「知らないわけね。紫にでも聞いてみるか」
「はーあ!永遠亭のおかげであまり不自由はないですけど…ねえ」
「何?無くしたはずの腕が痛んだりするの?」
「それもない。ただただ人里で歩くと最近八雲藍と出会うんだ」
「…なるほどね。ストーカーってわけ」
「そういうわけ。どうにかなんない?巫女さん」
「無理ね。八雲と戦おうなんて考えもしないわよ。少なくとも妖怪が暴れるわ」
「じゃーダメだ」
「や、やあ!」
「…巫女さん、安くて美味しい野菜売ってる店知りません?」
「あ、あの」
「あー、知らないわね。ごめんなさい。それじゃ」
「うっす」
「なぁ…?」
信じてました、とか言える感じであれば良いんだけど。信じてたって信じてなくたって消えた部分が返ってくるわけがない。永遠亭の医者が言うには噛んだ跡があったとしたらもはやくっつけることは不可能と言われたくらいだ。戻ってくるわけがない。
「あ、あの…さ。私の事…どう思って…た?」
「ずっと信じてましたよ。ずっと友人だとも思ってました」
「そ、そうか!なら」
「でも片耳ないし、片腕ないし。信じてた妖怪に取られたんです」
「ぁう…」
「2度と信じられませんね」
「そ、そう‥か。そうだな。すまなかった」
「…どっか行ったか」
「こんにちは♪」
「…」
「藍の保護者みたいな妖怪よ」
「それで?」
「…警告。明日は家にあまり長くいない方が良いわね。できれば人の多い場所に居た方が有意義よ?」
「どっちに対して?」
「あなた」
「なんで?」
「説明できないわ。藍絡みってことだけ頭に入れて頂戴。藍は休暇だから私から手出しは出来ないの」
「なるほどね」
「…信じてくださる?」
「頭に入れとく」
翌日
「つーわけ」
「なんなんですか貴方」
「薬売りのねーちゃんと話してたら良い時間潰しができると思って」
「商売なんで。それでは」
「睡眠薬」
「となると〜…これですか?」
商売であれば普通に売ってくれるみたいだ。話も聞いてくれる。まあ内容は信じてもらえなかったけど。寝不足が重なった幻覚だとか。まー否定は出来ん。九尾の狐とか俺でも信じたくないし、そいつに追いかけられるとか信じられないもん。
「はー…」
「幻覚だとしたら…永遠亭来ますか?」
「いや、良い。寝て治んなかったら行くわ」
「あ、いつでもお待ちしております!」
「…行っちゃった」
「行ってしまったな」
「先生」
「八雲紫から聞いている。賢者様は式を抑えたいらしい…」
「信じてたんですけどねぇ…まさか食べられたりするなんて」
「他のこともされたんだろう」
「…」
「思い出させてしまったか。すまない。」
「んなことより人気の多いところ行きましょう。」
「人気の多い、ではな」
「人の多い場所行きましょう」
「何故最初からそう言わないんだ…」
「さあ?」
「今日一日中の宿泊先は?」
「決めてない。どうすっかな」
「それなら博麗神社に行くと良い。むしろそこに行けと言うべきだな」
「えぇ…?」
「意外と快適だったぞ」
博麗神社
「うす」
「まあまず藍はアンタの居場所いつでも分かるはずだから」
「サラッととんでもない」
「…とにかく、アンタを結界で閉じ込める。紫からも制限かけさせるわ」
「了解」
と言うわけで籠城戦?と言う奴が始まった。巫女さんが言うには、藍が本気出したら結界とか関係なくぶち壊してくるから親に力の制限かけさせることでなんとかするらしい。さっきも言ってたわこれ。とにかくよくわからん内によくわからんことになってるそうだ。
「おい」ドンッ
「…」
「もう一度だ。せめて無視したり冷たい態度はやめてくれないか?」
「巫女さ」
「大丈夫よ。紫が制限かけられなくても藍一人ならまだなんとかなるから」
「なんだ霊夢もいるのか?なら開けてくれ。誤解を解きたいんだ」
「スキマが使えるなら開ける必要はないわね」
「スキマ…あれか。紫様に取られてしまったんだ。だから開けてくれないか」ドンッ
「なら尚更開けられないわ」
「なぁ頼む」ゴンッ
「嫌よ。頼まれたって開けないわ」
「飯うま」
「もう2度と襲わないと約束する!半径1m以上近付かないことも誓う!だから!」
「聞くに堪えないわね…」
「こんな結界!」バギィッ
「っ!?」
「アンタ、紫から制限は?」
「あぁ、居た!頼む、あの時は…そう、あの時は」
「聞きたくないです」
「…ぇ?」
「ずっと信じてた分、怖いんです。」
「そう言うこと。だか」
「この巫女が…お前を誑かしたのか?」
夜のせいか、暗くてよく見えない。だが確かに俺の膝下にあるのは巫女さんの腕だ。藍さんはとても奇抜な格好をしている。なんだろうか…俺の服を縫い合わせて服にしているのだろうか?俺と藍さんにそんな体格差はなかったはずだが…何か
「あれは勢い余ってしまっただけなんだ」
「じゃあ何をしようとしてたんですか」
「…お前と子供を作りたかった」
「2度と近づくな」
「それを言われても仕方のないことだと思っている。でも」
「起きてくれよ巫女さん!どこ行ったんだよ!」
「やっぱり霊夢か」
「来んな!」
「頼む。頼むから…」
「誰かいねえのかよ!?」
「なあ、なんでそんな私以外を求めるんだ?あの時は私だけを求めてくれていたじゃないか」
「こう言う時に限って…」
「前の続きをしよう。お前も私となら相性も良いだろうし」
「来るな!」
「こんな力で抵抗しているつもりか?」ガシッ
「っ…!」
「神社で子作りとは…少し罰当たりだろうか?」
藍さん…主人公好きだけどやり過ぎてちょっと嫌われちゃった。でも片腕と片耳もぎ取ったのは誤解なんだ!
主人公…近付かないでもらえます?
的な。
好き。