今日の世界は、何色?   作:Cross Alcanna

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どうも、Cross Alcannaです。

今回で一旦バンド邂逅編は一区切りです。次回からは本編(?)とアンケートを中心に進める予定です。RASとモニカは一旦保留に。もし要望がありましたら、お教え下さい。一応、近いうちにそのアンケートを貼る予定です。

そして、☆9評価:レミレイさん、お気に入り登録:霧徒さん、ミラアルマさん、レミレイさん、黒の迷い猫 サクヤさん、Hira@コスさん、materaさん、ありがとうございます。

では、物語へご案内しましょう。



8.眩しい夕焼け、見る事能わず(1)

[CiRCLE 2番スタジオ]

 

 

「あこ、さっきの演奏でここを間違えていたわ。今日のうちにもう1回間違えたら、次までに復習しておきなさい」

 

 

「はぁーい」

 

 

あくる日。Roseliaの練習に、(何故か)私はいた。少し前に練習をまた見るとの約束をしてから、私は(身体の調子が優れている時に限るけれど)練習に同行している。私がアドバイスした事も考えているのか、少し練習の時の皆の雰囲気が違う気がする。

 

 

「リサ、少し喉が乾いたから、外の自動販売機に連れて行ってくれるかしら?」

 

 

「オッケ〜☆」

 

 

先程の練習の確認をしている皆程喉を酷使している訳では無いのだが、季節が季節、もう時期夏も近付いている為に、喉がまぁ乾く乾く。ソレに耐え切れず、私はリサに頼み、外の自動販売機に連れて行ってもらう事にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…にしても、暑いわね。風もない分、余計に暑く感じるわ……」

 

 

「ね〜、風があればまだマシなんだけどね〜。…あ、お姉ちゃんは何にする?」

 

 

その問いに対して、スポドリはあるかしらと返す。どうやらあったようで、ガコンと自動販売機が無機質な声を上げ、飲み物を出した。私はそれを受け取り、喉の奥に流し込む。…うん、夏にスポドリは良いわね、染み渡る感じがする。

 

因みに、汗をかく時期は、水でなく塩分を含んだスポドリがオススメ。汗は水分と塩分を外に出す為、塩分を摂取しないと、熱中症だったり、倒れたりする事もある。最近はよくテレビ等で特集を組まれていたりするから、知らない人も少ないだろうけれど。

 

 

「外暑っついなぁ……お姉ちゃん、戻ろう?」

 

 

「そうね、私もこの暑さは耐えられる自信がないのよね」

 

 

そんな小言を交わしつつ、さて皆の所へ戻ろうかと思った矢先、出入口の方から声が聞こえてきた。

 

 

「暑っつ〜い、モカちゃん、溶けちゃうよ〜」

 

 

「溶けないでしょ、アイスじゃ無いんだし……まぁ、暑いのは確かだけど」

 

 

声質から判断するに、高校生かしら。……何だかここだけ切り取るととんでもない変質者にも捉えられかねないわね。私としては、全くもってそんな事は思ってないのだけれど。あの子達、もしかしてバンドマン?だとしたら、リサも知っている可能性がありそうね。

 

 

「リサ、出入口の子達って、知ってる子かしら?」

 

 

「うん、Afterglowの2人だね。……にしても、また頭の中で推理してたの?」

 

 

アタシには無理だなぁ〜、等とリサは続けて言う。大した難しい事など、しているつもりは無いのだけれど。

 

そんな事を思っていると、リサが「せっかくだし、声掛けてみよっかな〜」と言ったので、私も話がしてみたいと伝える。すると、リサは彼女達がいる所まで車椅子を押した。

 

 

「やっほ〜☆蘭達も今日練習だったんだね〜」

 

 

「あっ、リサさん。こんにちは」

 

 

「こんにちは〜」

 

 

リサの挨拶に返ってきた返事の声は2つ、キリッとした声と気だるそうにした声。

 

それにしても、Afterglowね……Roseliaや、先日のハロハピと同じく有名なガールズバンドの1つ。ロック系をメインに据えていて、心に訴えてくるボーカルの声が特徴の1つ。そして、最大の特徴と言われているのは、()()()()()らしく、私もこれ以上は分からずじまいである。

 

……Afterglowは、日本語に訳すと『夕焼け』という意味だけれど、どんな経緯で命名したのかしら……少しだけ気になるわね。

 

 

「…?リサさん、そっちの人は……?」

 

 

「…もしかして、バイトの時に話してたお姉さんですか~?」

 

 

「わわっ!当人がいる前でバラさないでよ~モカ~!」

 

 

図星をつかれたらしいリサは、赤面しながらモカという子の方に行く……事は無く、きちんと私の車椅子を持っている。恥ずかしいのに、それでも私の事を考えてくれるのは、少し嬉しいわね。

 

…それはそれとして、リサったら、私の事を話して回ってるのかしら。この口ぶりだと、同級生や後輩、バンドの知り合いとかには話しているのかしら。確かめる手段が現実的でない以上、確かめようがないのだけれど。……今度家で弄ってみようかしら、ふふ。

 

 

「…ホントにいたんですね、リサさんにお姉さんが」

 

 

「だよね~。リサさん、世話焼きな人だから、いても弟か妹かなと思ってたんだよね~」

 

 

確かに。家にいる時のリサを見ていないとして、外で関わっていたらと考えると……そうね、案外容易に想像できるわね。バンド練習の時も確か、皆の世話を焼いていた気がするし。ただ、私の前ではあまりそういった印象は見受けられない。ポンコツ…とまではいかないのだけれど、たまにポカしでかすくらいかしら?やはりまだ高校生、成熟しきっていない以上、それはどうしようもない事。姉としては、それくらいの方が可愛いものである。

 

 

「今井 月代よ。リサの姉で、まぁ……後は見ての通り。リサ共々、これから宜しくお願いするわ」

 

 

「…美竹(みたけ) (らん)です。リサさんには時々お世話になってます」

 

 

青葉(あおば) モカで~す」

 

 

蘭ちゃんにモカちゃん……っと。よし、これで覚えた…はず。…それにしても、モカって名前、中々のキラキラネームよね。皆、その辺りはどう思ってるのかしら。そっちに埋もれているかもしれないけれど、美竹家って、確か華道…だったかしら、の名門だったような。家族と一悶着あったりして。家柄云々は、大体時代を経ても代わり映えしない事が多いとか何とか聞く。それに和の道ときたら、バンドなんて将来が不安定としか思えない道に行かれるのは、家族としては止めたい気持ちにもなるだろう。

 

…憶測である以上、これ以上の推察も、さほど意味をなさない気もするので、これ以上は考えないでおこうかしら。家の事情は、大体タブーな事が多々ある。余計な詮索は、野暮ね。

 

 

「Afterglowでしょう?最近時々テレビの特集とかで曲が流れたり、紹介されているものね」

 

 

最近では、ガールズバンドを取り上げたり、ゲスト出演させたりする番組もある。視聴率稼ぎという線も拭いきれない以上、確証得たり、とまではいかないものの、それだけガールズバンドが世間に浸透している証拠ともとれる。その辺りで言えば、この前出くわしたパスパレが台頭しているだろう。アイドル活動にも着手している以上、他の番組よりその点で優位に立っているのは、納得出来る上、強みでもあったりする。

 

アフロ……略称はこれで良いのかしら。の強みとして挙げられそうなのは、未成年(特に少年や思春期の子ども達)に刺さる事だろうか。選曲や歌声、歌い方にバンドの在り方。それが感情豊かな子どもにはかなり心に響くものがありそうだ。道ですれ違う高校生らしき子達がアフロの動画を見聞きしている時が、結構あったりするのが、それを根拠づける。

 

 

「おぉ~、モカちゃん達有名人だ~」

 

 

「モカ、調子に乗らない」

 

 

そう言う2人に対し、どこか漫才師のソレを思い出す。…М-1でも取りに行く気でないのが、また少し面白く思える。男子がこんなやり取りをしている事はよく聞くけれど、今ではそんな事も無いのかと、柄にもなく年の功を痛感してしまう。……言う程、年は取ってないはずなのに。

 

 

「…リサ、彼女達の練習が見てみたいのだけれど、大丈夫かしら?」

 

 

「…って事なんだけど……良いかな?2人共」

 

 

興味が私を支配してしまい、ついそんな無茶を言い放ってしまう。言葉にしてから少々反省するも、もう事は戻る事は無いので、そのまま突き進む事にする。リサも、(声色から察するに)呆れながら2人に聞いてくれた。少し無言の時間が続いたものの、2人から了承を得る事に成功した。私らしくもなく、心の中で少しガッツポーズ。よし。

 

 

「じゃあアタシが連れて行くよ、お姉ちゃん。終わったらアタシが行くから、それまでだからね?」

 

 

「えぇ、分かったわ。2人共、無茶を言ってゴメンなさいね?」

 

 

「…いいえ、お構いなく。意見をもらえる良い機会ですし」

 

 

蘭ちゃんが、謝り倒そうかとしていた私にそう言う。出来た高校生だ事。最近のこの年の子は大抵このような感じなのかしら。ネットやニュースでは変な事をして話題になる高校生が多い印象が先行しているけれど、意外とそうでもないのかもしれないわね。さて、彼女達の演奏は如何程か、楽しみね。そんな事を思っているうちに、私の車椅子はリサによってアフロのスタジオまで押されていった。

 




という事で、8話が終わりました。

「少し文字数が少なくね?」「サボってるんかこやつ」等と思われるのもアレなので、一応言い分を言いますと、意外や意外、文字数が一話辺りに割り当てる予定の文字数が、私が想定していたよりも多くなりそうでしたので、前後編の形を取る事にした次第です。行き当たりばったりで、申し訳ない限りです。書きながら考えているものでして…。

話は変わりますが、アンケートを終了していなかった事を、後書きを書いている時点で思い出しましたので、投稿後に締め切ります。

次回『9.眩しい夕焼け、見る事能わず(2)』
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