Re:ゼロから苦しむ異世界生活   作:リゼロ良し

67 / 150
メニュー画面 ※考える時間②

 

 

 

「歯を喰いしばりなさい。バルス!」

 

 

 

次元の狭間、白の世界でラムの怒りの鉄拳が炸裂した。

 

矢のように放たれた一撃は、実に正確にスバルの顔面を捕らえた。

その体躯からは考えられないほどの威力を誇り、そのままスバルは身体を枯れ葉のように吹き飛ばされる。

 

何度も白の地を跳ねては転がり、側転し、バク転までし、……宛らゴム人形の様だ。

 

 

一撃を入れたラムは、それなりに気分は晴れる。

だが残念ながら、この空間でのダメージは持ち越し不可能。実際にこの空間は時が止まっている故に、ダメージを負う事は無い。ただ、身体に衝撃の様なものは感じているだろうが、《気のせい》と思えば、本当にその通りになってしまうだろう。

 

だから、ラムは 一瞬気分は晴れたが……まだまだ納得しかねる様子である。

 

 

「スバル君っ」

 

 

障害物が一切ない時の狭間の中で転がっていたスバルだが、漸く止まる事が出来て、追いついたレムに抱きかかえられた。

 

その次の瞬間……不思議な感覚があった。

 

スバルを遥か彼方へと吹き飛ばした筈だというのに、気づけばスバルとレムはラムの傍にいる。まさに、あらゆる物理法則を無視した様な世界の様だ。

 

繰り返す、戻る際に訪れるこの世界で暴れたのは初めての事だったから、少なからずラムは、直ぐ傍にいるスバルに驚くが、自分から近づく手間が省けた、と早々に順応し、スバルを見下ろした。

 

「バルスは、ツカサを殺したいのかしら? ラムの愛する人を殺したい、と? 何処までも恩知らずでいたいと言うの……? バルスの馬鹿な行動ひとつで、全てが終わっていた可能性だってあるのよ!」

「――――わ、悪かった。本当に、マジで悪かった。……オレも、オレだって、ずっとそう思ってた。なのに……エミリアの話を聞いたら、頭ん中が真っ白になって………」

 

 

口調が変わらず、先ほどの鉄拳の事を連想させれば、驚く程静かだが、……紛れもない激しい怒りを込めてスバルを見下ろすラム。

 

そして、レムはラムを止める事はせず、ただただスバルの身体を抱き起こした。

 

あのスバルの行動が悪かった事、そしてラムの言う事が間違えていない事。レムは解っている。

例え、レムは姉至上主義だと言えど、その忖度を抜きで考えたとしても……、スバルの行動が浅はかだったのは、本当の事だから。

だから、姉のラムの言葉、行為を否定しない。その変わりに、攻めるべきベクトルは自分に向けるべきだと主張した。

 

 

「申し訳ありません姉様。レムが、レムがもっとスバル君の傍に居れば……」

「あの圧の中、動けただけで十分よ。レム。……よくバルスの傍にいてくれた、ってラムは想っているわ。……それに、きっとツカサも同じ」

 

 

ラムは、レムには優しさを向けていた。

どうやら、納得しかねていたラムだったが、ある程度は発散出来た様で、それ以上はスバルの事を責めたりはせず、スバルを思いっきり殴った手をプラプラ、と振りながら――――直ぐ傍にいるツカサの元へと向かった。

 

 

ラムの直ぐ傍では、ツカサが眠っている。

 

 

――――それは、あの時(・・・)の姿ではなく、いつものツカサの姿だ。

 

 

「………きっと、ツカサはバルスの行動を予期していたのね」

 

 

ラムはツカサの頭を自身の膝に置くと、その額をそっと撫でた。

 

あの時……、前回の時の様に、身体が冷たくなっているワケでも血を吐いているワケでも無い。

少なくとも、この空間に来れている以上、時間跳躍は問題なく行えた様なので、一先ず安心だろう、と言うのがラムの考えだ。

 

後は、ラムとレムとスバル、そしてツカサの4人での時間移動。そして話に聞いていた切り札。

それらが、どこまでその負荷がツカサに掛かっているかを知る必要がある。

 

 

「……………っ」

 

 

ツカサの顔を見ていたラムの脳裏に最悪の光景が過った。

それは最悪、このまま目を覚まさない可能性だって―――、と悪い方に考えてしまっていたラムだったのだが、それは杞憂に終わる。

 

 

「―――だいじょうぶ」

「っ!」

 

 

まるで、タイミングを見計らったかの様に、一番不安がっていたラムを待たせる事なく、その瞳はゆっくりと開かれたから。

 

それと同時に伸びる手は、ラムの頬に添えられて、その仄かに赤みが掛かったラムの頬は更に染まってゆく。そして その瞳は潤んでいく。

 

 

「約束、したから。ちゃんと戻ってくるよ。無事に。……ちょっと寝坊してごめんね?」

「そうね。約束、したものね。……それに、今回は目を覚ますと直ぐに、ラムの事を安心させてくれた事が嬉しかったわ」

 

 

頬に添えられた手をラムは受け取り、そのまま頬ずりをし続けた。

 

 

 

 

 

 

見事なまでのラブシーンだった……が、それはそうと、現実問題では許容できない問題に直面しているので、何時までも展開させておくわけにはいかないのがスバルだ。

 

 

 

だが、だからと言って文句を言う訳にはいかない。禊を終えたとも思っていない。

ラムの一撃以上に、ツカサにも強いのを幾らか貰ったとしても、文句は一切ない。

でも、でも……どうしても話を先に進めたかったのだ。

 

 

 

あの原形を留めていない異形で巨大なパック。命を奪った存在でもあるパックに正面から堂々と突っ込んでいってしまった。それは自分でも馬鹿な真似をしたと解っているし、何より―――、自らが齎した結果、ツカサがいなくなるなんてはあってはならない。

救える者も救えなくなってしまうから。

 

 

 

だから、ここは敢えて勢いでいき、尚且つ話題を戻す決意をする。

他人の恋路を邪魔するヤツは、馬に蹴られて死ぬ! と思われるか、若しくはそもそもリア充爆ぜろ!! と思う方が勝つか不明だが、兎に角スバルは御心のままに行動開始。

 

 

 

「ツカサすまん!! マジですまん!! いや、ゴメンなさい。申し訳ありませんでした! オレは、オレはまた……、お前にあの苦しみを、お前に全部背負わせる所、だった………」

 

 

 

レムに抱きかかえられていたが、彼女に離す様に促し、解放してもらった。

それと同時に這いずる様にして、ツカサの元へ土下座励行。

 

スバルの謝罪or邪魔(それ)を聞いたラムは、虫けらを見る様な目つきになる。

 

 

「ハッ!」

 

 

いつもの割り増しの毒舌を、罵声を浴びせようと思ったその時だ。

 

 

「スバルが謝る必要なんかない。特に問題ない範囲の行動だったし、寧ろオレの中じゃ予想通り、予定通りだった」

「ツカサ……」

 

 

それは、《それで良いの?》や《どこまでもお人よしなんだから》と言った類のモノではなく、ただただ《ラムの邪魔をするな!》 と言う様な憤怒が見え隠れしていた表情だった……が、ツカサはラムのその顔は見ていない。

 

ただ、上半身を起こして、ラムの頭を撫でながら自身の胸に抱き寄せたから。

 

 

 

「っ……!」

「絶対、仕方ない事、なんだ。……もし、オレがスバルの立場だったとしても。………そんなの、頭じゃ考えられない。大切な人が……、って考えたら」

 

 

 

 

僅かに震える身体をラムは感じながら、これまで考えていた……いや、頭の中を支配していたスバルに対する感情でいっぱいだったそれが一掃された。

 

そして、思い返す事が出来た。

スバルが取った行動、その原因が何だったのかを。

 

ツカサが危なかった。

またスバルが死ねば、比べ物にならない程のダメージがツカサに返される。

本人は否定しているが、第3者側からの視点で見れば、最悪死ぬ可能性だって十分ある程、凶悪な呪いのように感じた。

 

そのことばかりで、いっぱいだったから……、あの巨獣の正体や、何故あの様な行動をとったのかを、改めて。

 

 

 

「だからって、目を逸らせる訳にはいかない、よ。―――変える為にも」

 

 

 

ツカサの言葉を聞いて、スバルは大きくうなずいた。

例え……それを言葉にしても、取り乱さない程度に心を落ち着かせながら。

 

 

「《エミリアさんの死》……それは多分間違いない。パックが暴走する理由としても、十分当て嵌まる事態だと思うし、精霊の契約って話だったら尚更、だよ。………大切な人が死ぬなんて、考えられない。……考えたく無い」

 

 

 

 

ツカサは、世界をある程度 やり直す事が出来ると言うのに、その世界世界での死に感情移入をし過ぎる。過去に遡り、原因を追究・解決する事で十分取り返しが付く問題だと言うのに……。

 

だが、それはラムとて、とうの昔に解っていた事だ。

簡単に割り切れる男じゃない事くらい。

 

 

やり直せるとはいえ、時間を遡れるとはいえ、それは偽物の世界じゃない。本物の世界だ。

更に言えば、ツカサの能力は何時如何なる時でも戻れると言った万能な力と言う訳でもない。

 

だからこそ、常に気を張り。戻れるからと自暴自棄や無関心になったりはしない。

そんなツカサの感性は寧ろ好ましいとさえ思える。

 

命を何とも思っていない者が、時間遡行の能力を得たら、暴虐の限りを尽くすだろう、と言う事は容易に想像が出来るのだからだ。

 

 

 

「だから、対策を練ろう。幸いな事に時間切れになる前にパックが話してくれた。――――犯人は魔女教だ」

 

 

 

それは決して無視できない名。

無関係とは言い難い名。

 

スバルの身体の中に居るナニカにも通じるモノ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

まずは原因を再確認。

次元の狭間での滞在時間、その法則性は読めないが、どうやら今回は前回より……、ラムとスバル、そしてツカサの3人の時より遥かに長いようだ。

 

だから、入念に議論を交わす必要がある。

 

戻った時、最善にして最短の道を進む為にも、どうしてエミリアが魔女教に狙われる様になったのか、そこから始める。

 

 

可能性の範囲、想像の範囲内ではあるが、彼女の種族、ハーフエルフと言う存在が原因の1つだろう。そして、もう1つ……そう、王選だ。

 

 

「間違いなく、王選だろうな……エミリアを狙って、魔女教ってヤツらが動き出したって事かよ」

「……その可能性はロズワール様も危ぶまれていました。ですから、その対策をロズワール様は検討されていたと思われましたが……」

「ええ。ハーフエルフであるエミリア様が公になれば、魔女教が動き出す。……これは、市政にも通じていて、最早子供でも知っている事よ」

 

 

魔女教との因縁はラムやレムも同じだ。

全てを奪われたと言って良い、その元凶なのだから。

 

ラムとレムの表情は険しい。

 

 

 

「ハーフエルフだからって……。エミリアさんにとっては、辛い事かもしれないけど、今は申し訳ないが後回しだ。敵の規模も全く解らない。……何でも魔女教は、過去400年間尻尾を掴ませなかった、って言われている程の集団だから。色々と災害染みた歴史書みたいなのは、確認したけどね。……幾らロズワールさんとはいえ、仮に魔女教が総攻撃を仕掛けてきて、その撃退の準備をこの短期間で整えている、なんて考えにくい。……それに、聞いた話じゃ、ロズワールさんは……」

 

 

そう言いながら、ラムの方を見ると……、ラムは頷いていた。

 

 

「ええ。ロズワール様は王選から屋敷に戻って直ぐ、領内の有力者の所……そして ガーフの所……、聖域にも赴くとおっしゃっていたわ。だから、襲撃される5日後に、屋敷に戻ってきていたという可能性は低いかもしれない……」

「つまり、エミリアさん、パック、フレデリカさん、ベアトリスさんの4人しか戦力としては居ないんだ。……たった4人じゃ、歯が立たなかった、と言われても納得せざるを得ないよ」

 

 

たった4人、と言ったが彼女達の実力はそれなりには知っているつもりだ。

フレデリカは会って日も浅いので、そこまで知っているワケではないが、精霊術士であるエミリアと大精霊パック。加えて禁書庫を守護する同じく大精霊ベアトリス。

 

並大抵の兵力じゃ返り討ちに出来るだけの戦力は誇って良い……と思うが、結果が5日目のパックの大暴れ。

 

 

「本邸の戦力の大半はロズワール様個人の能力に依存している点が否めません。フレデリカが残ってくれている現状を鑑みたとしても……、その、先ほどの光景を目の当たりにしたら……解りますから」

 

 

レムは歯を喰いしばって俯いていた。

屋敷がどうなってしまったのか、考えるのは容易だ。

 

エミリアの死が、パックの暴走の始まりだとするなら……、確実に屋敷は全滅させられているだろう。戦力の大半を占めるロズワールがいないのも痛すぎる。

 

 

「どうにか、オレ達で戦力をかき集めないと話にならねぇな。なんとかクルシュさん達に協力を求められないか? 政敵だっつっても、国民だ。魔女教は世界に向かって厄災を振りまいてるってんなら、討伐する理由だって出てくる筈……」

「……正直、難しいと思う。まず、何で魔女教が攻めてくるのか、何でその日時を知っているのか。……不可解な点が多過ぎるし、あまりにも知り過ぎてる。オレ達が魔女教と繋がりがあるんじゃないかと疑われかねない」

「でも! それはクルシュさんの加護ってヤツで嘘じゃない事は伝わるんじゃないか??」

 

 

スバルがそう断言する。

確かに、クルシュの風見の加護は極めて優秀な者であり、対象の嘘偽りを見抜く力がある能力だ。

 

だが、それでも今回は話が別。

 

 

「説得力が乏し過ぎるんだ。―――狂言を妄信している、と取られてしまったら、正直心象も悪いどころじゃなく、最悪その後の打つ手が無くなってしまう」

「ぐっ………」

 

 

スバルとて、解らない訳じゃない。

いや、混乱しきった頭だったのなら、考えが及ばなかったかもしれないが、今はまだ頭を回す事が出来ている。

 

クルシュの立場、そして情報の信憑性の乏しさ。これらで安易にカルステン公爵家の力を借りれる等思えない。

ツカサが言っていた様に、一つずつ矛盾点や怪しい所を告げられ、………最終的には断られる。

 

 

 

「情報の真偽。それを確実に相手に信用させる手段が無い訳じゃない」

「!! 本当か!? 一体どんな手で……?」

 

 

ツカサの言葉に、スバルは目の色を変える……が、ツカサよりもラムが呆れたため息と共に、口に出した。

 

 

「ツカサが言ってて、解らないの? 普通バルスなら、聞くまでもなく解る事じゃない。―――ツカサが説得する。……これ以上ない位に信憑性が増すわ。……能力でクルシュ様も一緒に連れて帰れば、論より証拠になるもの」

「ぁ………」

 

 

未来の惨劇をクルシュ自身に見せる。

パックの暴動を、国の危機をクルシュに見せて――――その上で対策を取ってもらう。

 

まさに論より証拠だ。実際に見てもらう以上の説得力はない。

 

これはツカサだからこそ出来る、スバルの死に戻りでは決して出来ない最強の手札だ。

だが、それが安易に下せない決断だという事も、同時に理解した。

 

時間遡行が出来ることを、候補者であり、政敵でもあるクルシュに知られるという事になるのだから。

緊急事態だとしても、それがどんな結末にたどりつくのか、解ったものじゃない。

 

 

「……クルシュさんは、個人的には信頼に足る人だと思ってるよ。接してみて、刃を交えてみても解る。王の器、っていうのも肌で感じられた。………でも、最大で最重要でもあるオレの秘密()を軽々しく話せるか? ってなると………、本当の最終手段にしたい。出来る事全部やって、それでも出来なかったら、道がなかったら、この手を取るつもりだ」

 

 

この危機は脱するかもしれないが、結果新たな危機が起こらないとも限らない。

切り札や奥の手と言うのは、知られてないからこそ、最大の効果を発揮する者であり、ツカサの場合は相手が知らなければ、最大級の効果を発揮してくれるのだ。

 

そういう意味では、強制的に秘密をバラすことを咎める死に戻りの方がある意味では良いのかもしれない。秘密の漏洩防止対策として。……だからと言って心臓を握ってくるのは二度と体感したくない感覚ではあるが。

 

 

「……取り合えず、圧倒的に情報が足りねぇ。まずは ロズワール邸に戻ってみる、って言う線で攻めてみねぇか? 勿論、ツカサがどの世界も捨て石みたいに使うのを好ましくないって思ってるのは解る。……でも、最善の未来()に行く為には、情報はどうしても必要だ。……オレが()―――」

 

 

一瞬、《自分が戻る》という言葉を使おうとしたら、またあの闇の手が襲ってきた。

咄嗟に言わない、言わない、大丈夫大丈夫、と心で念じる事で、その手は胸部分に触れるか触れないかの位置で消えてくれた。

 

 

「……レム、悪ぃ」

「いいえ。臭いのもスバル君ですから」

「いや、それはそれで嫌だな!! って、んな事より! オレが馬鹿やってツカサを瀕死にして。動けなくしちまったら、その時点でゲームオーバーだよ。……だから、オレは絶対死なねぇ様に最善の注意を払う。お前らにも頼っちまう事になるが……そこは目を瞑ってくれ」

「妙な事したら、死なない程度に殺すのが条件よ」

「ああ。構わない」

 

 

ラムのなかなか凶悪な制約を眉1つ動かさずに頷いて見せたスバル。

感情的になり、直ぐに自重するという言葉が消し飛ぶスバルだが………、その行動理念は、全て《誰かの為に》と言うベクトルが向けられている。

 

その事に関しては、好ましくない訳がない。

 

 

 

「解った。スバルの言う通りだ。……戻ったら、まずはロズワール邸に戻る事、その手段を最優先で探す事にしよう。スバルの治療を途中で切り上げる以上、エミリアさんに無駄骨、って形になるけど……、そこは大目に見てもらう事にして」

「ああ。また約束破っちまう結果になるのは、正直心苦しい。……でも、戻ってきた面目果たせるだけの戦果ってヤツは持っておきたい」

「ハッ! バルスは殆どついてくるだけになるのに戦果とか。身の程知らずとはこの事だわ」

「その通りなだけに、否定できない自分が辛い!! ある程度落ち着けたら、オレめっちゃ鍛えてやる!! ロズワールから、自分の3割くらいとは聞いてたが、3割もありゃ、オレの応用で何とかなる!!」

 

 

以前、屋敷での魔獣騒動の時。

ロズワールとの混浴……(怖)イベントで、魔法の才能についてロズワールから辛辣な意見を頂いたのだ。

 

何でも、魔法の才能が全然なく、ロズワールを10とするとスバルは3ぐらいが限界値とのこと。

 

その時は、スバルにとって聞きたくなかった情報――――なのだが、冷静に考えてみると、王国筆頭、王国最強の魔術師の3割。半分の半分。

それでも十分なのでは? と思う様になったのだ。

 

 

 

「………そろそろ終わりが近づいてきたようだ」

 

 

 

ツカサは視線を背後に向けた。

気配をある程度は感じていたのだろう。……その先には黒点が近づいてきており、みるみるうちに大きくなっていっている。

 

 

 

「情報収集って、スバルは言ってたけど……全然突破しても問題ない筈だから、最初から全力でオレはいくつもり。……だから、ラム。最初に謝っておくよ。ごめん」

「んでも、オレは! 兄弟が瀕死になるような事態だけは避ける!! 全力で!! だから、ラムには謝らない! 謝らなきゃならねー事は、オレはしねぇ! だから悪いけどレム! 弱ぇオレに力ぁ貸してくれ!!」

 

 

 

ラムにはつらい顔をさせたくはないが、それでも仕方がない。

それがツカサと言う男の性分なのだから。

 

スバルはスバルで、気を新たに持つ。

責任重大である事を自覚しながら。

 

 

ラムとレムは、それぞれの想い人にしっかり向き合って告げた。

 

 

 

 

「「―――仰せのままに」」

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。