東方純愛小話   作:覚め

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さくらんぼ聴きながら幽々子様作るのってなんだか有から幽作ってる気がして面白い


死人と姫様

 

ようやく死ねた。誤解がないように言っておこう、俺は若くして…などではない。30歳くらいだ。人里の平均寿命は60歳くらい、人生の折り返し地点で死んだのだからまぁ良いだろう。ただ、葬式に来た人間の数は数えるまでもなく、0だったことを除けば。

 

三途の川

 

裁判場

 

「…ふぁぁ…」

 

「判決としては…おめでとうございます、天国行きです」

 

「…は?」

 

「聞き取れませんでしたか?天国行きです。案内を」

 

「待て、待て、待て!嘘つくなよ!」

 

「?なんで私がこんな場所で嘘をつくんですか?」

 

「俺が天国行きなわけないだろうが!仮に天国行きだとしても、俺はいかねえぞ!」

 

「…地獄に行きたくないと暴れる魂はいましたが…天国行きを拒む魂は初ですね」

 

「連れてけ!今すぐ地獄に!」

 

「…彼を冥界に」

 

「冥界だと!?」

 

「あ、身体は与えておきます。冥界では何かと不便でしょうから」

 

「ざけんな!テメェよ…!どうせなら今ここで悪事働いてやるっつの!」

 

「はっきり言っておきますが、死後の行いは裁判に全く関係ありません」

 

「…クソが」

 

「天国行きを拒む人は初めてです。そのまま天国に行ってしまったらどこかで崩壊する。それを防ぐために冥界へ行ってもらいます」

 

…何言ってんだこの閻魔。殴り殺してやりたい。が、裁判には関係しないらしい。そもそも、冥界ってどんな場所なんだ?ようわからんがあそこで崩壊すれば地獄に行けるのか?

 

冥界

 

「…丁寧に扱えよ」

 

「あらあら〜慌ただしいお客さんね?なんの用かしら」

 

「知るか。俺が聞きたい。んで…ああ、お着替え中?そいつは失礼しました」ガララッ

 

「…あの殿方全く反応しなかったわねぇ…ん?紙…閻魔様から?『彼を天国に行かせたいと思わせること』…え、ちょっとどう言うこと?」

 

翌日

 

「…つまりそう言うことね?」

 

「天国行きの判決だかなんだか知らんが地獄には行きたかったのさ」

 

「地獄?それはダメよ。あれは人のたどり着く場所ではないもの」

 

「うるせえやい。こちとらなんで天国行きになったのかすら記憶にねえっつうのに」

 

「あらあら、自分の名前すら覚えてないの?」

 

「当たり前だバーロー。名付け親募集中だー」

 

「???」

 

…さて。ようやく死ねた。それは喜ぶことだ。なのに、死んだ時の願いは伝わらんものか。葬式に四つ葉のクローバーなんて、縁起が悪い。あんな、復讐なんて花言葉があるのに、気が知れん。

 

「…良いや、今日は寝る」

 

「え、あ、そう…」

 

その夜

 

「…ねぇ」

 

「ん?あぁ、えーと…」

 

「幽々子よ。あなた、なんで天国行きを蹴ろうとしたの?」

 

「…自分に嘘ついて生きることほど罪なことはねえぞこんにゃろう。って思ったことだけは覚えてんだけどな」

 

「あら、そうなの?」

 

「そう言うもんだ。ところで、煙草とかって」

 

「煙草はないわよ。葉巻もないわよ」

 

「全部取られてるぜ」

 

「まぁ、この屋敷に住むなら一人、使用人がいるからその子になんでも言いなさい」

 

「あいよ」

 

翌日

 

…そういや、使用人の名前も姿も聞かされてないのにどうやって言えって言うんだ?やはり頭のネジが外れてるか…なんか匂うな…

 

「良い匂いだけど…近付きたくないな。気持ち悪い匂いだ」

 

「あらぁ?どうしたの〜ご飯はこっちよ〜?」

 

「気持ち悪いっ…撤退撤退…」

 

「こんな良い匂いしてるのに…なんで逃げたのかしら?」

 

「きっと幽々子様の顔を本能が危険だと判断したんでしょう」

 

「…そうかしら?」

 

白玉楼のどっか

 

「…うぷっ…ゲホッゲホッ!気持ちが悪い…あの匂い…なんでだよ…」

 

「大丈夫かしら?」

 

「少なくとも、このセリフは焦りながら来るはずなんですがね幽々子さん…」

 

「亡霊は死なないから、猶予も何もないのよ。で、なんで妖夢の料理から逃げたの?」

 

「バレてたんか…」

 

「もちろん。で、話してくれるの?」

 

「話すも何も…気持ちが悪かったんだよ。匂いだけで、嫌いだった。吐き気云々じゃなくて、気味が悪かった。懐かしい感じがしたのに、嫌になった」

 

「…そう。そうなのね。前世にトラウマでもあるのかしら?」

 

「さあなぁ。確かめる術があるとしたら、閻魔様だろうし」

 

「…ま、良いか。ほら、立ちなさい。お散歩、行くわよ」

 

「…あいよ」

 

散歩、と言うので少し嫌な予感はするが拒否るとめんどくさそうだ。素直について行くか…それにしても、石が当たった場所が痛む…

 

「今日転んだのがダメだったかなぁ」

 

「さ、行きましょうか」

 

その後、人里を訪れた結果人里に悪霊が来たと言う噂が流れたのは言うまでもない。

 

数時間後

 

「…ほら、言っただろ」

 

「そうね。でも私は楽しかったわ〜♪」

 

「何が楽しいのやら…空を飛ぶ気持ちなんてわからんな」

 

「あなたのいろんな表情見れて楽しかったのよ」

 

「ストーカーかな?」

 

「お黙り。私はあなたに天国へ行こうと言う意思を持たせろって言われてるのよ」

 

「幽々子様…それあんまりストレートに言っちゃダメじゃないんですか?」

 

「はえー…ま、どうだって良いか。俺は、死ねたって事実だけども満足だ」

 

「何言ってんだこの人!?」

 

「…で、これから俺はどうなるの?」

 

「天国に行きたがるまでここに軟禁ね。これからも末永くよろしく」

 

「?あぁ、よろしく…?」

 

 

 

 

 

 




末永くお願いします(新婚さん魂)
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