アニメでは万丈目と三沢を直接対決させて、寮の入れ替えデュエルをしていましたが、今になって思うとデュエルアカデミアの実力主義を感じます。海馬瀬人がオーナーの学校らしさが良く出ていますが。
十代達の入学から一か月ぐらいたった後。
デュエルアカデミアでは月一試験が行われていた。
今度の相手は才治という坊主頭で眼鏡をかけたオベリスクブルーの生徒だ。
大方、サイバー流の門下生だろうと予想する猫崎。
「この日のために、僕はお前のデッキとプレイングを研究してきた!お前がどんなSモンスターを出そうと、僕が勝つ!」
「その意気込みは買う。行くぞ!」
「「デュエルッ!!」」
猫崎 ライフ4000
手5 場
才治 ライフ4000
手5 場
「先攻は俺か、俺のターン、ドロー!レスキューキャットを召喚!」
「レスキューキャット、お前のデッキのキーカードだな。」
「このカードを墓地に送り、デッキからX-セイバーエアベルンとライトロードハンター ライコウを特殊召喚!レベル2のライコウに、レベル3のエアベルンをチューニング!S召喚!A・O・Jカタストル!」
「来たか、闇属性以外のモンスターを問答無用で破壊するSモンスター!!」
「カードを二枚伏せてターンエンド!」
猫崎 ライフ4000
手3 場 カタストル 伏せ2
才治 ライフ4000
手5 場
「僕のターン、ドロー!よし、相手の場にのみモンスターが存在することで、サイバー・ドラゴンを特殊召喚!」
キメラテック・フォートレス・ドラゴンって、門下生には支給されていないのかな?とぼんやり考えていた猫崎だが。
「そしてサイバー・ドラゴンをリリース!偉大魔獣ガーゼットをアドバンス召喚!」
「?!ガーゼット!攻撃力はサイバー・ドラゴンの二倍になる!」
「こいつの属性は闇!よってカタストルを倒せる上に、イージーチューニングでエアベルンを除外して1600ポイント攻撃力をアップされても攻撃力は3800!だが今のガーゼットは攻撃力4200!」
随分と考えられていた事に内心驚く猫崎。
「罠発動!奈落の落とし穴!ガーゼットを破壊してゲームから除外する!」
「ライフを1500払って速攻魔法、我が身を盾に!これで奈落の落とし穴の発動と効果を無効にして破壊!」ライフ4000から2500
「?!」
漫然とプレイングしていた事を反省する猫崎。奈落の落とし穴があるのだから、ナチュル・ビーストを立てにいくべきだった。
「これで僕の勝ちだ!装備魔法、巨大化をガーゼットに装備!これで攻撃力は8400!バトルだ!行け、カタストルを破壊しろ!」
「罠発動!和睦の使者!戦闘ダメージを0にした上で、モンスターはこのターン戦闘破壊されない!」
「伏せが奈落の落とし穴と和睦の使者?!何故ナチュル・ビーストを出さずにカタストルを…。メインフェイズ2だ。カードを一枚伏せてターンエンド!」
猫崎 ライフ4000
手3 場 カタストル
才治 ライフ2500
手1 場 ガーゼット 巨大化 伏せ1
「俺のターン、ドロー!速攻魔法、サイクロン!その伏せカードを破壊する!」
「お、大騒動が!」
「はぁっ?!」
想定外すぎる伏せカードに、思わず素っ頓狂な声を上げる猫崎。
場のモンスターがバウンスされた時、互いの全モンスターを手札に戻す罠だ。
…手札に戻す、というテキストであるためエクストラデッキから特殊召喚したモンスターは数にカウントしない。
手札のレスキューキャットを見つめる猫崎。ここからブリューナクでバウンス、という手を取っていれば危なかった。
「…俺は、チューナーモンスター、Xセイバーエアベルンを召喚!」
「レベル8!ギガンテックでしのぐつもりだな!」
「いいや。レベル5の闇属性のカタストルに、レベル3のエアベルンをチューニング!S召喚!ダークエンド・ドラゴン!」
「Sモンスターを使って、S召喚だと!」
「効果発動、攻撃力と守備力を500下げて相手モンスターを墓地に送る!」
「な?!」
「バトルだ、ダークエンド・ドラゴンでダイレクトアタック!そして速攻魔法、イージーチューニング!墓地のエアベルンを除外!」
「攻撃力、3700!俺の負け、か。」ライフ0
ライフが尽きた才治はうめく。
「くっ…S召喚デッキには、サイバー流の高打点の融合モンスターや、アドバンス召喚では勝てないのか?」
「良い戦略だった。カタストルやナチュビを戦闘で処理できるガーゼットというのは良いチョイスだ。なんでサイバー流なんかに入っている?」
「…サイバー流にはその、可愛い女子が多いじゃないか。」
「あー…。」
前世では高校生の頃そういう縁が無かった猫崎には、彼の気持ちがよくわかる。
「デッキに除去カードやカウンター罠を入れなければ、女子と御近づきになれるなら、やるしかないじゃないか。」
お前、それでいいのか?と思う猫崎だが、それが彼の望んだ人生ならとやかく言う権利は無い。
がんばれよ、とだけ言い残し、猫崎はその場を後にする。
月一試験から数日後。猫崎は校長室に呼ばれる。
もはや勝手知ったる校長室に、猫崎は入る。
「…失礼します。」
「来ましたか、猫崎君。君には下級生の降格と昇格のデュエルをして貰います。」
どういうことだ?
「降格デュエルの相手は万丈目準。オベリスクブルーの生徒でありながら、オシリスレッドに負けた落ちこぼれ。昇格デュエルは三沢大地。ラーイエローの首席で君に勝てばオベリスクブルーに入れます。」
「わかりました。失礼します。」
万丈目か。色々デッキを使ってくるから楽しみではある。
三沢もどんなデッキを使ってくるのか。
制裁デュエル当日。
「俺の降格デュエル相手が、オシリスレッド?!」
「オシリスレッド3年、猫崎俊二。S召喚のテスターだ。」
「S召喚だと?フン、そんなこけおどしに怯む俺ではない!行くぞ!」
「「デュエルッ!!」」
猫崎 ライフ4000
手5 場
万丈目 ライフ4000
手5 場
「俺の先攻、ドロー!俺はヘル・ドラゴンを召喚!カードを二枚伏せ、ターンエンド!」
猫崎 ライフ4000
手5 場
万丈目 ライフ4000
手3 場 ヘル・ドラゴン 伏せ2
「俺のターン、ドロー!魔法カード、大寒波を発動!」
「だ、大寒波?!馬鹿な、このターンもう魔法・罠カードを発動できず、セットも出来ないんだぞ!」
「そうだな。レスキューキャットを召喚!このカードを墓地に送り、デッキから異次元の狂獣とX-セイバー エアベルンを特殊召喚!レベル3の異次元の狂獣にレベル3の地属性エアベルンをチューニング!S召喚!ゴヨウ・ガーディアン!」
「星が光になって見たことないモンスターが出て来た…しかも攻撃力2800!これが、S召喚か!」
「バトル!ヘル・ドラゴンを攻撃!」
「ぐっ!」ライフ4000から3200
「ゴヨウ・ガーディアンの効果発動、破壊したヘル・ドラゴンを守備表示で特殊召喚。ターンエンドだ!」
「攻撃力2800で、戦闘破壊したらモンスターを奪うだと!なんだその掟破りモンスターは!」
実際GXのカードプールだと掟破りだよなぁ…。
猫崎 ライフ4000
手4 場 ゴヨウ ヘル・ドラゴン
万丈目 ライフ3200
手3 場 伏せ2
「お、おれのターン、ドロー!よし、俺は地獄大百足を召喚!こいつはレベル7だが、相手の場にのみモンスターが存在するとき、リリース無しで召喚出来る!攻撃力は1300まで下がるが…バトル!ヘル・ドラゴンは返してもらうぞ!」
「……」
「ターンエンドだ!」
猫崎 ライフ4000
手4 場 ゴヨウ
万丈目 ライフ3200
手3 場 地獄大百足 伏せ2
「俺のターン、ドロー!魔法カード、大嵐を発動!」
「させるかっ!ライフを1000支払い、スキルドレインを発動!さらにチェーンしてサンダー・ブレイクを発動!手札のニュードリュアを捨てて、ゴヨウ・ガーディアンを破壊!」ライフ3200から2200
魔法・罠カードを除去されるも、スキルドレインは地獄大百足の攻撃力をもとに戻しつつ、サンダー・ブレイクでゴヨウの除去を行う万丈目。
「効果が無効になったことで、地獄大百足の攻撃力が2600に戻ったか。俺は召喚僧サモンプリーストを召喚!手札の魔法カード、洗脳を捨ててデッキから霞の谷の戦士を特殊召喚!レベル4の闇属性サモンプリーストに、レベル4の霞の谷の戦士をチューニング!S召喚!ダークエンド・ドラゴン!」
「…ふつくしい。」
洗脳-ブレイン・コントロールで地獄大百足のコントロールを奪ってダイレクトアタック、という勝利も出来たが、猫崎は万丈目にダークエンド・ドラゴンを披露したらどういう反応をするのか気になり試してみることにした。結果は上々だ。
「効果発動!攻撃力と守備力を500下げ、相手モンスターを墓地に送る!」
「地獄大百足!だが、俺のライフは100残る!」
「速攻魔法、イージーチューニング!墓地のチューナーを除外し、その攻撃力分場のモンスターの攻撃力を上げる!霞の谷の戦士を除外し、攻撃力は3800!バトル!ダークエンド・ドラゴンでダイレクトアタック!」
「うわぁああああああっ!」ライフ0
やはり【地獄】デッキだったようだ。これで中等部トップな辺り、万丈目は実力者なのだろう。
しかし、月一試験で使った【VWXYZ】はどこに行ったのか。クロノス教諭が回収していったのか?
「モンスターを除去するカードを使っておきながらこのざまですか。しかし万丈目君、君がこのリスペクト精神にのっとった、サイバー流デッキを使うというなら、降格は取り消してあげましょう。」
「…そんな、モンスターの除去カードが一枚も入っていないデッキなど要らん!」
サイバー・レーザー・ドラゴンとアーマード・サイバーンは一応入っているはずだが、万丈目の好みでは無いらしい。
「ふぅ、全く今年の新入生もリスペクト精神を持たない生徒が多くて困りますね。猫崎君。君には続けて三沢大地君の昇格デュエルの相手をして貰います。」
「わかりました。」
数分後、三沢がやってくる。
「伝説の決闘者に認められた、猫崎先輩が相手か…」
「始めよう。」
「「デュエルッ!!」」
猫崎 ライフ4000
手5 場
三沢 ライフ4000
手5 場
「俺の先攻!ドロー!俺はハイドロゲドンを召喚!カードを二枚伏せ、ターンエンド!」
猫崎 ライフ4000
手5 場
三沢 ライフ4000
手3 場 ハイドロゲドン 伏せ2
「ハイドロゲドン、伏せカードは戦闘補助の速攻魔法か何かか。レスキューキャットを召喚、効果発動!」
「永続罠発動!王宮の弾圧!ライフを800払ってレスキューキャットの効果を無効にして破壊する!」ライフ4000から3200
弾圧…。かなり厄介なカードを使ってきたと内心思う猫崎。
「…死者蘇生を発動!」
「ライフを800払って、無効にして破壊する!」ライフ3200から2400
「魔法カード、光の護封剣を発動。ターンエンド。」
猫崎 ライフ4000
手3 場 光の護封剣(3)
三沢 ライフ2400
手3 場 ハイドロゲドン 王宮の弾圧 伏せ1
「護封剣か。俺のターン、ドロー!俺はオキシゲドンを召喚!ターンエンド!」
猫崎 ライフ4000
手3 場 光の護封剣(2)
三沢 ライフ2400
手3 場 ハイドロゲドン オキシゲドン 王宮の弾圧 伏せ1
「俺のターン、ドロー!俺はモンスターをセット、カードを一枚伏せてターンエンド!」
猫崎 ライフ4000
手2 場 セットモンスター 伏せ1 光の護封剣(2)
三沢 ライフ2400
手3 場 ハイドロゲドン オキシゲドン 王宮の弾圧 伏せ1
「俺のターン、ドロー!モンスターをセット。ターンエンドだ!」
猫崎 ライフ4000
手2 場 セットモンスター 伏せ1 光の護封剣(1)
三沢 ライフ2400
手3 場 ハイドロゲドン オキシゲドン セットモンスター 王宮の弾圧 伏せ1
「俺のターン、ドロー!ライトロード・ハンター・ライコウを反転召喚!効果発動、王宮の弾圧を破壊する!」
「ぐっ!リバースモンスターも入れていたか!」
「その後、デッキの上から三枚墓地に送る…。魔法カード、精神操作を発動!セットモンスターのコントロールを得る!」
「なっ!」
「ペンギン・ナイトメアか。反転召喚!その伏せカードを手札に戻してもらう!」
「くっ、だがその二体では俺のモンスターは倒せない!」
「チューナーモンスター、Xセイバーエアベルンを召喚!レベル2のライコウとレベル4のペンギン・ナイトメアにレベル3のエアベルンをチューニング!S召喚!レベル9!ミスト・ウォーム!」
「攻撃力、2500だと!」
「効果発動、お前のハイドロゲドンとオキシゲドンは手札に戻ってもらう。」
「ぐっ!特殊召喚対策の王宮の弾圧に、バウンスモンスター。これだけ対策したにも関わらず…!」
「一歩及ばなかったな。行け、ダイレクトアタック!」
「うああああああっ!」ライフ0
「全く、ペンギンナイトメアという卑怯なバウンスモンスターに飽き足らず、モンスターを除去する永続罠を使うとは。三沢君。君には対戦相手へのリスペクト精神があるのですか?」
「はい、あります。」
「私にはそうは見えません。」
「俺は相手がS召喚という未知の召喚方法を使う猫崎先輩のデュエルデータを調べ、その対策を行いました。その結果として特殊召喚であるSモンスターへの対策になり、さらにハイドロゲドンの効果を阻害しない王宮の弾圧を選びました。これは、猫崎への『リスペクト』になりませんか?」
「なりません。」
「俺は猫崎先輩を決闘者として認め、勝ちたいと思って戦略を練りました。それでもリスペクト精神が無いと?」
「ええ。君からは感じられません。そういう戦略をよしとするなら、君の昇格は大きく遅れるでしょう。」
「…なら俺は、ラーイエローに残ります。」
自分の戦術に誇りを持っているのはいいぞ。でも王宮の弾圧は勘弁してくれ…。
万丈目は降格される事になり、三沢の昇格は見送りになるはずだったが、万丈目はその後交渉してノース校へ留学する事になった。
アームド・ドラゴンを手に入れて帰ってくるだろう、と猫崎は予想する。