アンチリスペクト物だと、サイバー流の門下生とセブンスターズがデュエルをするという展開はあまりありませんが、実際戦ったらどうなのでしょうか?
初手でパワー・ボンドでサイバー・エンド・ドラゴンを出し、8000貫通か…。
サイバー・ドラゴンを出してからパワー・ボンドでサイバー・ツイン・ドラゴンの5600の二回攻撃を後攻1ターン目で仕掛ければ可能性はありそうですが。
…火山の火口。薄い光の板みたいなところの上に、一組の男女が対峙している。
片方は、黒い仮面をつけた長身の青年。もう片方は髪型を両側で二房結い、額を出したロングヘアの少女だ。
胸は控えめでお腹周りと太ももが太めな為、スタイルはさほど良くないが顔立ちが整っている。
道を歩けば、10人中3人は振り返るであろう。
「…我が名は、ダークネス。セブンスターズの一人。七精門の鍵を守る者よ、お前が私の最初の相手だ。」
「あら、そうですの?わたくしは才金(さいがね)、才災師範の命で鍵を守る使命を帯びた者ですわ。才藤、才岡、才福はともかく、あの才治が敗れるとは思いませんでしたわ。」
「才治…ああ、カミューラに幻魔の扉を使わせたという決闘者か。」
カミューラと門下生のデュエルをこっそり物陰で見ていたダークネス吹雪は、そのデュエルを思い出す。
サイバー・エンド・ドラゴンを幻魔の扉で破壊しようとすれば、永続罠ディメンション・ガーディアンで破壊耐性を付与された為、システムダウンで除外。
決めきれるかと思ったら、救援光で墓地から除外されたサイバー・ドラゴンを回収して特殊召喚、それをリリースしてガーゼットと切り返され…。
魔法石の採掘を引き当てられなければ、負けていたのはカミューラだっただろう。
「誇ると良い、セブンスターズでも特に危険な彼女に本気を出させた事を。」
「まぁ、貴方達の快進撃もここまでですわ。わたくしが一気にひっくり返してしまいますから。」
「その意気込みは買う。では、始めよう。」
互いにデュエルディスクを構え、宣言する!
「「デュエルッ!!」」
才金 ライフ4000
手5 場
ダークネス吹雪 ライフ4000
手5 場
「わたくしの先攻、ドロー!永続魔法、未来融合-フューチャー・フュージョンを発動!デッキからサイバー・ドラゴン三体を墓地に送り、2ターン後にサイバー・エンド・ドラゴンを特殊召喚します!」
「ほぅ、やはりサイバー・エンド・ドラゴンを使うか。」
「これこそ、サイバー流の切り札!装備魔法、継承の印を発動!同名カードが三枚あれば、その中から一体を特殊召喚します。墓地からサイバー・ドラゴンを特殊召喚!」
金色に輝くサイバー・ドラゴンが咆哮を上げる!
「これは…まさか、ゴールドレアか?!」
「驚いたようですわね!これこそ、わたくしに相応しい輝き、ゴールドレア仕様のサイバー・ドラゴンですわ!カードを一枚伏せてターンエンド!」
才金 ライフ4000
手3 場 サイバー・ドラゴン 継承の印 未来融合(0) 伏せ1
ダークネス吹雪 ライフ4000
手5 場
「私のターン、ドロー!私はマンジュゴッドを召喚!効果発動、デッキから儀式魔法か儀式モンスターを手札に加える。私は…」
「待ちなさい!」
「何?発動するカードがあるのか?」
伏せカードは無いはずだが、と訝しむダークネス吹雪。
「貴方、儀式召喚なんて使えない召喚方法をデッキに入れているの?」
「その通りだ。だが、何故儀式召喚が使えないと?」
「そうでしょう?儀式モンスターと儀式魔法、それにリリース要員となるモンスター。これだけのカードを必要とする展開力の遅い、イロモノ召喚法でしょう?」
「フッ、そう考えるのか。デュエルを続ける。私はデッキから黒竜降臨を手札に加え、発動!マンジュゴッドをリリース!現れろ、黒竜の騎士!」
出て来た儀式モンスターに対し、露骨にため息をつく才金。
「はぁ…。大げさに出てきたところで、攻撃力はたった1900、それでどうしようと?」
「それはどうかな?黒竜の騎士の効果発動。このカードをリリースして、デッキから真紅眼の黒竜を特殊召喚!」
「?!攻撃力は上級レベル、幻の超レアカード!」
「いかにも。さぁ、バトル!いけ、真紅眼の黒竜!サイバー・ドラゴンを焼きはらえ!」
「きゃあああああっ!な、何この衝撃!」ライフ4000から3700
想定以上のダメージを受け、才金は悲鳴を上げる!
「これがセブンスターズとのデュエルだ。私はカードを一枚伏せてターンエンド!」
才金 ライフ3700
手3 場 未来融合(0) 伏せ1
ダークネス吹雪 ライフ4000
手3 場 真紅眼 伏せ1
「話が違うじゃない、才災校長!わ、わたくしのターン、ドロー!」
この場にいない人物に文句を垂れつつ、才金はカードを引く。
「よし、リバースカードオープン!永続罠、リビングデッドの呼び声!墓地からサイバー・ドラゴンを特殊召喚!」
「だが、攻撃力は及ばない。それでどうしようと?」
「それはどうかしら?わたくしはサイバー・ドラゴンをリリース!偉大魔獣ガーゼットをアドバンス召喚!このカードの攻撃力は、リリースしたモンスターの攻撃力の二倍になる!」
「攻撃力4200!」
「バトル!行きなさい、偉大魔獣!真紅眼の黒竜を攻撃!」
「ぐううううっ!」ライフ4000から2200
「アハッ、才治と猫崎のデュエルを見て投入してみたけれど、思ったより良い働きするじゃない。わたくしはこれでターンエンド!」
才金 ライフ3700
手4 場 偉大魔獣 未来融合(1) リビングデッドの呼び声
ダークネス吹雪 ライフ2200
手3 場 伏せ1
「私のターン、ドロー!私は墓地の儀式魔法、黒竜降臨の効果発動!このカードを除外し、デッキから「レッドアイズ」と名のつく魔法・罠カードを手札に加える。儀式魔法、レッドアイズ・トランスマイグレーションを手札に加え、発動!」
「ぎ、儀式魔法を墓地から除外して、儀式魔法をサーチ…?儀式魔法って使い捨てのカードでは無いの?!」
どうやら相手は儀式召喚に関する造詣が無いと考え、丁寧に説明するダークネス吹雪。
彼は知らないが、才金が今まで対戦してきた儀式使いは、ガルマソード、チャクラ、デビルズ・ミラーといった効果を持たない儀式モンスターばかりである。
その使い手も手札事故を頻発し、ようやく儀式召喚したとしても手札を全て使いきり、儀式モンスターを棒立ちさせドヤ顔ターンエンドする、というお粗末な物でしか無かった。
「自分の手札・フィールドからレベルの合計が8以上になるようにモンスターをリリース、またはリリースの代わりに自分の墓地の「レッドアイズ」モンスターを除外し、手札から「ロード・オブ・ザ・レッド」を儀式召喚する!私は墓地から真紅眼の黒竜を除外し、手札の黒竜の雛をリリース!現れろ、ロード・オブ・ザ・レッド!」
「な、何よ。墓地から真紅眼の黒竜を除外?これでもう再利用も出来ないわね。やはり儀式召喚は役に立たない欠陥召喚方法ね!」
どこまでも儀式召喚を見下す才金。
反応する気も失せたダークネス吹雪はデュエルを続ける。
「永続魔法、未来融合フューチャーフュージョンを発動!私はF・G・Dを選択してデッキからブリザード・ドラゴン、スピア・ドラゴン、メテオ・ドラゴン、仮面竜、真紅眼の黒竜を墓地へ送る!」
「攻守5000のドラゴン族の融合モンスター…。でもそれが出てくる前に!」
「ここで、ロード・オブ・ザ・レッドの効果発動!このカード以外のカード効果が発動したとき、相手の場のモンスターか、魔法・罠カードを破壊できる!この効果は1ターンにそれぞれ1度ずつ発動できる!」
「な、何よその効果!」
「私は偉大魔獣を破壊する!」
ロード・オブ・ザ・レッドが炎の玉をガーゼットに投げつけると、ガーゼットは燃え上がって爆散する!
「が、ガーゼット!除去カードなんて卑怯よ!モンスターで正々堂々と戦いなさい!」
「バトルだ、行け、ロード・オブ・ザ・レッド!ダイレクトアタック!」
「いやああああああっ!」ライフ3700から1300
ライフを大きく削られ、才金は悲鳴を上げる!
ロード・オブ・ザ・レッドのダイレクトアタックを受けた腹には青い痣が出来ている。
「ぎ、儀式モンスター如きに…ダイレクトアタックを受けるなんて…!」
「私はこれでターンエンド。お前が儀式召喚にどう思っているのかは知らない。だが、このロード・オブ・ザ・レッドは強いぞ?」
才金 ライフ1300
手4 場 未来融合(1) リビングデッドの呼び声
ダークネス吹雪 ライフ2200
手1 場 ロード・オブ・ザ・レッド 未来融合(0) 伏せ1
「私のターン、ドロー!このターンで、サイバー・エンド・ドラゴンを特殊召喚!」
「ほぅ…。これはシークレット・レアだな?」
思わずため息をつくダークネス吹雪。
現れたサイバー・エンド・ドラゴンはどこか気品を漂わせている。
「どう!これがわたくしに与えられた力!さらにコーリングノヴァを召喚!バトル!サイバー・エンド・ドラゴンで」
「永続罠、リビングデッドの呼び声!蘇れ、真紅眼の黒竜!そしてロード・オブ・ザ・レッドの効果発動!サイバー・エンド・ドラゴンを破壊!」
「さ、サイバー・エンド・ドラゴンがっ!わ、わたくしはメインフェイズ2に入り、ライフを半分払って速攻魔法、サイバネティック・フュージョン・サポートを発動!」ライフ1300から650
「ほぅ。墓地のモンスターを代用することができる速攻魔法か。」
攻撃前に発動すれば、ロード・オブ・ザ・レッドに未来融合を破壊される為、メインフェイズ2に発動する才金。
「魔法カード、融合を発動!墓地のサイバー・ドラゴン三体を除外!来なさい、二体目のサイバー・エンド・ドラゴン!」
「こちらはシークレット・レア仕様では無いのか。」
「うるさいっ!装備魔法、レアゴールド・アーマーをサイバー・エンド・ドラゴンに装備!これでコーリングノヴァに攻撃はできませんわ!」
「ロード・オブ・ザ・レッドの効果発動!レアゴールド・アーマーを破壊!」
「ひっかかりましたわね!魔法カード、光の護封剣を発動!わたくしはこれでターンエンド!」
三ターン攻撃を封じる魔法カードが、ロード・オブ・ザ・レッドと真紅眼の黒竜を封じ込める。
鬱陶しいように首を動かす真紅眼の黒竜と、泰然と構えるロード・オブ・ザ・レッド。
才金 ライフ650
手0 場 コーリングノヴァ サイバー・エンド・ドラゴン 光の護封剣(3)
ダークネス吹雪 ライフ2200
手1 場 ロード・オブ・ザ・レッド 真紅眼の黒竜 未来融合(0) リビングデッドの呼び声
「私のターン、ドロー!これで終わりだ。」
「な、何を言っているの?わたくしの場には光の護封剣が」
「魔法カード、黒炎弾を発動。相手に真紅眼の黒竜の攻撃力分のダメージを与える。」
「こ、効果ダメージで勝利を狙うなんて、なんてリスペクト精神は無いの?!」
「これを卑怯と言うなら、効果ダメージ対策のカードをデッキに入れるのだな!」
「き、きゃああああああああっ!」ライフ0
闇のデュエルでダメージは実体化している。
才金の身体は打撲による内出血と火傷、デュエルアカデミアの制服はボロボロで、レース付きの白い下着が丸見えというありさまだった。
敵とはいえ女性相手にやりすぎた。と思ったダークネス吹雪は鍵を回収した後、自身のコートを掛けた後、その場を去る。
それから十分後、才金は才災師範の手配した医療チームに救助され、ヘリで本土に運ばれて病院へ搬送される。
…明かりの無い、水の滴る洞窟。そこに、4名の男女が集まっていた。
「情けない、この程度の実力とはな」
「そ、そうよね。全く大した男では無かったわ。ほ、本当にがっかりよ」
「全くだ。この島には碌な男が居ないようだな。」
「まぁ、おかげで楽な仕事だった。」
4つの鍵を、彼らは所持していた。約一名、声が上ずっているが誰も気にしない。
「それにしても…。リスペクトって何?」
「それは私も思った。アマゾネスの剣士の効果について批判してきたが。」
「俺はハンデスを卑怯と言われたぞ。」
「私は堕落を否定された。」
そんな彼らの所に、黒い仮面をつけた軽装の青年が現れる。
「戻ったぞ。私はロード・オブ・ザ・レッドと黒炎弾を卑怯だと言われた。あの言動に、対戦相手への敬意があると感じた者は居るか?」
鍵を持っていることで、勝敗を察する一同。
彼らの間に沈黙が流れるも、次の瞬間モニターが青く輝く。
『…よくやった。セブンスターズよ。だが…才災の愚か者は残る鍵の守護者を変えるそうだ。今までお前達が倒してきたサイバー流の門下生とはレベルが違う』
「ふっ、それでこそ戦いがいがあるという物。」
「少しは、マシになるかしら?」
「ようやく、まともな決闘者に巡り合えそうだな!」
『その意気やよし。頼んだぞ、残る鍵はあと二つ…だ。』
時は、少し遡る。
そのような会話が行われる前日。猫崎は才災校長から呼び出しがかかる。
最近、サイバー流の門下生による襲撃が無く安穏と、才波と一緒に海で遊んだりと青春を満喫している猫崎だが、ある事件の時期だと推測する。
クロノス教諭、猫崎、才波、十代、三沢、万丈目、明日香の7人が校長室に集まる。
「…良く集まってくれました。貴方達は三幻魔のカードというものを聞いた事がありますか?」
「聞いたことあるような、ないようななノーネ。」
「おっ、なんか凄そうじゃん!」
「この島には封印された、古より伝わる3枚のカードがあります。」
「それが…三幻魔のカード?!」
「島の伝説では、このカードが地上に放たれると、世界は魔に包まれ、混沌が全てを覆い、人々の闇が増大し、やがて世界は破滅、無へ帰する。」
「破滅?!」
ため息をつき、才災校長は話を続ける。
「それ程の力を持っているカードだと伝えられています。何故そんな島に学園を作ったのか、海馬オーナーの考えが理解出来ませんが…。そのカードを狙う者たちが現れました。」
「それは…一体誰なんです?」
「七星王…。セブンスターズと呼ばれる、七人のデュエリストだと名乗っています。」
「でも、そのカードは封印されているのでは…?」
「三幻魔のカードは島にある遺跡の、地中深くに安置された石室に封印されているとか。その部屋には、七つの門。七精門の扉があり、七つの鍵で固く閉じられているのです。」
「3枚のカードに7つの門、7つの鍵か~。なるほどな~!」
「ホントにわかったノーネ?」
「その鍵が…これでした。」
由緒ありそうな鍵が二つしか無かった。おい、どういうことだ?という声が出かかる猫崎。
「ええっ?!こ、校長先生!どういう事なんだよ!」
「私はセブンスターズを倒すために、選りすぐりの門下生を選びました。しかし、セブンスターズは卑怯にも、黒炎弾というバーンカードを、幻魔の扉という除去カードを、アマゾネスの剣士という卑怯なカードを、ザルーグというハンデスモンスターを、堕落という卑劣な装備魔法を使って門下生を倒してしまったのです!」
連戦連敗で、どうにもならなくなって猫崎達を使う所まで追い詰められたようだ。
というより、カミューラ相手に幻魔の扉を使うところまで追い詰めた門下生が居た事に内心驚く猫崎。敢闘賞をやりたいとまで考える。
少し考え、どうやらセブンスターズ相手に門下生を送り込んだことで手駒が不足したから、襲撃が無かったと察する。
「…残った門下生は自分達の手には負えないと言って鍵を返却しました。残る鍵を貴方達にデュエルで守ってもらいます。七精門の鍵を奪うには、デュエルによって勝たねばならない。これもいにしえより、この島に伝わる約束事だとか。この鍵を壊せば三幻魔が不完全な状態で暴走してしまうとも聞いています…。引き受けてくれますね?」
やや沈黙が漂う中、十代が口を開く。
「…才災校長。俺、バブルマンネオとフレイム・ウィングマンとサンダー・ジャイアントとハネクリボーLv10、バースト・インパクトと異次元トンネルミラーゲートとクレイ・チャージとエッジハンマーをリスペクトに反するカードって言われたけれど、セブンスターズとのデュエルでも使ってはいけないのか?」
「いいえ。引き受けてくれるなら、在学中使用許可を出しましょう。」
その反応に、後輩組が立て続けに口を開く。
「才災校長。私のサイバー・ジムナティクスドゥーブルパッセは?」
「俺のアームド・ドラゴンLv5とLv7とLv10、VWXYZとXYZとおジャマトリオとライトニング・ボルテックスとサンダー・ブレイクは?」
「俺の地割れと地砕きと破壊輪と魔法の筒と王宮の弾圧と」
怒涛の勢いで話を持ち掛ける一年生組。
「もう結構です!引き受けてくれるならば、リスペクトに反するカードも在学中使用許可を出します!」
セブンスターズに敗れた門下生の中には、政界や財界の重鎮の血縁者が混じっている。
猫崎は知らないが、ダークネス吹雪に打ち負かされた才金は、大銀行の副頭取の次女である。
今回、大事な娘さんを闇のゲームに参加させた結果ボロボロにされた以上、何としてでも完治させメンタルケアまでをしなければならない才災はそれどころでは無い。
そんな事情を察することは出来ないが、猫崎と才波もうなづく。
「俺と才波、クロノス教諭と十代、三沢、万丈目、天上院さんで守るという事でよろしいですか?才災校長。」
「いいえ。クロノス教諭に何かあればカリキュラムに影響が出ます。頼もしい援軍を出しましょう!」
「…才光か、才花辺りかしら?最近、門下生の中でもかなり成果を上げているという噂だし…」
あの二人か。サイバー・エンド・ドラゴンやツインを出して棒立ちエンドが多い門下生の中では、多少マシだ。
少なくとも、デュエル中に相手のカードを批判・否定する事を才光はしてこない。
才花は憎たらしい目で睨みつけてくるが。
…シャインエンジェルと伏せ1枚でターンエンドして来たから、返しのターンA・O・Jディサイシブアームズで手札破壊したところ…
サイバー・ドラゴンが二枚あって4200バーンで仕留めたのは、ちょっと猫崎が悪いかもしれない。
「紹介しましょう!ギャンブル界のカリスマ!ボーイ君です!」
「久しぶりだな、天上院明日香!」
チェンジで。
思わず出かかった声を、猫崎は何とか飲み込む。
「光雄君?」
「なっ!貴様、天上院君とどういう関係だ!」
ひと悶着あったが、何とかなだめてセブンスターズとの戦いが始まった。
ダークネス吹雪を十代が倒し、カミューラが幻魔の扉を使わずにボーイを破るも、光里が倒した。
…ボーイが勝てそうなセブンスターズって誰だろう?アビドス3世か?
タニアを三沢が制し、黒蠍を万丈目が倒した。タイタンを明日香さんが倒し…。猫崎の番が来た。
俺の相手は…。
「お前がS使いか。お前の相手はこの俺、百野真澄だ!」
「始めよう」
対戦相手のあらゆるデッキを想定した、アンチデッキを100以上持っているというが…。
作中での『城之内デッキ』と極端に相性の悪いデッキが不明だ。城之内デッキって何にメタを張ったのか?と前世で猫崎は悩んだことがある。
「「デュエルッ!!」」
猫崎 ライフ4000
手5 場
百野 ライフ4000
手5 場
「俺の先攻、ドロー!俺は王虎ワンフーを召喚!」
「そいつは…」
「そうだ!お前のデッキは攻撃力が低いモンスターを大量に並べるデッキだろう?ならこうしてしまえばろくにS召喚とやらは出来ない!さらにカードを4枚伏せ、ターンエンド!」
猫崎 ライフ4000
手5 場
百野 ライフ4000
手1 場 王虎ワンフー 伏せ4
「俺のターン、ドロー!だが、セットは別だ。俺は」
「おおっと!ならここで永続罠発動!聖なる輝き!お互いにモンスターをセット出来ない!さらに永続罠、魔封じの芳香!」
「モンスターのセットと、魔法カードの発動に制約を課したか。俺はカードを3枚伏せてターンエンドだ」
猫崎 ライフ4000
手3 場 伏せ3
百野 ライフ4000
手1 場 王虎ワンフー 聖なる輝き 魔封じの芳香 伏せ2
「俺のターン、ドロー!ライオウを召喚!バトルだ!王虎ワンフーとライオウでダイレクトアタック!」
「罠発動!聖なるバリア-ミラーフォース-!」
「ハハッ、その手のカードはお見通しだ!リバースカードオープン!我が身を盾に!ライフを1500払ってミラーフォースの発動と効果を無効にして破壊!」ライフ4000から2500
「……」ライフ4000から2300、2300から400
後輩が心配する中、才波はじっと猫崎を見る。
「どうだ!王虎ワンフーと聖なる輝きで、チューナーはともかく非チューナーの雑魚は場に出しずらい。仮にそれを潜り抜けても、ライオウを墓地に送ればS召喚を無効にして破壊!さらにライオウの効果でデッキからドロー以外でカードを手札に加えられず、魔封じの芳香で魔法カードは発動しずらい。このロックを破れるものなら破って見ろ!ターンエンドだ!」
その説明を受けて一年生組が口を開く。
「あのライオウって、サーチを封じて特殊召喚を無効にして破壊するのか!いいな、俺もデッキに…」
「そうなると、増援とエマージェンシー・コールを使いづらくなるが、いいのか?」
「うぐっ…。」
「だが、この状況は正直キツイな。今まで見た限り、猫崎先輩のデッキで攻撃力1400より高い攻撃力を持つモンスターは、チューナーモンスターである霞の谷の戦士とエアベルン。」
「墓地にチューナーがあれば、イージーチューニングで突破できるかもしれないけれど、今猫崎先輩の墓地にチューナーは居ないわ。」
後輩たちは、百野真澄が使用したカードと状況についてあれやこれや議論している中。
「…S召喚?チューナー?一体何を言っているんだ?」
一人だけついてこれないギャンブラーが居た。
猫崎 ライフ400
手3 場 伏せ2
百野 ライフ2500
手1 場 王虎ワンフー ライオウ 聖なる輝き 魔封じの芳香 伏せ1
「俺のターン、ドロー!俺は伏せた魔法カード、精神操作を発動。お前のライオウのコントロールを得る!」
「何?!だが、攻撃もリリースも出来ない!」
「チューナーモンスター、X-セイバー・エアベルンを召喚。レベル4のライオウにレベル3のエアベルンをチューニング。S召喚!ダーク・ダイブ・ボンバー!!」
『てめぇの場に足りないのは、強者の苦痛だ。まぁ、持っていないなら仕方ないだろうが…』
ダーク・ダイブ・ボンバーのセリフに、十代が反応する。
「へ?強者の苦痛?」
「気づいたか、十代。王虎ワンフーと聖なる輝き、それに強者の苦痛が合わされば猫崎先輩も突破出来なかっただろう。」
「…フン。強者の苦痛はデュエルアカデミアイースト校で開催された、ジュムナエルグランプリの予選通過者に配布されたカード。そうそうお目にかかれん。」
「ジュムナエルグランプリというと、確か…全科目で90点以上、保健体育でも上位30名以内に入って入学してから一度も校則違反をせず、無遅刻無欠席だった生徒だけ出場できる大会よね?」
「そ、そんな大会があるのかよ…。うーん、俺だと出場すら出来そうにないぜ。」
ほぼほぼ勝利を確信していた状況を覆され、百野はうめく。
「ぐっ、こ、この布陣を前に、S召喚を決めるだと!」
「十代の言う通り、強者の苦痛が足りなかったな。行け、ダーク・ダイブ・ボンバー!王虎ワンフーを攻撃!」
「うわああああああっ!」ライフ2500から1600
「ターンエンドだ」
猫崎 ライフ400
手3 場 ダーク・ダイブ・ボンバー 伏せ1
百野 ライフ1600
手1 場 聖なる輝き 魔封じの芳香 伏せ1
「こ、こんなはずでは…俺のターン、ドロー!よし、俺はモンスターをセッ…。ええい、マシュマロンを守備表示!ダーク・ダイブ・ボンバーは1ターンに1度、場のモンスターをリリースしてそのレベルの200倍のダメージを与えるが、それを使われてもまだ俺のライフは残る!ターンエンド!」
百野のセリフに、光雄が反応する。
「…えっ?ちょっと待てよ、あのモンスターの攻撃力は2600でレベルが7って事は、あのモンスターのダイレクトアタックとモンスター効果で4000ポイント削れるってことか?!」
「光雄君、今ではあのカードは才災校長により、メインフェイズ1でしか効果が使えないようにエラッタされたわ。以前はそれが出来ていたみたいだけれど。」
「フン、除去がダメだのバーンは卑怯だのいうが、このエラッタは英断だな。」
「その通りだ。あの校長は尊敬する気にはなれないが、こういうところは認めざるを得ない。」
猫崎 ライフ400
手3 場 ダーク・ダイブ・ボンバー 伏せ1
百野 ライフ1600
手1 場 マシュマロン 聖なる輝き 魔封じの芳香 伏せ1
「俺のターン、ドロー!霞の谷の戦士を召喚。バトルだ、霞の谷の戦士でマシュマロンを攻撃!」
「馬鹿が!こいつは戦闘では破壊され」
「霞の谷の戦士の効果発動、このカードとの戦闘で破壊されなかったモンスターは、手札に戻る!」
「?!なん…だと…」
「トドメだ、行け、ダーク・ダイブ・ボンバー!」
「ば、馬鹿なぁ!シュミレーションでは、勝率83%だったのに…うわああああっ!」ライフ0
「着想は良かったが、俺の方が上だったな。さて…。」
百野の伏せカードは、偽物の罠だった。これで二枚の永続罠を守るつもりだったのだろう。
数日後、最後のセブンスターズ、アムナエルが現れる。激戦の末、十代が制するが…。
「十代君…あの方は、デュエルモンスターズそのものに、絶望してしまった。」
「大徳寺先生?」
「君も見てきたはずだ、この学園の『リスペクト』に。それがプロリーグにも蔓延しつつある現状に、とうとう愛想をつかしてしまった。頼む、十代君。君のデュエルで…」
そこまで言って、大徳寺先生の身体は崩壊してしまった。
ゴッズでルチアーノ君が登場したときに言及されていたジュムナエルグランプリですが、出場すら難しいというのでそれっぽい条件を付けてみました。まぁ、アモン君なら余裕でクリアできるでしょう。