静寂なる雷鳴   作:天海望月

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7回目の初投稿です。

競馬なんてほとんど見たことないのに、女の子になったとたんこれだよ!!!!面白れぇ!!
プレイ開始から10日と経たず気が付けばキーボードに手が伸びてました。最高。


1 稲妻が如く

 レース場を照り付ける太陽。撫でるように暖かな春の風。

 

 今日、このレース場はデビュー戦とは思えないほどの活気を見せていた。

 

『各ウマ娘、スタートしました!果たしてデビュー戦を一着で飾るのはどのウマ娘か!』

 

 一斉にゲートが開き、少女たちが飛び出していく。

 

 耳を揺らし、風に髪と尾をなびかせながら、到底人としてはありえないような速度でターフを駆けていく。

 

 ウマ娘。ウマの因子を持って生まれた人間で、身体能力も人とは一線を画した存在である。

 

『さあ最初に先頭に躍り出たのは一番人気サイレンススズカ!』

 

 混沌とした集団の中を最初に抜けたのは、緑と白を基調とした衣装を纏う“サイレンススズカ”であった。

 

「はっ、はっ、はっ」

 

 一定のリズムで落ち着いた呼吸を繰り返す。その速度やペースから掛かり気味とも見られたが、彼女自身にとってはいたって安定したテンポであった。

 

「このまま……この景色だけを……!」

 

『ここで二番手が食らいつく!先頭を行くサイレンススズカに迫る!』

 

「うそっ──!?」

 

 盤石に一番を進んでいたスズカの後ろから、一人が横に並ぶ。

 

 彼女も速い。快速を誇るスズカではあったが、それに追従できうる脚を持たねば付いてくるのも難しい。

 

 つまり、このレースの脅威はこの彼女であった。

 

 そのうえスズカにはもう一つ懸念があった。

 

「入ってこないで──私だけの景色に……!」

 

 独占していた先頭の景色。それに“異物”が入ることを、スズカはとことん嫌うのだ。

 

 囲まれる。すなわち前が見えない。それだけで、彼女は急に弱くなる。

 

 だから逃げる。一人になるために。

 

『さあレースも大詰め、いったいどのタイミングで仕掛けるのか!』

 

 スズカは一気に足に力を入れると、大地を揺るがさんとばかりに踏み込んでいく。二番手も負けじと速度を上げる。

 

 ──見えない、私だけの景色が。聞こえない、芝を踏む音が。

 

 うるさい、うるさい、うるさい、うるさい──。

 

「あっ──」

 

 その時突然、頭の中を雷鳴のような耳鳴りがつんざいた。

 

 死に物狂いで先頭へと踊りだしたスズカは、それと同時に時が止まるような感覚を覚える。

 

 ──なに、これ。

 

 戦慄する。いわゆる走馬灯を見ているのだろうかと。

 

 走馬灯は死の間際に感じると言う。まさか、自分はここで──。

 

 終わる?

 

「……違う」

 

 これは限界の兆しでも、終わりでもない。だってそうだ。

 

 今この瞬間から、スズカを囲う息遣いや足音も、レース場に響く観客たちの喧騒も、自身の鼓動さえも。

 

 耳鳴りに慣れたころには、もはや何も聞こえない。何一つ感じない。

 

 そう、それはつまりたった一つ、“静寂”を意味していた。

 

 目の前に映るのは、雲一つない透き通るような青空だけ。

 

 ──この景色は私だけのもの。たった一度きりの、今しか存在しないこの景色は──!

 

『サイレンススズカ、速いッ!圧倒的な速さでリードを広げていく!』

 

 瞬きをすることも忘れ、火照った身体に風を浴びながらスズカは走り抜ける。

 

 一バ身、二バ身、三バ身──。ほんのわずかな時間に、最終直線を稲妻が貫いていく。

 

 そして彼女は空目した。ゴール板の遥かその先に、ありえざる夕日の姿を。

 

『ゴォォォールッ!サイレンススズカ、大逃げです!二番手に七バ身もの差をつけ、見事一着でゴールしました!』

 

 観客は見た。最後の直線、スズカが楽しそうに笑っていたのを。

 

 あっという間に、レース場は大歓声に包まれたのだった。




飽き性なので突然更新止まったら察して下さい。
ついでに言えばそろそろ大学生になりたいのでぱったり消えたら許してください。
なので飽きる前にいっぱい書きたいと思います。

今日で更新止まったらエイプリルフールだったってことで。



あとサークル誰か入りませんか……?
初心者大歓迎です、ていうか私もまだ初心者です。
「ウマ娘絶景研究会」で検索していただければ出ると思います。
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