5週目ヒロインは今度こそ添い遂げたい 作:四週目のヤンデレちゃん
「これ、私のメアド。あとラインの交換」
「あ、はい」
「日曜は映画を観に行くので予定は開けておいてください。昼食は私が弁当を作るので先輩は飲み物をお願いします」
「えっ」
「何ですか?」
絶対に何か裏があるとは思いつつ、女の子の手料理を戴けるかもしれないという喜びに、つい気の抜けた声を漏らしてしまうのは男の
「何でもない。何でもないぞ」
「……じゃあ今日はこれでお疲れ様です。日曜にまた会いましょう」
▼△▼△▼
「……ついに、俺が彼女持ちか」
翌朝。いつもより早く目が覚めた俺は朝食と弁当を用意しつつ、ゲリラ豪雨のような昨日の一時を振り替える。
桃月のん。学園一のビッチとして知られる、よくない噂を持つ少女。放課後彼女に呼び出された俺は彼氏になれと詰め寄られて、別に弱味を握られた訳でもないのに勢いのままそれをOKしてしまった。
「はぁ、美人局だったら嫌だな~」
一晩考えてみたが、あんな男なんて選び放題だろう美少女に告白される覚えはない。一目惚れというなら満更でもないが、あの嫌悪感全快の顔ではそれもありえなそうだった。
「おっはー!
起きてるキミノリ、ご飯食べさせて!」
所で話は変わるが、俺の生まれは田舎も田舎。
コンビニまで徒歩で三十分かかり、小中は統一されて全校生徒が五人。運動会は老人会と共同開催であり、極めつけに信号がないという『ど田舎』であった。
俺は東京が意外と汚いことを知っていたので、若くして将来は都会に進出してやる!などというの野心は欠片もなかったが、一番近い高校でも電車を乗り継いで三時間かかることから、高校合格を期に一人暮らしを始めるのはある意味必然だった。
だから、現在。知り合いの不動産から格安で借りたアパートの一室に俺は住まわせて貰っている。
1DK。風呂とトイレが別々で洗濯機は外置き。
築年数も古いボロアパートなので壁は薄いらしいけど、今このアパートは俺ともう一人しか入居していない。その一人は二部屋進んで一つ上の階に住んでいるので流石に笑い声が聞こえるということはなかった。
高校生が住むにしては中々上等というのが俺の総評である。
「ねぇ!起きてるんでしょ!私これから朝練なの!食べさせて、食べさせて、食ーべーさーせーて!」
それでも唯一、唯一我慢ならんのが、現在進行形で我が屋の扉を荒々しく叩くご近所さん存在。
「じゃかましい!今、何時だと思ってんだ!」
「ほら、やっぱり起きてた!」
勢いよく扉を開ければ、都会被れに茶髪に染めた
「美味い!美味い!美味い!」
「分かったから、そんなに大声出すなよ。まだ六時半だぞ」
相変わらず色気もくそもない食べ方をするこの女――カスミとの付き合いは腐れ縁みたいなもので、物心ついた頃から一緒に遊んでいた。初めてあったのはたぶん赤ん坊の頃。
両親同士の仲が良かったから、よく長期休暇などを利用して旅行に行ったり、十日間ぐらい泊まりにいったりと俺にとっては兄妹みたいなものだ。
進学先はお互いに教えていない筈なんだが、俺もカスミも特に将来に夢はなく、実家から一番近い場所を選んだら一緒になって、どうせなら知り合いが近くにいた方がいいだろうと両親達の勧めで同じアパートに住むことになった。
「御馳走様!これで元気百倍、練習頑張るぞー!」
そう言うとカスミは学校へと走っていく。
いい加減、食器ぐらい運んでほしいものだと呆れながら俺はテレビをつけた。
バスケ部のカスミは朝練だから早めに出ていったが、うちの学校は八時半までに登校していればいい。
『七時になりました』
特別な用事はないし、暫くダラケようとあがらをかいた。
『昨日、アメリカから帰国なされた楠亀財閥の令嬢、聖奈子様は日本の学園への手続きを―――』
『中国で野良猫が空を舞いました』
『人気歌手 雪見菜水さんが無期限の活動停止を発表し――』
『今年の芥川賞は石隈敦史先生の『彼岸桜吹雪』に――』
そしてそろそろ学校へ行くかと、テレビを消し鞄を持ち上げて扉をあける。
「おはようございます、木崎先輩」
すると、そこには桃月のんが佇んでいた。
いつも元気百倍。
髪は茶髪(染めている)
バスケが大好き。
好きなものは木崎の手料理。
胸がデカい。
初心者に優しい攻略キャラ。好感度の上昇率が高いのでクリアしやすい。