死ぬなよ、絶対に死ぬなよ! ※コレは、フリではありません。   作:リゼロ良し

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城下町の出会い

 

 

「実に……面白い」

 

 

 

 

 

白の世界に現れた草原。

何もない筈の世界に生まれた新たな土地。

 

 

ここは白の世界。

 

 

否。

 

今は始まりにして終わりの世界(・・・・・・・・・・・・)

(ゼロ)から(ハジまり)への世界。

 

 

 

 

その世界の始まりは、一体いつからだっただろうか?

 

 

 

時間と言う概念は存在せず、ただただ真っ白が続くだけの世界でただ1つの存在だったのが変わった。

 

 

そんな世界に異分子が現れた。

予兆もなく、本当に唐突に、偶発的に、ゆらりゆらりとただ揺らめきながら、その異分子は弱々しく光を瞬かせていた。

 

それを見たときから、自我が生まれた。

心が生まれた。

感情が生まれた。

 

興味を持てた。

 

時間と言う概念が存在しない筈なのに、時が動き始めた感覚がした。

拾い上げた光と共に、時が動き始めたのだ。

 

そして、これらの言の葉も、表現法も、1つ1つの言の葉の意味も、学んだ。

その中でも特に快楽。喜怒哀楽無の感情の中でも喜の感情が一番の好きになった。孤独よりも、誰かと共にあれる方が良かった………。

 

 

そして、動き出した世界では新しい事がおき続けている。

今も、起こる。

 

 

白の世界を飛び出し、下に広がる(・・・・・)数多の世界に触れ続け、凡そ77回目の世界にて、また新しい事が起きた。

 

 

 

見てるだけだったと言うのに、逆に見られる(・・・・)感覚。

 

 

 

 

「ああああああああぁぁぁ…………」

 

 

 

 

恐らくは余興、と言う言葉が相応しいのだろう。

或いは戯れか。

 

そしてほんの一握りの好奇心も出てくる。

好奇心を覚えて、良かったと思った瞬間でもあった。

 

感涙の涙を流す少女を一目見て、また興味を持つ。

 

 

 

 

 

「さあ、出てくるが良い。居る(・・)のだろう? ここに」

 

 

 

 

 

興味。

涙を流す少女に興味(愉悦)を覚えるが、たった少女1人に向けるには、些か贅沢過ぎるだろう。

 

そして、1人、2人……6人の少女達を1人ずつとなると、待たせてしまう子が5人。

それは……可哀想(・・・)だ。

 

 

「なんでわかったの? わかったと言うの??」

「おおーー!! あれなんだ?? あれなんだーー?? すごいなーー! はじめてだーー!!」

 

 

敢えて位置を説明するなら、黒と白で彩られた少女の両脇に、ずっとそこに居た、隠れていたつもりだった(・・・・・・・・・・・)少女達が顔を上げた。

 

 

 

「とてもとても、美味しそうな香りがしますよぉぉ!? とうとう、私も~、暴食が満たされる時が来たのですか~~???」

「ふぅ……。はぁ………。久しぶりに地に足をつけるのも悪くないさね。……ふぅ」

「えと、その……あのっ………」

 

 

 

まだまだ、この世界には面白い事が起きるのだろう。

いや、これまでの世界が楽しくなかった訳ではないが、新たな発見。

 

触れる事が出きる世界。

 

なるべく優しさを思い返し、なるべく怖がらせずに、なるべく偉そうにしないように、なるべく下手に出てるように。

 

生憎判定出きる相棒(・・)は居ないが。それはそれで良い。

新しい。

 

 

 

 

 

 

 

「さあ、我とナニをする? この世界の異端。……幼き少女達よ」

 

 

 

 

 

 

 

さあ、楽しむとしよう。

 

相棒が帰ってくるまで存分に。

これは初めての………独り占め。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

王都に向かい走る間。

 

 

この短い期間にも見事に不幸に見舞われたオットーだったが、今の彼は不幸体質とは言い難い。

 

「ほんとに、ツカサさんとはいつまでもご一緒したいです!! 盗賊達を追い払ってくれて本当にありがとうございました!」

「いえいえ。これくらいで良ければ」

 

今し方、街道で賊と一戦やりあった。それ自体は不幸だと、不運だと言えるが、オットーは何も盗られていない。商人にとって、積み荷は抱えてる商品は財産であり、生命線。盗られてしまえば、まさに死活問題。

 

白鯨のように、一気に死へと直行するわけではないが、破産し破滅し、食べていけなくなれば、仕事に着けなくなってしまえば、生き地獄が長らく続くことだってあるから、ある意味死より辛い先かもしれないのだ。

 

 

 

そんな悲惨な運命を蹴散らす様に、彼が—ツカサが盗賊を一蹴し、オットーを守る結果となった。

 

「是非、今後も護衛として雇いたいですよ!」

「う~ん……オットーさんの経営状態を事前に聞いてなかったら検討したと思うんですが………オレが増えたら、よりキツくなりません? 生活に直結しません? そもそもオレ、食べていけます?」

「はぅっ!? そ、そうでした………。うう、皆余計なことを……」

 

そう、オットー自身は十分優秀。勤勉であり交渉ごとも培ってきたノウハウがあり、更に現実もしっかりみていて、人柄も良い。

 

だが、そのプラス面を打ち消してしまうだけのマイナスを持っている。

その不幸体質(マイナス)が尾を引いてる様で、なかなか一定ラインを突破できないでいる。

 

売れると思い、調査を重ねて慎重に検討をして、仕入れた筈なのに運悪く風向きが変わってしまうことも屡々。

 

ツカサも、この世界で初めてであった人物であり、信頼も信用もしてくれているのも解っている。

簡単に他人を信用すると言うわけではない。

文字通り、命の恩人ともなれば 早々に裏切ったり出来ないだろう、と思うのが心情だ。

 

「でも、ボクはあなたと繋がりが出来た今は寧ろ幸運の波が来ている、と思ってますよ! きっとあなたはとてつもない人になる。そうなった暁には、ボク自身をあなたに雇って貰いたいですね!」

「え? あははは……それは光栄です。将来は商会を開く……と言うのも面白いかもしれません。ただ、オレにそちら方面に才能があるのかは、疑問ですけどね」

「そこをフォローするのがこのボク! オットー・スーウェンですよ! 是非ともご贔屓に! ……ふぐっ、ゴホッゴホッ!」

 

 

オットーは、胸を誇らしく叩いた……が、どうやら思った以上に叩く力が強かったようで、大きく咳き込んでいた。

そんなオットーをみて、小さく笑うツカサ。

 

涙目になりながらも、ツカサを見たオットーは続ける。

 

「ツカサさんのスゴい所は、強さもそうですが、直感、危機管理能力の方もだと強く思いました。なにかスゴい加護を持ってるのでしょう? ボクの言霊の加護でも、察知どころか、片鱗すら掴めなかったのに、かれこれ2度も回避をしてくれたのですから」

「力は勿論ですが秘密です。そしてお褒めに預かり大変光栄です、とも言いたいですが………、4~5日でそう何回も厄介なのと出会ってしまうほど、この当たりは治安が悪いんですか?」

「………そう言うときもあるでしょう」

 

 

何処か遠い目をしてるオットー。

改めて聞くのは野暮と言うものだ。

 

 

「はい、なんとなく解ってます。オットーさん……気を付けてくださいね? ほんとに」

「ううぅ、その優しさがとてもとても、ありがたいのと同時に、なんだかとてつもなく悲しくなってしまいますよ………」

 

オットーは涙を流しながら、ヨヨヨ~と沈んだ。

 

事実襲われたのだから、ツカサと一緒じゃなかったら、と思うとゾッとしてしまう。物凄く強い用心棒が居るから、散漫になっている部分がある程度あるとは言え、王都に着いたあと、彼と別れたあとの事はしっかりとしなければ、と改めて考える。

 

彼を雇いきるだけの財力がないのは事実だし、何より 素性不明ながらも、強大な力を持っている人物。今後の有益を考えたら、狭い世界にどうにか留めておくよりは、大きくなった所でご贔屓にして貰える方が上に上っていけそうだ、というのがオットーの考え。

 

まあ、オットー自身の事を、皆にバラされなかったら、ひょっとしたら無理言ってでも引き込んでいたかもだが……それはそれ、だ。

 

「いや、真面目な話、ほんとに気を付けてくださいね? ……物凄くヤバイ(・・・・・・)のも居ましたから」

「え?」

 

ツカサの声色がやや強張るのを感じたオットー。

 

盗賊、山賊と交えた時は 特に苦もなくと言った様子だった。

実際に、威嚇しただけですぐ逃げていったから、規模も練度も低かった。

気絶したとは言え、白鯨を吹き飛ばす事が出来る大魔法を使えるツカサ。

 

そんなツカサが明らかに雰囲気が代わった言い方をした。

 

ひょっとしたら、そんなのと遭遇していたかも? と想像しただけでも、背筋が凍る。他の驚異を考えてみれば、いくつか候補が上がるが……。

 

と、色々考えていると、ツカサがオットーの肩を二度叩き、そして笑っていた。その笑顔がオットーの視界に入る。

 

「ちょっと気が緩んでる様にも感じたので、脅かしてみました」

「! ちょ、ちょっと、脅かさないでくださいよ……。もう少しで王都なのに、変な汗かいちゃいました……」

 

 

王都は、もう目と鼻の先。

オットーは 改めて気を引き締め直し、手綱を強く握りしめた。

 

 

 

彼—--ツカサは、そんなオットーの姿を見て一息付くと後方、南西方角の空を見上げる。

 

先程のオットーへの忠告。それは何も根拠なく言ったわけじゃない。

 

 

実際に(・・・)起こったから(・・・・・・)

 

 

「色々と、勉強しないと……文字も継続。世界の情勢。あの鯨といい、知らないことが多すぎて……。それに、(こっち)の方も」

 

ツカサは、頭を軽く揺らした。

 

継いできた事柄、まとめようとしたのだが、なかなか上手くいかない。能力関係は何とかなる、が……やはり、記憶方面。

まさに夢だったかの様に、留めようとしても泡となって消えていく。

こんな、途中からのスタート状態なのに。でも、それにも何かの理由があった筈なのに、もう思い出せない。

 

 

「あの、性悪………」

 

 

ただし、嫌な笑顔だけは何故か思い出せるので、とりあえず悪態を付くのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

☆ルグニカ王国

 

 

 

門を潜り、直ぐ側の門兵の詰所で身分を提示、積み荷も提示。

 

因みに白鯨の一部、複数ある翼のほんの一部でも、自身の身体よりも大きいから、見せたとき、ぎょっとされたが、《大きな白い鯨の一部》と説明したら、今度は笑い飛ばされた。

 

どうやら商人関係から広まった、商人と白鯨の一戦(笑)は、この城下町にも伝わってるらしい。オットー自身も商人だから、当事者なのに そのありきたりな噂話にあやかってるんだろう、と笑われた。

オットー自身はあの時のように、頑張って説得しようとしたが時間の無駄である。

 

白鯨に付いての詳細は、ツカサ自身も聞いてるので 笑われるのも無理ないと思ってた。

 

 

「とりあえず、予定どおり衛兵の詰所までいって、コレ見て貰おうかな……。信じる信じないは難しいけど、その……400年も世界を蹂躙してる化け物(白鯨)の一部なら、何か有効な対策とか、弱点? みたいなの探れるかもしれないし。ダメなら、オットーの出番かな? 上手く処理してくれたら」

「はい! 任せてくださいよ! と言いたいんだけど……、白鯨の翼(ソレ)をカードにどうにか利益になるような商談って、物凄くハードル高いことだと思うんですが!?」

 

 

と、城下町の入り口で騒いでいたその時だ。

 

 

 

 

「すまない。ちょっと良いかな? 君たち」

 

 

 

 

不意に声を掛けられたのは。

まだ、城下町の入り口だけど人通りは激しい。往来し続ける人や亜人、竜車、荷車……。木を隠すなら森、ではないが、特別目立つと言うわけではない筈だが、声を掛けられた。

 

オットー関係か、と思ったが 一目見て違うことに気づく。

 

身に付けているモノは、衛兵の正装。全体的に白い

そんな服装だからか、一番先に目に付いたのは、この世界で初めて見る赤い髪。燃えるような赤い髪。透き通る青い目。

見た瞬間に、何故声をかけられたのか、と言う疑問よりも早く直感した。

 

 

 

 

 

 

 

彼が()である、と。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




鯨や兎、蛇、大司教さんたちも、速攻でさらっと倒して世界平和に直ぐできそうなのに。

強いけど、効果範囲?みたいなのがあるのかな?
エルザのエミリア・スバルへの攻撃防げなかったし

そう言うのも願えば解決する力を得れそうだけど(笑)時間移動とかも。

尚、さらっと名前判明。

ツカサさんです。

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