Re:ゼロから苦しむ異世界生活 作:リゼロ良し
この書き方は初めてかもデス(-ω-;)ウーン??
―――終わったと思っていた。
王選と言う関係・立場を省いたとするならば、此度
繰り返す旅の中で、確かな希望の未来にたどり着いた筈だった。
決して順応する事も無い、身体に慣れが生まれる事も無い悲劇を魂に刻みながら、繰り返す時の旅路。
悲劇の数だけ流した涙。それを何度も拭い、夢見る事をあきらめずに、塞がれたと思われた命の道を……必ず紡ぐ旅路。
決して楽ではないこの険しい道を、他の誰でもない。自分でこの道を征くと決めたのだから、歩みを途中で止めたりはしない。
だが―――それでも、終わったと思っていた。
それでも、安息・安寧を許さないかの様に、
世界は再び流転する。
――――サ。
懐かしい声が聞こえてくる。
心地良くて、温かくて、安心する声。
――――ツカ……
初めて愛を教えてくれた人の声だと認識するのに時間は掛からなかった。
暗闇の中で、必死に手を伸ばす。
伸ばしたその手は闇の中にある微かな光の向こう側に。愛しい人が待つ場所に――――。
「ツカサ?」
「ッ―――――!」
闇から光へ。
そして、世界が色を帯びた。
眼前に広がる鮮やかで、艶やかな存在を彩った。
「にゃ、にゃはは……、ツカサきゅん? そんなショックだったの? ゴメン、ゴメンってばにゃ~。その、初々しくてついチャチャを……」
広がった世界で、真っ先に認識できたのは
「何も恥る必要は無いわ。ツカサの相手がこのラムだもの」
「あ、あははは……ラムちゃん、怖~~い……、にゃ、にゃ、ツカサきゅんだけじゃにゃくってぇ~、ラムちゃんもゴメンネ?」
「―――別に、怒ってなどいませんが」
「お、お、怒ってるにゃーーーー! 絶対怒ってるにゃーーー!! クルシュ様の本気お仕置き並の威圧、とんでもにゃいにゃーーー!」
ラムとフェリスの絡みもどこか遠くに感じる。
あの時は確かにこうだった。この時はこうしていた。人は本来過去には戻れない。時間遡行と言うモノは、この魔法が使える世界においても、因果律を覆す程の行使であり、仮に成功した所で、世界の核であるオド・ラグナにより、神罰? が下るとされている。
自分が何故こんな力を持つのか、厳密にいえばわからない。
でも、この気持ちを味わう度に、嬉しく喜ばしく、心の底から良かったと思える。
そして、このやり取りが、心地良くて、優しくて、愛しくて……。
ツカサはラムに抱き着いた。
「!」
「にゃっ!?」
強く、強く抱きしめる。
その行動に、行為に、驚きを隠せれないのはフェリスは勿論、ラムも同様だった。
丁度、ラムとツカサは口づけを交わしていた。白鯨を討伐し、勇者たちを称えるかの様に、この朝日が照り付けている太陽の光の元で、密に交わしていた蜜月。
それをフェリスに
フェリスも、ツカサの初心さは察しているので、面白半分怖いもの知らず半分で、茶々を入れた(偶然を装って)。
どっちも予想通りだった――――が、ラムが想像以上だったので、戦慄を禁じ得ないが、大体は予想通り、想像通りだった筈なのだが、ここで取ったツカサの行動には疑問が残る。
「あ、あ~~、フェリちゃん、お邪魔みたいだネ?」
流石のフェリスも、こうも堂々と愛を交わす男女に、二度も茶々を入れるなんて無粋な真似はしない。
そそくさと背を向けて、場を離れていく。
「ラム――――ごめん」
「!」
そして、ラムを強く強く抱きしめたツカサ。
彼女のその耳元でそっと謝罪の言葉を口にした。
驚きはしたが、それでも漸く男になった、男が上がったツカサなのだから、耳元では愛の言葉を囁いて貰えるとばかり思っていたラムだったが、ここで漸く……事情を察する。
その声は、あまりにも悲痛に満ちたモノだったから。
「ツカサ。……
ほんの一言で良い。
ツカサの事ならラムには解る。
隠すような事はツカサはしないが、もしも仮に、戻ったことを意図的にツカサはラムに隠していたとしても解る。
それが例え、ラムを想っての事だったとしても、ラムには解る。そして要求する。約束させる。
1人で抱え込ませない。
ラムも共にあるのだから、と。
そして、紛れもない只事ではない事態が起きた事も意識する。
白鯨討伐成功後だというのに。
それは、この戻った時間軸ではまだ存在していない未来での出来事。
魔女教大罪司教【怠惰】を討伐した直ぐ後の事。
そう、ペテルギウスを白の魔法で、その身体を、影を、一切の存在すら残さず消滅させた。
テンペストで周囲をガードしていた事と、その上昇気流に乗る形で、カタストロフィは空へと消え去り、余計な破壊はしていない。
白鯨の時は、内部からの魔法だったからその時点で気にならなかったが、今回ばかりは相応に気を遣うというモノである。
「!」
空を見上げていた時だ。……1冊の本が落ちてきたのは。
「アレでも消滅しなかったのか、或いは吹き飛ばされてたまたま難を逃れたのか……」
落ちてきたのは見覚えのある書。
そう、あのペテルギウスが後生大事にその身に持っていた1冊の書だ。
【福音書】と本人は言っていた。
テンペストにもカタストロフィにも影響されず、残っている所に、福音と称したとしても、多少気味の悪さを覚える。元々の持ち主の事を鑑みれば、気味が悪いのはある意味当然の事だが。
「あいつが持ってたヤツか」
「ん。そうみたいだね。何書いてるのか、全く読めない―――……、それなりに勉強はしてきたつもりなんだけど」
「お! ならここはオレの出番か? 置いてけぼり食らった時とか、エミリアたんとのデートプラン練った時とか、結構べんきょー重ねたし!」
ツカサが広げて読めない、と言ったのを見てスバルが手を上げた。
自分も読んでみると。
特に問題ないか、とツカサはスバルにそれを渡す。
ぱらぱら、ぱらぱら、ぱらら~~。
数ページめくった所で、どうやら結果はツカサと同じようだ。最後の方は読む気ないのが解る程の流し読みスタイルになっていたから。
「読めねー、イでもハでも、ロ、でも見た事ねー。カタカナひらがな漢字数字英語アラビア語、ヒンディー語……とまぁ、習得したわけでもない言語を言ってみたが、それでも全く……。ユリウスはどうだ? 読めるか?」
「――――君たちはそれが何なのか理解した上で、目を通しているのかい?」
普通に読もうとしている2人に一瞬呆気に取られていたのはユリウスだ。
彼にしては珍しい事。だが、それは裏を返せば、それだけ気を張り詰めなくても良くなった、と力がユリウスも抜けたんだ、と言う事にもなるだろう。
「へ?」
「いや、福音書、って言ってた事くらいしか、知らない、かな? 少し魔女教について調べた事はあるけど、教団全員が持ってるくらいしか」
「ああ、スバルは知らず、ツカサは正しい認識を持っていた様だね。ただ、少し調べが浅かったと言っておこうか」
これまた不遜な扱いを受けた気もしないでもないスバルだったが、福音書については知っておいても良いだろう、と敢えて口出しはしなかった。
「福音書、魔女教徒であればだれもが手にする教徒の証であり、教典だと言って良い代物だ。真偽は定かではないが、魔女教に入信、その見込みのある者に送られ、その書に【魅入られた】が最後、敬虔な魔女教徒となる」
「え゛――――――」
「ただの本……とは思ってなかったけど、魔導書? の中でも性質が悪い分類に入りそうだ……」
噂の真偽は定かではないという通り、噂だけが独り歩きしている可能性も捨てきれないが、如何せん、魔女教のイカレ具合はこの場の誰もが知っている事だ。
ペテルギウスを筆頭に、その部下、指先、その他大勢、見ているから。
ケティは例外として、まともに意思疎通が取れたのがペテルギウスだけと言うのが何とも言えない感覚になってくるが……。
「ひょっとして、実は元々普通の人間で―――それがあの福音を読んだせいで、洗脳的な事されてああなった……とか?」
「それなら、オレ達もそうなってた可能性が高いから、違うと思うよ。……元来、生まれた時既に悪、って言うのも少なからずいると思う。その括りが魔女教―――」
「……だよな? そう、だよな? ……ペテルギウスは例外、司教様だけは例外で、後は巻き込まれた、とかじゃないよな……?」
何を気にしているのか、はっきりと解る。
気持ちは分からなくもないが、真偽が把握できない以上、考えない方がまだ良いものだ。
「いろんな意味で巻き込まれる体質だから。スバル自身に対して福音が届かない様にしてよ? あんな風になったら流石に最終手段に打って出るから」
「さ、最終って!? やだよ、それ! 氷漬けとか勘弁だよ! 絶対気を付けるよ! ……でも、オレが気を付けてどうにかなる問題か?」
何とも言い難いスバルの表情をしり目に、ツカサはその書をどうするかを思案。
ユリウスは危険物の様なもの、と称している様だが、だからと言って灰に帰すにはまだまだ早計だと思う。
「回収はしておいた方が良いって判断するけど……」
「本気かい?」
「うん。多分だけど、【名指し】でその書に選ばれない限りは、魅入られる事は無いって思うから。……文字はある程度しか習ってないから、絶対とは言えないけど、
ツカサの答えに、まだ顔を顰めているユリウス。
友として、色々心配してくれている顔だというのは解るので、とても好ましい。
「―――ん、オレも兄弟に賛成。なんせ、敵の幹部、大罪司教の持ち物だろ? 安全対策バッチリな後に、色々解読出来たら、実態に迫れるかもしれねぇ。何百年も謎って噂の連中だ。リスクと引き換えだったとしても、備えは必要だろ」
「そうそう。もう、スバルも今更何があっても驚く事なんて早々ないでしょ?」
「いやいやいや、まっさかあの白鯨をぶっ飛ばした魔法を至近距離で受けるたぁ、思ってなかったから超驚きはあるよ! つーかあんと気は殺す気だったのか!? 兄弟!」
「え? それは事前に大丈夫って言ったじゃん? それに、スバルがヤられたら一番困るの誰か、って分かってるでしょ?」
「そりゃ、言われたし、知ってもいるが! あの神なる鉄槌打つ! なんて話事前にしてなかったろーが!」
もう福音書の話はどこへやら……、スバルはツカサの【驚く事はもうない】発言を聞いて、ほんの少し前のトンデモ映像を思い返していた。
如何にテンペストで守られ、テンペストの軌道で消えていったカタストロフィだったとしてもだ。
トラウマレベル更新! ――――かもしれないのだ。
直近であの白の世界を体感してしまったのだから仕方ない。今回ばかりは、軽く笑っていたユリウスも、スバルに同情している。
黒と白。
今までのイメージで言えば、ぱっと思いつくのは 黒=闇、白=光、闇=悪、光=聖。
そう連想していた。してきていた。
昨今で、ツカサの黒いテンペストを何度も見てきている事もあり、黒のイメージも元々かっけぇ! と思い直して来ていたというものあって、一概にはそう言えないかもしれないが、それでも大体のイメージは前者だ。
だが、光と言うモノに心底恐れおののいたのは、初めての事かもしれない。
光と闇は常に隣り合わせ。
光が差せば、そこには影が生まれ―――闇となる。
だが、強すぎる光は、影をも取り込み、全てを取り込み、軈て無となる。
ペテルギウスとはまた違う狂気をそこに感じる。……そんな色だった。
「―――ツカサ。
「そうだね。でも、あの時、ユリウスと模擬戦をしたときに言ったのはは風の魔法だから、厳密には別のモノなんだけど」
ツカサは掌に極小の竜巻を生み、そして掌握して潰して消した。
ユリウスとの立ち合いの時に、確かに本職は魔法だと告げたし、あの場で大規模な魔法を使おうものなら、周囲への被害がとんでもない事になりそうだったから、使用できなかった。
無論、それは近衛騎士たちの力量を軽んじているからの考えではなく―――――如何に身体を酷使し、鍛え上げた所で、物……建物とかはそうはいかない。
王国の、それも城を一部であっても壊してしまえばどれ程の損害となってしまうのか……、想像が全く出来ないから。
「私は、別の機会を得る事が出来た―――と言う事だ。改めて、君の力に敬意と感謝を。―――白鯨を、そして魔女教の一角を、王国の仇敵を沈めてくれた事に」
「そんな、止めてって。これは皆で掴んだ勝利なんだから。今のも、ユリウスの虹も、力を貸してくれた。だから、あの狂人の命脈を完全に断つ事が出来た。……スバルだってそう。スバルがいなきゃ、アイツを油断させたり、おびき寄せたり出来なかった。一人じゃ無理だ。絶対に、無理だった。そんな戦いだった」
白鯨にしろ、怠惰にしろ、単体で齎す凶悪性、その効果範囲がとんでもない。
如何に巨大な力を要していたとしても、一人で出来る事には限界がある。
それに肌で感じた王国最強の男ラインハルトがいる事も、ツカサの考えに説得力を持たせていた。
悪を許さず、打ち滅ぼす 剣聖の力。
実際に力を見たのは一度だけで、軽く話をしただけだが、それでもその強大さは直ぐに解った。この世界の頂なのだという事も。
でも―――そんな男を持ってしてでも、世界には厄災がまだまだ蔓延っている。
白鯨しかり、魔女教もそうだ。白鯨と同格の三大魔獣が他にも2体いると言う。
だからこそ、より強く思う。
1人じゃ無理だ。1人じゃ絶対に。
「よせよ、照れるじゃねーか~」
「ここで謙遜を少しでもしない所が実に君らしくて良いね」
「よーし! それも褒めてねぇな!? つーか、ユリウスに【君らしい】だけじゃなく、【らしくて良いね】まで言われたのが死ぬほど意外だよ」
「そうかい? ……まぁ、私も君と言う男を受け入れ、認め、信頼してきたからこそだろう。だから、今はこう言えるよ。【我が友、ナツキ・スバル】と」
「うっは~~~~!!! めっちゃくちゃ、こそばゆいからそれヤメレ!! こういうエンドロールにそれ言うのヤメレ!!」
「―――――はぁ、ここで倒れちゃいたいくらい力が抜けちゃったんだけど、流石にねぇ?」
ペテルギウスは、白の魔法だけではなく、ペテルギウスを討つ間際に、一太刀浴びせた虹の極光も加わっていた。
言うならば、クラウゼリア・カタストロフィ!! と、スバルが色々格好いい名前模索に大声で命名しようとしていたが、ツカサとユリウスは辞退したのである。
そんな時、だった。事態が一変したのは。
【ツカサさん!! ナツキさん!! 聞こえますか!? 応答してください!!】
スバルの懐にある対話鏡から大きく、そして焦りがあり、聞き覚えもある声が響く。
この場の誰もが嫌な予感がしたのは言うまでもない。
【直ぐに村へ戻ってきてください! 火急の知らせです!】
ラムちー分補充♪
ヾ(o´∀`o)ノワァーィ♪ヾ(o´∀`o)ノワァーィ♪
プゲラッ‼️(゜o゜(☆○=(-_- )゙オラァ‼️