無ければ奪う、という発想が出来るキャラは個人的に好きです。
アカデミアの編入試験を突破したが、同封された合格証明書には、オシリスレッドに配属と明記されている。
編入生はいくら優秀でも、オシリスレッドからのスタートだから仕方ない。
そう思っていた俺はデュエル・アカデミアの集会に出席する。
その場に知った顔がいる。丸藤亮…前田隼人。主人公たちは居ない。
少し時期がずれているようだ。
校長は、才災 勝作(さいえん しょうさく)。教頭は才津 健三(さいつ けんぞう)というらしい。
どことなく嫌な奴の眼をしている。
「ではこれで解散とします。この後、猫崎君と我がサイバー流の門下生の決闘を行います。サイバー流の門下生とサイバー流に興味のある生徒は残っていてください。」
早速仕掛けてくるか。
才災校長は、女子生徒の一人を呼び出す。
「紹介します。我がサイバー流の伝承者の称号を授かったデュエル・エリート。才波 光里(さいば ひかり)さんです。」
繊細な目鼻立ち、くっきりとした顔であり、勝気で我の強そうな印象を与えるつり目が印象的。
腕と足も引き締まっており、普段から運動をしているようだ。
黒髪をツインテールシニヨンにまとめている。
前世から色々な異性を見てきたが、これほど健康的で魅力的な異性は居なかった。
「才災校長、私に相手をしろと?」
「何か不満ですか?」
「…いいえ。今のサイバー流の師範は才災校長です。了解しました。」
鮫島師範は慕われていたが、才災師範には人望が無さそうだ。
思えば、イベントを企画したり新しい教師を迎え入れた結果事件が起きていたが、少なくとも原作では十代を成長させるという意図があったなぁ…。
「…改めて自己紹介するわ。私は才波光里。サイバー流伝承者よ。」
「俺は猫崎俊二。行くぞ!」
「「デュエルッ!!」」
猫崎 ライフ4000
手5 場
才波 ライフ4000
手5 場
「先攻は猫崎君です。」
「俺の先攻。俺はレスキューキャットを召喚!効果発動、このカードを墓地に送り、デッキからレベル3以下の獣族を二体まで特殊召喚!俺はデッキからXセイバーエアベルンとコアラッコを特殊召喚!」
「ターン終了時には破壊されてしまうけれど、チューナーとそれ以外のモンスター。来るわね…!」
「レベル2のコアラッコに、レベル3のエアベルンをチューニング!S召喚!Lv5!A・O・Jカタストル!カードを一枚伏せ、ターンエンド!」
サイバー流に機械族はキメラテック・フォートレス・ドラゴンに食われる可能性があるが、その時はこの伏せカードで対処する。
猫崎 ライフ4000
手4 場 カタストル 伏せ1
才波 ライフ4000
手5 場
「これがSモンスター…私のターン、ドロー!魔法カード、大嵐を発動!場の魔法・罠カードをすべて破壊する!」
「月の書がっ!」
「月の書?リバース効果モンスター主体のデッキなの?まぁいいわ、私はサイバー・ジラフを召喚。このカードをリリースして効果ダメージを0にする。
魔法カード、パワー・ボンドを発動!手札のサイバー・ドラゴン3体を融合!現れろ、サイバー・エンド・ドラゴン!」
ほう、サイバー・ジラフを使ってからパワー・ボンドか。中々慎重だ。
「攻撃力4000…。そして元々の攻撃力分アップするから8000か」
「バトル!」
このまま攻撃させてもいいが、どうやらカタストルの効果を知らないらしい。
「待った。A・O・Jカタストルの効果は闇属性以外のモンスターと戦闘を行うとき、ダメージ計算を行わずに破壊する。」
「なっ?!なによその効果ッ!」
「サイバー・エンド・ドラゴンの効果破壊を免れる方法があれば、ダメージ計算が行われる為戦闘破壊できるが…。」
「わ、わたしはターンエンド」
猫崎 ライフ4000
手4 場 カタストル
才波 ライフ4000
手0 場 サイバー・エンド・ドラゴン
「俺のターン、ドロー!召喚僧サモンプリーストを召喚!このカードは召喚成功時、守備表示になる。手札の精神操作を捨て、デッキから霞の谷の戦士を特殊召喚!レベル4のサモン・プリーストにレベル4の霞の谷の戦士をチューニング!S召喚!現れろ、メンタルスフィアデーモン!」
「攻撃力、2700!」
「バトル、カタストルでサイバー・エンド・ドラゴンを攻撃!そして効果発動!」
「くっ、サイバー・エンド・ドラゴンッ!」
ずるい!とかインチキ効果もいい加減にしろ!という否定的な声が聞こえる。
幻魔の扉を使われても罵倒しなかったカイザーって本当に人格者だなぁ。
事あるごとに相手をインチキ呼ばわりする誰かさんは見習って、どうぞ。
「メンタルスフィアデーモンでダイレクトアタック!」
「でも、まだライフは残る!」
「速攻魔法、イージーチューニングを発動!墓地のチューナーを除外し、除外したチューナーの攻撃力分攻撃力をアップする。墓地の霞の谷の戦士を除外し、メンタルスフィアデーモンの攻撃力を1700ポイントアップさせる!」
「攻撃力4400!きゃあああああっ!」ライフ0
隠し玉として入れておいた速攻魔法のおかげで勝利できた。
「俺の勝ちだ。」
「全く不甲斐ない。才波光里さん、君は破門です。」
「?!そんなっ!待ってください、もう一度、もう一度チャンスを!」
一度の敗北、それも前世で猛威を振るった【猫シンクロ】に負けたから破門はどうなんだ?
「どういう事ですか、才災校長。」
「部外者は黙って居なさい。これはサイバー流の問題です。」
「…負けた責任を問うなら、相手の実力を見抜けず嗾けた指導者の責任も問われるべきだと思います。」
「いいでしょう。才波さん、いや才波。君の沙汰は追って連絡します。では解散とします。」
本当に私物化しているようだ。
他のサイバー流の門下生は見下した目で才波さんを見ているが、明日は我が身と思わないのか?
どうにも、サイバー流の未来は暗そうだ。
その夜。俺のPDAにメールが届く。
『オシリスレッドのドロップアウト、サイバー流の落ちこぼれに勝ったぐらいで調子に乗るな。俺達とアンティ・デュエルだ。度胸があるなら来るんだな』
原作開始時点では無いが、オベリスク・ブルーがオシリスレッドを呼びつけてアンティ・デュエルは恒例行事なのか?
そして俺のPDAのメールアドレスは何故ばれている?まぁ、行くとしよう。
「よく来たな。俺はオベリスクブルーの門士郎!俺が勝ったら、シンクロモンスターとかいうカードを寄越せ!」
「俺が勝ったら、何を渡す?」
「フン、オシリスレッドが、まぐれで勝ったからと言って図に乗るな!身の程を思い知らせてやる!」
「アンティなら互いに了承したうえで行わないとトラブルになるのだが。まぁいい、ガードマンが来る前に終わらせる」
「そうだな、さっさとシンクロとやらを回収しないといけないからな!」
「「デュエルッ!!」」
猫崎 ライフ4000
手5 場
門士郎 ライフ4000
手5 場
「俺の先攻!ドロー!俺は代打バッターを召喚!カードを一枚伏せて、ターンエンドだ!」
猫崎 ライフ4000
手5 場
門士郎 ライフ4000
手4 場 代打バッター 伏せ1
「俺のターン、ドロー!チューナーモンスター、霞の谷の戦士を召喚!」
「フン、攻撃力たった1700の雑魚か。」
「それはどうかな?魔法カード、精神操作を発動!お前の代打バッターのコントロールを得る!」
「?!だが、その効果で奪ったモンスターはリリース出来ず、攻撃も出来ない!」
「レベル4の代打バッターに、レベル4の霞の谷の戦士をチューニング!S召喚!メンタルスフィア・デーモン!」
「お、俺のモンスターを奪ってS召喚だとぉ!味な真似を!だが、ここで代打バッターの効果発動!」
んー?転生前の世界ではタイミングを逃してできなかったが…。
ああ、そういえばアニメだと代打バッターをアリの増殖でリリースしてもインセクトプリンセスを特殊召喚していたな。
この世界だと、代打バッターは墓地に送られた『場合』なのか?
「手札の昆虫族を特殊召喚!現れろ、鉄鋼装甲虫!」
「攻撃力2800か、なら速攻魔法、月の書を発動!そいつを裏側守備表示にする!」
「ぐっ!」
攻撃力は2800あっても、守備力は1500しかない!
「バトルだ、メンタルスフィア・デーモンで攻撃!」
「馬鹿め!罠発動!炸裂装甲!これで攻撃モンスターは御終いだ!」
「ライフを1000払って効果発動!メンタルスフィア・デーモンはサイキック族が魔法・罠カードの対象になった時、1000のライフをコストにそのカードの発動と効果を無効にして破壊できる!」ライフ4000から3000
「なんだとぉ!」
「そして、メンタルスフィア・デーモンの効果発動!破壊したモンスターの攻撃力分のライフを回復する!」ライフ3000から5800
「なんだその効果!」
「強すぎるだろ!」
「インチキ効果もいい加減にしろ!」
奴の取り巻きがわめく。
「カードを二枚伏せてターンエンド!」
猫崎 ライフ5800
手2 場 メンタルスフィア・デーモン 伏せ2
門士郎 ライフ4000
手3 場
「俺のターン、ドロー!俺は共鳴虫を召喚!」
「共鳴虫を攻撃表示、なるほど狙いは」
「魔法カード、強制転移を発動!」
コントロール奪取か。
「俺はSモンスターと、チューナーとやらも持っていない。だが無ければ奪う、それが俺のやり方だぁ!」
その門士郎のプレイングに、周囲が反応する。
「流石門士郎さんだぜ!」
「そうだ、強力なモンスターを出したなら奪えばいい!」
「やっちまえ!」
「行くぞバトルだぁ!俺のメンタルスフィア・デーモンで、雑魚モンスターを攻撃しろぉ!」
「罠発動!聖なるバリア-ミラーフォース-!」
「馬鹿め!ライフを1500払って速攻魔法、我が身を盾に!を発動!これで俺のメンタルスフィア・デーモンは破壊されない!」ライフ4000から2500
「チェーンして魔宮の賄賂を発動!我が身を盾に!の発動を無効にして破壊!そして相手は1枚ドロー!」
ミラーフォースが成立し、奪われたメンタルスフィア・デーモンは俺の墓地に戻る!
「なんだと!くそっ、ターンエンドだ!」
猫崎 ライフ5800
手2 場 共鳴虫
門士郎 ライフ2500
手2 場
どうやら場に出せるカードが無いらしい。
「俺のターン、ドロー!X-セイバーエアベルンを召喚!」
「ま、またシンクロってやつをするのか?!」
「いや、このままバトルだ。エアベルンでダイレクトアタック!」
「ぐおおっ!」ライフ2500から900
「エアベルンの効果発動、ダイレクトアタックでダメージを与えた時、相手の手札をランダムに一枚捨てさせる!」
「お、俺の電動刃虫が!」
「そして、共鳴虫でダイレクトアタック!」
「うわああああっ!」ライフ0
「も、門士郎さんが、いや、門士郎が負けた?」
「オシリスレッドに負けるなんて、落ちぶれたぜ虫野郎!」
「お前、弱いだろ!」
手のひら返しをする取り巻きに対し、怒り狂う門士郎。
ギャーギャー騒いでいる間に、俺はその場を後にする。