猫シンクロ使いが行く遊戯王GX!   作:交響魔人

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第19話!東北ブロック!嫌われる戦術と、鮫島元師範!

 秋田に到着した猫崎は、サイバー・ランカーズが居る道場へ向かう。

 

 

「残るは東北、北海道と関東のみ。ようやく終わりが見えてきた。」

 

 

 だが、まだ気は抜けない。最大の敵であろう丸藤亮が残っている。

 

 

「まさかここまで突破されるなんて。」

 

 白い肌が印象的な、左目に眼帯をつけた黒髪ポニーテールの女性が現れる。

 才田ほどではないが、見事な豊乳の持ち主だ。

 

「東北ブロックのサイバー・ランカーズ、才澤 頼子(さいざわ よりこ)だな。」

「ええ…。デュエルの前に、一つ聞くわ。サイバー流を潰してどうしたいの?」

「サイバー流は相手の戦略と戦術を否定する。そんな流派を野放しにしたらカードゲーム界は衰退する。」

「貴方は、一方的にワンターンキルしたりされたりするが、発展すると思っているの?」

「…貴女がサイバー流に入ったのは、そういうワンサイドゲームをする連中を取り締まってくれるからか?」

「そうよ。対策カードを引けない方が悪い、という風潮がまかり通っていい訳無いもの。禁止・制限のリストはもっと増やさなければならないわ。それかエラッタが必要。」

「そこは同意だ。ダーク・ダイブ・ボンバーの効果に才災師範が制約を課したが…これは個人的に英断だと思っている。だが、サイバー流の利点はそれだけだ。」

 

 

 軽くかぶりを振って、才澤は告げる。

 

「貴方は。何故才災師範のサイバー流がここまで大きくなったと思っているの?」

「政界・財界・宗教界と報道機関と手を組んだからだろう?」

「それだけでは無いわ。イカサマをする連中に、相手のカードを破り捨てる屑。そういった連中を才災師範は決して許さない。」

 

 

 そういえば。デッキを盗んだラーイエロー生を容赦なく退学にしていた事を思い出す猫崎。

 いじめを助長する癖に、そういう所は憎むのか。詐欺師が強盗殺人犯を憎むような印象を感じる猫崎。

 

 

「それだけでは無いわ。私にはかつて、効果ダメージを与える魔法・罠カードを中心にしたデッキを使っていた友人がいたわ。」

「昼夜の大火事とか、火炎地獄とか、ご隠居の猛毒薬とかか?」

「そうよ。その結果、どうなったと思う?誰もその子とデュエルをしてくれなくなったわ。『謹んで遠慮させてもらう』『お前のプライドを満足させる為だけの相手なんてまっぴら』…と。」

「それは…。」

 

 軽く眼帯に触れる才澤。

 

「他にもカウンター罠を多用する友人がいたけれど、同じように誰もデュエルをしてくれなくなったわ。才災師範がその手のカードを禁じる方針に切り替えた時、それなりの数の門下生が賛同したのは、そういう戦術を嫌う門下生、または使った結果、周りから嫌われた門下生が居たからよ。」

 

 どんな戦術を使おうと自由ではある。だが、受けが良い戦術と受けが悪い戦術はある。

 

 思えば、前世で見た遊城十代VS綾小路のデュエルにて、バーンカードを使われた十代が「何だよ、そんなカードばっかりじゃん」と言っている。

 あの十代でさえバーンデッキに対してはやや不満を持つのだから、彼より心の狭い決闘者がどういう行動をとるのかは想像できる。

 

 その土壌がサイバー流をここまで大きくさせる要因であった事をしる猫崎と才波。だが、才災師範は既に越えてはいけない一線を越えている。

 

 

「…貴女は、才災校長がデュエルアカデミアの入学試験の筆記に、リスペクト精神を問う問題を出し、それに対して否定的な生徒を不合格にしたうえで、実技試験においてサイバー流を定着させるためのヘイトタンクを入学させていた事を知っているか?」

「リスペクトを問う問題は、国語の問題って聞いているわ。そもそもデュエルアカデミアは私立、教育方針に合わないなら分校に行けばいいでしょう?…実技については初耳だけど…その件については貴方を倒した後で調べるまでよ。」

 

 

 才澤はサイバー流謹製のデュエルディスクを構える。

 

 

「「デュエルッ!!」」

 

猫崎 ライフ4000

手5 場 

才澤 ライフ4000

手5 場 

 

 

「先攻は貰うわ。私のターン、ドロー!サイバー・ヴァリーを召喚。魔法カード、機械複製術を発動!デッキから二体のサイバー・ヴァリーを特殊召喚!」

「攻守0だが、その効果は…。」

「攻撃対象になった時、このカードを除外してバトルフェイズを終了させる。カードを一枚伏せて、ターンエンド。」

 

 

 

猫崎 ライフ4000

手5 場 

才澤 ライフ4000

手3 場 サイバー・ヴァリー サイバー・ヴァリー サイバー・ヴァリー 伏せ1

 

 

「俺のターン、ドロー!俺はチューナーモンスター、霞の谷の戦士を召喚!魔法カード、精神操作を発動!サイバー・ヴァリーのコントロールを得る!」

「…!なるほど、サイバー・ヴァリーの効果で二枚ドロー狙い…いえ、チューナーとそれ以外でレベルの合計が5で、どちらも地属性では無い!永続罠、サイバー・サモン・ブラスターを発動!」

 

 発動したのは、サイバーの名を冠する永続罠だが、その効果を知っている猫崎は問いかける。

 

「才災師範の教えでは、バーンはダメという事だが。」

「許可は頂いているわ。さぁ、どうするのかしら?」

 

 

『才澤様…』

『黙って見て居ろ、S召喚とかいうのを独占している奴にはこれぐらいしないとわからないんだ!』

 

 

「レベル1のサイバー・ヴァリーに、レベル4の霞の谷の戦士をチューニング!S召喚!A・O・Jカタストル!」

「サイバー・サモン・ブラスターの効果発動!300ポイントのダメージを与える!」

「…バトルだ、サイバー・ヴァリーを攻撃!」ライフ4000から3700

「サイバー・ヴァリーの効果発動!除外してバトルフェイズを終了する!」

 

 

 猫崎にとっては想定内の動き。

 

 

「カードを一枚伏せてターンエンド!」

 

 

猫崎 ライフ3700

手3 場 カタストル 伏せ1

才澤 ライフ4000

手4 場 サイバー・ヴァリー サイバー・サモン・ブラスター

 

 

「私のターン、ドロー!サイバー・ラーヴァを召喚!ターンエンド!」

 

 

 

猫崎 ライフ3700

手3 場 カタストル 伏せ1

才澤 ライフ4000

手4 場 サイバー・ヴァリー ラーヴァ サイバー・サモン・ブラスター

 

 

「俺のターン、ドロー!俺は、レスキューキャットを召喚!このカードを墓地に送り、デッキからコアラッコとX-セイバーエアベルンを特殊召喚!レベル2の地属性のコアラッコに、レベル3のエアベルンをチューニング!S召喚!ナチュル・ビースト!」

「魔法を封じるSモンスター…」

 

「バトル!ナチュル・ビーストでラーヴァを攻撃!」

「サイバー・ラーヴァの効果で戦闘ダメージは0、そしてサイバー・ラーヴァが破壊された事で、デッキから二体目のサイバー・ラーヴァを特殊召喚!そしてサイバー・サモン・ブラスター!」

「っつ!カタストルで二体目のラーヴァを攻撃!」ライフ3700から3400

「先ほどと同じことが起きるわ。三体目のサイバー・ラーヴァを特殊召喚して、300ポイントのダメージ!」

「……バトル終了。ターンエンド」ライフ3400から3100

 

 

 

猫崎 ライフ3100

手3 場 カタストル ナチュル・ビースト 伏せ1

才澤 ライフ4000

手4 場 サイバー・ヴァリー ラーヴァ サイバー・サモン・ブラスター

 

 

「私のターン、ドロー!そろった。カードを3枚伏せて、ターンエンド!」

 

 

 

猫崎 ライフ3100

手3 場 カタストル ナチュル・ビースト 伏せ1

才澤 ライフ4000

手2 場 サイバー・ヴァリー ラーヴァ サイバー・サモン・ブラスター 伏せ3

 

 

「俺のターン、ドロー!バトルだ、カタストルで」

「バトルフェイズに入る前に、永続罠発動!サイバー・シャドー・ガードナー!このカードは発動後、機械族として私の場に特殊召喚される。つまり。」

「サイバー・サモン・ブラスター、か」ライフ3100から2800

 

「さぁ、どうするのかしら?」

「バトルだ!カタストルでラーヴァを攻撃!そしてカタストルの効果発動!ラーヴァを破壊!そしてナチュル・ビーストでサイバー・ヴァリーを攻撃!」

「サイバー・ヴァリーを除外してバトルフェイズを終了させる!そしてサイバー・シャドー・ガードナーはセット状態に戻る」

 

「ターン、エンド」

 

 

『あれ?なんでサイバー・シャドー・ガードナーを攻撃しないんだ?』

『お前そんなことも知らないのかよ!サイバー・シャドー・ガードナーが攻撃された時、攻撃モンスターと同じ攻撃力・守備力になる!』

『でも、地属性だろ?なんでカタストルで攻撃しない…?闇属性では無いから効果破壊できるのに』

 

 

 そこに同意する才波。

 だが、猫崎は才澤の伏せカードが何か気づいているらしい。

 

 

 

猫崎 ライフ3100

手3 場 カタストル ナチュル・ビースト 伏せ1

才澤 ライフ4000

手2 場 サイバー・サモン・ブラスター (サイバー・シャドー・ガードナー) 伏せ2

 

 

「私のターン、ドロー!さて、そこの元門下生に聞く。私のデュエルをどう思う?」

「えっ?」

 

 突然話題を振られ、才波は言葉に詰まる。

 

 

「周りの門下生が言っているけれど…卑怯だ、つまらない。そう思ったでしょう?」

「そんな事は!サイバー流にまだこんな可能性があったのかと…。」

「…このコンボを披露した時のマスター鮫島と同じことを言うのね。そう考えるのは、本当に少数派。多くの観客はつまらない、と思う。」

 

 言葉に詰まる才波。そういう事を言う人間に心当たりがあり過ぎる。

 

 

「才災師範のバーンダメ、除去ダメ、というのはプロの世界では観客を魅了出来ないという事情もある。」

「確かにそういう一面はあるだろう。だが、それをアマチュアにまで押し付けるのは間違っている。」

「…デュエルを続けるわ。私はカードを一枚伏せてターンエンド。」

 

 

 

 

猫崎 ライフ3100

手3 場 カタストル ナチュル・ビースト 伏せ1

才澤 ライフ4000

手2 場 サイバー・サモン・ブラスター (サイバー・シャドー・ガードナー) 伏せ3

 

 

「俺のターン、ドロー!召喚僧サモンプリーストを召喚!このカードは召喚成功時、守備表示になる。手札の魔法カード、大寒波を捨てて効果発動!デッキからレスキューキャットを特殊召喚!レスキューキャットを墓地に送り、ライトロードハンターライコウとX-セイバーエアベルンを特殊召喚!レベル2のライコウに、レベル3のエアベルンをチューニング!S召喚!マジカル・アンドロイド!」

「攻撃力2400…」

 

「俺はターンを終了するが。」

「永続罠、サイバー・シャドー・ガードナーを発動するわ。攻撃しなくても、300ポイントのダメージを受けて貰う」

「……エンドフェイズに、マジカル・アンドロイドの効果発動!」ライフ3100から2800

 

「エンドフェイズに?」

「俺の場のサイキック族の数×600ポイントライフを回復する!」ライフ2800から3400

「?!」

 

 

『ライフ回復まであるのかよ!汎用性が高すぎるぞ!』

『くそっ、ダメージより回復量の方が多い!』

 

 

 

猫崎 ライフ3400

手2 場 カタストル ナチュル・ビースト アンドロイド サモンプリースト 伏せ1

才澤 ライフ4000

手2 場 サイバー・サモン・ブラスター (サイバー・シャドー・ガードナー) 伏せ3

 

 

 

 

「私のターン、ドロー!ライフを能動的に回復するSモンスターまで居るなんて、本当に汎用性が高いわね。ならば!私はサイバー・ドラゴンを特殊召喚!サイバー・サモン・ブラスターの効果発動!」

「……」ライフ3400から3100

「ここで罠発動!サイバネティック・レボリューション!場のサイバー・ドラゴン1体をリリースして、融合デッキからサイバー・ツイン・ドラゴンを特殊召喚!」

「機械族が特殊召喚された事で、サイバー・サモン・ブラスターの効果も発動か…。」ライフ3100から2800

 

「バトル!サイバー・ツイン・ドラゴンでナチュル・ビーストを攻撃!」

「リバースカードオープン!イージーチューニング!墓地の霞の谷の戦士を除外し、攻撃力を1700ポイントアップ!」

「っつ!魔法さえ封じられていなければ…ターン、エンド」ライフ4000から2900

 

 

 

 

 

猫崎 ライフ2800

手2 場 カタストル ナチュル・ビースト アンドロイド サモンプリースト 

才澤 ライフ2900

手2 場 サイバー・サモン・ブラスター (サイバー・シャドー・ガードナー) 伏せ2

 

 

「俺のターン、ドロー!守りを重視するトリッキーな戦術は見事だったが、このデュエルは俺が貰う!」

「サイバー・シャドー・ガードナーが私の場にあるわ。そして、この伏せカードの正体にうすうす気づいているのでしょう?」

「そうだな。一枚は永続罠、宮廷のしきたり。」

 

 

 才澤の隻眼が一瞬だけ大きくなる。それが答えだった。

 

「カウンター罠、アヌビスの裁き辺りだろう?だが、このカードの存在を忘れているようだな!魔法カード、ハリケーン!」

「…あっ」

 

 思わず声を漏らす才澤。

 

「バトルだ!カタストルとマジカル・アンドロイドでダイレクトアタック!」

「きゃああああああああっ!」ライフ2900から700、700から0

 

 

 

 

 残るは北海道ブロックのみ。そう思った猫崎に才澤が話しかける。

 

「…一つだけ教えておくわ。北海道ブロックを担当しているのは鮫島元師範よ。貴方に勝てるかしらね。」

「鮫島…。」

 

 

 猫崎は身を引き締める。彼には個人的に聞いてみたい事があった。

 

 

 

 

 

 北海道、釧路。

 そこに北海道ブロックを担当する鮫島元師範がいる。

 

 

「…初めまして。鮫島さん。」

「君が、猫崎君か。」

 

 サイバー流の元師範に一礼する猫崎。

 門下生はほとんどいない、寂れた道場。報道機関の者が数名来ているだけだ。

 

 

「デュエルの前に、聞かせてください。リスペクト・デュエルとは何ですか?」

「ふむ…。」

 

 聞くたびに頭痛を感じるような返事をされ続けても、猫崎俊二がサイバー流に聞き続けた理由がこれだ。

 リスペクト・デュエルを、猫崎俊二は前世から通じて体得していない。

 

 リスペクトデュエルとは礼儀正しくデュエルをすればいい、そういう物ではないはずだ。

 

 

「才災師範は、効果ダメージを与えるカードや、相手の行動を妨害するカウンター罠を批判・否定しています。相手に全力を出させるために、妨害札を入れないのはリスペクトですか?」

「それは違います。」

「何故でしょうか?」

「妨害しなければ、相手は全力を出すまでも無く勝ってしまいます。幾多の攻防を潜り抜けた先に見える相手の勝利へ向かう道。それを全力で超えようとするのがリスペクト・デュエルです。」

 

 やはり、そうか。

 【パーミッション】が相手なら、その多様な妨害をかいくぐって、勝利を得ようとするのがリスペクト・デュエル。

 その感覚はわかる猫崎。そういうデュエルは前世でもなくは無かった。

 

 …まぁ、圧倒されたり、先攻で制圧されて返せず負けたりというデュエルの方が多かったが。

 

 

「ありがとうございます。相手に全力を出させてそのうえで叩き潰して悦に入るわけでは無い、のですね。」

「…そんな風に思っている方が居るとは、私はサイバー流の教えをまるで伝えれていなかったのですね…。」

 

 

 嘆息した鮫島元師範に対し、猫崎はデュエルディスクを構える。

 

「…そろそろ始めましょうか。」

「そうですね。サイバー流元師範、鮫島。全力で行きます!」

 

 

 

「「デュエルッ!!」」

 

猫崎 ライフ4000

手5 場 

鮫島 ライフ4000

手5 場 

 

 

「私の先攻、ドロー!私はサイバー・エスパーを攻撃表示で召喚。カードを二枚伏せ、ターンエンド」

 

 

 

猫崎 ライフ4000

手5 場 

鮫島 ライフ4000

手3 場 エスパー 伏せ2

 

 

「俺のターン、ドロー!」

「サイバー・エスパーの効果発動!ドローしたカードを見せて貰います。」

「霞の谷の戦士だ。このまま召喚!魔法カード、精神操作を発動!サイバー・エスパーのコントロールを得る!」

 

 モンスターを奪った猫崎だが、サイバー・エスパーの様子がおかしい。

 

「何が…?!」

 

 鮫島師範の伏せカードが一枚、表になっていた。あれは…

 

「罠発動、トロイボム。私の場のモンスターのコントロールが奪われたとき、そのモンスターを破壊して、攻撃力分のダメージを与えます。」

「っつ!やはり、サイバー流はバーンカードを否定していませんね」ライフ4000から2800

 

 気を取り直し、猫崎はデュエルを進める。

 

「バトル!霞の谷の戦士でダイレクトアタック!」

「罠発動!ドレインシールド!攻撃を無効にして、その攻撃モンスターの攻撃力分のライフを回復する!」ライフ4000から5700

「…カードを一枚伏せ、ターンエンド!」

 

 

猫崎 ライフ2800

手3 場 霞の谷の戦士 伏せ1

鮫島 ライフ5700

手3 場 

 

 

「私のターン、ドロー!私はデビル・フランケンを召喚!」

「?!その、モンスターは!」

「ライフを5000払って発動!現れろ、サイバー・オーガ・2!」ライフ5700から700

 

 こんな方法で呼び出してくるとは思っていなかった猫崎。

 

 

「バトル!サイバー・オーガ・2で霞の谷の戦士を攻撃!」

「罠発動!聖なるバリアミラーフォース!」

「むうっ?!」

 

 モンスターは一掃。残るライフは風前の灯。

 だが、鮫島元師範の戦意は衰えない。

 

「私はカードを一枚伏せ、ターンエンドです。」

 

 

 

猫崎 ライフ2800

手3 場 霞の谷の戦士 

鮫島 ライフ700

手2 場 伏せ1

 

 

「俺のターン、ドロー!くっ、バトル!」

「待ちなさい。このメインフェイズ終了時に永続罠、サイバー・シャドー・ガードナーを発動します。さぁ、どうしますか?」

「…バトル!霞の谷の戦士でサイバー・シャドー・ガードナーを攻撃!」

 

 鳥人の戦士と影法師が交差する。直後、どちらも倒れ伏す!

 

「俺はカードを一枚伏せてターンエンド」

 

 

 

猫崎 ライフ2800

手3 場 伏せ1

鮫島 ライフ700

手2 場 

 

 

「私のターン、ドロー!私は可変機獣ガンナー・ドラゴンを召喚。このカードはレベル7ですが、リリース無しで召喚出来ます。最も攻守は半分になりますが。」

「攻撃力1400…。」

「魔法カード、突然変異を発動。場のガンナー・ドラゴンをリリース。現れろ、サイバー・オーガ・2!」

「罠発動!奈落の落とし穴!オーガ・2を破壊して除外!」

「私はカードを一枚伏せてターンエンド」

 

 

猫崎 ライフ2800

手3 場 

鮫島 ライフ700

手0 場 伏せ1

 

 

「俺のターン、ドロー!俺は、モンスターをセット。カードを一枚伏せてターンエンド」

 

 

猫崎 ライフ2800

手2 場 セットモンスター 伏せ1

鮫島 ライフ700

手0 場 伏せ1

 

 

「私のターン、ドロー!魔法カード、天使の施しを発動!三枚ドローして、手札のサイバー・デーモンと融合呪印生物ー地を捨てます。」

 

 呪印生物はともかく、サイバー・デーモンに驚く猫崎。さほどシナジーは無いはずだが…。

 

「何故、サイバー・デーモンを?ブロック代表なら」

「私はサイバー・ドラゴン・ツヴァイなどの、サイバー流の新規モンスターを受け取っていませんからね。」

 

 再びその地位を狙われたら困るから与えていないのだろうと察する猫崎。

 

「魔法カード、貪欲な壺を発動!墓地のサイバー・デーモン、融合呪印生物ー地、可変機獣ガンナー・ドラゴン、サイバー・オーガ2、デビル・フランケンをデッキに戻して、二枚ドロー!」

「ここで手札を補充…。」

「魔法カード、強欲な壺を発動、カードを二枚ドロー!魔法カード、融合を発動!手札のサイバー・オーガ二体を融合!現れろ、サイバー・オーガ・2!」

「罠発動!激流葬!場のモンスターを全て破壊!」

 

 ここで猫崎は伏せカードを使う。

 

「むっ?!」

「そしてセットしていたクリッターも破壊されるが、効果発動!デッキからレスキューキャットを手札に加える!」

「なるほど…永続罠発動!リビングデッドの呼び声!蘇れ、サイバー・オーガ・2!」

「?!」

 

 想定を超えられた事で、猫崎は目を見開く!

 

「バトル!サイバー・オーガ・2でダイレクトアタック!」

「うわああああああ!」ライフ2800から200

 

「私はこれでターンエンドです。」

 

 

 

猫崎 ライフ200

手3 場 

鮫島 ライフ700

手0 場 サイバー・オーガ・2 リビングデッドの呼び声 

 

 

「俺のターン、ドロー!レスキューキャットを召喚、このカードを墓地に送り、デッキからXセイバー・エアベルンと異次元の狂獣を特殊召喚!レベル3の異次元の狂獣に、レベル3のエアベルンをチューニング!S召喚!Lv6!氷結界の龍ブリューナク!」

「攻撃力2300、どんな効果が…」

「効果発動、手札のコアラッコを墓地に送り、サイバー・オーガ・2を手札に戻す!」

「バウンス効果?!」

 

「バトル!ブリューナクでダイレクトアタック!」

「ぬおおおおおおおおっ?!」ライフ0

 

 

 

 

 今までで一番強敵だった。そう痛感する猫崎。

 

「…お見事。」

「ありがとうございました。鮫島師範。」

「君は、この後は東京へいき、亮とデュエルするのか?」

「ええ。それが海馬オーナーの意向なので。」

「そう、か。これがサイバー流の終焉か。私の代で潰す事になるとは…。」

「潰すのは才災師範であって、鮫島師範ではありません。それでは、失礼します。」

 

 

 

 そのやり取りから一時間後。

 東京にて。

 豪奢な部屋に、数人の男たちがソファに腰かけ、眼前の男を睨みつける。

 

 

「…さて、弁明はあるかな?」

「…も、申し訳ございません。」

 

 外国製のスーツに身を包んだ男たちが、才災師範に詰問する。

 

「サイバー流が誇るサイバー・ランカーズが新人にことごとく打倒された。おかげでサイバー流に出資していた我々の株価は暴落だ!」

「お待ちください、まだサイバー流継承者、丸藤亮がおります!」

「…そいつは今ここに来ているのか?」

「は、はい!」

「なら連れて来い!」

 

 数分後、別室で待機していた丸藤亮は、男たちの前に連行される。

 

「お前が丸藤亮か。既にプロとして活躍していたサイバー・ランカーズどころか、鮫島元師範まで倒された。」

「鮫島師範が…。」

 

 その事実がショックだったのか、思わず声を漏らす丸藤亮。

 

「鮫島元師範だ!今の師範はこの私だ!」

 

 そんな亮に大声を上げる才災師範。

 

「お前は同じ学園に通っていたのだろう?なのに一度もデュエルをしなかったのか?」

「…所属している寮が違うので。」

 

 こういう風なことを聞かれたら、こう答えるよう事前に才災師範に言い含められていた丸藤亮としては、こう答えるしかない。

 

「ふん。とりあえずお前にこれを渡しておく。」

「このスーツケースの中身を使ってデッキを強化しろ!いいな!」

 

 金に物を言わせてレアカードを集めたのか、と思いながら中身を確認する丸藤亮は絶句する。

 

 そこにあったのは現金だった。

 

「それだけあれば足りるだろう?」

「だが、その代わりに必ず勝て!いいな!」

 

 

 男たちは丸藤亮に無駄にプレッシャーをかけた後、足音を立てながら部屋を後にする。

 残ったのは、追い詰められて正気を失いつつある才災師範と、丸藤亮だけだった。

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