東方純愛小話   作:覚め

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ドロップキックよりも下格闘とか、足払いとかが好きです。


犬走椛とセールスに弱い男

 

妖怪の山

 

「…待ってなんでこうなった?」

 

「さあ?…ただ、あなたが下手こいたとかそんなのじゃないですか?」

 

「誰も天狗に捕まって牢屋に入れられる馬鹿なことはしねえだろ」

 

「今してるじゃないですか」

 

「あっほんとだ」

 

…いや、あっほんとだじゃねーよ?畜生!流石に色々とキツいものがあるぞ!…ん?よくよく考えれば俺人里でも嫌われてた方だったな…

 

「人生振り返っても良いことないな…」ズーン

 

「なに勝手に憂鬱な気分になってるんですか?じゃ、取材に答えてください」

 

「この状態で取材ができるお前の神経を疑いたいよ…」

 

「では、一つ目に。なぜ妖怪の山へ?」

 

「なんで?そりゃまあなんでだろうな。人里で嫌われてたからじゃねーの?」

 

「自分のことでしょう」

 

「自分のことでも分からないことがあるんです。健康とか体調とか体温とか」

 

「すいません次行って良いですか?」

 

「君ほんと必要な話しかしないよね」

 

「では。妖怪の山に知り合いはいますか?」

 

「おらんな。なんならここに来るの初めてだ」

 

「そうでしたか。本日は終了です」

 

「…明日もやんのかこれ」

 

「はい」

 

「はい。じゃねーだろうが!?」

 

「うわびっくりしたうっさいな」

 

「なんなのこの天狗!?」

 

本当にこの天狗なんなんですか!?て言うかこいつ見たことある!あれだ!射命丸文ってやつだ!んなことはいいんだよ!別のことだよ!?

 

「…良いや、ねよ」

 

「明日、また来ますので」

 

「はいはい…あれ、お守りどこ行った?」

 

「これですか?」

 

「ああ、それそれ」

 

「これは…人に渡さない方がいいですねぇ。人間の手に渡るとその人の人間関係が粗悪に塗れますよ?」

 

「…そうか。そりゃ、縁切りできてよかった」

 

翌日

 

「…どうです?初日は」

 

「初日に感想を求めるバカがいるのか…風呂が欲しいな」

 

「わかりました」

 

「…わかりましたってお前取材だろ?」

 

「ええ取材ですとも。あとは…同性にモテまくりな人とかは?」

 

「同性かぁ…」

 

はっきり言って友達すらいない。だから恋バナとかもしていない。俺にゃなんもないもんだ。笑う!

 

「います?」

 

「いや、そもそもを知らんな」

 

「そうでしたか。ぼっちでしたもんね」

 

「おうよ」

 

「では次…好きな異性の髪型は」

 

「これ取材なんだよな?」

 

「取材ですよ」

 

「…そうか。ないな。ただ言うならいきなり髪型変えられるとなんだか分からなくなる」

 

「ありがとうございます。ちなみにこの取材、新聞に取り上げるとは一言も言っておりません」

 

「だからなんだよ」

 

「…個人的な取材です」

 

「知るかよ個人的なら早く出せよ」

 

「さぁ?鍵もどこかへやってしまったもので」

 

「嘘だろ」

 

…まずい。このままでは牢屋から出れない→ジ・エンドor牢屋から出られない→ストレスによるジ・エンド

 

「だめだ終わりしか見えねえ」

 

「さて、明日くらいにはトイレができてると思いますので」

 

翌日

 

「本当にできてやがる」

 

「ふふんどんなもんですか」

 

「フフンじゃないでしょうに。で、取材ね」

 

「そうですね…ズバリ!恋バナ定番異性の好きな」

 

「言っておくが好きなタイプはおらんぞ」

 

「…そういえば妙に牢屋生活に慣れてますよね。なんでですか?」

 

「そうか?…ま、生まれてから自我が芽生えてもずっと牢屋にいたからじゃねえの?」

 

「おお…あ、そうそう。お子さんの人数は何人希望ですか?」

 

「…なに言ってんだお前?」

 

「だから、お子さんは何人が希望ですかって」

 

「だから、そんなのに答える意味は」

 

バリィンッ!と突然響く。あれ、俺地雷踏んだかな?と思い射命丸の方を見ると明らかに怪力で壊しただろうガラス製の何かが落ちていた。

 

「…もう一度聞きます。お子さん、何人くらい欲しいですか?」

 

「ゼロだな」

 

これに即答できた俺を褒め称えたい。

 

「そうでしたか。二人での同棲生活をしたいんですね?」

 

「んー?ま、そうなるな」

 

「鳴らそうといえば良かったのにぃ♪」ガチャッ

 

「は?」

 

「ちゃんとお口で言わないと私でも分からないんですよ?」ガシッ

 

「おわわ!?」ドサッ

 

「…良いですよね。色々と私も我慢してきたんですから」

 

「待て待て、なにを隠してきたんだ。なにを我慢してた?と、とりあえず逃げ道を」

 

「無駄です。今外に出れば白狼天狗による一斉射撃が降り注ぎますよ?」

 

「え」

 

「今ここにいるのが最善の策ってヤツですよ。良いですよね?それで」

 

「え、ええ…?」

 

そりゃ生きたいけども…人生振り返るほどの道すらないんだからもう消えたって良いっしょ…?

 

「それに…」

 

「それに?」

 

「出て行ったら私が許しませんのでね」ボキッ

 

「ふぉあっつあっあっ!?」

 

「…変な鳴き声ですね」

 

「平気な顔して骨折る奴には言われたくない」

 

「お互い様です。じゃあ外に出たかったらここにサインを」

 

「…これって婚姻届じゃ」

 

「ここにサインを。あとここにも」

 

「…婚姻届と…白紙?」

 

「そっちにも名前を書いてもらえれば、外に出しますよ。門限5時と言う制限付きですが」

 

「は、はあ…」

 

「ささ、こちらにペンはありますので」

 

「…はい…」

 

俺は外の世界の住民からしたらどんなふうに見えるだろうか。押し倒しセールス女に強制的に買わされる男?多分そうだな。

 

「…ほら、書いたからこれで外に」

 

「あ、ちなみに門限5時というのは朝の5時ですからね?」

 

「…あぁ…」

 

泣きたい。できることなら永遠に。

 

「私と一緒にいられるのがそんなに嬉しかったんですか?私もですよ」ナデナデ

 

「なんで…」

 

「なんでって…あなた最初に言ったじゃないですか。自分のことでも自分のことはわからない時があるって」

 

「ちょっと待てそれ言ってない」

 

「それに、妖怪が人を好きになって何か悪いところでも?」

 

「種族の差が」

 

「まあ関係ないですけどね!」

 

 

 

 

 

 

 




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