Re:ゼロから苦しむ異世界生活   作:リゼロ良し

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取り合えず、ワンダウンヾ(o´∀`o)ノワァーィ♪


ペテさん………


怠惰②

「ようこそ御出で下さいましたネ。どうぞ御ゆるりと。……大いなる試練における、我が勤勉さを示す為の礎よ」

「要件済ませてとっとと帰るつもりだ。ゆっくりなんかしないよ」

 

 

 

 

一目で狂人は理解した。

指先達を、意図もたやすく葬ったその力量に、ではない。

その姿を見たからだ。―――仮に、指先達が存命であり、彼を連れてきたとしても、疑う余地はない。

 

 

 

 

 

―――この男なのだ。この男こそなのだ、と。

 

 

 

 

無論、周囲に散らばる無残な指先を一蹴した手腕もそうだ。

障害が大きければ大きい程、達成された時、試練を超えた時、魔女に報いる事が出来る。

 

 

爆散した指先達には特に目をくれる事も気に掛ける事も無く、狂人ペテルギウスはただただ、この場に現れた男に魅入っていた。

その姿に魅入られてしまっていた。

 

 

人の姿をしているが、その身に宿すものは、想像を絶する。これ以上ない程の試練。

これを超えた時――乗り越えた時、どれ程まで魔女に報いる事が出来るだろうか。間違いなく訪れるだろう、これまでの勤勉さをもってすれば、間違いなく超えられるであろう、その未来の自分に甘美を覚えたのは初めての事かもしれない。

 

 

その為……とはいえ、その為にこんな感情を、まだ達成も出来ていない自分に酔う事を、………何よりも、魔女以外に心から歓喜に満ちた目を向ける日が来ようとは……。

 

 

 

 

「あぁぁぁぁぁぁあああ!! 怠惰怠惰怠惰怠惰怠惰ぁぁぁぁぁ!! 怠惰なるワタシを御許しを! 御許しを!! 現を抜かすこのワタシを御許し下さい!! 魔女よぉぉぉ!!!!」

 

 

 

 

スバルからその手を離し、一心不乱に頭を地に打ち付けるペテルギウス。

そんな狂人を前にして、一歩も退かないのが、この場に現れた男―――ツカサだった。

 

 

 

「……やっぱり、そう何度も見るもんじゃないな(・・・・・・・・・・・・)

 

 

 

不意に、そう呟くツカサ。

離れた位置に居るとはいえ、この洞穴の空洞は音を反響させる。

ペテルギウスが奏でる不快で耳障りな音も当然反響するが、ツカサの小さな呟きにも当然ながら反響し、スバルの耳に届いてきた。

 

 

一瞬、疑問符を浮かべたが、直ぐに理解する。

 

 

このペテルギウスに出会った事などない筈。ツカサ自身から魔女教の話は聞いていないのだ。

それにペテルギウス自身を見ていても……何となく解る気がする。

 

なのに、ツカサのつぶやきは……、まるで見てきた様な言い方だったから。

なら、答えは1つしかない。

 

 

「スバル。次は、殺されない様(・・・・・・)にしてよ? お願いだから。準備万端にしておかなかったら、一体どうなっていたか……」

「いや、笑えねぇな、オイ。マジでマジで! ………また、お前の足引っ張っちまうとか、お前を苦しめちまうとか、ほんと。マジで笑えねぇよ。……そんでもって、流石の一言だ、兄弟」

 

 

サムズアップで答えるスバル。

先ほどの、アイコンタクトで全てを察した。

 

 

そしてツカサも通じた結果を見て―――ここで決めた。

 

 

今、この次元、この時を持って、この狂人を仕留める。

例え……戻る世界だとしても、なかった事になるとしても、その報いをこの次元の、この世界の狂人には向ける。

 

安易に、簡単に戻れるような感性じゃなくて、ある意味良かったと思える。

 

 

 

「魔女に対して許しを乞う必要はお前には皆無だ。見向きもされない。――彼女、意中の相手はもう決まってるみたいだから。今も、これからもずっと1人に夢中だよ」

「!!!」

 

 

 

頭を打ちまくっていたペテルギウスが、その言葉で、一気に覚醒した。

重力を無視したかの様に立ち上がり、右90度に折れ曲がった首をそのままにツカサに向き直る。焦点が合ってなかった瞳を、真っ直ぐに向けてくる。

 

 

「今の発言、不敬な発言、不敬極まる発言!! 魔女と、サテラと、まるで親し気な発言ををを!」

「――勿論、意中の相手がオレ。とは言わない。でも、知らない仲ではないかな。彼女は結果的に言えば、オレの願いも聞いてくれたし(・・・・・・・・・・)

 

 

その言葉が嘘である、虚実である、とは思えないペテルギウスは、激しく動揺を見せた。

それはこれまでの狂気な振舞から出るものではなく、正真正銘の動揺の色だ。

 

 

「――――ッッ!! 試練!! 試練を受け、勤勉なワタシたちではなく、魔女はアナタを選んだとでもいうつもりデスか!?? あってはならない、あってはならないの、デス!!」

「好いた、惚れたは自由だ。自分に好意を向けられなかったからって、癇癪を起こすのは、情けないと思うよ? ペテルギウス(・・・・・・)ロマネコンティ(・・・・・・・)

 

 

ツカサは、先ほどまで会った殺意をそのままに、言い聞かせる様にペテルギウスの方を見て、自身の頭を差しながら、告げた。

 

 

 

 

 

 

 

「――その担当通りの『怠惰』だったんじゃないか? 他の誰より、この世界で誰より」

 

 

 

 

 

 

 

プツリ――――。

 

ペテルギウスの中で何かがキレた。

まだ、名乗っていない筈なのに、ツカサ自身の名も知らなければ、自分自身も名乗っていない筈なのに、名を知っている事に対する疑問も幾分か生まれつつあったが、その様な疑問のさざ波は、大いなる津波によって掻き消えた。

 

元々常人には想像もつかない程の歪み方をしている狂人だ。そんな男の中に、狂気以外の何が存在するのだ? とも思えるが、ペテルギウスの核心を突くに最も適しているのが、『怠惰』であり『魔女』。

 

 

 

それを―――知っている。知ったからだ。

 

 

今、この瞬間。完全に、自分だけに向けさせる為に。

 

 

 

「あぁ、ぁぁぁ、あああぁぁ、ぁぁぁあああああああ―――――――!!!!」

 

 

 

今度は、頭を掻きむしり、頭部の皮膚を突き破り、血を流しながら周囲にまき散らす。

ぶんぶんぶんぶん、と一心不乱に振り乱し、軈てピタリ、と止まった。

 

 

 

「脳が……震、えるっっ―――!! 怠惰の権能『見えざる手』!!」

 

 

 

そして、スバルが先ほど見た、あのナニカ……、見えざる手が、何本もペテルギウスの背後に現れ、不気味で嫌悪を抱く動きをしながら、一斉にツカサに向かった。

 

伸びる手は、明らかに触れてはいけないナニカ。少しでも触れれば、捕まれば、あの時の指先と呼ぶ黒装束の男の様になるのが目に見えている。

何処に、あんなゆらゆらした気味が悪いナニカにそんな力があるかは解らないが、人体など容易に握りつぶす事が出来るだけの力を有しているのが解る。

 

捕まれたその箇所から、肉を削ぎ、骨を砕き、軈て命にも簡単に届き得る力。

 

 

 

だが、スバルは心配はしない。

 

 

ただただ、自身の身を守る事を最優先した。

ペテルギウスから距離を取り、そしてあの手を凝視し続ける。

《見えざる手》と言っている割には、はっきりくっきり見えるあの手。

 

 

「名前負けしてんよ、まる見えじゃねーか……!」

 

 

スバルはそう呟きながら、距離を取る事に成功。

だが、目の前では想像を絶する光景が広がっていた。

 

 

「んだ、そりゃ……! みえてる、みえてるとは言っても……、でかすぎだろっっ!?」

 

 

何本も伸びていた手が、軈て一本に纏まったからだ。

巨人族―――には、ロム爺だけだが会った事があるが、それとは比べ物にならない程のデカさ。比べる事さえ間違っている。

過去、元の世界で幾つか見た巨人族たちの手の大きさと比較して、どうにか見比べる事が出来る程の巨大(でか)さ。

 

身体の何処かを掴む、ではない。身体そのものを叩き潰す事だって出来る巨大(でか)さだ。

 

 

 

 

 

ケタケタケタケタケタ。

 

 

 

 

 

あの不快な笑みがスバルの耳に飛び込んでくる。

試練試練と口にしている通り、これで試練に打ち克てる事が出来る、とでも確信しているかの様な笑みだ。

 

 

だが、スバルは逆に嘲笑を覚える。

 

 

今の今まで、あの笑い方は当分慣れる事はない、と思っていたのだが、ここへきておかしくてたまらない。

 

 

 

「他力本願上等! んでもって、オレの兄弟舐めんなよ! やっちまえぇっ!」

 

 

 

 

拳をびゅんっ! と振った先に居るツカサは、まるで示し合わせたかの様に行動開始。

 

両手を使い、右手を上に、左手を下に、そしてパンっ! と大きな破裂音を奏でさせた。

 

 

その行為が何を意味するのか……、直ぐ解る。ツカサの手と連動して、動き出したからだ。

 

 

「インヴェルノ、ジ・アース」

 

 

地からは、そのまま大地がせり上がり。

天からは、あの巨大な氷塊が鉄槌となって降り注ぐ。

 

 

巨大なあの手は、そのまま挟み込まれて……、逆に潰されたのだ。

藻掻いている様だが、それを意に介さない。

 

そしてツカサは、藻掻く巨大の手を前にし、両手を合わせた。

地と氷、それぞれの力を……合わせた

 

 

 

「アイスエイジ」

 

 

 

命じられ、その力は姿を変える。

大地と合流を果たした氷塊は、魂まで凍える時代を形成するがごとく、周囲を真っ白に染めた。

あの日、あの時、パックがそうしていたかの様な光景。

 

 

 

「うわわわわわわわっっ!!」

 

 

 

そして、スバルは逃げれない。

背後にはしっかりと壁。

何せ、ここが洞穴の最奥。これ以上行き場はない。

 

そしてそして、唯一の出入り口である穴は、ツカサの方にある。

このまま、また凍らされるのか……!! と一瞬ビビってしまったが、ある程度の範囲までしか伸びなかった様だ。

 

 

 

「は……? は?? はぁぁぁぁ????」

 

 

 

スバル以上に混乱の渦中にあったのは、ペテルギウス。

 

 

 

 

――――見えざる手、自身が放った唯一絶対の権能、見えざる手。魔女の寵愛の証、見えざる手。愛に愛に満ちた見えざる手。自分だけの見えざる手………。

 

 

 

 

どれだけ考えても、どれだけ振り払おうとしても、現実は変わらない。

見えざる手が潰された。それどころか、その手を伝って、自身の身体の半分まで凍結させられたのだ。

 

だが、そんな事はお構いなし。自分の半身が氷漬けになってしまっている状況など関係ない。

 

 

「馬鹿な、馬鹿な馬鹿な馬鹿な馬鹿な!! 見えざる手がみえ、みえた? みえる? ワタシ以外に、見えざる手が?? みえてたまるものかっっ!!! ワタシ以外にっっ!!」

 

 

試練を課す為の、強大な強敵。

相応の関門である事はペテルギウス自身が思っていた事だろう。必ず乗り越える、と言う気概も、常人では到底通じなる言動と共に持ち得ていた筈だ。

 

 

だが、この光景だけは見過ごせない、見逃せない、あり得ない。

 

 

 

「あり得ない、あってはならないのデス!! なぜ、何故何故何故!?? アナタ、アナタ……!! ワタシの、ワタシの寵愛が、与えられし寵愛が、怠惰なる権能が……!! なぜなぜなぜなぜなぜなぜなぜぇぇぇぇ!!」

 

 

 

足が動かないのもお構いなく身体を揺すりに揺する。

再び、権能を発動させて、迫るが、同じ事の繰り返し。

 

 

見えざる手では、氷河期(アイスエイジ)を超える事は出来ないと言わんばかりに。

 

 

 

「どうやら、見えてるのはオレだけじゃないみたいだよ、ペテルギウス」

「は、はぁ!?」

「魔女の想い人、スバルも見えてる。はっきりと目で追ってたのが解った」

「ここで俺に振るとか!? 逃げ一択なタイミングなのに、ソレ間違ってない!?? それに、オレは想われるのは1番にエミリアたん! そんでもって、2番目はレムって決めてんだ! 心臓(ハート)をぎゅっ、っとされたのは事実だが、魔女に付け入る隙はみせねーよ!!」

 

 

 

いつの間にやら、スバルはツカサと合流を果たす事が出来た。

 

それもそうだ。

凍っていく地、それを器用に操作したのだろう、スバルに道筋を作っていたから。

あのアーラム村での魔獣騒動の際、レムに向かって作ったせり上がった大地の道の応用、と言った所だろうか。

 

 

 

 

「ワタシ、ワタシ以外に、2人もぉぉぉぉ!!??」

 

 

 

 

身体の自由が氷漬けによって効かないのが解っているのに、ブンブンと気持ち悪く身体を揺するのを止めないペテルギウス。

 

情報を聞き出す、と言う手もあるかもしれないが、話が通じるとも思えない。

このまま放置していたら、何をやらかしてくるか、何をしてくるか解らないのも明白なので……。

 

 

 

「スバルが考えてる事、解るよ。オレも同じ気持ち。……でも、ごめん。頼まれてるからもうちょっと待って」

「は、え? たのまれてる??」

 

 

 

 

ツカサは上を見上げる。

氷の魔法、インヴェルノによって、この空洞は大きく形を変えていた。

更に言うなら、より高く削られているので、後少しで天井部分はより開放的な空間を彩る事だろう。

 

 

外の光が、幾つかキラキラと見えているから。

 

 

 

崩落を起こさなかったのは、ツカサの氷がそれを防いでくれている事も理解したが、何を頼まれているのかが理解出来ない。

 

 

 

だが、それを理解するのには時間がかからなかった。

 

 

 

 

「《魔女教に、その首謀者の1人に、自らの手で報いを受けさせる》それを条件に、先に入る事を許してもらえたから」

 

 

 

その次の瞬間、ピシっっ!! と一際大きな音が響いた。

天井部が完全に開かれて、そこから2人の影が折りてくる。

青髪の少女と、桃髪の少女の2人。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ウル・ヒューマ!!」

「ウル・フーラ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2人の合わさった魔法。

氷の鉄槌に合わさる全てを刻む風の調べ。

 

 

 

いまだ納得いかず、と言った様子で藻掻いているペテルギウスを押しつぶし――――そして、粉微塵へと変えたのだった。

 




ペテさんガンバッテ(p^-^)pq(^-^q)



ギャッホウ!!(゜o゜(☆○=(-_- )゙ゴラァ!




マジでスバル君が◎られた訳ではないッスね(o≧▽゜)o

あれは無理、と判断したツカサ君の読み込みロードの方が早かったトイウ(*゚∀゚人゚∀゚*)♪
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