猫シンクロ使いが行く遊戯王GX!   作:交響魔人

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やっと才災師範がデュエルをします。アンチリスペクト物だと入学試験後に改変された鮫島校長と主人公がデュエルをしますが、個人的にサイバー流の師範は序盤で戦わず、門下生では手に負えないとなってからお出ましの方がいいと思います。

デュエル内容にミスがあったため修正しました。


第14話!学園買収騒動と、影丸VS才災!

 デュエルアカデミアを、万丈目グループが買収しようと動いているらしい。

 この時期に?と訝しむ猫崎。

 

 だが、この買収話を才災校長はかなり好意的に受け入れているという。

 

「…オーナーが海馬瀬人から万丈目長作議員に変わる。つまり、買収が成立すれば海馬瀬人の顔色をうかがう必要が無くなる。」

「一方で万丈目グループは、サイバー流とのコネを得られるという事ね?」

「そうだろうな。」

 

 買収の条件として、攻撃力500以下のモンスターでデッキを組めという条件を万丈目は課された。

 それを聞いた直後、猫崎は動き出す。縄梯子を肩にかけ、エントランスに向かう。

 

 アムナエルはもういない。彼の代わりを猫崎は務める事にした。

 

「でも、攻撃力500以下のモンスターなんて、どうやって手に入れたら…。」

「この学園では、悲しい事に余った弱小カードを古井戸に捨てる不心得者が居る。」

「猫崎先輩?!何故縄梯子を?」

 

 万丈目が顔を上げて、猫崎に目を向けてつぶやく。

 

 

「そこなら、攻撃力500以下のモンスターカードを手に入れられるかもしれない。どうする?」

「構わん!俺はカードを手に入れねばならんからな!」

 

 猫崎は縄梯子を手渡す。

 

「…勝てよ、万丈目。ところで、一つだけ聞いていいか?」

「なんだ?」

「万丈目の兄は国会議員で、お前は高校一年生。となれば大体10歳ぐらい離れているわけだが…。ここまで離れていると、父親ぐらいの差を感じる物なのか?」

「親父は生きているからそんな事は無いぞ。ただ、逆らえないとか意見を強く言えない感じだ。」

 

 伯父とかそういう立場に近いようだ。そう猫崎は考える。

 一方、縄梯子を受け取り万丈目は井戸に向かう。

 十代は面白そうと言って付いていった。

 

 

 

 

 

 買収デュエル当日。

 

 

「ハンデに怯えずよく来たな。準。」

「兄さん。デュエルの前に言っておく。俺のデッキのモンスターの攻撃力は、全て攻撃力0だ!」

「…ほう?まぁ、500も0もさほど変わらん…。行くぞ!」

 

 

「「デュエルッ!!」」

 

サンダー ライフ4000

手5 場 

長作 ライフ4000

手5 場 

 

 

「俺の先攻、ドロー!俺はモンスターをセット!永続魔法、暗黒の扉を発動して、ターンエンドだ!」

 

 

 

サンダー ライフ4000

手4 場 セットモンスター 暗黒の扉

長作 ライフ4000

手5 場 

 

 

「私のターン、ドロー!永続魔法、凡骨の意地を発動!」

「凡骨の意地?」

「なんだ準、お前はデュエルモンスターズの学校に通っているのに知らないのか?これはドローフェイズにドローしたカードが通常モンスターならば、それを公開する事で」

「追加ドロー出来る事は知っている!意外だっただけだ。」

「フン、私はカードを一枚伏せてターンエンドだ」

 

 

 

 

サンダー ライフ4000

手4 場 セットモンスター 暗黒の扉

長作 ライフ4000

手4 場 凡骨の意地 伏せ1

 

「俺のターン、ドロー!俺はセットしていたモンスターをリリースして、モンスターをアドバンスセット!」

「モンスターのアドバンス召喚をしたのに、何故表側表示にならない?」

「モンスターをセットしたように、アドバンス召喚でもモンスターをセットする事自体は可能だ。あまり例は無いがな。」

「攻撃力0しか入っていないなら、そうなるか。」

「俺はこれでターンエンド!」

 

 

 

サンダー ライフ4000

手4 場 セットモンスター 暗黒の扉

長作 ライフ4000

手4 場 凡骨の意地 伏せ1

 

 

「私のターン、ドロー!私が引いたのは、デビル・ドラゴン!さらにドロー!サファイア・ドラゴン!真紅眼の黒竜!暗黒の竜王!砦を守る翼竜!デーモンの召喚!メテオ・ドラゴン!むっ」

「通常モンスターを大量ドローしたか…。」

「ドローフェイズはここまでだ。行くぞ、フィールド魔法、フュージョン・ゲートを発動!これで私は融合のカード無しで融合召喚を行える!」

「最も、素材となるモンスターは除外されるがな。」

「行くぞ!私は真紅眼の黒竜とデーモンの召喚を融合!現れろ、ブラック・デーモンズ・ドラゴン!」

 

 

 出て来たモンスターに、観客席がざわめく。

 

「攻撃力3200!流石万丈目グループ、金があるなぁ」

「でも、真紅眼の黒竜とメテオ・ドラゴンがあるのに、なぜメテオ・ブラック・ドラゴンでは無くてブラック・デーモンズ・ドラゴンを融合召喚したのかしら?」

 

 門士郎と寒川だ。最も、寒川の意見に内心同意する猫崎。

 攻撃力はメテオ・ブラック・ドラゴンの方がわずかに高い。持っていないと言う事は無いだろうと推測する。

 

 

「…ところで準。」

「なんだ?兄さん。」

「除外されたカードは、デュエルディスクの何処に置けばいい?」

「ここのボタンを押してくれ。ケースが出てくるだろう?」

「ここか…。」

 

 なんとも締まらないやり取りだが、この空気がGXだなぁと思う猫崎。

 

 

「さてと。準、少し話をしないか?何故、私が攻撃力500以下、という制限をお前に課したと思う?」

 

 その問いかけは、万丈目だけでなくギャラリーにも伝播する。

 

「そりゃあ、勝ち目なんて無いからだろ。素人が万丈目に勝つにはそれぐらい無茶苦茶なハンデが無いと…。」

「いわれてみれば、最初から攻撃力0という制限にする事だって出来たはず。何故500以下なんだ?」

 

 十代の言葉に反応した三沢に対し。

 

「あれ?三沢君居たんだ?」

「最初からいた!」

 

 相変わらず失礼な事を言う翔。

 

 

「…俺には分からない。」

「さて、先ほどそこのお嬢さんが言っていたが…」

 

 万丈目長作が、チラリと寒川を見る。まさか聞こえていたとは思っていなかったらしく、驚く寒川。

 国会議員という事だから、他党議員から野次を飛ばされる事が多い職業柄、地獄耳なのだろうと思う猫崎。

 

「私にはメテオ・ブラック・ドラゴンを融合召喚する事も出来た。しかし、ブラック・デーモンズ・ドラゴンを呼び出した。何故だと思う?」

「攻撃力3500ではなくて3200のモンスターを融合召喚した理由?」

「まだ気づかないようだな、準。このカードの属性はなんだ?」

「闇属性だろう?ついでにメテオ・ブラック・ドラゴンの属性は炎…まさか?!」

 

 

 万丈目の視線が、長作議員の伏せカードに向けられる。

 

「こういう事だ!罠発動!魔のデッキ破壊ウイルス!場の攻撃力2000以上の闇属性モンスターをリリースして、お前の場と手札の攻撃力1500以下のモンスターを、全て破壊する!」

「ちいっ!攻撃力に制限を課したのは、これが狙いか!」

「ハハハハハ!どうだ準!」

 

 セットされていたキャッスル・ゲートが表側表示になり、破壊される。手札のおジャマイエロー、サクリファイス、超電磁タートル、イリュージョンの儀式の内、モンスターカードが全て破壊される。

 

「私はデビル・ドラゴン、サファイア・ドラゴン、暗黒の竜王、砦を守る翼竜とメテオ・ドラゴン!この5体を融合する!現れろ、F・G・D!」

「攻撃力、5000!」

「お前の場にあるのは、暗黒の扉だけ!これで終わりだ!やれ、F・G・D!準にダイレクトアタック!」

「墓地の超電磁タートルの効果発動!このカードを除外し、バトルフェイズを終了する!」

「何ぃ?!そんなモンスターがあるとは…。こんな効果なら、きっと三枚投入しているだろう。面倒な!」

「…超電磁タートルの効果は、デュエル中一度しか使えない。」

 

 

 そのカードを見て、才波は首をかしげる。

 

「あれはデュエルキング、武藤遊戯さんも使っていたカードよね?先日の相場だと60000円だったけれど…井戸に捨てられていたのかしら?」

「俺が貸した。」

 

 ちゃんと有効活用してくれているようで何より、と笑みを浮かべる猫崎。

 後に猫崎はこのデュエルの後返してもらう事をすっかり忘れてそのままになってしまうが、その後万丈目の窮地をこのカードは何度も救う事になるが、それは別の物語である。

 

 

「ええい、私はこのままターンエンドだ!」

 

 

 

サンダー ライフ4000

手1 場 暗黒の扉

長作 ライフ4000

手4 場 F・G・D 凡骨の意地 フュージョン・ゲート 

魔デッキ(3)

 

 

「俺のターン、ドロー!」

「魔のデッキ破壊ウイルスの効果だ、ドローしたカードを公開して貰うぞ、準!」

「俺が引いたのは、罠カード、ディメンション・ウォール!こいつは俺が受ける戦闘ダメージを相手に与える罠カードだ!」

「なんだと!」

「俺はカードを一枚伏せて、ターンエンドだ。」

 

 

 

サンダー ライフ4000

手1 場 暗黒の扉 伏せ1

長作 ライフ4000

手4 場 F・G・D 凡骨の意地 フュージョン・ゲート 

魔デッキ(2)

 

 

「私のターン、ドロー!くっ…仕方ない。ターンエンドだ」

 

 

 

サンダー ライフ4000

手1 場 暗黒の扉 伏せ1

長作 ライフ4000

手5 場 F・G・D 凡骨の意地 フュージョン・ゲート 

魔デッキ(2)

 

 

「俺のターン、ドロー!引いたのはおジャマグリーンだ。破壊されるため、ターンエンドだ」

 

 

 

 

 

サンダー ライフ4000

手1 場 暗黒の扉 伏せ1

長作 ライフ4000

手5 場 F・G・D 凡骨の意地 フュージョン・ゲート 

魔デッキ(1)

 

 

「私のターン、ドロー!引いたのはダイヤモンドドラゴン!よってさらにドロー!」

 

 引いたカードを見た長作議員は、メインフェイズに入る。

 

「速攻魔法発動、リロード!手札を6枚デッキに戻して、6枚ドローだ!」

「なんだと!」

「驚いたか、準。これでキーカードを引き当てれば…」

 

 驚いたのはリロードをデッキにいれていた事では無く、ドローフェイズに使っていない事なのだが…。

 

「…ターンエンドだ!」

 

 

 

 

サンダー ライフ4000

手1 場 暗黒の扉 伏せ1

長作 ライフ4000

手6 場 F・G・D 凡骨の意地 フュージョン・ゲート 

魔デッキ(1)

 

 

「俺のターン、ドロー!おジャマブラックをドローした。こいつが破壊されてターンエンド。だが、このエンドフェイズに魔のデッキ破壊ウイルスの効果は終了する!」

 

 

 

 

サンダー ライフ4000

手1 場 暗黒の扉 伏せ1

長作 ライフ4000

手6 場 F・G・D 凡骨の意地 フュージョン・ゲート 

 

 

「私のターン、ドロー!真紅眼の黒竜!ドロー!メテオ・ドラゴン!ドロー!フフッ、これで揃ったか。」

「何?」

「フュージョン・ゲートの効果発動!真紅眼の黒竜とメテオ・ドラゴンを融合!現れろ、メテオ・ブラック・ドラゴン!」

「攻撃力3500…ディメンション・ウォールで跳ね返してもライフが削り切れん…!」

「ハハハ!バトル!メテオ・ブラック・ドラゴンでダイレクトアタック!」

「うわあああっ!」ライフ4000から500

 

「準よ、よくぞここまで手古摺らせた。褒めてやってもいいが…次のターンで終わらせる!カードを一枚伏せ、ターンエンド!」

 

 

 

 

サンダー ライフ500

手1 場 暗黒の扉 伏せ1

長作 ライフ4000

手6 場 F・G・D メテオ・ブラック・ドラゴン 凡骨の意地 フュージョン・ゲート 伏せ1

 

 

「俺のターン、ドロー!」

「この瞬間、罠発動!砂塵の大竜巻!これでお前が伏せたディメンション・ウォールを破壊する!どうだ、準!これで万に一つの可能性も…。」

 

 だが砂塵の大竜巻が巻き上げたカードは、ディメンション・ウォールでは無く、イリュージョンの儀式。

 

「ど、どうなっている?!何故ディメンション・ウォールでは無い…まさか!」

「俺はディメンション・ウォールをドローしたが、それを伏せたとは言っていない。」

「ぐうっ…。ライフを犠牲にしてでも、踏みぬかねばならんか…?」

「魔法カード、強欲な壺を発動!俺はカードを二枚ドローする!よし、魔法カード、トライワイトゾーンを発動!墓地のおジャマイエロー、グリーン、ブラックを復活させる!」

「壁モンスターが三体か…。」

「俺の場に三匹のおジャマが揃ったことで、発動できるカードがある!魔法カード、おジャマ・デルタハリケーン!相手の場のカードを全て破壊する!」

「なんだと!」

 

 

 F・G・Dと凡骨の意地、フュージョン・ゲートが破壊されていく。

 

 

「俺はこれでターンエンドだ」

 

 

 

 

サンダー ライフ500

手1 場 おジャマイエロー グリーン ブラック 暗黒の扉 

長作 ライフ4000

手6 場 

 

 

「私のターン、ドロー!まだだ!フィールド魔法、フュージョン・ゲートを発動!そして永続魔法、凡骨の意地を再度発動する!」

「またその組み合わせか。」

「何とでも言え!ターンエンド!」

 

 

 

サンダー ライフ500

手1 場 おジャマイエロー グリーン ブラック 暗黒の扉 

長作 ライフ4000

手5 場 凡骨の意地 フュージョン・ゲート 

 

 

「俺のターン、ドロー!俺はフュージョン・ゲートの効果発動!おジャマイエロー、グリーン、ブラックを融合する!」

「おい、準!フュージョン・ゲートは私のカードだぞ!何故お前が融合召喚を行う事が出来る!」

「フィールド魔法は、互いのプレイヤーに影響を及ぼす!現れろ、おジャマ・キング!」

「攻撃力0…わざわざモンスターを減らしてそいつを融合召喚した理由はなんだ?」

「おジャマキングの効果発動!兄さんのモンスターゾーンを三か所、使用不可能にする!」

「三か所…だが、あと2か所残るなら問題ない!」

「魔法カード、右手に盾を左手に剣を!おジャマ・キングの攻撃力と守備力を入れ替える!」

「攻撃力、3000!」

「バトル!おジャマ・キングでダイレクトアタック!」

「ぐううううっ!」ライフ4000から1000

 

 

「俺はカードを一枚伏せ、ターンエンド。おジャマキングの攻守は元に戻る!」

 

 

 

サンダー ライフ500

手0 場 おジャマ・キング 暗黒の扉 伏せ1

長作 ライフ1000

手5 場 凡骨の意地 フュージョン・ゲート 

 

 

「私のターン、ドロー!ええい、メインフェイズに入って速攻魔法、二枚目のリロードを発動!手札をデッキに戻し、戻した枚数分ドローする!」

「兄者、準の場にはあの罠が伏せられているはず…。」

「そうだな。だが!私はフュージョン・ゲートの効果発動!手札のロード・オブ・ドラゴン-ドラゴンの支配者-と神竜ラグナロクを融合!竜魔人キングドラグーン!」

 

 出て来たモンスターに、ギャラリーの一部が反応する。

 

「凄い!あれパラレルレアだわ!」

「わかったから、いい加減落ち着け寒川!」

 

 デュエルに集中したいのに、隣が騒ぐせいで集中できない門士郎が文句を言う。

 

 

「キング・ドラグーンが場にいる限り、私のドラゴン族はカード効果の対象にならない!これで終わりだ、準!」

「何?!ま、まった長作兄さん!」

「バトルだ、キング・ドラグーンでおジャマ・キングを攻撃!トワイライト・バーン!」

「ああもう!罠発動!ディメンション・ウォール!戦闘ダメージは相手が受ける!」

「それでどうしようと…うわああああっ!」ライフ0

 

 

 ライフが0になったのは、長作議員の方だった。

 

「な、何故だ!何故キング・ドラグーンが居るのに、私にダメージが…。」

「対象に取れないだけであって、戦闘ダメージを反射するディメンション・ウォールを防ぐことは出来ない。これが魔法の筒なら話は別だが。」

 

 

 やや考え込む長作議員。

 

「…そう、なのか?」

「だから待ったと言ったのに…。」

 

 やや微妙な終わり方ではあったが、直後に地震が発生する!

 猫崎は気づく。これは…三幻魔が覚醒した!

 

 

「じ、地震?!」

「やばいっス!」

 

 

「落ち着けっ!近くの物を掴んで余震が収まるまで待てッ!」

 

 先ほどまでの消沈ぶりから一転、長作議員が声を張り上げると、混乱が収まる。

 

 

「…何だったんだ?震度は5といった所だが。」

「外に出るぞ!」

 

 落ち着いて対処に動く万丈目の兄達にこの場を任せて事情を察している猫崎は、一足先に駆け出す。

 

 

「猫崎、何処に向かっているの?」

「あの柱の根元だ!何かがあったに違いない!」

 

 

 走っていると、他の鍵の守護者に選ばれた後輩組が合流する。

 結構リードしていたなずなのに、普通に追いつかれて内心身体能力の差に焦る猫崎。

 前世でも体育会系の部活に参加し、この肉体になってもそれなりに運動はしていたのだが…。

 

 

 ふと空を見上げると、万の文字がかかれたヘリコプターが飛んでいく。

 どうやら万丈目の兄たちは島を離れるらしい。

 

 

 

 

 柱の中央には、大きな水槽を乗せた機械が、地面から現れたカードを回収していた。

 遅かったか、と内心舌打ちする猫崎。

 

 騒ぎを聞きつけたのか、才災校長と才津教頭も現れる。

 

 

『不甲斐ないサイバー流の門下生では三幻魔覚醒には到底エネルギーが足りず、お前達とセブンスターズをぶつけても足りなかったが…。万丈目グループのおかげで必要なエネルギーが貯まった。』

「なんだと!まさか、長作兄さんに何かしたのか!」

『根回しに多少協力しただけだ。デッキは才災の奴が色々助言…。』

「馬鹿な、才災校長が助言したなら、長作兄さんはサイバー流を使ってきたはず…。」

『ふぅん。知らないようだな。元々、才災の奴は凡骨の意地でドラゴン族の通常モンスターを大量にドローして、F・G・Dを呼び出すのを得意としていた。』

「という事は、魔のデッキ破壊ウイルスも才災校長の差し金…?」

『いいや。魔のデッキ破壊ウイルスは私の助言だ。まぁ、もはやそんな些細な事はもはやどうでもいい!』

 

 影丸理事長が、鋭い目を才災校長に向ける。

 

『これで、三幻魔復活のエネルギーは貯まり、覚醒した三幻魔は私の手にある!ようやく、ようやくお前に鉄槌を振り下ろす事が出来る、才災!私とデュエルしろ!』

 

 その言葉に、才災師範が反応する。

 

 

 

「な、何を考えているのですか!影丸理事長!」

『黙れ、才災!鮫島と違い、貴様は政界と財界の言いなりになった挙句…リスペクト精神を都合の良いように解釈し、リスペクトに反するとカードにレッテル貼りを行った!』

「私は、サイバー流の、日本のカードゲーム界の為に!」

『リスペクトとは尊敬するという意味だ。相手のカードを、対戦相手を侮辱する行為のどこにリスペクトがある?』

「相手の行動を妨害する事ばかり考えた除去カードやカウンター罠だらけのデッキや、効果ダメージで勝利する事だけを考えたデッキは否定されて当然です!」

『フン、そういうデッキを使われたら勝てないからだろう?自らのデッキを研鑽せず、相手を貶める流派に成り下がったサイバー流の支配するデュエルモンスターズなど、もはや不要だ!』

 

 これは…サイバー流の暴走でデュエルモンスターズそのものに絶望したのか。

 暗澹たる気持ちになる猫崎だが、影丸理事長は才災を糾弾する!

 

 

 

『それだけでは無いぞ!才災!貴様は自分の考えに合わない生徒をあえて入学させ、それを集中して批判対象にする事でサイバー流の教えを定着させようとした!』

「そ、そんな事はありません!」

『嘘をつくな!バーンがダメなら入学試験で破壊輪を使った三沢大地が何故入学している!フレイム・ウィングマンを使った遊城十代は?』

「三沢君は筆記一位で、遊城十代については鮫島前校長の頼みで…。」

 

 言いよどむ才災。

 

『フン、遊城十代についてはそうだな。私も鮫島から話は聞いている…。だが、お前は筆記試験において【対戦相手をリスペクトするとはどういう事か、自由に述べよ】という問題について否定的な記述をした生徒を軒並み不合格にしている!』

「言いがかりですね。あれは国語の問題ですよ。オーナーにはそう伝えています。」

『言い逃れをしても無駄だ。そこが基準になっている事は確認済みだ!』

 

 そういう問題が編入試験の時にもあったな、と思い出す猫崎。

 

「あれがボーダーラインだったとは。」

『その通りだ、猫崎。あの問題に…対戦相手を認め、全力で勝つ為に攻撃を通すためのカウンター罠や戦闘では勝てないモンスターに対抗するために除去カードを入れる…、という記述をした孫娘は不合格になった。』

「つまり、筆記試験でリスペクトデュエルを真っ向から否定する受験生を弾き、実技で見極めていた…?」

『その通りだ。才災はそうやってふるいをかけていた。そうだろう、才災!』

 

 理事長という立場、そして今までの才災校長の言動。

 それを考えればあってもおかしくない話に、鍵の守護者として選ばれた面々は驚く。

 

「フン、その子の出来が悪かっただけです!」

『ふぅん。筆記試験4位の出来が悪いというか。まぁいい。孫娘は地元の高校に通わせることにした。貴様に任せて置いたら、【超古深海王シーラカンス】軸の魚族デッキが除去カードの一つも入っていないサイバー流にされかねないからな!』

 

 フィッシャーチャージや、水霊術-葵とか駆使していそうだ、想像する猫崎。

 

 

『構えろ、才災!まず三幻魔デッキの肩慣らしとしてお前を倒す!』

「間違った道に進んだ貴方を、リスペクトデュエルで正します!」

『何がリスペクトだ、お前が掲げているのは似非ペクトだ!』

 

 リスペクトと似非を掛け合わせた造語、似非ペクト(えせぺくと)。言い得て妙だと思う猫崎。

 

「…影丸理事長の方が年上だよな…?」

 

 思わず十代が突っ込みを入れるが、どちらも無視する。

 

 

「「デュエルッ!!」」

 

影丸 ライフ4000

手5 場 

才災 ライフ4000

手5 場 

 

 

『私の先攻!ドロー!私は永続魔法、七精の解門を発動!このカードは発動時、デッキから三幻魔か三幻魔のカード名を記されたカードを一枚、デッキから手札に加える。わしは三幻魔の一角、降雷皇ハモンを手札に加える』

「攻撃力と守備力が4000…!」

『いくぞ、混沌の召喚神を攻撃表示で召喚!』

 

 

混沌の召喚神

効果モンスター

星1/闇属性/悪魔族/攻 0/守 0

このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。

(1):このカードをリリースして発動できる。「神炎皇ウリア」「降雷皇ハモン」「幻魔皇ラビエル」のいずれか1体を手札から召喚条件を無視して特殊召喚する。

(2):墓地のこのカードを除外して発動できる。デッキから「失楽園」1枚を手札に加える。

 

 

 

「レベル1、攻撃力守備力0のモンスターを攻撃表示で召喚?影丸理事長、モンスターを守備表示で出すときは縦では無く、横向きで」

『愚か者め、わしは混沌の召喚神の効果発動!このカードをリリースする事で、手札の三幻魔を召喚条件を無視して特殊召喚出来る。現れろ、降雷皇ハモン!』

「こ、これが…三幻魔!」

『さらにフィールド魔法、失楽園を発動!私の場にハモンが居る事で、カードを二枚ドロー!永続魔法、失楽の霹靂を発動!カードを二枚伏せ、ターンエンドだ!』

 

 

 

影丸 ライフ4000

手2 場 ハモン 失楽園 七精の解門 失楽の霹靂 伏せ2

才災 ライフ4000

手5 場 

 

 

 

「私のターン、ドロー!魔法カード、大嵐を発動!」

『愚か者め、永続魔法、失楽の霹靂の効果発動!1ターンに1度、相手の魔法・罠カードの発動を無効に出来る。その後、場のハモンを守備表示に変更する!』

「なっ?!相手の行動を妨害するとは、リスペクトに反する行為です!」

『だからどうした?』

「ひ、開き直りですか!なんとみっともない…」

『さっさと進めろ。おっと、ここで永続罠を発動。覚醒の三幻魔。私の場の三幻魔の種類によって効果が決定する。場にはハモンが居る。お前がモンスターを特殊召喚すれば、私はそのモンスターの攻撃力分のライフを回復する』

「ぐっ…。私はモンスターをセット、カードを4枚伏せてターンエンド!」

 

 

 

影丸 ライフ4000

手2 場 ハモン 失楽園 七精の解門 失楽の霹靂 覚醒の三幻魔 伏せ1

才災 ライフ4000

手0 場 セットモンスター 伏せ4

 

『私のターン、ドロー!』

「このスタンバイフェイズで罠カードを3枚発動!ゴブリンのやりくり上手!さらに速攻魔法、非常食!」

『小癪な!』

 

 

 

 

「やりくり上手って、カードを1枚ドローして、1枚デッキに戻すカードだよな。あれに意味はあるのか?」

「意味ならある。墓地のやりくり上手の数だけドロー出来る。非常食で墓地にやりくり上手を三枚送った。つまり。」

 

 猫崎の言葉を引き継ぎながら、才災校長は自慢げに言う。

 

「そう!私は4枚ドローして、1枚カードをデッキに戻す。これを三回行う!つまり私の手札は9枚になるのです!さらにライフも3000ポイント回復!」ライフ4000から7000

「すげぇっ!こんなコンボがあるのか!非常食はもう持っているから、後はゴブリンのやりくり上手を三枚集めれば…。」

 

 十代がやりくりターボというギミックを学習してしまう中、デュエルは進む。

 

 

 

『フン!私は失楽園の効果でさらに二枚ドロー!私は暗黒の招来神を召喚!効果発動、デッキから神炎皇ウリアを手札に加える。』

 

暗黒の招来神

効果モンスター

星2/闇属性/悪魔族/攻 0/守 0

このカード名の(1)の効果は1ターンに1度しか使用できない。

(1):このカードが召喚に成功した時に発動できる。「神炎皇ウリア」「降雷皇ハモン」「幻魔皇ラビエル」のいずれか1体、またはそのいずれかのカード名が記された、「暗黒の招来神」以外のカード1枚をデッキから手札に加える。

(2):このカードがモンスターゾーンに存在する限り、自分は通常召喚に加えて1度だけ、自分メインフェイズに攻撃力と守備力が0の悪魔族モンスター1体を召喚できる。

 

 

 

『さらに暗黒の招来神の効果発動!このターン、通常召喚に加えて、もう一体攻守0の悪魔族を召喚出来る。暗黒の招来神をリリース。現れよ、暗黒の召喚神!』

 

 

暗黒の召喚神

効果モンスター

星5/闇属性/悪魔族/攻 0/守 0

このカード名の(1)の効果は1ターンに1度しか使用できない。

(1):このカードをリリースして発動できる。「神炎皇ウリア」「降雷皇ハモン」「幻魔皇ラビエル」のいずれか1体を手札・デッキから召喚条件を無視して特殊召喚する。

このターン、自分のモンスターは攻撃できない。

(2):墓地のこのカードを除外して発動できる。デッキから「神炎皇ウリア」「降雷皇ハモン」「幻魔皇ラビエル」のいずれか1体を手札に加える。

 

 

 

「ま、また攻撃力0のモンスターを…。」

『暗黒の召喚神の効果発動!このカードをリリースする事で、手札かデッキから三幻魔を特殊召喚出来る。デッキから現れよ!幻魔皇ラビエル!』

 

「に、二体目の幻魔…?!」

『覚醒の三幻魔の効果、私の場に幻魔が二体居れば、相手モンスターの効果は無効となる…。だが、このターン暗黒の召喚神の効果を用いたターン、バトルフェイズは行えない。』

「どれほど強力なモンスターが出ても、攻撃出来ないなら恐れるに足りません!」

『墓地の混沌の召喚神を除外し、効果発動。デッキから二枚目の失楽園を手札に加えておく。カードを一枚伏せターンエンドだ!』

 

 

 

影丸 ライフ4000

手4 場 ハモン ラビエル 失楽園 七精の解門 失楽の霹靂 覚醒の三幻魔 伏せ2

才災 ライフ7000

手9 場 セットモンスター

 

 

「私のターン、ドロー!魔法カード、エマージェンシー・サイバーを発動!」

『ならば失楽の霹靂の効果発動。ハモンを守備表示に変更し、エマージェンシー・サイバーの発動と効果を無効にして破壊する。』

「ふっ、相手によって無効にされ墓地に送られたエマージェンシー・サイバーの効果発動。手札を1枚捨てる事で、墓地のこのカードを手札に戻す。プロト・サイバー・ドラゴンを捨てて手札に戻し、発動!デッキからサイバー・ドラゴンか通常召喚できない機械族・光属性モンスター1体を手札に加える。サイバー・ドラゴンを手札に!」

『小癪な…』

 

 

「あんなカード、門下生は使ってこなかったが。」

 

 つぶやく猫崎に、才波が答える。

 

「…あれはサイバー流所属のプロデュエリスト、サイバー・ランカーズでも最高位のブロック代表に支給されるカードよ。そのほかの派生カードもブロック代表には支給されるけれど。」

 

 一般の門下生には支給していないという事か。

 才災校長は敵ではあるが、三幻魔の暴走を阻止するためにも勝ってもらいたい。

 猫崎としては相打ちが最善なのだが、そうそううまく事は運ばないだろう。

 

 

「よし、魔法カード、パワー・ボンドを発動!手札のサイバー・ドラゴン3体を融合!現れなさい、サイバー・エンド・ドラゴン!」

『パワー・ボンドで攻撃力は倍か。だが、覚醒の三幻魔でライフ回復』ライフ4000から12000

 

 サイバー・ドラゴンが融合され、サイバー・エンド・ドラゴンが現れる!

 

「ここで私はセットしていたサイバー・ジラフを反転召喚!そしてジラフをリリースして、このターン、私が受ける効果ダメージを0にします!」

『…パワー・ボンドのリスクも回避したか。』

 

 才災校長の反撃は続く。

 

 

「永続魔法、魔力倹約術を発動!これで私は、ライフコストを払わず魔法カードを発動出来ます!速攻魔法発動!サイバネティック・フュージョン・サポートを発動!このターン、機械族の融合召喚を行う場合、手札・場・墓地から融合素材を除外することで融合召喚が出来ます!」

『ぬぅ、来るか!』

「魔法カード、二枚目のパワー・ボンドを発動!墓地のサイバー・ドラゴン3体を除外し、現れなさい、サイバー・エンド・ドラゴン!」

『ちっ、だが覚醒の三幻魔でライフ回復!』ライフ12000から20000

 

 サイバー・エンド・ドラゴンを2体も呼び出した才災だが、まだ終わらない!

 

 

「魔法カード、次元融合を発動!戻って来なさい、三体のサイバー・ドラゴン!」

『サイバー・ドラゴンが三体…覚醒の三幻魔でライフ回復!』ライフ20000から26300

 

 ゴールドレア仕様のサイバー・ドラゴンが三体現れる!

 

「魔法カード、最後のパワー・ボンドを発動!並び立ちなさい!サイバー・エンド・ドラゴンッ!」

『覚醒の三幻魔でライフ回復!』ライフ26300から34300

 

 

 パワー・ボンドで強化されたシークレット・レア仕様のサイバー・エンド・ドラゴンが三体、才災校長の後ろに並び立つ!

 

 

「どうですか!これがサイバー流師範、才災勝作の実力です!」

『フン、それで勝ったつもりか?』

「ならばバトル!サイバー・エンド・ドラゴンで、オベリスクの巨神兵のまがい物を…?」

 

 

 だが、サイバー・エンド・ドラゴンはハモンに向かう!

 

『場に守備表示のハモンがいる限り、お前はハモン以外を攻撃できない!』

「ならばハモンから倒すまでです!エターナル・エヴォリューション・バーストォ!」

『ぐっ…生意気なっ!だが、覚醒の三幻魔の効果で、ご自慢の貫通効果は失われている!』

「だとしても、戦闘破壊はさせてもらいます!」

 

 ハモンがレーザー光線に貫かれ、爆発する!

 

『おのれ!だが永続魔法、失楽の霹靂により、三幻魔が場を離れたことで効果発動!このターン、私が受けるダメージは0になる!』

「ダメージを0にするとは。ですが、サイバー・エンド・ドラゴンでラビエルを攻撃!」

『才災如きに、幻魔が二体も倒されるとは…!』

「思い知りましたか!これがサイバー流の、リスペクト・デュエルの精神がもたらす強さです!ターンエンド!次の私のターンで一気にトドメを刺してやります!」

 

『ほざけぇ!この無知蒙昧な老害めが!永続罠発動!ハイパー・ブレイズ!手札を一枚捨て、墓地の三幻魔を手札に戻す!我が手に戻れ、ラビエル!』

「三幻魔を回収しましたか。ですが無駄です。サイバー・エンド・ドラゴンの前には三幻魔でさえ敵ではありません!」

 

 

 

影丸 ライフ34300

手4 場 失楽園 七精の解門 失楽の霹靂 覚醒の三幻魔 ハイパー・ブレイズ 伏せ1

才災 ライフ7000

手0 場 サイバー・エンド・ドラゴン サイバー・エンド・ドラゴン サイバー・エンド・ドラゴン 魔力倹約術 

 

 

『私のターン、ドロー!二枚目の混沌の召喚神を召喚!効果発動、このカードをリリースして現れろ、神炎皇ウリア!』

「こ、これはオシリスの天空竜のまがい物…?しかし、攻撃力が0とは…」

『失楽園でさらに二枚ドロー!これでそろった!』

 

 宣言する影丸。

 

『幻銃士を召喚。効果発動!私の場のモンスターの数だけ、銃士トークン(悪魔族・闇・星4・攻/守500)を特殊召喚する!その三体をリリースして、幻魔皇ラビエルを特殊召喚!』

「また出てきましたか…。だが攻撃力4000でどうしようというのですか!」

 

『…貴様の場にいるパワー・ボンドで強化された三体のサイバー・エンド・ドラゴンがある限り、負けは無いと思っているようだが…私は手札の幻魔皇ラビエル-天界蹂躙拳の効果発動!このカードを手札から捨てる事で、ラビエルの攻撃力は倍になり、相手モンスター全てに攻撃できる!』

「攻撃力8000!ですが一体と相打ちになるのが限界!」

『この愚か者めが。罠発動!和睦の使者!このターン、私のモンスターは戦闘で破壊されず、私が受ける戦闘ダメージも0になる!』

「な、何!」

 

『そしてカードを一枚伏せ、永続魔法、失楽の霹靂の効果発動!これで私は降雷皇ハモンの特殊召喚を行う際に、伏せられた魔法カードもコストに出来る。七精の解門、失楽の霹靂、強制転移を墓地に送り、再び現れろ!降雷皇ハモン!』

「また性懲りもなく現れましたか、ラーの翼神竜のまがい物。」

 

 手札を全て使いきるが、再び三幻魔を揃える影丸。

 三体の幻魔が場に揃い、影丸の肉体に変化が起きる。

 

「若返る、若返るぞ…うぉおおおおおっ!」

「ば、馬鹿な!こんな、こんな事が…!」

「驚いたか、才災。これが三幻魔の効果。所有者に永遠の命と若さを与える!私は永遠の若さと命で、この世からサイバー流を駆逐して正しいデュエルモンスターズを広める!」

「それはいい事を聞きました。影丸理事長!貴方を倒して三幻魔を手に入れ、私がカードゲーム界全てに正しいリスペクト・デュエルを広めます!」

 

 おぞましい事を言う才災校長。こいつが不老不死になって自分の思想を押し付け続けたら、世界は終わるだろう。

 

「無理だな、今から貴様は負ける…。いよいよだ、才災!ようやく、ようやくお前に鉄槌を振り下ろす時が来た!バトル!幻魔皇ラビエル!哀れな機光龍をスクラップに変えてしまえ!天界蹂躙拳、三連打ぁ!」

「あああああああっ~!!わ、私が、私が手札を9枚使って呼び出した、三体のサイバー・エンド・ドラゴンがぁあああああ!」

 

 ラビエルが剛腕を振るい、三体のサイバー・エンド・ドラゴンを木端微塵にする!

 

「続いて、降雷皇ハモンでダイレクトアタック!」

「うわあああああああっ!」ライフ7000から3000

 

 

 ハモンの雷が、才災に天罰を与える!

 

「かはっ…で、ですが私のライフはまだ残る!」

「これで終わりだ、神炎皇ウリアでダイレクトアタック!」

「こ…攻撃力0で攻撃?耄碌したようですね!」

「どこまでも愚かな奴め。ハイパー・ブレイズの効果発動!ウリアが戦闘を行うとき、デッキから罠カードを墓地に送る事で、ウリアの攻撃力は互いの墓地の罠カード一枚につき、1000ポイントアップする。」

 

 これで終わりと思ったが、墓地に送られたカードを見て才災校長が騒ぎ出す。

 

「か、カウンター罠!な、何故そんなカードをデッキに入れているのですか!それだけ強い三幻魔デッキなら、カウンター罠など使わず、デッキを回すカードだけで組みなさい!」

「最後の最後まで救いようがない愚か者め。これで墓地の罠カードはお前の墓地にやりくり上手が三枚、私の墓地に和睦の使者と神の宣告。よって攻撃力は5000!焼き払え、ウリア!」

「う、うわあああああああああっ!」ライフ0

 

 

 

 

 デモンストレーションとして才災校長を倒した影丸理事長は、そのまま遊城十代とデュエルをする。

 だが…。

 

 

「これで終わりだ!行け、シャイニング・フレア・ウィングマン!」

「まて、遊城十代!貴様は、サイバー流が支配している現状をどう思っている!このままでいいと思っているのか?!」

「…このままにしておけない。でも、三幻魔が覚醒したら精霊が滅んでしまう。俺はお前を倒し、サイバー流も倒す!」

「出来る物か!今すぐ行動せねばならぬというのに、貴様はまだ高校一年生!卒業まで二年もある。その間にサイバー流の支配がますます強まるというのに!」

 

 シャイニング・フレア・ウィングマンの攻撃が降雷皇ハモンを打ち砕く!

 影丸理事長は敗れ、三幻魔の力も失われ無力な老人に戻り…。

 

 

「…ご臨終です。」

 

 思えば齢100歳を超え、生命維持装置で生きながらえていた。もう寿命だったようだ。

 

 事件は収束した。

 才災師範は三幻魔のカードを手に入れようとしていたが、その前に猫崎が三幻魔のカードを改めて封印。

 不老不死をもたらす三幻魔が再度封印されたと知った才災校長は、ショックを受けるも不老不死のはずの影丸理事長が亡くなった事でデマだと思い込んだらしく、数日すれば元気になってしまった。

 

 

 

 

 その後は卒業デュエルが行われた。丸藤亮は遊城十代を対戦相手に選び、影丸理事長の死でショックを受けていた十代の心を開いたうえで卒業していった。

 ただ、卒業デュエル後攻1ターン目の丸藤亮のターン。

 

「悪夢の蜃気楼で4枚ドローだ!」

「メインフェイズに入り、魔法カード、大嵐を発動!」

「チェーンしてゴブリンのやりくり上手を3枚発動!そしてこの三枚と悪夢の蜃気楼を墓地に送ってライフを4000ポイント回復!そして4枚ドローして1枚デッキに戻す流れを三回行う!どうだカイザー!これで俺の手札は13枚だ!」

 

 満面の笑みで告げる十代に対し、丸藤亮の口元はやや引き攣っていたが、デュエルは丸藤亮が勝利した。

 

 のちに十代はこのやりくりターボを、斎王、ユベル、ダークネス相手にも決めるのだが『馬鹿な!こんな未来は予知されていなかった!』『おのれぇ!オサムめ、ボクの十代に何を仕込んだ!』『ほう、それが汝のデュエルか。』と言わせることになるのだが、それは別の物語である。

 

 卒業式が終わり、卒業証書を受け取る卒業生たち。

 門士郎や寒川。そしてサイバー流の門下生である才藤、才岡、才福、才治、才光、才花、才金も卒業していく。

 

 

 

 

 猫崎も卒業すると同時に、才波を呼び出し告白する。

 答えはYESだった。

 

 才光と才花が手をつないで会場を去り、才治と才金が頬を染めて見つめ合っている。

 

 

 

 卒業式後、門士郎にあずかっていた昆虫族デッキを返す猫崎。

 それを手にした門士郎に、寒川が声をかける。

 デュエルアカデミアのラストデュエルをしたいと言われた門士郎は、再び昆虫族デッキを手に寒川と共に会場を抜け出す。

 10分後、オベリスクブルー女子寮の湖畔でデュエルをした二人を、在校生が数人見かけたという。

 

 

 一方で猫崎は磯野さんから海馬社長の指示を受ける。今なお、海馬コーポレーションの保護下にあるからだ。

 

「一度、実家に里帰りしてもらい、その後サイバー・ランカーズを討伐してもらう。」

「サイバー流のプロであるデュエル・エリート…。」

「オシリスレッド所属だった新人が、サイバー流のエリートをなぎ倒していけば、サイバー流の権威はガタ落ちだ。それと…先ほどの告白は聞いてしまった。」

「そ、そうですか…。」

「サイバー流の元門下生のようだが。この二枚のカードを渡しておこう。」

「これは?!」

「ペガサス会長が新たにデザインしたサイバー・ドラゴンのカードだ。今の才災師範率いるサイバー流に思うところはあるが、デッキに罪は無いとの事だ。彼女を信じて託すもよし、君の好きなようにして良い。」

 

 猫崎の答えは決まっていた。

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