Re:ゼロから苦しむ異世界生活   作:リゼロ良し

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気付いてなかったんデスが、お気に入り1000人超えてるじゃないっスか……( ゚Д゚)

ヾ(o´∀`o)ノワァーィ♪


感謝感謝、多謝です♪


ナツキ・スバル囮大作戦

場面は元通り。

スバルを呪いから救うため、皆で森の中へ。

 

 

勿論十全の準備をしている。

 

 

村の青年団からは、村1番の武器をスバルに支給。

村の子供達からも激励と贈り物を。

 

※ツカサもスバルも貰えたが、……その中に、スバルにだけ芋虫が入っていたのは、また別の話、良い話。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

暫く森の中を進み―――ラムとレム、ツカサにスバルの4名で子供達が倒れていた見晴らしの良い小高い丘へと来た。

 

360度見渡せる場所であり、ウルガルムが出現したら迅速に対応できるが故の場所。

これから行う作戦で最適な戦うポイントと言うべき場所だ。

 

 

あの日の夜は、一刻も早くこの場所から子供達を連れて退散したかったというのに、また同じ場所に来てしまうのは、どうにもいたたまれない気分になるが、それ以上にスバルが感じているのは……、現在の布陣? 陣形である。

 

作戦通りの陣形である。

 

 

「いやー、ナツキ・スバル囮大作戦! ってのは、実は オレも元々考えてた作戦だったんだけど、コレ(・・)って、囮になるか? なんか、コレ。魔法陣みたいで、真ん中に居るオレ、生贄にでもされるのか、って思えてきたよ」

 

 

スバルを中心に、円を描く様な配置で ラムとレム、ツカサが三方向を警戒している絶妙な間隔のポジショニングである。

これで地面に図形でも描けば……それっぽく見えなくもない。

 

だが、魔法陣? の様なモノは当然大地に刻んだりしてないので、完全にスバルの妄想内の話なのだが。

 

スバルのぼやきを聞いて、ラムはため息を吐いた。

 

 

「ハッ。役立たずのバルスがラムたちに守って貰えるのよ? 涙ながらに感謝するべきよ」

「いや、まぁ、そりゃそーなんだが……。くぅぅ、ここで相棒の力添え(・・・・・・)で、秘められた主人公なパワー覚醒シーンだとばっかり思ってたのに……」

「何言ってるか解らないけど、自分の魔法適正の無さを嘆く事ね」

「やっぱ、辛辣ですねーーぇ!! お姉様――ぁ!!」

 

 

 

少し説明すると、この策は 当然スバルにも危険がかなり伴う。ツカサ1人で出来る、と言うのも嘘ではないが、当然無傷で出来るか? と問われれば、今の状態が最適。

 

森中の魔獣を殲滅しなければスバルを助ける事が出来ない。

そして、ただ闇雲に魔獣・ウルガルムを殲滅して回っていたら、逃げられてしまい、そのまま時間切れになってしまう可能性が極めて高い。

 

 

 

そこで、活躍? するのが現在絶賛呪われ中なスバルだ。

 

 

 

以前の次元の狭間でも、様々な検証・議論を施しており、大体結論は出来ていた。

 

何度もスバルが魔獣に噛まれて呪われる理由、そして2周目のレムの豹変、更には今回の最後の出来事。

 

レムが傍に居るのにも関わらず、スバルは集中的に食らいつかれた。

如何にスバルがレムを突き飛ばして遠ざけたとはいえ、あまりにもスバルに魔獣が集中し過ぎていた。

レムには一切目もくれず、ただただ魔獣は狂ったかの様にスバルを貪り続けた。

 

それらから導き出される結論。それはつまり、スバル自身が魔獣を引き寄せる体質である、と言う事。

ただ、魔獣に好まれてる? だけではないだろう。……その引き寄せる根幹にあるのが――――言わずと知れた《魔女の残り香》である可能性が極めて高い。

 

 

 

「元々スバルの魔法適正無い、って言うのはパックから聞いていた事だったから、仕方ないよ。あのシャマク、って魔法使えてたみたいだから、何となく出来る、って思ったんだけど……」

シャマク(アレ)は、殆ど自爆みてーなモンだからな……。制御が甘々らしくて、1回出したら、蛇口壊れるみてーなの。空っけつになってそのまま、ガブガブ。……結局アレ使っちゃ不味い、って事だったんだよ。普通にレム突き飛ばしてた方がダメージ小だったかもなぁ」

「………スバル君。レムのせいで……」

 

 

スバルの言葉を横で聞いていたレムは、当時の事を思い出し、また罪悪感に包まれそうになるが。

 

 

「それでも! オレは、男の子! レムを救いたかったし? 今回もそうだ! 最後は皆で頑張って大団円(エンディング)幸せ(ハッピー)エンド、って事にしようぜ! ベア子やパックが驚く顔も目に浮かぶ! だからレム! しけた顔すんな。笑ってる方が何倍も良い! 笑って乗り越えてやろうぜ!」

「っ……、は、はいっっ!」

 

 

スバルの勇気づけでレムはどうにか持ち直した。

それに再びぼやきを入れるのはラム。

 

 

「……殆ど戦力にならないバルスが分不相応に自信満々な件について」

「まぁまぁ、後ろ向きよりは、それこそ何倍も良いよ。スバルが言う通り、さっさと魔獣を退治して村に戻ろう。ベアトリスさんやパックを驚かせる、って言うのも面白そうだ。……ラムも行けるよね(・・・・・)?」

「大丈夫。……風を操る(・・・・)のは元々ラムは得意だもの。身体にはかなり馴染んでるし、心配は要らないわ」

 

 

右手を前に出し、手を開いたそのラムの右手には、小規模な風の魔法が発生した。

大きさこそ、小規模だが、それは竜巻(・・)。……内包された威力は相応のモノの様。

 

ラムはそれを握り締める。まるで身体の内に収めるかの様に。

 

 

クルル(お前)も、頼むぞ。……しっかりとラムを護ってくれ」

「きゅんっ!」

 

 

ラムの肩に乗っているクルルに向かってツカサは伝えた。

言われるまでも無い、とクルルは胸を張り、そしてピッタリとラムに密着した。

 

 

 

「じゃあ、スバル。……心と身体の準備は宜しいかな? 気合バッチリなのは解るけど」

「お、おおよ! 当然だ! レム‼ オレの体臭がきつくなるかもしれねーが、その辺は許してくれよな!」

「はい! スバル君!」

「臭いくらいラムが吹き飛ばしてあげるから安心しなさい」

 

 

レムは元気よく返事をし、ラムは意味深な笑みと共に再び風を纏わせる。

それを見たスバルは一瞬ぎょっ、とした。

 

 

「それ、オレ諸共吹き飛ばす!! って意気込みだったりしませんよね? お姉様?」

 

 

そのスバルの問いに対し ラムはただ微笑みを返すだけなのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして―――本当の意味で準備は整った。

普段の軽口は勿論、皆が居る事で、一緒に居る事で、スバルの中に勇気が湧いてきた。

 

痛みを伴う作戦。

 

あの―――感覚を再び呼び起こす。

 

何度行っても、それは慣れるモノではない。

目に見えないナニカが、身体を貫き、そして心臓を握りつぶそうとしてくる。静止した世界で、心臓を狙う手だけは動ける。

 

 

アレをもう一度体感するのは、正直身体そのものが拒否、拒絶している。

 

 

……だが、意思までは拒絶はしていない。

こうも、心強い仲間が居るから。……苦しみを解ってくれる仲間が居るのだから。

 

 

 

「大サービスだ! 森ン中に居る犬畜生共全員!! よーーーく、聞けよ!!」

 

 

 

スバルは、大声を張り上げり。

森全体に響け! と言わんばかりに叫んだ。

 

 

 

「オレは、何度も何度もガブられた! 今回はガブガブガブガブ、数えきれねぇ!! 何度も死にそうになって、死にそうになって、――――実は1回、本当に()—————ッッ」

 

 

 

前半部分は―――禁忌に触れてなかったのだろう。

 

だが、後半は違う。

 

スバルは、1度死んだ。と言おうとした。その結果……彼女の禁忌に触れた。

告げ切る事を、禁忌を破ろうとするスバルを止めるべく、動く。

 

 

スバルを気遣う様に振り向いてくれているレムが、ただ前方を注視しているラムが、まるで氷の様に固まった。一切動かず、死んでいるのではないか? と思ってしまう程に。

 

 

そう―――これが、あの空間。制止した時間の世界。

次元の狭間とはまた違う感覚。……アレは、これから生まれる様な、生まれる前の様な 何処か温かなモノを感じていたが、ここは全くの正反対。何処までもドス黒い。闇と言う言葉で片付けるには、少々表現力が甘いと思えてしまう。

 

何よりも、強烈に印象付けてしまうのが……。

 

 

―――きた。

 

 

眼前に迫る存在。

闇を纏っており、全体の輪郭すら確認する事が出来ない存在。

 

クルル(?)は、女であると称していたが、生憎スバルにはそれが見えない解らない、思いたくない。

 

どこからともなく現れたナニカ。

 

今回は、手指の先――肩口にかけてまで見えた。1本分の腕がはっきりと輪郭を帯びた。

 

 

 

―――つまり、どんどん、正体を現していくって設定かよ。この次は その顔拝めるかもしれねぇって事だな。……次なんてあって欲しくねぇけど。

 

 

 

スバルは内心恐怖でいっぱいだったが、懸命に虚勢を張る。

この空間の中で、ちゃんと見守ってくれてる兄弟(ツカサ)の前で、せめて見てくれだけでも良い所を見せる。……格好悪い姿を見せたくないから。

 

 

動かない世界、身体。ただ唯一動く闇色の腕。

頼りない胸板を貫通し、脆い肋骨を一撫でし、最も重要な器官として守られている砦をあっさりと通過され、守る砦が一切ない急所部分……、心臓部へと届いた。

 

 

直接心臓を握られる……。

以前は、ツカサが……否、クルルが直ぐに制止を掛けてくれたが、今回は違う。長く苦しい耐えがたい苦痛の時間が続く。世界が止まっているというのに、続くと言うのはどういう事だ? 矛盾してるじゃねーか! と悪態をつきたくもなるが、それでも止まらない。

 

心臓を握られた結果、血流がおかしな事になり、痛みに血涙が吹き出し、噛みしめた奥歯が思わず割れ砕ける。

 

軈て、このまま本当に死ぬのではないか? と思った瞬間――――苦痛の時間は遠くなり、視界が真っ白に染まった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「――――ッハ!」

 

 

 

真っ白に染まった世界が、一瞬で彩られ、目を介して情報を脳へと叩き込まれた。

そしてスバルは随分長い事留守にしていた世界へと戻ってこれた事を実感する。

 

 

 

「も、戻ってきたぁぁぁぁ!!」

 

 

 

 

恐怖から解放された事、痛みから解放された事、無事戻ってこれた事、ありとあらゆる歓喜の感情が全面に出る―――が、最も重要な事をまだ聞けていないのに気付く。

 

それは当然、魔女の残り香だ。

 

それを判定できるのは、現状レムだけなので、早く訊かないと――――と思っていたその時。

 

 

「どうだ! レム。スバルから魔女の残り香は!?」

「はい! 臭います! 凄く臭いです!」

「そっか! 良かった!! スバルお疲れ様!」

 

 

非常に頼れる相棒が、兄弟が、さっさと聞いてくれていた。

当然解っていたとはいえ、事前に通告していたとはいえ、レムはレムで、暴走しないでくれたとはいえ、釈然としないのはスバルである。

 

 

「確かに予想通りだけど、凄く臭いとか、ソレ言い方きつくねーー!?」

「これが終わったら、お風呂に入る事ね。ラムがかき混ぜてあげる」

「それ、パックん時よりヤベーヤツ! 絶対ミンチになるヤツだから止めて!!」

 

 

軽口を皆で言い合っているが、顔は真剣そのもの。

スバルにとっての最大の関門は乗り越えたかもしれないが、他の皆はこれからだから。

 

 

 

「……聞いてた通りとはいえ、獣臭がとんでもない数よ。もう直ぐそこまで近付いてきてる」

 

 

 

ざわざわと静けさを失い始めている眼前の深緑の中をラムは睨みつけながら言っていた。

これが、ツカサの策なのであれば、また説教を……今度はトレーで思いっきり頭を叩いてやりたい気分になった。

 

 

「さて。……ここからが本番だ。手筈通りに、目の前の相手に集中しよう」

「はい!」

「ええ」

「っしゃあ! オレだってちょっとくらいは出来るぜ!! 皆に比べたらちょ~~っと頼りないかもしんねーけどな!!」

 

 

見晴らしの良い場所とはいえ、強大な力を持っているとはいえ、ここまでの数を一度に集めるのは聞いてない。

 

強いのは解っている。凄いのも解っている。だからと言って心配しない理由にはならない。ラムがレムを想うのと同等レベルにまで、ツカサに対しての気持ちが上がっているのを、無意識に実感していた。

 

レムも、数には驚いたが……、それは即ち スバルを呪った相手も近づいてきている可能性が多いに上がると言う事。

後は自分達が魔獣を倒せるかどうか、それだけに掛かっている。

 

 

 

―――だが、何も心配はしてない。

 

 

 

「どうだ、レム。1人でやるより、俄然最強な気分じゃねーか!?」

「はい! スバル君!」

 

 

 

後ろに、横に、頼りになる人達が居る。信頼し、親愛している人達が居る。

1人で抱えるのではなく、誰かと共に在る事。皆と共に戦える事。……信頼と信用を預け合う事が、こんなにまで快いとは、思わなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《ギャオオオオオ!!》

 

 

 

 

 

 

 

 

重なり合った唸り声を背景(BGM)に、四方八方からウルガルムが迫るが、……全く恐れはない。

 

 

 

「バルス! 死んだら殺すから、そのつもりで!」

「スゲー物騒な命令だよねお姉様! ンな事解ってるよ!! オレだって、適正無い割りには頑張るつもりだ!」

 

 

 

何なら、味方(ラム)の方が怖いくらいだ。

 

それは兎も角、スバルも意気揚々にググググ、と左手に力を込めた。

すると―――手のひらの中心に小さな光が生まれる。

 

 

「兄弟! オレの分までわりぃな。力借りてるぜ! レンタル・テンペストだ!」

「でも、ラムに比べたらそよ風みたいなモノだから、過信はしない様に」

「わーーってるよ!! ロズっちにも言われたけど、適正ないもんねオレ!! クルルと比べたら100分の1とか言われちゃったのも、結構心に来てるよ!! んでも、やるときゃやる男だぜ!」

 

 

手に浮かべた光を、スバルは右手に持つ剣に押し当てた。

すると、光が風となり―――剣を中心に渦を描く様に纏わる。

 

 

「兄弟が前ん時やってた風の防御の剣、か! おっ! 閃いた! 名前つけても良い!?」

「ははっ、気合が乗るなら、何とでも」

「っしゃあ!!」

 

 

スバルは調子に乗って詠唱? みたいなのを始めたが……、その間に回りはせっせとウルガルム駆除。

 

 

「テンペスト・フーラ」

 

 

ラムが放つ豪風が、一斉に襲い掛かるウルガルムを弾き飛ばす。

その数は、地の深緑を全て黒にする勢いの数だったが、関係ないと言わんばかりに。

 

 

 

「はぁっっ!!」

 

 

 

そして、それに続く様にレムが鉄球を振るった。

姉と共に戦える事が何処となく嬉しいのか隣り合わせで息の合った連携を見せている。

如何に怒涛に押し寄せてくるウルガルムだけど、全く問題にならない様だ。

 

如何に視界良好な明るい時間帯・見通しの良い丘とは言え、規模・数は、昨夜にも劣っていないと言うのに。

 

 

 

「んじゃあ、こっちも負けてらんない、か」

 

 

 

満遍なく攻め入っているウルガルムは、四方八方囲み、その円を小さくしてくるので、どの方向を見ても敵の距離は同じ。個体1つ1つの運動能力に多少の差異はあれど、穴無く攻めてきているので、大多数変わりはない。

 

 

右手に竜巻を、左手に炎を。

合わせて、火災旋風を巻き起こした。それは、()ではなく、()に吹き荒れるので迫るスピードが半端ない、俊敏なウルガルムも炎を回避する事が出来ない様子。

 

 

自然破壊になるかもしれないが、掃討するには炎が効率が良いのだろう。

 

 

 

「スゲーよ、ほんと。魔法同士を色々混ぜて使うのって、超絶魔法ってヤツなんじゃねーの? ロズっちも全部適正ある、って言ってたが、兄弟もソレなんだろうな?」

「まぁ、オレの場合は借り物を使ってる感覚の方が強いかな。何せ、色々と解んないのに、力は使えるんだから、違和感は満載。クルルのせいで余計に満載。……でも、使える事に感謝する事は多い。……今回に限ってはクルルに関しても」

 

 

ツカサはチラリと背後を見た。

ラムの肩にはクルルが乗っている。力を振るっている。

 

ラム自身は、力を使いすぎると、身体を消耗させる―――どころでは無く、戻る力を使いすぎた時のツカサに似ている程になってしまう。

 

だから、ラムを守る為 マナを供給する役目をクルルが果たしているのだ。

 

ツカサに使える魔法は当然の様に自分も使える、とクルルがラムに与えている。

故に、自分の……この世界の風の魔法《フーラ》とツカサが使用する異なる世界の魔法《テンペスト》を合わせて使っているのである。

 

 

 

「この際、邪険せずに向き合ってるってのも有りなんじゃない? クルルってモフッモフッで最高なんだぜ?」

「……難しいんだよね。本能的な部分が拒否してる、って感じだから」

「そりゃ、残念。……オレの活躍っぽい場面が中々見えないのもスゲー残念。カッコつけて詠唱までしちゃったの、スゲーー恥ずかしい」

「風神剣?」

「だぁぁぁぁぁぁ!! リピートしないで‼ 自分で言っといて結構ハズかったんだ!!」

 

 

纏え神風! 唸れ烈風!! 我が剣・風神剣!!

 

 

と、スバルは剣を掲げながら盛大に大詠唱を施したのだが……、レム・ラム・ツカサが周囲を掃討しちゃうので、ぽつん……と置いてけぼりだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

魔と人類の戦争開始から凡そ1時間。

 

スバルの魔女の残り香効力が無くなったのか、或いは本当に周辺のウルガルムを掃討出来たのか、解らないが明らかに数が少なくなった。目に映る範囲内で収まる程に。

 

 

 

「そろそろ―――終わりかな、《インヴェルノ》」

 

 

 

 

 

 

ツカサの氷系統魔法インヴェルノ。

 

 

氷塊が地と空から降り注ぎ、相手を挟み潰す・若しくは串刺しにする氷系統の魔法。

今回は少なくなったとはいえ、それなりに居たので、プレス機の様に押しつぶす形で使用された。

 

 

 

「お疲れ様です、スバル君」

「ぜひっぜひっ……、け、結構こっち来た――。調子のるんじゃなかった―――!」

「有言実行出来たのだから、良かったじゃない。活躍したわ。見直したわ」

「良い事言ってくれてるのに、すげー棒読み感が結構台無しにしてるよ、姉様! レム見習って、もうちょい労わってくれても良いんだよ?」

「馬鹿ね。ラムには ……もっと労わらないといけない相手が居るでしょ?」

 

 

スバルの様に自分に正直になれず、恐らく痩せ我慢を多少なりともしているだろうツカサの方を見た。軽く汗を拭い気を整えている所、仕草の1つ1つを見たら尚更だ。

 

 

その時だった。

 

 

 

 

 

「あはーーぁ、ほんと、スゴイ闘いだったねぇーぇ?」

 

 

 

 

 

空より、人影が下りてきたのは。

太陽光に包まれて、直視するのが遅れたが、その口調や服装……は、余所行きの正装だから、普段のと違う+ツカサは知らないので、全員断言、とはいきにくいが……、口調だけで十分だった。

 

 

 

「ロズワールさん」

「ロズっち~~……おせーよ。それに終わった後に ここ来ても、良いトコどりとかできねーよ?」

 

 

乱入者がロズワールである、と悟ったスバルは、今度こそ身体の力を抜いた。

 

 

 

「いやいや、ここまでの魔法を使った魔獣討伐を視れたのは、私としても ずぅーいぶん久しぶりだーぁしね? 良い刺激になったよぉーぉ。……御礼を尽くす事はあっても、君達の功を掠め取ろうなんて事は一切思わないさ」

 

 

 

砕けた口調が時折真面目なモノになるから、より強調されて聞こえてくる。

 

 

 

「とは言ってもーぉ? ちょ~~っぴりわたぁしも手を出しちゃったのは否めないけどねーぇ。……もう、この森でウルガルムはいないよ。私が少し前に、そして最後が先ほどのツカサ君の魔法。これでスバル君の呪いも大丈夫だーぁよ」

 

 

 

ロズワールの言葉にレムが涙を流しながらスバルに縋り付き、喜ぶ。

ツカサも、軽く力を抜いたのが、大袈裟気味にラムには見えた様で、その肩を貸しつつ、ロズワールに事の報告と謝罪を済ませた。

 

 

 

 

幸いな事に、レムもラムも目立った消耗は無く、ほぼ無傷。負傷者は大小合わせてもスバルとツカサだけ。

 

 

傷つくのはやっぱ、男の方だけで十分だ―――とスバルは思いながら天を仰ぐ。

 

 

 

 

 

「これぞ文句無しのハッピーエンド。―――やっぱ、さいこう………だな」

 

 

 

 

スバルは、そう一言呟くと……今度は緊張の糸が切れたかの様に大の字になって寝転んだ。レムは慌てて顔を覗き込むが、その顔は笑顔そのものなので、安心し……スバルはそのまま意識を手放すのだった。

 

 




尚、流石のメィリィも 怖くて来られなかった模様。

ヘブンッ(゜o゜(☆○=(-_- )゙オリャ!!
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