Re:ゼロから苦しむ異世界生活   作:リゼロ良し

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ちょ~~……たいへん……

ちょっち短いっす……m(__)m


ゼロと魔女と

 

 

 

「おおーー、ゼロはすごいんだなー! いったいいくつなんだ!?」

「いくつ? ああ、齢って言う意味かな? う~~ん……こっちの時間軸で言えば、1000000000………、いやいや、時間って概念自体曖昧なものだし、わかんないかなぁ。取り合えず沢山、って事だけかな?」

「おおおおお!! すごいなーー! すごいなーーー!!」

 

 

きゃっきゃっきゃ、と楽しんでる2人を見て、あからさまに嫉妬の念に駆られるのはエキドナだ。

強欲である彼女は何でも欲しがる性を持ち合わせている。故に、知識の宝庫、根源の記憶、異世界の神……どんな言葉で表してもまだ足りないゼロを何処までも欲している。

ゼロと共にあれば、紛れもなく強欲は満たされると言って良い。欲すれば欲しただけ、満たされるのだから、終わりがない。底なしの強欲を自負していたが、ゼロを前にすれば形無しだろう。

 

そして、今。

 

 

「むぅ~~~……」

 

 

頬を思いっきり膨らませて、顔を赤くさせて剝れている。

嫉妬――――大罪の名を関する物の中では特に不快、不快感しかない代物なのだが、この時ばかりは、彼女(・・)の気持ちもどこか解る気がした。

 

 

「おー、ゼロがすごいのはわかったーー!」

「ふっふっふっふ~~。そういうテュフォンも中々どうして」

 

 

ゼロが何気なく、傲慢の魔女テュフォンの頭を撫でる姿を見るのも、辛くなってくる。と言うより狡い。幼い魔女のテュフォンにここまで嫉妬を向けてしまうとは、自制が必要だ、罰が必要だ、大罪だ、と頭では思っていても、無理なものは無理だった。

 

 

「ゼロゼロってばぁ、ダフネの相手もしてくださいよぉ~。ゼロゼロくらいなんですよ~? ダフネと目を合わせてお話出来るのって~」

「んん? あー、ダフネのは綺麗な目だ。綺麗すぎるから、俺以外には見せない様にしろよ?」

「見せれませんってばぁ。ゼロゼロだけが特別なんですってばぁ。見たら最後――――ムフフ~~、な状態になっちゃうんですってばぁ」

「ほーん。ムフフ~ねぇ? ………んじゃ、今後多分ここに来るだろう、()を実験にしてみるのも悪くないかも??」

「わぇぇ~~、ゼロゼロってば、性格悪くなっちゃってませんかぁ?? と~~っても素敵な方だなぁ、ってダフネ思ってたのにぃ」

 

「む、むむむむぅぅぅ……」

 

 

狡い、狡い狡い狡い狡い狡い!

いつの間にか、やってきてたもう一人の暴食の魔女ダフネと凄く楽しそうに話しをしているのが狡い。

至近距離で、まさにゼロ距離で目を合わせてるその所作。見ているだけで悶えそうになる。自らをそこに当てはめて考えると狂おしい程に思ってしまう。

 

 

 

「なによなによなによっ! そーやってあたしの事除け者にして、すっごく楽しんでっ! 狡い、狡い狡い狡い狡い狡いっっ!!」

 

 

地団太踏んでる憤怒の魔女ミネルヴァだけが、ひょっとしたら自分の心情をくみ取り、体現してくれているのかもしれない。

いつの間にか直ぐ後ろに居て、地団太踏んで大地を破壊して治してを繰り返している。軽い地震が起きてるので、ミネルヴァが来ているのは直ぐに解るだろう。

 

 

「いつ、除け者にしたんだよ? ほらほら、おいでおいで」

「もう! バカっ! 人を子供扱いしないで!! バカっっ!」

 

 

口ではバカバカ言ってる癖に、物凄く嬉しそうに駆け寄ってる姿はまさに子供のソレではないだろうか?

わき目もふらず短いスカートをはためかせながら、その胸に飛び込んでいく様は、絵になると言えばそうだが。

 

 

「ぶすっ………」

 

 

ヤッパリ納得がいかない。

ここは強欲が魔女、自分の城な筈なのに、なんでこうも逢引を邪魔されてしまうのだろうか?

 

その疑問は簡単に説明がつく。

本当に簡単で解ってはいるんだけれど、納得できてないだけだ。

 

 

ゼロは―――――。

 

 

 

「はぁ。その辺にしておくさね。ふぅ。そろそろエキドナが泣いてしまうじゃないか。はぁ」

 

 

 

この怠惰の魔女セクメトでさえ立ち上がらせるだけのモノを持ってる。

この世界のありとあらゆるモノ(・・)を、持っている。満たされるナニカを持っている。

 

ありきたりに表現するとすれば、まさに全知全能とでも言うべきだろうか。神がいるとしたら、きっと彼の様な存在を言うのかもしれない。

ただ、あまりにも人界に振れ過ぎたせいか、もうヒトのソレにしか見えない。

底知れないナニカを内包し、外側は好青年。

 

魔女たちが瞬く間に乙女へと戻ってしまう程の。

 

 

「泣かせる? それは駄目だな」

「ッ!!?」

 

 

それに一言、一句、言葉を交わし合っているうちに、その中身がまるで入れ替わっていくかの様だ。

 

 

「どうした? エキドナ。まだ聞かせたりないなら、もう少しあの世界(・・・・)の深淵を覗かせてあげても良いぞ」

 

 

耳元で囁く甘い誘惑。

その甘美さは、この世の物とは思えない。

……まぁ、今の自分は死後であり、この世ではないと言えばそうなのだが。

 

 

「はぁ、ボクだって乙女なんだ。ゼロ君と一緒に2人で楽しんでいたのに、あれよあれよと言ううちに、他の子達がやってきたら、そりゃ気分の1つや2つ、悪くなったりするさ」

「なんだ。それだけか」

「そうさ。実に新しい経験だ。素晴らしいかな、と思っていたんだけど、少々刺激が強過ぎるんだよゼロ君。君には乙女を学んでもらわないといけないな。そうだそうだ。沢山の世界を教えてくれたお礼に、ボクがそれを教えてあげようじゃないか」

 

 

両手を広げて、胸襟を開いて話をしよう、と輝かんばかりの表情、煌々とした顔を見せるが……、呆れ果てる様にセクメトはバタリ、と倒れた。

 

いや、立ってるのが疲れただけなのかもしれない。

 

 

「はぁ。一体何処の誰が、ふぅ。乙女を教えれるって? はぁ。この世の誰よりも、そぐわない、とは私達を言うんじゃないかい? ふぅ」

「そうよそうよ!! 乙女を教えれるのは私しかいないわ! 全てを癒し尽すこの拳に賭けて!! 教えてあげるわ!!」

「はぁ。拳振るってる時点で、乙女とは程遠いと思うけどねぇ。ふぅ」

 

 

どさり、と倒れているセクメトの視線に、いつの間にかゼロがやってきていた。

 

 

「っ……。驚くじゃないか。ふぅ。危うく、寝転んだばかりだったのに、はぁ。起きてしまう所だったさね」

「悪い悪い。テュフォンとの約束があったんだって。ほらほら、セクメトたって」

「??」

 

 

怠惰を関する彼女があっさりとその怠惰を放棄させて、立ち上がらせる光景に目を見開く――――事はない。もうこの場の誰もが驚かない。そんなの日常茶飯事、とさえ思える程ありふれた、ありきたりな光景だと思っているから。

 

 

「はは! なー! ゼロは、今はパパなー!」

「……ふぅ。はぁ。…………悪くないさね」

 

 

テュフォンを真ん中に、セクメトとゼロが左右に分かれ、それぞれ手を取る。

まさにこの光景は……。

 

 

 

 

 

 

 

「異議あり―――――――!!!」

 

 

 

 

 

 

 

きっと連想させただろう。

そう、光の速さで連想させた筈だ。

超簡単に、考えるまでもない。

本能のままに感じる。そして、許容できない。

 

 

 

「流石のボクも、それを黙って見てられる程、大人しい魔女じゃないつもりだよ」

 

 

ミネルヴァに初動こそ遅れはとったものの、取り囲む形で包囲した。

 

 

「じゃあじゃあ、ダフネは、ゼロゼロの膝枕、いただいちゃいますぅ~。味見しますね? しても良いですね? はい、ぺろぺろぺろ~~」

「お?」

「ってコラ!! それじゃ、膝枕じゃなくて膝抱だろ、ダフネっ!! と言うか、イキナリ拘束解いた上に、そのムカデから降りてくるのやめてよ! 驚愕通りこしてイラっとするからっ!」

 

 

ほんの少しの間だったが、夫婦を演じる事が出来てある程度満足したのか、セクメトはもう一度寝ようとした時だ。

 

 

「ふぅ。はぁ。アンタもうじうじしている暇があったら、ふぅ。ワタシ達みたいに動けば良いさね。……ふぅ」

「えっ、で、でも。わ、私なんか、その……えと、えと……っ」

「全員まとめて、ふぅ。囲ってくれるさね。はぁ。何を遠慮する必要がある? ……ふぅ」

 

 

色欲の魔女カーミラ。

ゼロの争奪戦に乗り遅れたのか、はたまた、愛を向けられ続け、愛で世界を満たそうとした自身の権能も、まるでそよ風が如く、ゼロの周囲を凪ぐだけにとどまっている事にやっぱり唖然としていたのか。

 

それでもやっぱり根幹部分では混ざりたい、と思ってる様子。

 

 

「これで皆揃ったな。ほら、カーミラ」

「あ、ぅ………」

 

 

いつの間にか、本当にいつの間にか。時間でも削って空間を飛び越えて、そこに在るのがさも当然かの様に存在する圧倒的なゼロの存在感。

 

 

ぜロは、指をぱちんっ、と鳴らせた。

 

 

すると、空間に歪みが現れ、軈て窓が形成される。

ゆっくり、ゆっくりと開かれる窓。

そして、笑顔で告げるゼロ。

 

 

 

「次のゲーム、一緒に覗いてみない??」

 

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