Re:ゼロから苦しむ異世界生活   作:リゼロ良し

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今回の難儀~~
難儀だったヽ(;゚;Д;゚;; )

こんな事しねーだろ、言わねーだろ、助けて貰っといてゼーッタイ!!とか思ってたりしたんスけど~
言うかもでしょ??とも思う自分もいて~(;^ω^)
原作でもこの辺りはアレだったしね~。

難ッッ((゚□゚;))


惚れてる

 

 

 

 

色々とあった王都到着初日を過ぎ―――2日目。

 

 

「―――えええ!! お留守番ッ!? やっぱ、オレだけエミリアの王選の話し合いについてっちゃダメなのっ……!?」

「ダメです!!」

「スバルだけじゃないよ、レムもラムも来ちゃダメだって。人数制限? みたいなのがあるからって」

 

 

王選を目前に、ギリギリまで粘れば済し崩し的にスバルは参加できるのでは? と最後まで淡い期待を抱いてはいたのだが……、現実は甘くなかった。

 

当初の予定通り、スバルは参加できない。

 

ツカサの付き人として、ラムは参加できるのでは? と実の所考えていたラム自身も、今回の叙勲式に関しては、本人以外の立会人はメイザース家当主、即ちロズワールだけとなっているらしい。

 

参加するくらい……と思うのだが、王国のトップを決める極めて重要な儀式。それを開催する場。方々から集まる為か、近衛騎士団を除いたら、必要最低限の人選でしか参加出来ないらしい。

 

不機嫌になるかと思われていたラムだったが、ロズワールからの命令でもあるし、聞き分けの出来ない子供と言う訳でもないので、特に拗れる様子はない。

寧ろ、スバルと同じようになると思われてしまう事が心外極まる! のである。

 

 

 

「それよりっ! 最初の事忘れてない!?? スバルを王都に連れてきた理由は、知り合いの安否確認と身体の治療の為! そういう約束だったでしょ!?」

 

 

ぐうの音も出ない正論に、何も言えなくなるスバル。

 

 

「……心配しなくても、オレも ちゃんと見てる(・・・)から」

「その辺は、ちっとも心配なんかしてねーよっっ!! するまでもねーっての解ってるよ!! でも、でも……っっ」

 

 

エミリアの力になれない事が嫌だ。

1人だけ蚊帳の外の様な境遇が嫌だ。

 

ツカサに負けられない‼ と言うやり取りは正直ネタだと思ってくれて良い。……ツカサがエミリアをどうこうしようと思ってない事くらい解っている。………多分。

 

 

でも、信頼も信用もしたとしても、男の矜持として、例え無能力者であっても、何かしたい。出来る事が何かあるはずだ、と思いたかった。好きな女の前なら猶更、虚勢でもいいから張りたかった。

 

 

「………レム?」

「さすがにこればっかりは、エミリア様が正しいです!」

「哀れね。情けなさに磨きがかかってるわ。こんな時にレムに縋るなんて」

 

 

スバルをいつも肯定してくれているレムであっても、首を縦には振らない。ラムの言う通り、レムに縋ってくれている事自体は、好ましく、嬉しい事ではあるが、良い事と悪い事くらいは弁えているから。

 

だからこそ、ラムはしっかりと従っている。

 

 

「バルス。子供みたいに喚いてないで、エミリア様の無事を祈るくらいしておきなさい。……ついでにツカサも」

「……なんだか怒ってない?」

「なぜラムが怒るのかしら。ツカサが何を言ってるか解らないわ」

 

 

 

ついで扱いされた挙句に声色が何処となく他とは違う……と感じたツカサだったが、どうやら気のせいらしい。

 

 

そうこうしている内に、もう時間が迫ってきている。

あまりゆっくりしていられない。

 

 

「とにかく、私とツカサは、これから王城に行ってきます! スバルのことはレムとラムに任せておくから。2人とも、お願いね」

「「はい」」

 

 

エミリアに信用されていない……とスバルは思ったのだろう。

その表情は全くを持って納得をしていない。

 

 

 

「大丈夫だから。今はちょっとばかり、頭を冷やして落ち着いた方が良いよ。ユリウスとも一悶着あったみたいだし」

「っ………」

 

 

 

この時、スバルは目の前に線ができたのを見えた。

 

こちら側と向こう側、はっきりと分け隔てられてしまったライン。

 

そして、信頼しているし、信用もしている筈の、その向こう側の人間が……、あまりにも憎たらしく思えてしまった。

恩もあるし、幾度もなく助けてくれた事もある。信頼もしているし、信用もしている。

 

だけど、それを抑えられなかった。

 

あのユリウスの名を出された事も拍車をかける様に。

 

 

「………んだよ! 英雄的活躍して、オレはそっちに行けて、ご満悦! ってか? 優越感に浸ってんじゃねーよ!」

 

 

いつもよりは小声ではある、が はっきりと言ってしまった。

それは、まるで これまでの事をすべて忘れてしまったかの様なモノ言いだった。

 

計り知れない程の恩があるはずなのに……。

 

 

「偉そうに言うつもりは無いけど。オレの事がそう(・・)見えてるっていうのなら、スバルは自分に劣等感を持ち過ぎているよ。……これまでが慌し過ぎだったんだ。一度くらい立ち止まってよく考えてみれば良い。力になれる機会なんて、これから幾らでもある筈だよ。……だから、どうすれば良いのか、何をすれば良いのか、しっかり考えて行動して。オレが言えるのはそれくらいだから」

 

 

スバルの言葉を正面から受け止めたツカサ。嫉妬からくる悪態が明らかであり、悪意に満ちていたというのが解る言葉であっても、ツカサは、怒ったりして動じる様子は見せなかった。

 

確かに、これまでを考えたら出来ない事が目立ち過ぎたかもしれない。

 

前回の王都での件や魔獣騒動。活躍と言う意味で見てみたら、どう見繕っても一番足を引っ張ってる存在だ。

唯一の能力である死に戻りに関しても、その能力発動条件自体が最悪。文字通り死ななければ発動しないのだから。

 

 

死を幾度もなく経験したからこそ思う。恐らく今後同じ事が起こる度に思うのだろう。

 

……二度と死にたくない、と。

 

 

それを知っているからこそ、強烈に嫉妬してしまう。

ありがたいと言う善の気持ちを負の気持ちで覆いつくしていく。

自分が欲しい力を、強い力を全部持っているツカサに。

 

 

「ッ………」

 

 

恥を上塗るのは どうにか堪えたが、頭の中では幾度も幾度も暴言を言ってしまっている自分がいた。

まるで、心と身体が分離してしまう様だ。

 

 

「……スバル。あまり、多くは望まないから」

「えっ……!!」

 

 

そんな心のざわつきを、一度に落ち着かせたのがエミリアだった。

その手が、声が、負で染まりつつあった心を洗い流してくれる。

 

ただし―――彼女の表情は、その声は あの屋敷で楽しかった時のものじゃない。

 

 

「お願いだから、私を信じさせてね」

 

 

懇願するように言われた。

そんな顔させたくなかった筈なのに、自分のわがままのせいで……。

 

 

「あ、ああ!! もうわかった!! わかったよ!! 今のオレすげーーだせーーよ!! 客観的にみても最悪だ! エミリアたんの期待にも応える! 兄弟の言う通り、悪かったし、頭も冷やす!! それくれー、やらねーとだよな!!」

 

 

エミリアの顔を見なければ、きっと負の波に触られて見失って暴走していただろう。

どうにか、岸辺に這い出す事が出来たスバルは、最悪な屑野郎にならなくて済む、と自身を戒めた。

 

 

「うん。信じる」

 

「ちゃんと見てるし、情報共有もするから。……こっちも約束するよ」

 

 

そう約束して……二人は扉の先へと消えていった。

 

 

こちら側(・・・・)

 

どう足掻いた所で、今の自分は向こう側(・・・・)へと行く事が出来ない。完全なるレベル不足。

突出した能力もなければ腕力もない、人望も薄い。何なら、近衛騎士のユリウス相手に不況を買ったし売った。

 

それがエミリアにとって、プラスになるか? と問われれば全力で首を横に振る。

 

 

―――無能なスバル(自分)より、有能なツカサ(アイツ)が向こうにいれば良いんだろ……。

 

 

自虐的に、それでいて嫉妬の念は消えず、――暫く、随分長く扉を眺めていた時だ。

しびれを切らした様にスバルの方へと近づいてくるのは。

 

 

「バルス。エミリア様やツカサは、水に流してくれたかもしれないけど、さっきのは聞き捨てならないわ。……一体どの口でほざいているの」

 

 

鋭い視線、いつも通りの毒舌気味ではあるが、それに込められた怒の感情はこれまでの比ではなかった。手や足と言った物理的な実力行使で出てきそうな勢いで。

 

いつも以上の圧だったからか、思わずのけ反りそうになる。

 

 

「……優越感、と言ったかしら? 次、ふざけた事言えば実力行使するわよ」

 

 

怒気のこもった声。その実力行使の内容はとんでもないものである、と言う事くらいスバルでも容易に解った。

 

そして、ラムの口から出たエミリアの名は、恐らく次いでだろう。

ラムの言葉の根幹部分は、間違いなくエミリアではなく―――。

 

 

「……お前なら、オレの気持ち解ってくれると思ったんだけどな。ラム」

「ハッ。子供みたいに拗ねて、八つ当たりして、そんな無様な男の何を解れと言うの」

「解るだろ。……好きな奴の傍にいたい。惚れた相手の傍にいたい。力になりたい、って気持ち。……それでもなにか? ラム。お前はアイツの事、惚れてねーとでも今更言うつもりか? 解りやすい嘘つくか? ……俺だって心底だせーのは解ってるよ。でも、でも……凄すぎるアイツを見て、オレはちっぽけ…………しょうがねぇだろ」

 

 

ラムはこれまで直接的な事は何も言っていない。

態度を見ればよく解るし、仲良くなっている事は自他ともに認める程だ。間違いない。

色々と世俗に疎そうなエミリアでさえも、ラムとツカサが仲良い事は知っている。

 

 

 

「バルス」

「んだよ。って、ぐえっ!?」

 

 

 

ラムはスバルの胸倉をつかみ上げた。

鬼の角がない、ツノナシとして蔑まれる存在。レムには敵わない、と言っていた筈のラムの力だが、とんでもない。自身より一回りも小さいラムに簡単に締め上げられそうな気がした。

 

 

 

 

 

 

「ラムはツカサに惚れてるわ。……ええ、バルスの言う通り心底惚れている。ツカサの事が好きよ」

 

 

 

 

 

 

ここまで直情的に想いを言うラムに、スバルは気圧されそうになった。

 

 

「バルスがエミリア様の事を無様に想っている様に。……いえ、ラムは そんな程度の低いものじゃないわ」

「っっ……、その、ていど……?」

「そうでしょう? 惚れた女にあんな顔させた。世話になってる筈の男に悪態ついた挙句に、あんな顔させた。そんなバルスだから、その程度なのよ。無い頭で今一度考えてみなさい。いつまでもウジウジして、妬み事を考え続けるなんて、立って歩く事が出来ない子供がする事よ」

 

 

ラムは、掴み上げたスバルの胸倉を開放して、背を向けた。

 

 

「考える頭もなく、それでも我を通したいなら、幼稚な真似をしたりせず、行動で示せば良いのよ」

「……は?」

 

 

考えろと言ったばかりだったラムだが、次は行動しろ、と言われ、考えようとしていた頭が更に混乱してしまうスバル。

 

 

「ラムは、惚れた男に悪態ついたバルスを罵倒しただけ。言いたい事言ってスッキリしたけど、バルスに幼稚って言った事、ラムにそのまま返ってきた気がしたから、暫く不貞寝するわ」

「はぁ?? ちょ、いきなり何言ってんだよ、ラム!?」

「スバル君」

 

 

ラムの突然の行動、それも本当にベッドで横になってしまった。その意味が解らない。朝まで説教コースだとも思えて、首をかしげていたその時、これまで黙ってきいていてくれたレムが声をかけた。

 

 

「レムはこれから、姉様の為に。寝起きの新作飲み物を作ろうと思います」

「はぁ?? レムまで何言ってんだ??」

「ですから、その新作を作るには、姉様も認めてくださる新作を作るには、とてつもない集中力と時間を要してしまうので、暫くレムは調理場に籠りきりになるでしょう。……姉様は眠ってしまいましたし、誰かがここを抜け出しても気づけないかもしれません。……勿論、スバル君は空き時間を有効利用、文字の勉強に使うと思いますし、抜け出そうとは考えてもいない事ではありますが」

 

 

ラムとレムが何を言っているのか、漸く理解できた。

エミリアには、一任する、2人に任せる、と言っていたが、その2人はスバルの好きに行動しろ、と言っているのだ。

 

 

「……でも、オレは兄弟が言ってたように頭冷やすとも言ったし、エミリアたんの期待に応える為に、待ってるって………」

 

「何を言ってるか解らないわ。ただ、レムとラムは全力で好き勝手する、と言っただけ。ラムはいろいろと疲れたから、不貞寝と言いつつ全力で眠るだけよ」

「はい。レムも姉様の為の新作飲み物を作るだけですよ。その間のスバル君の行動を制限しようとは思ってません」

 

 

―――何がしたいのか、自分で考えて行動しろ。自由にしろ。

 

 

そういわれてる様に思えた。

 

 

勿論、この場に留まるのも良い。

ツカサに言われた様に、熱くなった頭を冷やす。色々とあって、ぐちゃぐちゃになった頭の中を一度冷やした上で、身体を気遣い、そして頭だけは働かせる事が出来るので、勉学に勤しむのも良いだろう。

 

それは、エミリアとの約束にも繋がる事だ。

身体を休めて、治療して、全快する。エミリアはずっと心配をしてくれているから、それも解消される。

 

良い事尽くしだ。

 

それに、傍にはツカサだってついてくれている。

何かあれば、持前のチート級能力で助けてくれるだろう。危機を回避する事だってできるだろう。

 

 

 

「……そうさ。異世界モノの主人公が兄弟。なんでも出来るチート級主人公だ。代償があるけど、それでも十分過ぎる超パワーだ。だから、オレは…………」

 

 

 

 

 

―――見てるだけで良い? ただ、傍観者で、読者で、視聴者で、ヒーローが勝手に活躍するから、それを見てるだけ? ただ、ヒロインだけは譲ってくれる? ……それで本当に満足するか?

 

取るに足らないプライドかもしれないが、それで満足なのか? 本当に??

 

 

 

 

「―――無理だ。たとえ、何にも出来なかったとしても、足引っ張っちまう様な事をしたとしても……、指くわえて、蚊帳の外で黙ってみてるなんて、オレは出来ねぇ」

 

 

 

 

例え、この行動が死につながったとしても……、それでも結果が解らない今だったら、これを選んでしまう。

 

 

 

理解した。自分は……強烈なまでに……エゴイストだ。

 

 

 

 

 

スバルは自覚すると同時に立ち上がった。

 

レムはそれを見届けると、調理場へと歩いていく。

 

「甘えてばっかりで、ごめんな……」

「何を言ってるのかわかりませんよ? レムはスバル君が居なくなるなんて、露とも思ってませんから」

 

 

レムは笑いながら、奥へと消えていく。

 

そして、スバルは歩き始めた。

足がある。歩ける。……歩けない子供じゃないのだから。

 

そして、ベッドで横になっているラムに一言。

 

 

「……これで、もしもな場面(・・・・・・)になっちまったら、ごめんな」

「そのもしも(・・・)が、ラムの考えてる通りの事(・・・・・・・・)で、そうなったのなら、バルスを死ぬ手前まで殺すだけよ」

 

 

ラムだけは解らない。

ツカサに惚れているというのなら、万が一でも無茶な行動を、治療を受けて万全になる事が最善な筈なのに、そのAルートを回避して、余計な事に首を突っ込んで、また体がどうにかなって、、、、と連想を出来る様なBルートを選ぼうとする自分を止める筈だ、と。

 

 

 

「……そうならねぇ様に、努力くらいはするさ。これ以上ラムを怒らせるのも怖いしな」

 

 

 

スバルは、そういうと……扉を開けて出て行ってしまった。

 

暫く横になっていたラムだったが、ゆっくりと身体を起こす。

レムも、それを見計らった様に、奥から出てきて、ラムの隣に座った。

 

 

「本当に、しょうがない人ですね。スバル君は。……姉様はよろしかったのですか? ツカサ君の事は………」

「ロズワール様の命令(・・)よ。……確かに、ラムはツカサの事は好き。それでも、だからと言ってロズワール様の命令に背いてよい事にはならないもの」

「そう、ですか。そうですよね姉様。……ただ、ロズワール様は何をお考えなのでしょう? 《―――ツカサ君とスバル君を自由に行動させる。例え、エミリア様に何を言われても》だなんて」

「そうね。……でも、あの場で、ツカサがバルスに留まる様に、と言っていたら、ラムはバルスが抜けるのを全力で止めていたわ。ツカサとバルスなら、ラムは当然ツカサを選ぶもの」

「ふふふ。そうですね。……レムは、ツカサ君にやきもちを妬いてしまいそうですが、それ以上に姉様が好きになってくれた事がとても嬉しいです」

「当然よ。ラムが選んだ男だもの。……レムだって喜ぶ筈よ」

 

 

残された2人は、暫く談笑を続けた。

 

ただ、それぞれの想い人の無事を祈りながら。

 

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