月
「…俺が夜見てた月にこんなでっけえ都が出来てたとはな」
「そうでしょう?ま、私は月で育ったんだけど」
「こりゃ驚いた。月のお姫様だったか」
そりゃ帝なんかに言い寄られても特になんも思わんわな。てか月に来てから体軽くね?ぴょんって飛ぶと少しどころか一尺くらい飛ぶ気がするんだけど。やばない?マジやばない?
「…そうだ。私のわがままで連れてきたから、あまり表に顔を出さない方がいいわよ。顔を出したら…石投げられちゃうから」
「へー」
物騒な場所だな。朝廷ももう少し緩かったぞ
月の都の偉い人たちが集まる場所
「…でっけー」
「大きいでしょ?私の住処は高いから気をつけてね」
「へー…高いのか。ここからじゃ全くわからんな…ん?」
「お待ちしておりました。姫」
「良いのよ××。それじゃ、行くわよ」
「…このままだとどうなるの?」
「私は処刑されるわね。間違いなく。あなたもよ」
「道連れは勘弁して欲しかったんだが」
「…私の自業自得なのよ。××の手であなたは守られるの」
「へー。お願いします」
「…姫、このような若者を」
「××。任せたわよ」
「…は」
「あ、すいません…えーと…」
「永林とお呼びください」
「あ、永林さん。川とかで釣りって出来ます?」
「月に水はあまりございませんので」
「あ、そうなんですか」
…ん?いや、これこのままだと俺殺されるんでしょ?え、この人そんな強い人なの?女性って見かけによらないって言うけどさ。俺前女に無茶苦茶な投げられ方したし。
そして数日が経ち…
「え、また地上に?」
「私、不老不死になっちゃったの。そんなんだから地上落としになったのよ」
「はへー」
「それでは姫が可哀想。でも私には姫に託された人が」ブツブツ
「…ま、××は頼りになるし月の賢者とも呼ばれてるから、安心なさい」
「月の賢者…偉い人だったんか」
「地上でいう帝並みの権力だから、一つの法律くらい覆せるでしょ」
「そりゃ怖い」
「それじゃあ、刑が執行されるまで少しあるし、私は寝るわ」
「おやすみなさーい」
「ブツブツ…すいません、少し時間をいただけますか?」
「うぇ、あ、はい」
「…姫には内緒でお願いします」
なんだろうか。永林さんなんかすっごい悪い顔してる。なんだか悪戯をする子供みたいな顔だ…子供なんてあんま見てないけど
「一緒に地上へ行きませんか?」
「地上?そりゃまたなんで」
「姫は一人だけで地上へ行くのです。姫について行く形で我々も一緒に地上へ」
「…そうなると永林さん、賢者ってのは」
「後任はいます。それと…この蓬莱の薬。これを使い不老不死になってから、地上へ行ってもらいますが」
「その話…乗った!で、蓬莱の薬とは?」
「…私が作ったものです。それを姫が飲んで…姫だけが地上へ落とされるなどおかしい。私も落とされるべきなのに」
「おー。すげえ忠誠心だな」
「…こちらが蓬莱の薬となります」
「綺麗な宝玉みてえだな。これを…どうやって使うんだ?」
「水と一緒に」
「意外と薬草みたいな感じなのな」ゴクゴク
…今思ったけどこれ俺騙されてたら死ぬことになるじゃん。結構やばいことしちゃったな。
「で、輝夜が地上へ行く日。一緒に行くのか?」
「いえ…私たちが先回りをして住処を作ります」
「ホーン」
かぐや姫刑執行前日夜
「…情報量すげえ」
「さて。あと少しです…30…20…10…5…」
「結構木材とか持ってきてんだな」
「…着きました。無事着陸できたようです。乗って来たこの機体は…次に自動で返還されます」
「マジ?」
ロケット<シュゴォォオォォォォォ
「…では、そこでしばしお待ちを。私が家を作りますので」
「い、家…?」
数分後
「出来ました」
「???????????????」
「内装はロケットから持ち出したこの箱から…ポンと出ます」
「わー機能的」
「さて。地上はまだ電気が通って…人がいない」
「ん?…里はある。ま、それしかないけど…なんて読むんだ?」
「どれですか?」
あれあれと言い、永林さんはここぞとばかりになんか変なもん取り出した。それなんですか?という間も無く、永林さんは見終えた
「…なんて読みます?」
「多分…神社。その前の2文字はよくわからなかったです」
「そうでしたか…さて、あとは輝夜を待つだけですかね」
「そうですね…しかし、必ずここに落ちてくるとは限りません。ですがそれもクリア済みです」
「問題解決済みなら言わなくて良くない?」
「そうでした」
翌日朝
「…よー輝夜」
「え?」
「お待ちしておりました」
「…え?…え?」
「見てわからんか。お前を待ってたのさ。永林さんと共にな!」
「え?え?ちょっと…」ブワッ
「あ、泣いた」
「ひ、姫!?」
「うっ…グスッ…心配させてくれちゃって…グスッ」
泣きおったか。可愛い奴め。と言いたいが、そっと後ろを向く…口がへの字になってしまっている。泣きそうになっているのを認めたくないが…
「…あーもう。かぐやのせいで俺まで泣いたじゃねえか」
「良いじゃないの別に…」グスッ
「フフ…」
「あ、永林さんだけ泣いてない」
「!?」
「それは不公平ね…」ニヤリ
「ひ、姫…それは少し卑怯かと」
「翁さんから教えてもらった玉ねぎクラッシュ!」
「いぎゃあ!?」
「…ははは…目に染みた」グスッ
「私もよ…」グスッ
「目が!目が〜!」
「…水で洗うか」
「え?目って水で洗えるの?」
「綺麗だったらな」
「…医学的にあり得ません」ゾワッ
「確か月には目薬ってのがあったろ。それと同じようにこうやって目を開いて…せいっ」バシャッ
「…失明してない!?」
「さっぱり。やってみるか?」
「…何か寄生虫の類があるかもしれません。確認して来ます!」
「ちょっ」
「本当!?無理せず休んで良いのよ!」
「おい待て話を聞け」
…結果、目はなんともなく、月の水が汚いだけでしたとさ。めでたしめでたし
ちなみに月の水なんで永林さん気がつかないの事件は…ただただ死なないから水飲めりゃ良いしそもそも飲まなくても良いしってわけです。
主人公?地上の水でも持っていったんでしょ。