東方純愛小話   作:覚め

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純愛→純アイ→純EYE。
さとりさんたちです。


純eyes

「そんな目で私を見ないでください」

 

彼女と会えばそう言われる。昔から、『見透かしてそうな目をしてる』などと謂れのない誹謗中傷を受けた身として、まあ、またか。としか思わなかった。そんな俺は鬼をやっている。正確に言えば、鬼のフリ。俺は人で、地底住みで。何の因果か、ここに来た。

 

「やあやあお兄さん!どう?あたいとご飯食べない?」

 

「断る。お前、たまにハトみてーな気持ちの悪いやつ置いてくるじゃん」

 

「え?美味しいじゃん、アレ」

 

「私、また食べたーい」

 

「こいつはなんなんだ」

 

「お空、共食いだよ」

 

地霊殿(字が合ってるかは知らない)に住まわせてもらっており。先程中傷して来て、今俺の目の前で何かを待っている彼女がここの主人だ。俺は彼女の妹に連れられ、そのままここにいる。そしてそのペットである、お空、お燐と呼ばれる2名。最初は奴隷商売かと疑う程度には従順だった二人は、今では割と仲が良く。妹さんはどこかへ行った。そう言う癖があるらしい。

 

「…言っているでしょう。その目でこちらを見ないで、と」

 

「あ、すみません」

 

「それは無理だよさとり様。さとり様とご飯の方角一緒だもん!」

 

「私は貴女からの報告を待っているのよ。仕事はどうなってるの?」

 

「んー、順調!」

 

「お空は?」

 

「やってるよー」

 

「それなら良いわ」

 

そう言って、席を立ってどこかへ行った。それはそれとして、俺もそろそろご飯を食べたいのだから退かせたい。

 

「ちょい、ご飯食べるよ」

 

「はーい!」

 

こういえばすんなりとどこかへ行く。素直なのか、正直なのか。食事を済まし、与えられた部屋に戻って落ち着く。そういえば、俺を中傷していたあの主人はサードアイと言う奇怪な目を持っているらしく。心を読める妖怪らしい。地底というのはなんとも自由だな、とも思う。

 

「見ないで」

 

出会った時から、かなり短縮された呼びかけだ。そこまで嫌われているのか。

 

「こいし、やめて」

 

「お兄さんのお腹ぽよぽよ〜!」

 

「はしたないから」

 

これが無意識。妹君はどうにもサードアイを閉ざしているらしく、その日から無意識を操る方向へとなったのだとか。全くもって変な姉妹だ。まあ、いいか。

 

「どうしたんですか。変な姉妹だなんて、思い描いて」

 

「失礼」

 

「こちらを向かないように」

 

「分かっております」

 

ここから帰る手掛かりは見つからないから、ずつとここにいる。妹君が許可してるかららしい。俺は寝て起きてを繰り返す日々。運動も少しだけしかできない。不便なのだ。ストレス溜まったら彼女達に対してぶつけるか、彼女達で癒すかと言うなんともな選択肢しかないのだ。

 

「…はぁ。」

 

依然、不便さを感じる。だからと言ってどうもないが。とか物思いに耽っていると、ドアを叩く音がする。ここを叩くのは…妹君か、お空と呼ばれる子。お燐と言う子は、叩いた後すぐに入ってくるから。

 


 

「そんな目で私を見ないでください」

 

彼と出会った時に、言ってしまった言葉だ。彼の眼はどこか、私を見透かしているような。他人のサードアイがこちらを見ているようで、嫌だから。私を見透かしているわけでも、私を軽蔑わけでもないことはわかっている。けれども、その目を向けられるのは嫌だ。

 

「…」

 

お燐とお空が仕事の報告に来た時も。彼は、私のペットに見向きもせずにこちらを見る。やはりどこかこちらを見透かしているような目で、ジロジロ見られているわけでもないのに嫌悪感が湧く。

 

「言っているでしょう。その目でこちらを見ないで、と」

 

心を読めることを知らせたはずなのに、心の中では私を「中傷して来て、今俺の目の前で何かを待っている彼女」と呼べる意味がわからないが、だがそれでもこちらを見ては欲しくない。お燐達からもそれは無理だと言うことを告げられつつ、仕事の報告を聞く。どちらも概ね順調のよう。それを聞いて部屋を出る。

 

「…やっばり」

 

お燐とお空は、彼に懐いている。彼が思い浮かべる女性の姿に、私は映らない。映像越しでも考えがわかるのは良いことだが、いらないことまでが頭に入って来る。お陰で、少し傷ついてしまった。

 

「さとり様ー!」

 

「何、お燐」

 

「私、あのお兄さん欲しい!」

 

「残念。こいしも同じこと言ってるのよ」

 

「えー!?」

 

「多分お空も言うでしょうね。貴女達で話し合って決めて」

 

「はーい」

 

そう。こいしも、彼によく懐いている。それどころか、この屋敷の中で彼に懐いていないペットがいるのか。そうなると私は、異常になるのか。いや、そんなことはない。

 

「…!」

 

彼の思考。その中でも、『運動も少しだけしかできない。不便なのだ。ストレス溜まったら彼女達に対してぶつけるか、彼女達で癒すかと言うなんともな選択肢しかないのだ。』この部分。その中に私はいない。少し傷付きつつも、こいしがいる事に安堵。いや、それではない。つまり彼は、帰れない。どんな手段を用いても人が穴を抜けることは不可能で、私たちを頼って来たのなら私達が拒否すれば良い。

 

「…何をしているのよ、私」

 

気がつけば彼に与えた部屋の前。これではまるで、私が彼に恋をしているような。初めて会った時に言ってしまった…言った言葉を思い出してみて。なんて、思い出すよりも先に扉を叩いてしまう。

 

「見られたくないのでは」

 

心を読む。『そろそろ追い出されるのか』。そんなわけがない。私が、地霊殿の幸せを奪うわけにはいかない。壊させる訳にもいかない。だから。

 

「貴方を追い出しはしません」

 

「…どういう、ことです?」

 

彼と初めて目が合う。驚きによってか、少し開かれた目。それを見て、それを見れて、そうだ。思い出せた。

 

「…ああ…」

 

この目は、こいしと同じ目だ。

 

「大丈夫です。」

 

だからこいしが気に入ったんだ

 

「今日から鬼と偽らなくても良いですよ」

 

「は?」

 

なら、私は。

 

「貴方を地霊殿の住人として、私が認めると言っています」

 

()の幸せを守る。




さとり…その目が嫌い(同族嫌悪)→その目が嫌い(妹の目を思いだすため)→その目で良い(妹の目が思い出せるため)
こいし…目とか関係なく、私が見えるの!?で連れて来た。
主人公…見透かしてそうな目をした人。サードアイのような目だからといってデカい訳じゃない。あくまで雰囲気の話。
なんか、変なお話になったけど。200話でした〜。
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