Re:ゼロから苦しむ異世界生活 作:リゼロ良し
なので、日に2話~ギリギリセーフ!
イエーーイ(*゚∀゚人゚∀゚*)♪
ヘブンッッ!(゜o゜(☆○=(-_- )゙モチツケ!!
―――フェルト。
スバルは勿論の事、ツカサも面識はある。
最初は、聖金貨を大量に入れていた麻袋を掠め取ろうとした時。
2度目は、フェルトが盗掘蔵から逃げ出し、助けを求めた時。
助けを求め、そしてそれに答えた形にはなったが、あの少女とはまともに言葉を交わしたとは言い難い。
エルザの事をクソイカレキチガイ殺人女、と称した事が一番の印象深い程度だ。
「フェルト様。ご足労頂き、ありがとうございます」
「――――ラインハルト」
この短期間で、あの時の無鉄砲さ、ヤンチャさは鳴りを潜めたとでも言うのだろうか。胸に手を当てて、頭を下げ、礼をするラインハルトに微笑みかけながら近づいていく。
この瞬間を見る限りでは……、まさに王とそれに仕える騎士の構図………だったが。
フェルトの特徴的な八重歯がギラッと光り、一際大きく口の中からはみ出したかと思えば。
「てめーー! 何の説明もなしに連れてきて、こりゃ、なんの真似だ‼」
フェルトの着付けを手伝った付き人。レムやラムの様に双子だろうか、彼女たちが驚き、手を伸ばすが、止めれる筈もない。
身長差がそれなりにある筈なのに、ドレスの裾を持ち、見事に繰り出したのは左ハイキック。
正確にラインハルトの頭を刈り取らん勢いで放たれたケリを―――。
「驚きましたよ? 突然何を為さるんですか……」
最適にして最短最小の動きで止める。
特に慌てる様子も一切見せず、余裕をもって、フェルトを諫める様に。
不意打ちを止められた事に、フェルトは無理矢理連れてこられた理不尽さよりも、腹立たしく思う。
「サラっと受け止めといて、シレっとしてんじゃねーー! あたしもそろそろ我慢の限界だっつってんだよ!!」
「ドレスがお気に召されませんでしたか? よく似合っておいでですよ」
「え? そう……? ……じゃなく! 服の話なんざしてねーー!! そもそも騎士様が拉致監禁とか恥ずかしいと思わねーのかよっ!!」
フェルトにとってはあまりにも理不尽過ぎるから、怒っても良い案件……だと思うが、フェルトが犯していたことを考えれば、まだマシな待遇ではないだろうか。
「……盗み繰り返してたらしいし? そのくらいで済むなら………ねえ?」
「うるせーー! 聞こえてっからな!!」
なんと、どんな地獄耳だろうか。
不意につぶやいたツカサの一言をフェルトは聞いていた様で、自身の事を棚に上げてるが、反論を許さない、と言わんばかりな開き直り方に、驚くよりも、間違いなくあのフェルトだとある意味安心が出来る。
「それが、王国繁栄のためならば」
ラインハルトの答えは至ってシンプルだった。
フェルトが王候補になりうるだろうことを、その先見の明……と言うより、持ち前の未来視。繰り返してやり直せるツカサも真っ青な(まだ、乱用は控えてるが)その眼で見極めたという事らしい。
「まぁ、人間ってそう根っこの部分は変わらねぇよな? オレと同じく」
「んん?? あれ? あっちとこっち、兄ちゃん達じゃん! なんでここにいんだ?」
ラインハルトの後ろ付近にいるスバルを、そして、ツッコミ入れてたツカサを何度か見返した後、盗掘蔵での二人だと、気づいた様だ。特にツカサに関しては今更ながら。
「そりゃ、オレもなんで? って絶賛混乱中だ。因みに、オレはイレギュラー中のイレギュラーっぽいポジションで、あっちのツカサは実力でここに立ってるツワモノってヤツだ。んで、俺は爪の垢煎じて飲め、どころの騒ぎじゃねーほどな、無知蒙昧にして、
「おお、その何言ってっかわかんねーとこ、相変わらずだな! 元気そうで何よりだぜ!」
「うげっっ!!」
親交を深める様に、これまた見事なミドルキックをスバルにプレゼント。
「腹の方の傷も大丈夫そうだ!」
「腹の事知ってんなら、もっと労われやっ!」
楽しそうなのは結構だが、いつまでもそれを見過ごす訳ではいかない。
司会進行係でもあろう近衛騎士団・団長マーコスが野太い声で一言。
「フェルト様!! 旧交を温めあれるのもよろしいですが、こちらへお願いします!」
「!! ……ちぇっ。わーーったよ! でもラインハルト! アタシは言っとくけど王様になる気なんかさらさらねーからな! これが終わったら、即刻自由にしてもらう!!」
大股でずんずん歩いているフェルトを見ながら、ラインハルトは頭を下げた。
そして、フェルトは候補者が揃う場所へと赴く―――前に。
「よっ、兄ちゃん! あんときは礼言えてなかったよな? ありがとな! 兄ちゃんの財布スれなかったのは残念だが、失敗した相手が兄ちゃんで良かった、って思ってるぜ!」
「それは、喜んで良いのか、盗ろうとしたことを諫めればいいのか、判断に困る言葉だね……。まぁ、俺は騎士じゃないから良いけどさ。……でも、元気そうでよかったのは、こっちも同じだよ。―――場が場だけに、再会は正直驚きを隠せれないけど」
ツカサに対しては、それなりに距離もあるし、またあの声のデカいマーコスに一喝されるのも気分が悪い、と言う事で蹴りによる挨拶はせず、歯を見せる笑顔を交わした。
ラインハルトは、フェルトが指定位置へと向かったのを確認すると、音もなく移動し、ツカサの隣で。
「
「ふふ。僕もあの時は運命を感じたよ。……フェルト様が盗んだ徽章を返してもらおうとしたその時―――、彼女の手の中で輝く石を僕は偶然目にしたんだ……」
「なるほど……。だから、あの時突然目の色変えて、強硬手段に出たって訳だったんだ。……いきなりフェルトを気絶させるなんて、ラインハルトらしくない、って思ってたけど」
盗掘蔵での1件。
最後の最後で腹を真一文字に裂かれ、重傷を負ったスバルを介抱した後、フェルトは徽章をエミリアに返していた。
ロム爺を助けたエミリアに対して、自分の身内の命を助けてくれた恩人に対して、仇で返す真似はフェルト自身もしたくなかったのだろう。
もう盗まれるな、と言う忠告と共に、徽章を返そうとした時にラインハルトが割って入ってきて、連れ去られたのだ。
ちゃんとした説明も無かったから、当時は驚いたモノだが。ラインハルトの身分の事を考えれば、そこまで心配する様な事でもない、とは思っていた。
でも、まさか フェルトを王候補として連れてくるとは思いもしなかった。
「彼女がツカサを呼び、そしてツカサがオットーを通じて、僕の元へと駆けつけてくれた。そして、彼女と僕は引き合わさった。………幾つもの偶然が重なって、彼女はここに立っている。僕にはそれが運命の導きの様に感じられるんだよ……」
「ラインハルトがそう言うと、本当にそう聞こえるのが何とも不思議だよね。………だから、しっかりと訂正してね? オレが勝ったのは、
「ふふ。ツカサ。そろそろ始まるようだよ?」
「なんでそこは、笑顔だけじゃなく、素直に《了解した》って言ってくれないのかなぁ!?」
またはぐらかされたのが、少々どころか、大分不服だった。困る姿を楽しんでるのか、と。
だが、とりあえず良い具合に緊張がほぐれたのは事実だ。
「勲章を頂くなんて、本当に凄い事なんだよ、ツカサ。……誇りに思うよ」
「ん。相応の覚悟を持って臨むよ」
それが合図だったかの様に………マーコスは開始を宣言した。
「候補者の皆様、そして王国に多大な貢献をした勇士・ツカサ殿。お揃いになられました。僭越ながら、近衛騎士団団長の私、マーコスが議事の進行を務めさせていただきます。――――ツカサ殿への叙勲式、そして王位継承権についての賢人会の開催を提言いたします!」
マーコスは宣言した後、ラインハルトに目配せをした。
「では、勇士・ツカサ殿。前へどうぞお願い致します」
「!」
多少緊張が解れたとはいえ、こうも大々的に名を呼ばれ、これ程までの大人数の前に立つのは、……やはり今後も慣れそうにない。
「……ウルガルムやギルティラウの群れに飛び込む方が大分楽だよ……」
「流石だね、ツカサ」
「何が流石かわかんない……」
変な汗を背中に感じながら、前に。そして、ラインハルトも数歩遅れてすぐ後ろについた。
「―――事の説明をさせていただきます。今から1カ月程前の事。王都に入らしたツカサ殿と騎士ラインハルトとの出会いから。それでは騎士ラインハルト。説明を」
「ハッ!」
後ろに控えていたラインハルトがツカサの隣について、賢人会の面々を見ながら高らかに言った。
「彼と出会った1カ月前……その日より更に5日前の事です。場所はリーファウス街道、そこに出現した世界の厄災……400年間、世界を狩場とし、跋扈し続けた霧の魔獣・白鯨。それを何者かが単独で撃退し、人々を救ったと言う噂が、瞬く間に王都へと駆け巡りました」
ラインハルトの言葉で、少なからず周囲がざわめく。
賢人会開催の場で、私語厳禁なのは当然であり、礼節・礼儀を弁えているのが殆ど。
敢えて言うなら、プリシラとアルは別。当然、と言わんばかりに胸を張るプリシラと、口笛を盛大にならせるアル。ああ、直ぐそばのスバルも同じだ。《おおー》と歓声を上げて手を叩きそうになっていたから。……白鯨と呼ばれる存在については全く無知だが、雰囲気から色々と察しただけなのである。
と言えるが、大体が固唾を呑んでいた。
ただ、ツカサはあの場で救ったのは
「正体は不明とされていました。男性なのか女性なのか、何一つ解らないままであり、ただ商人たちの間で広まった、としか解りませんでしたが、私はただの噂である、と片付けるには惜しいと判断し、真偽を探っていたのです」
ツカサとラインハルト(勿論、オットーも)が出会ったのはある意味偶然ではなかったという事だ。
偶然ではないかもしれないが、幸運だとは言える。
あの場にツカサが現れて、オットーと共に白鯨の話をしなければ、ラインハルトの耳にそれが入らなければ、今回の件は無かったかもしれないから。
「……そして5日後、王都より、彼と、ツカサ殿と出会いました。――――その背には、白鯨の翼の残滓があり、ルグニカの研究班に確認・判定をしていただいた所、白鯨のモノである、と断言していただきました」
これで、ラインハルトの言葉で、あの噂が噂ではなく真実である、と確定した。
王候補が1人、クルシュ・カルステン及び、その騎士フェリックス・アーガイル。
王候補が1人、プリシラ・バーリエル及び、その騎士(疑)アルデバラン。
王候補が1人、アナスタシア・ホーシン及び、その騎士ユリウス・ユークリウス。
一様に、あの日の直観が真実であった事が証明された。
それぞれの熱い視線が再びツカサの元へと集中する。
それを背に感じながらも、おくびに出す様なみっともない真似はせず、極めて冷静に務める。
「研究の結果、それは保存状態、大きさなども含めて、歴代の討伐隊の戦利品……命を賭して、白鯨と死闘を繰り返し、得た情報。白鯨に迫る情報をも遥かに上回る成果を齎す、と言う評価を頂きました」
成果としては、聖金貨と言う形で、相場は知らないが、多くの金額を頂いた事で相殺……と思っていたのだが……どうやら、想像を超える程のモノだったらしい。
それは素直に良かったと思う。狙って一部を得た訳ではないのだから、これも偶然だ。
「―――よって、私、ラインハルト・ヴァン・アストレアより、推薦をさせていただきました。ツカサ殿のその強さ、判断力。……そして、ルグニカの国民を救ってくれた功績。ルグニカ王国に対する貢献は多大なものである、と」
「ふむ……」
賢人会の代表格である、マイクロトフ・マクマホンは、ツカサを紹介された当初より、鋭い刃のごとき眼光を向け、見極め続けていた。
流される事なく、事実に基づき、そしてラインハルトの推薦理由を聞き、その椅子から立ち上がった。
「賢人会を代表する私より、心より御礼を、そして―――」
団長マーコスより、小振りで、鮮やかな宝飾が施された小箱を託され、それを受け取った。
「ツカサ殿、どうぞ……前へ」
マーコス、そしてラインハルトに促され、ツカサは足元の注意を再三行いながら、ゆっくりと前に。
王候補者らを横切り、ちらりと横目にエミリアを見た。
彼女はまるで、自分の事の様にハラハラドキドキと心配してくれているのが解る。……自分も大変だろうに、それでもこちら側を気にかけてくれる。それは優しさ以外の何者でもない。
「
最高位! と言う言葉にせっかく頑張って気を保ち続けたツカサだったが、一気に目が白黒してしまって焦点が定まりきらなくなってしまった。
だが、それと同時にもう1つ……危惧をしている事もあった。
ラインハルトは問題ない、と称していたが……、それでも個人的には話をしておきたい。
この国のトップであるとされる賢人会に。
「ありがたき授与に、感謝を申し上げます。……が、私事ではありますが、1つ……この場をお借りし、聞いてもらってもよろしいでしょうか? ……私の身の内話になりますが」
「はい。よろしいですよ。……お聞き致しましょう」
マイクロトフは頷き、そして少なからず ざわついていた場も一言一句聞き漏らすまいと聞き手に入った。
ツカサは深く深呼吸を二度三度と繰り返した後……言葉にした。
「私には―――、あの白鯨と呼ばれる魔獣と遭遇する以前の過去一切の記憶がありません」
勿論、内容は自分の記憶の事だ。恐らくは決して戻る事の無いだろう記憶と自分自身を証明するモノが何もない事について。
「ただ、覚えているのは……、宙を投げ出される感覚。深い闇に落とされたような感覚です。そこから目を覚ましたら、気づいたら商人オットー・スーウェンの竜車の荷台に落ちていました。そこから……なし崩し的にではありますが、あの魔獣を退ける結果に」
ツカサの告白に、静まり返っていた場が再びざわつきだした。
マイクロトフも驚きつつ――疑問を口にした。
「記憶がなく、その上であの厄災を退けた……と?」
「はい。……説明が難しく、信用に足るか、と問われれば……説明と同じく難しいでしょうが、力の使い方は身体が覚えていた様なのです」
掌に極小の竜巻を生み出した。
敵意も害意も、その稚気しらも無い魔法を使い、そして握りつぶして見せた。
「嘘か真か、それを証明しろ、と言うのは……私にはどうしようもない事ですが。そんな得体の知れない私を……」
そこまで言った所で、王候補の1人であるクルシュが一歩前に出た。
「卿が嘘をついていない、真実である事は、この私、カルステン公爵家が当主 クルシュ・カルステンが保証しよう」
「‼」
まさかの別の人に、それも王候補の1人により真偽の確認が行われるとは思いもしなかった。
当然だ。今日会ったばかりの他人の言う事を……いきなり嘘ではない真実であると断言されたからだ。
強い力を持つのなら、その出自は当然疑問の内だろう、何等かの事情でそれを隠し、そしてそれがルグニカ王国ではなく外国と、それも敵国だったとしたらどうするのか?
諜報員だとしたなら?
強大な力を持つ者ほど、隠す事が多くなる可能性だって捨てきれない筈なのに。
「え、えっと……それは一体……?」
「混乱させてしまい すまないと思うが、私の前に嘘はつけないのだ。―――嘘偽りを口にする者の下には、そういう風が吹くもの。……そして、それを私は見る事が出来る。そういう加護を持っているのでな。それらを踏まえ、卿が嘘を言っていない、とここに断言する」
加護、世界の祝福、福音。いわば真偽を判断する魔法……の様なモノ。それを持つ者の前では嘘偽りは通用しないという事だろう。
そういう力がある事は解るが……、それでも解らない事はある。
「証明してくださって、ありがとうございます……が、どうして私の為に、その力を……?」
嘘か真実か、それを証明するのは容易いかもしれないが、それでも力を持つからと言って披露する理由にはならないだろう。自分の内に秘めるだけに留めたって不思議ではない筈なのに。
「それは簡単な事だ」
とクルシュは言うと視線をはっきりと交わしていった。
「白鯨の一件に関しては、私の耳にも届いていた。……その時から考えていた。白鯨を退けた強者と、相対してみたい、と。答えは卿に興味があったが故に、だ。単なる自己満足だよ。気にする事はあるまい」
そういうとクルシュは、《邪魔をした》と頭を少し下げて元位置に戻っていった。
「理由は解りました。……記憶がなく、自分自身の事も解らない。その様な疑わしい自分に
「あ、はい。……その通りです」
ツカサはそう言うと頭を下げた。
ラインハルトは笑っている。
エミリアも同じく。
スバルもそうだ。
ツカサを知る者は余すこと無く全員。
「……何も知らない、誰も知らない状態の貴方が。混乱極まるかもしれない中、自分の事よりも他人を優先し、命を救ってくださった。……貴方は強く、心優しいという事が証明されました。故に、
「……!」
1つ、また1つ……拍手を貰い、場は
「ありがとう、ございます。私も感謝を、申し上げます。皆様に。そして私を置いてくれたロズワール様に。それに……」
これまでに会ってきた人たち全てに。
何より―――帰りを待っていてくれている少女たち。……レムに、………何よりラムに。
ツカサは、深く頭を下げるとその勲章を受け取った。
「私はルグニカ王国に対して、これからも友好的である事を、誓います。今後記憶が戻ったその時も、――――必ず」
国籍ルグニカ王国。
故郷はルグニカ王国のメイザース領。
それを得た。……ラインハルトの言う通りだった。
そんな瞬間だった。
スカ~レットなんちゃらについては、華麗にスルーを(o^ O^)シ彡☆
てきとーに名をつけたので
マジモンなルグニカの勲章があれば、是非無知蒙昧なわたーぁしに(*゚∀゚人゚∀゚*)♪
ギャッホウ!!(゜o゜(☆○=(-_- )゙ヤカマシイ!!