東方純愛小話   作:覚め

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第48話

 

ドボンッ!大きな音で沈んだけど多分、魚逃げてそうだな…

 

「がぼっがばっがぼっ」

 

「ちょちょ、ちょっとー!?だ、大丈夫!?」

 

「ぼ…」

 

「ひ、瀕死だー!?」

 

地上

 

バシャッ!

 

「生きろー!」

 

「ぼっ…ゴホッゴホッ…ありがとござます」

 

「良いのよ!そんなことよりなんで水に飛び込んだの!?」

 

「…博麗の巫女が面倒だったから」

 

「それだけ!?」

 

まぁ、それだけだ。俺からしたら『それだけ』ではないもんだが、他人から見たら『それだけ』なのだろう。両親からもよく言われていた。そんなことより、そんなことで…空が紅いくらい、どうってことねえな多分。魚釣れない方が問題だし

 

「…釣り再開だ」

 

「ええ!?」

 

「そういやチルノおせえな」

 

「それもそうね…あ!もしかしてさっきの巫女さん!」

 

「…まさか倒したとか言うんじゃ」

 

「そのまさかよ!」

 

「マジかよ!?」

 

その頃霧の湖周辺

 

「…あたい、強くないのかな…」

 

「良いんだよチルノちゃん。私を守ろうとしてくれたのは、強い証拠だよ」

 

「そうかな…」

 

戻って釣り場

 

「…そういやさっき魔法使いも見たな」

 

「あら、そうなの?」

 

「そう。霧雨さんって家の子だったな。金髪に黒を基調とした服。箒に跨って空を駆ける…噂通りだな」

 

「すごいわね」

 

「あれくらいですごいって言われるなら俺の方がすげーや。死体の中で埋もれようが、瓦礫の中で首三角状に固定されようが死ななかったんだからよ」

 

「えぇ!?うっそだ!」

 

「…俺もできることなら嘘だと思いたいな」

 

両親にその時まだ生きてたとか、しぶといわねぇとか、まるでゴキブリだな…とか。そんな言葉が口から次々に出てくるなんて信じたくはないけど、事実は事実。受け止めてさあ釣りをしよう

 

「おーい!」

 

「こんにちは…あれ?人間?」

 

「釣りをしないと殴られるからね。最期の三日間、ここにいようって決めたんだ」

 

「…?」

 

「最後の三日間って…つまりどう言うことだ?」

 

「ここにいられる最後ってことよ。あなた…餓死しようとしてる?」

 

「バカめ。俺の予測じゃ後三日で妖怪が匂い嗅ぎつけてくるんだ。嘘だけど」

 

「嘘なのね…」

 

「…大妖精か?」

 

「は、はい!」

 

「魚、チルノの友人に持っていってやれ。確かいただろ、屋台たまに開く女の…なんだっけ?」

 

「…ああ!みすちーのことですね!わかりました!」

 

「なんでアタイじゃないんだ?」

 

「チルノは凍らせて変なことにしそうだからな」

 

「そんなことしないよー!」

 

「うるさい前科者」

 

「ぜっ…!?」

 

「チルノちゃん、一回したことあるんだね…」

 

「な、何をぉ!言いがかりだ!アタイは食べてなんかない!」

 

「…けほっけほっ…あー、釣れなくなって来たな。寝る」

 

「妖怪が来たら?」

 

「でーじょーぶ。その時はおとなしく食われていくさ。倫理回生だったかなんだったか忘れたけどその時は生まれ変わって化けるわ」

 

「…それ化けてなくない?」

 

「ん?…あ、確かに」

 

まあそんな事はいい。俺はともかく寝る。妖怪が来たら、なんとかして食われて死ぬだけだ。死ねば楽になるわけじゃあるめえしよ。

 

「…ん」ツー

 

「うわっ口から血が!」

 

「うわぁ!?」

 

「く、口の中で何してんだ!?」

 

「ああ、これか。気にすんな。寝る」

 

「気にするよ!?」

 

数時間後

 

「…んぅ…?おや、こりゃ博麗さん」

 

「あんた、まだいたの?早く帰りなさい」

 

「ハハハ、面白いことを言う。帰る家は…ないな」

 

「はぁ?…私、酔っ払いの対処は知らないのだけれど」

 

「酔っ払っとらん…でも、もう疲れた」

 

「何に疲れてんのか…ほら、人里まで連れていってあげるから」

 

「…絶対に帰らん」

 

「なんでよ」

 

「…あんなところにいたらいつ殺されるか分かったもんじゃないからだ」

 

「そう?まともな人間なら普通に暮らせるけど」

 

「死体に埋もれた経験を持つ人間はただの人間じゃねえだろ」

 

「何言ってんだこいつ」

 

「子供の感染病を恐れて道端にいる子供が大量処理された時、俺もそれに紛れたんだ。服装だと見分けがつかねえからな」

 

「今でもそうね」

 

「はっ倒すぞ」

 

ここの巫女はそう言う経験がないんだろう。あってもなくても、どっちでもいい。知らんから

 

「…で、どうすんの?これから。釣りばっかして生きていけるほど、幻想郷は甘くないわよ」

 

「それほど甘かったら俺は嫌いだ。あまいのが苦手なもんだからね…」

 

「あらそうなの?甘党に見えたけど」

 

「そう言うもんか?」

 

「ええ。少なくとも、女の子を二人体に密着させて寝てる分には」

 

「…大妖精とチルノか。チルノは少し冷たいけど」

 

「今の時期こんなもんでしょ。それじゃ、私はもう帰るから」

 

「あいよー」

 

…と、巫女を見送る。あいつは頑張っている。が、俺は頑張っていない。そこには特別な差はなく、努力の差がある。迷路の途中で壁にぶつかった気分だぜ

 

「…今更、人里に戻ってもとうの昔からいない存在だったんだ。ないもの作るくらいなら在るもの大事だな」

 

「ん、んぅ…」

 

「夏はあつーい…」

 

翌日

 

「…はぁ…っはぁ…」

 

「ど、どうしたの!?」

 

「力入らん…起きたらこんなことに。やべーな」

 

「今1番やばそうな顔してない奴に言われても」

 

「俺に言ってんのかそれは?…釣りできねえじゃん」

 

「ん…?どうしました?」

 

「力が入らん」

 

「んちゃ〜!よく寝た!で、どうしたんだその手?」

 

「動かん」

 

「…そりゃ運が悪かったな!」

 

「それじゃ済まん!」

 

 

 

 

 

 




まだ続きます
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