東方純愛小話   作:覚め

23 / 201
いちごミルクほど甘く美味い飲み物はないと思います閣下


ぬえとチャリンコ男

 

人里

 

「ふんふふんふふーん」ギコギコ

 

「お前チャリンコで来るか普通」

 

「山でも川でもどこへでも。河童式自転車ぞ」

 

「川ってお前…」

 

「さて…で、誰だあんた」

 

「いや酷すぎるだろ…」

 

「…で、誰?」

 

「封獣ぬえ。いつもぬえって呼んでるだろ?」

 

「おお、そうだったそうだった。で、ぬえ。今日はどこに足を運ぶんだ?」

 

「今日は…妖怪の山に行くよ」

 

「何かあったら助けてくれ。頼むわぬえ」

 

「あんたね…私も大袈裟にはしたくないんだからさ」

 

「騒ぎを起こさず観光に?いいんじゃねえの」

 

「ていうかお前そもそも自転車作ってもらってんじゃんか」

 

「…確かに」

 

そりゃ盲点だった。妖怪の山に出入り可能かは知らんが河童のところは良かったんだよな確か。

 

妖怪の山

 

「そこの者!止まれ!」

 

「うわっ」ビクッ

 

「…なんだい、あんた?」

 

「ここから先は天狗の陣地だと」

 

「あっそ…どうでもいいから早く通して?」

 

「断る!」

 

「…ちょい、ぬえ。これじゃ迷惑かけてるのは俺たちだろうが。ほら、早く」

 

「は?なに言ってんだ。観光の邪魔はさせないぞ」

 

「観光でしたら帰りなさい!」

 

「…チッ」

 

「ほらほら、河童のところ行くんだろ。すいませんね」

 

「え?あ、ああ…?」

 

「…なんちゃってね」ボソッ

 

「ぐぇっ」ゴキッ

 

「…?なんか変な音がしたけど気のせいか?」

 

「なに、転けたかなんかだろ。河童のところ…だっけか?」

 

「おお、そういやそうだった」ギコギコ

 

…ぬえってたまにわからないところがあるんだよな。ま、そんなことは置いといて。この自転車乗りにくいと思ったらマウンテンモードにしてないっていう。うーん…ちくしょう。なんだか悔しい

 

「おーい河童どもー」

 

「河童どもとは失礼な。河城にとりって言う名前がわたしにはあるんだが?」

 

「…ほら、なんか用事あるの?」

 

「用事は…そうそう。空飛べたりしないのこれ?ぬえに乗らないと空からの景色が見えないんだけど」

 

「空か…うむ、視野に入れておくよ」

 

「え?嫌なの?」

 

「いやではないんですけどね?」

 

「じゃあ良いじゃない」

 

…なにこの『パンが食えなきゃケーキ食う』に似たような理論は…抱きつきれても出るのはボロボロと崩れ落ちる本音だけだぞ。

 

「…だが自転車で空を飛ぶとは浪漫だ!E.T.だ!」

 

「なに言ってんのこいつ」

 

「そう言うやつなんだよ。ていうか知り合いじゃないんだ」

 

「妖怪の山はあんま来ないからな」

 

「はへー…んじゃ、今日はこれで。今度来た時くらいに計画聞くわ〜」ギコギコ

 

「行ってら〜!」

 

「…羨ましい」

 

「お前に羨ましがる感情があるとはな」

 

「失礼な…叩くぞ」

 

「ごめんなさい」

 

流石に妖怪の一撃は強いからな。ビシーンってやられたら足が埋まる。自転車に乗ってるから尚更…

 

「わたしならいつでも乗せてやるぞ?お前なんか漕がなきゃダメだからな!」フンス

 

「自転車となに張り合ってんだお前は…」

 

「あんたにはわからないでしょうね!一生!」

 

「酷いな!」

 

人里

 

「たまには散歩でぶらつくのも良いもんだ」

 

「ありゃ、飛んだ偶然だね」

 

「なんの偶然だ。俺の家の前にいやがって」

 

「家の前?違うね。わたしはあそこで村紗達を待ってたんだ。でも、現れないから」

 

「現れないからじゃなくて、咄嗟についた嘘だから来なかったんだろ」

 

「…そうだよ!今村紗達は一人の男に夢中でさ!」

 

「ふーん…家上がって行くか?」

 

「行く!」

 

「元気でよろしい!」

 

主人公の家

 

とても眠い。雨も降ってきたからタイミングとしては良いんだがいかんせん自転車が気になる

 

「はぁ…にとりの自転車は防水性だっけか」

 

ドンッ!

 

「うわびっくりした」

 

「…ごめん、転けた。その上腹切った」

 

「お前なんで台所に…って腹切った!?」

 

「うん…」

 

「大変だろお前それ!ってだからなんで」

 

「女子力作ろうとしてな」

 

「…そういうもんか?」

 

妖怪の山

 

「傘と一緒にとんでんころりん」

 

「なに言ってんだこいつ。で、自転車だけどね…空飛ぶのはやはり無理だね。こう、外の世界の飛行機のプラモデルとかがあれば別なんだが」

 

「香霖堂とかに売ってそうだなそれ」

 

…いや、実際売ってんだよな多分。あそこ外の世界の物なら大体売ってるし。やべーよなあそこ…

 

「で、こいつなんだが」

 

「ハッハッハッ懐かれてんねぇ」

 

「河童如きにくれてやるか…!」

 

「笑い事じゃねえよ。ックソー…ま、良いか。帰るぜ」

 

「あいよー」

 

その夜主人公宅

 

「…うーむ。どうにも視線が気になる」

 

コンコン

 

「ん?なんだこの時間に。どちら様ー」ガチャッ

 

「…命蓮寺が煩悩寺になってる」

 

「おうなに言ってんだこの小娘はよぉ」

 

「な、良いだろ?」

 

「良いよ。ほら、布団もう一つ…あれ、ない」

 

「一つの布団で寝るか?」

 

「…明日は休日。俺は徹夜だな…寝れんなこれは」

 

「寝てくれ!罪悪感が半端ない!」

 

「まさかお前に罪悪感があるとはな」

 

「寝てくれ!」

 

こいつ意外なところで意外なこと言うよな。まあ突拍子のない行動は取らないからそれだけマシか…

 

「…わかった。寝るから、静かにしろよ?」

 

「わかってるよ」

 

「そんじゃ…zzz」

 

「…ちぇっいっしょにおねんね作戦が…このためだけに窓から見張ってたんだぞちくしょー」

 

「おい待て賊は貴様だったか」

 

「あ、やべ」

 

「そう言えば良いんだよ。ほれ、入りな」

 

「…やった!」

 

「そうそう。それじゃ寝るから」

 

そう、女の子は素直が1番だ。多分ね…かなり多分だけど。まあ多分…

 

「…じゃあ、付き合ってくれって言ったら?」

 

「素直に言えばね」

 

「んじゃ、付き合って。電撃結婚って奴?」

 

「お相手は元ストーカー」

 

「酷い!」

 

 

 

 

 

 

 




よくわからんけど純愛だろ
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