猫シンクロ使いが行く遊戯王GX!   作:交響魔人

11 / 61
拙作では丸藤翔の扱いがかなり悪いです。指導者が鮫島師範から才災師範に変わった事でかなり歪んでいます。指導者がアレなら、その教え子も歪みますよね。

歓迎会は色々描写を追加しました。食の考え方については、拙作の丸藤翔と同意する方が結構いらっしゃると思います。



第11話!翔と十代登場!

 猫崎は元々のデッキからサイバー流に鞍替えしたデュエリストを倒しながら、才波と一緒に過ごす。

 前世と違い、非常に充実した高校生活を送っている。

 

「アーマード・サイバーンで攻撃力を下げたプロト・サイバー・ドラゴンに機械複製術を使う、というのはどうだ?」

「結構厳しいわ。アーマード・サイバーンが伏せカードを除去出来たらいいのだけれど、モンスターしか除去出来ないから…。」

 

 時折デッキ調整を行い、たわいもない会話を楽しむ。

 

 そして猫崎は三年生になり、あのHERO使いが入学してくる。

 

 

 レッド寮の前で、猫崎は新入生を案内する。

 

「歓迎会までには戻ってくるように。」

 

 しばらく待っていると。

 

「猫崎?誰か待っているの?」

「才波か。新入生の案内だ。俺もここに編入したときは世話になったからな。」

「ふぅん…。」

 

 雑談した後、才波はその場を離れる。

 それから数分後。

 

「あのぅ、もしかして先輩っスか?」

 

 水色の髪の新入生が話しかけてくる。丸藤翔だと予想する猫崎。

 

「そうだ。オシリスレッドの三年、猫崎俊二。俺とデュエルしないか?」

「ええっ?!いきなりっスか!」

「嫌なら別にいいが。」

「い、いや。受けてたつッス!」

 

 

「「デュエルッ!!」」

 

猫崎 ライフ4000

手5 場 

翔 ライフ4000

手5 場 

 

 

「よし、僕の先攻!ドローっス!パトロイドを攻撃表示で召喚!カードを二枚伏せてターンエンドっス!」

「何?」

 

 

猫崎 ライフ4000

手5 場 

翔 ライフ4000

手3 場 パトロイド 伏せ2

 

 

「俺のターン、ドロー!俺は、レスキューキャットを召喚!」

「攻撃力300を攻撃表示っスか?一体何を考えているっスか!そんな雑魚を攻撃表示で召喚するなんて!」

「効果発動、このカードを墓地に送り、デッキから逆ギレパンダとX-セイバーエアベルンを特殊召喚!行くぞ、レベル3の逆ギレパンダにレベル3の地属性エアベルンをチューニング!S召喚!現れろ、ゴヨウ・ガーディアン!」

「攻撃力2800?!な、何なんスか!その、ナントカ召喚って!」

「これはチューナーモンスターを含む素材となるモンスターとレベルの合計と同じレベルを持つモンスターを特殊召喚する!バトルだ、ゴヨウ・ガーディアンでパトロイドを攻撃!」

「くっ、罠発動!スーパーチャージ!ロイドと名のつく機械族モンスターが攻撃対象になったことで、カードを二枚ドローするッス!」

「ならそのまま破壊だ!」

「わああああああっ!」ライフ4000から2400

「そしてゴヨウ・ガーディアンの効果発動、今戦闘破壊したパトロイドを守備表示で特殊召喚!」

「ああっ?!僕のパトロイドが!!」

「俺はカードを1枚伏せて、ターンエンドだ」

 

 

 

猫崎 ライフ4000

手4 場 ゴヨウ・ガーディアン パトロイド 伏せ1

翔 ライフ2400

手5 場 伏せ1

 

 

「!お、思い出したッス!お前は、才災師範が言っていた、サイバー流に逆らう決闘者…。」

「そうだ。海馬瀬人とペガサス会長が考案したS召喚のテスターだ。」

「くっ…そんな卑怯なモンスターを出された誰も勝てないッス!」

「そんな事は無いぞ。さぁ、お前のターンだ。」

「くううっ…。僕のターン、ドローっス!ふ、フハハハハッ!キタっス!相手の場にのみモンスターが存在することで、サイバー・ドラゴンを攻撃表示で特殊召喚!」

「サイバー・ドラゴン…」

 

 翔のデッキにサイバー・ドラゴンが入るのは、3年生になってからだったと記憶している猫崎だが、才災師範に変わった事で支給されているのだろうと推測する。

 

「魔法カード、パワー・ボンドを発動!手札のユーフォロイドと戦士族のロケット戦士を融合!現れろッス!ユーフォロイド・ファイター!」

「融合素材となったモンスターの攻撃力の合計で決定する融合モンスター、攻撃力の合計は2700だが」

「パワー・ボンドにより二倍になるッス!」

「…元々の攻撃力分アップする効果だがな。」

「うるさいッス!変わらないッスよ!そして雷電娘々を召喚するッス!」

「場に光属性以外のモンスターが居れば破壊されてしまうが、その二体はどちらも光属性だな…ん?」

 

 翔がデレっとした顔をしている。ああ、確か雷電娘々がアイドルカードだったと思い出す猫崎。

 

「フフフ、あの猫崎を倒したとなればサイバー流での僕の評判は鰻登りッス、そうなれば憧れの才波先輩も僕を見直してくれるはずッス。そして才花先輩も才光なんか振って僕を選んでくれるかも…ムフフ。」

「…おーい、長考か?」

 

 雷電娘々に対して思い入れがあるのは分かったが、さっさとデュエルを進めてほしい猫崎は声をかける。

 翔は小声で妄想をブツブツ言っていたので、その言葉は猫崎の耳には届いていない。

 

 

「おっと。このデュエルを僕の勝利で終わらせないと行けないッスね!よし、バトル!いけー!ユーフォロイド・ファイター!ゴヨウ・なんとかを攻撃!」

「罠発動!聖なるバリア-ミラーフォース-!」

「え、えええっ?!ぼ、僕のサイバー・ドラゴンがぁ!ユーフォロイド・ファイターがぁ!ああああああ~!ら、雷電娘々までぇ!」

 

 捕らぬ狸の皮算用をしていた翔だが、伏せカード一枚で場のモンスターを一掃されて翔は嘆く。

 

「ターンエンドなら、エンドフェイズにパワー・ボンドのリスクを受けて貰う。」

「ま、まだッス!罠発動!ピケルの魔法陣!このターン、僕が受ける効果ダメージは0になるッス!」

「…防御札はあったか。」

「メインフェイズ2でカードを一枚伏せてターンエンドッス!」

 

 

 

猫崎 ライフ4000

手4 場 ゴヨウ・ガーディアン パトロイド 

翔 ライフ2400

手0 場 伏せ1

 

 

「俺のターン、ドロー!パトロイドの効果発動!お前の伏せカードを確認する!リビングデッドの呼び声か」

「ああ~!僕のカードを勝手にみるんじゃないッス!この卑怯者!」

「これ元々お前のカードだろう。…俺はパトロイドを攻撃表示に変更!そして異次元の狂獣を召喚!バトルだ、ゴヨウ・ガーディアンでダイレクトアタック!」

「え、永続罠発動!リビングデッドの呼び声!これで墓地のサイバー・ドラゴンを復活させるっス!」

「ならそのまま攻撃!」

「うわああああああああっ!」ライフ2400から1700

「そしてサイバー・ドラゴンを俺の場に守備表示で特殊召喚。行け異次元の狂獣、パトロイド!」

「うわああああああっ!」ライフ1700から300、300から0

 

 パトロイドが丸藤翔のライフを0にする。

 

「卑怯っス!」

「何が卑怯なんだ?ゴヨウ・ガーディアンの存在か?」

「その通りっス!攻撃力2800で、あんな効果があるなら、それを使えばだれでも勝てるッス!」

「そんな事は無いと思うがな。パトロイドを囮にスーパーチャージは良いと思うぞ。初手は、パトロイド、スーパーチャージ、ピケルの魔法陣が確定で他にはパワー・ボンド、ロケット戦士、ユーフォロイド、雷電娘々、サイバー・ドラゴンの内2枚だろうから、俺だってスーパーチャージでドローを狙っていく。そこまではいい。」

 

 一呼吸おいて、猫崎は続ける。

 

「ラストターン、リビングデッドの呼び声でサイバー・ドラゴンを蘇生していたが、ここでユーフォロイドを蘇生させていればゴヨウの攻撃で1600のダメージ、後続でジャイロイド辺りを出せばパトロイドの攻撃で200のダメージ、異次元の狂獣で400のダメージを受けたとしても…2200のダメージになるため、ライフは200のこ」

「うるさいうるさいっス!お説教はたくさんッス!サイバー流に逆らうリスペクト精神も持たない卑怯者め、覚えて居ろっス!!」

 

 だが猫崎の言葉が終わる前に、丸藤翔は逃げ出す。

 この時期ではまだこのレベルか。しかも師範が鮫島から才災に変わっている。

 ため息をつき、猫崎は少し待つ。その間にもオシリスレッドの新入生とデュエルをして過ごしていると。

 

 

「なぁ、あんた強いのか?」

「あ、兄貴!ダメっスよ!こいつは…。」

「なんだ?翔。知っているのか?」

「海馬瀬人とペガサス会長が開発した、なんとか召喚のテスターをしている卑怯者っス!」

「伝説の決闘者が認めているなら、そうとう強いって事だな!なぁ、俺とデュエルしてくれよ!」

 

 

 十代からこう言われるとは、猫崎にとっては感無量だ。

 

「ああ、始めよう。」

 

 

 

 

「「デュエルッ!!」」

 

猫崎 ライフ4000

手5 場 

十代 ライフ4000

手5 場 

 

 

「先攻は俺だ、ドロー!俺は魔法カード融合を発動!手札のフェザーマンとバーストレディを融合!現れろ、マイフェイバリットカード、フレイム・ウィングマン!」

 

 アニメで猫崎がさんざん見たHEROが現れる。

 主人公の攻撃力2500のエースモンスターも好きだが、こういうサブエースも良い物だ。

 

「カードを一枚伏せ、ターンエンドだ!」

 

 

 

猫崎 ライフ4000

手5 場 

十代 ライフ4000

手2 場 フレイム・ウィングマン 伏せ1

 

 

「俺のターン、ドロー!俺は、レスキューキャットを召喚!」

「へ?れ、レスキューキャット?」

「知らないのか?」

「いや、知っているけれど…。そいつの効果ってレベル3以下の獣族を二体特殊召喚出来るけど、ターン終了時に破壊されるよな?オサムさんがそれでデス・ウォンバットや素早いモモンガを特殊召喚して、エンドフェイズの自壊デメリットを死のマジック・ボックスで押し付けたり、エンドフェイズの自壊をトリガーに森の番人グリーンバブーンを呼び出すのに使っていたけれど…」

 

 小学生ぐらいであろう相手に何というコンボをやっているんですか、オサムさん。と内心突っ込む猫崎。

 

「その通りだ。レスキューキャットを墓地に送り、デッキから異次元の狂獣とX-セイバーエアベルンを特殊召喚!行くぞ、レベル3の異次元の狂獣にレベル3の地属性エアベルンをチューニング!S召喚!現れろ、ゴヨウ・ガーディアン!」

「これが、S召喚?」

「チューナーを含む素材となるモンスターのレベルの合計と同じレベルを持つモンスターを呼び出す召喚方法、それがS召喚だ!」

「すげぇ、すげぇよ!モンスターのレベルが重要になるなんて、流石はペガサス会長と海馬瀬人だ!!俺には思いもよらなかったぜ!」

 

 素直に目をキラキラさせて喜ぶ十代。一方で…

 

「出たっスね、醜い泥棒モンスター!」

 

 泥棒…。こいつは逮捕する側なのだが。

 

「バトルだ、ゴヨウ・ガーディアンでフレイム・ウィングマンを攻撃!」

「ぐっ!フレイム・ウィングマン!」ライフ4000から3300

「ゴヨウ・ガーディアンの効果発動!破壊したモンスターを俺の場に守備表示で特殊召喚出来る!」

「へへっ、残念だけどそれは出来ないぜ!俺のフレイム・ウィングマンは『このカードは融合召喚でのみ融合デッキから特殊召喚出来る』方では無くて、『このカードは融合召喚でしか特殊召喚できない。』方なのさ!」

「なん…だと…?」

「何故か二種類あるよな?最近、海馬コーポレーションの社員がやってきて、こういうのはどちらかに統一しないといけない!って言って交換させられたけど。」

 

 エラッタ後の統一まで、海馬コーポレーションがやっている事に戦慄する猫崎。

 

「デュエルを続けるぜ!罠発動!ヒーローシグナル!俺のモンスターが戦闘で破壊され墓地に送られたとき、手札かデッキからレベル4以下のE・HEROを特殊召喚!現れろ、バブルマン!そしてバブルマンの効果発動!俺の場にカードがないとき、二枚ドロー!」

「カードを一枚伏せてターンエンド!」

 

 

 

猫崎 ライフ4000

手4 場 ゴヨウ・ガーディアン 伏せ1

十代 ライフ3300

手4 場 バブルマン 

 

 

「俺のターン、ドロー!俺は魔法カード、融合を発動!場のバブルマンと手札のクレイマンを融合!現れろ!E・HEROマッドボールマン!」

「守備力3000か、それでしのげるとでも?」

「俺はこれでターンエンドだ」

 

 

猫崎 ライフ4000

手4 場 ゴヨウ・ガーディアン 伏せ1

十代 ライフ3300

手3 場 マッドボールマン 

 

「俺のターン、ドロー!まいったな、カードを一枚伏せてターンエンドだ。」

 

 

 

猫崎 ライフ4000

手4 場 ゴヨウ・ガーディアン 伏せ2

十代 ライフ3300

手3 場 セットモンスター 

 

 

「俺のターン、ドロー!魔法カード、強欲な壺を発動!カードを二枚ドロー!E・HEROスパークマンを召喚!そしてフィールド魔法、摩天楼スカイスクレイパーを発動!さぁ、舞台は整った!マッドボールマンを攻撃表示に変更!」

「正面突破してくるつもりか!」

「その通りだぜ!バトル、マッドボールマンでゴヨウ・ガーディアンを攻撃!ヒーローは、必ず勝つ!」

「それはどうかな?罠発動!和睦の使者!」

「わ、和睦の使者?!戦闘ダメージを0にして、モンスターの戦闘破壊を防ぐカード…。」

「さぁ、どうする?マッドボールマンの守備力は高いが、攻撃力は1900。次のターン、ゴヨウ・ガーディアンで戦闘破壊可能だ。」

「ならばメインフェイズ2に入って、装備魔法、スパークガンをスパークマンに装備!そしてスパークガンの効果発動、スパークマンとマッドボールマンを守備表示に。カードを一枚伏せてターンエンド!」

 

 

 

 

猫崎 ライフ4000

手4 場 ゴヨウ・ガーディアン 伏せ1

十代 ライフ3300

手1 場 スパークマン マッドボールマン スパークガン 摩天楼スカイスクレイパー 伏せ1

 

 

「俺のターン、ドロー!速攻魔法、サイクロンを発動…伏せ、いや!俺は摩天楼スカイスクレイパーを破壊する!」

「スカイスクレイパーが!」

 

 伏せを割る事も考えた猫崎だが、直観でフィールド魔法を割りに行く。

 

「俺は召喚僧サモンプリーストを召喚!召喚成功時、守備表示になる。手札の魔法カード、精神操作を捨てて効果発動!デッキからチューナーモンスター、霞の谷の戦士を特殊召喚!」

「チューナー!ってことは」

「レベル4の闇属性、サモンプリーストにレベル4の霞の谷の戦士をチューニング!S召喚!ダークエンド・ドラゴン!」

「攻撃力2600か!すげぇカッコいいモンスターだけど、守備力はマッドボールマンの方が上だ!」

「ダークエンドの効果発動!攻守を500下げて、相手モンスターを墓地に送る!マッドボールマンを墓地に送る!」

「ま、マッドボールマン!」

 

「ずるいぞ!モンスターを墓地に送るなんて!」

 

 丸藤翔が騒ぐが、そんな雑音など二人には届かない。

 

「バトル!ゴヨウ・ガーディアンでスパークマンを攻撃!そして破壊したスパークマンを守備表示で特殊召喚!」

「スパークマンッ!」

「ダークエンド・ドラゴンでダイレクトアタック!」

「罠発動!ヒーロースピリッツ!E・HEROが戦闘で破壊されたターン、俺が受ける戦闘ダメージは0になる!

「ターンエンド」

 

 

 

猫崎 ライフ4000

手2 場 ゴヨウ・ガーディアン ダークエンド・ドラゴン スパークマン 伏せ1

十代 ライフ3300

手1 場 

 

「俺のターン、ドロー!魔法カード、戦士の生還を発動!墓地からバブルマンを手札に戻し、召喚!カードを二枚ドロー!よし!速攻魔法、バブル・シャッフル!バブルマンとゴヨウ・ガーディアンを守備表示にするぜ」

「その後、場のバブルマンをリリースしてE・HEROを特殊召喚するが…」

「そうさ!現れろ、エッジマン!行くぜ、バトルだ!エッジマンでゴヨウ・ガーディアンを攻撃!」

「ぐううっ!」ライフ4000から3400

「カードを一枚伏せてターンエンド!」

 

 

 

猫崎 ライフ3400

手2 場 ダークエンド・ドラゴン スパークマン 伏せ1

十代 ライフ3300

手0 場 エッジマン 伏せ1

 

「俺のターン、ドロー!行くぞ、ダークエンド・ドラゴンの効果発動!エッジマンを墓地に送る!」

「チェーンして罠発動!エッジ・ハンマー!エッジマンをリリースして相手モンスターを破壊し、その元々の攻撃力分のダメージを与える!ダークエンド・ドラゴンを破壊!」

「ぐうううっ!」ライフ3400から800

 

 猫崎のライフが大きく削られる!

 

「あ、兄貴…バーンと除去なんて卑怯な手を使っているけれど、いいぞー!いけいけー!」

 

 翔が囃し立てるが、二人とも聞いていない。

 

 

「…見事だ。だが、このデュエルは俺の勝ちだ。チューナーモンスター、霞の谷の戦士を召喚!」

「攻撃力1700!」

「スパークマンを攻撃表示に変更!バトル、スパークマンと霞の谷の戦士でダイレクトアタック!」

「俺の負け、か」ライフ0

 

 

「ひ、卑怯ッス!あんなカードを使って、兄貴のモンスターを奪ったり墓地に送ったりして!やっぱり卑怯者ッス!」

 

 翔が雑音を垂れ流すが、十代も猫崎も無視する。

 

 

「本当に強いな、猫崎先輩!」

「海馬オーナーとペガサス会長からS召喚のテスターを任されている以上、そうそう負けるわけにはいかない。頑張れよ、新入生。」

 

 

 バブルマンからバブルシャッフルとエッジハンマーを引き当て、Sモンスターを二体も処理するという事をやってのけた遊城十代のドローパワーに内心動揺しつつ、猫崎は歓迎会の準備をする。

 味噌汁とごはんとメザシという貧相な歓迎会になるはずだったが、猫崎の働きを評価した海馬瀬人が手を回してくれた。

 

「猫崎先輩!何か手伝いましょうか!」

「新入生だろう。待っていればいいから。」

「そういうわけにはいきません!」

「…なら、冷蔵庫から辛子明太子、タコわさび、冷奴を出してくれ。」

「わかりました!」

 

 きびきびと動くレッド生に触発されたのか、ほかの新入生も行動する。

 

「猫崎先輩、俺にもなにか…」

「なら、そのヤカンを机にもっていってくれ。中身は麦茶だ。それとコップも人数分置いておいてくれ。」

 

 十代に指示を出した猫崎に、声がかけられる。

 

 

「おい、酢豚は炒めればいいところまで来たぞ。」

「了解、ポテトサラダはどうだ?」

 

 猫崎が声をかけると。

 

「ばっちりだ!いやぁ、こんなにおかずが並ぶと華やかだな!」

 

 ネギ味噌を冷蔵庫から取り出しなら告げる同級生。

 その言葉を聞きながら猫崎は生春巻きを人数分作り終え、後は歓迎会が始まる前ぐらいに並べれば完了、という所である事に気づく。

 

「どうした?おでんなら問題ないぞ。一人六種ずつだろ?」

 

 三つの大鍋にはおでんが煮込まれている。大根、ウィンナー、卵、ロールキャベツ、ジャガイモ、厚揚げ…。

 やはり、無い。

 

「おい、フルーツポンチ用のリンゴと蜜柑とパイナップルはどこに行った?」

「え?あのパイナップルってフルーツポンチ用だったのか?」

「…正直に答えろ。何に使った?」

「酢豚」

 

 

 愕然とする猫崎に、声がかけられる。

 

「リンゴと蜜柑ならちゃんとポテトサラダに入れておいたぞ!」

「おい…、冷蔵庫になんでサイダーとかき氷のブルーハワイが入っているのか、誰も疑問に思わなかったのか?」

「え?」

 

 ため息をつく猫崎。

 

「サイダーにブルーハワイのシロップを入れて、フルーツポンチにするつもりだったが…よし、デザートなんて無かった!イイネ?」

「「あっ、はい」」

 

 

 30分後。

 

 

「ええ~!こ、これだけッスかぁ?!ほかの寮はもっとごちそうだったッス!」

 

 今までのレッド寮での歓迎会では考えられないほど品数が増えた食事を前に、文句を垂れる新入生が一人だけ居た。

 

「酢豚にはパイナップルが入っているし、ポテトサラダにはリンゴと蜜柑?おでんにはウィンナーとジャガイモとロールキャベツが入っているなんて、ありえないッス!」

「…すまんな、生春巻きはどうだ?」

「うう~、パクチーが入っているッス…これでは風味が台無しッス。」

 

 新入生なのだから、手伝わなくてもと猫崎が声をかけたにも関わらず、率先して他の新入生が協力する中、何一つ手伝わず文句を垂れる翔。

 まぁ、これから成長してくれるだろう、と思う猫崎。

 

「うう~。」

「そう言うなよ、結構旨そうじゃん。いただきまーす!あれ、これなんのソースだ?」

「チリソースだ。」

「うん、旨い!醤油以外でも合うんだな!」

 

 旨そうに食べてくれる十代を見ながら、猫崎も食事をとる。

 ただ、生春巻きにパクチーを入れると海老の風味があまり感じられなかった為、この辺りは改善しなければと内心思った。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。