サイバー・ダークを封じた初代師範が絡んでいるのかもしれません。
…まぁ、体調不良なのにデュエル続行させよう、としていましたが。
サイバー流の継承者である、丸藤亮の敗北。それに伴い、才災師範がサイバー流の金を持ち逃げしようとする醜態。
これにより、サイバー流は完全に失墜してしまった。
サイバー流に所属していたプロデュエリストの末路は、契約の打ち切りに伴うプロの引退か、サイバー流からの離反ぐらいだった。
今では除去カードやバーンカード、カウンター罠をリスペクトに反すると糾弾しても、対戦相手や周りから嘲笑われるようになった。
だが、それでも才災師範のサイバー流の教えを守ろうと頑強に抵抗する一派が居る。
丸藤亮をブロック代表に就任させるために、デュエルすることなくその地位を追われた才魔 奈緒美(さいま なおみ)。
オレンジ色のスポーツウェアを纏った彼女は残った門下生を集め、決起集会を開く。
「諸君!我らサイバー流に試練の時が訪れてしまった!鮫島元師範も丸藤亮も、海馬コーポレーションが開発したS召喚のテスターである猫崎に敗れ、才災師範は心を病んでしまわれた!我らはこのまま終わるのか?否!断じて否だ!」
こぶしを突き上げ、彼女は叫ぶ。ポニーテールでまとめられた、金髪が揺れる!
「才災師範の正しいリスペクト精神を、次の世代まで教え繋げるのだ!」
歓声が沸き上がる中、道場の扉が乱暴に開かれる!
「誰だっ!」
「まだ性懲りも無くそんな寝とぼけた事を言っているのかよ、サイバー流!」
「何者だ、名を名乗れ!」
「俺はサイコ流継承者、猪爪誠。元とはいえサイバー流の関東ブロックを任されていた才魔 奈緒美。お前にデュエルを申し込む!」
「なんだと!」
「三日後、ドミノ埠頭で待っているぜ。最も、臆したなら逃げてもいいぜ!ワハハハ!」
挑戦状を道場の床に投げながら高笑いを上げる猪爪誠を、才魔はにらむ。
「いいだろう、その挑戦受けてたつ!」
「コントロール奪取を主軸に置いた事で外道流派と罵られた、我らサイコ流の恨み。現師範である才災師範、鮫島元師範も丸藤亮も行方不明。正直、サイコ流復興の相手としては役不足だが仕方ない。」
「フッ、役不足というのは才能がある役者に、相応しい役を用意出来ないという意味で誉め言葉だぞ。」
鼻白む猪爪。
「サイコ流復興などという前に、辞書を引いたらどうだ?」
「…大した大口だな。すぐに後悔させてやるからな!」
三日後、ドミノ埠頭で一組の男女が対峙する。
片方は、サイバー流の元ブロック代表、才魔だが相手は猪爪では無い。
金髪をガシガシを掻きながら、城之内はぼやく。
「最近増えたよなぁ、俺を倒して名を上げようって連中。まぁ、俺はどんな相手だろうとデュエルの申し込みなら、受けてたつ!」
「サイバー流の名誉にかけて、城之内克也!貴方を倒す!」
「「デュエルッ!!」」
才魔 ライフ4000
手5 場
城之内 ライフ4000
手5 場
「先攻はどうぞ。」
「なら遠慮なく。俺の先攻、ドロー!俺は切り込み隊長を召喚!効果発動、手札のレベル4以下のモンスターを特殊召喚!現れろ、切り込み隊長!」
「この組み合わせは!」
「そうだ。どちらかを倒さない限り、俺に攻撃は通らないぜ!」
「なんて卑怯な!」
「攻撃を妨害するなんて!」
ギャラリーのブーイングなど、8年という歳月の間に慣れた城之内は軽く受け流す。
「おいおい、これぐらいで文句を言っていたらこの先やっていけないぜ?俺はカードを一枚伏せてターンエンド!」
才魔 ライフ4000
手5 場
城之内 ライフ4000
手3 場 切り込み隊長 切り込み隊長 伏せ1
「私のターン、ドロー!魔法カード、エマージェンシー・サイバーを発動!デッキからサイバー・ドラゴン・コアを手札に加える。そして相手の場にのみモンスターが存在することで、サイバー・ドラゴンを特殊召喚!」
「レベル5で攻撃力2100をいきなり特殊召喚か!」
「サイバー・ドラゴン・コアを召喚!効果発動、デッキからサイバー・リペア・プラントを手札に加える!魔法カード、機械複製術を発動!」
「デッキから攻撃力500以下のモンスターを特殊召喚するカードだな。とりあえず守りを固めて来た…か…?」
相手の場にサイバー・ドラゴンが二体現れた事に軽く眉を顰める城之内。
「ああ、そのサイバー・ドラゴン・コアというのは、カード名をサイバー・ドラゴンとして扱うのか。」
「?!な、何故それを知って…。」
「説明する手間が省けただろ?続けてくれ。」
「魔法カード、融合を発動!場のサイバー・ドラゴン・コアとサイバー・ドラゴンを融合!現れろ、サイバー・ツイン・ドラゴン!」
「攻撃力2800か!」
「魔法カード、サイバー・リペア・プラントを発動!墓地にサイバー・ドラゴンが存在するとき、デッキから機械族・光属性モンスターを手札に加える。サイバー・ドラゴン・ツヴァイを手札に!カードを一枚伏せてターンエンド!」
才魔 ライフ4000
手1 場 サイバー・ドラゴン サイバー・ドラゴン サイバー・ツイン・ドラゴン 伏せ1
城之内 ライフ4000
手3 場 切り込み隊長 切り込み隊長 伏せ1
「俺のターン、ドロー!」
「この瞬間、罠発動!バトルマニア!このターン、相手モンスターは全て攻撃しなければならない!」
「攻撃強制カード!」
発動されたカードに、ちょっと驚く城之内。
「流石才魔様!」
「これであの切り込みロックは御終いだ!」
「…俺は鉄の騎士ギア・フリードを召喚!魔法カード、拘束解除を発動!ギア・フリードをリリースして、デッキから剣聖-ネイキッド・ギア・フリードを特殊召喚!」
「攻撃力2600、でもサイバー・ツイン・ドラゴンの敵ではない!」
「それはどうかな?リバースカードオープン!罠発動!鎖付き爆弾!これをネイキッドに装備して、攻撃力を500ポイントアップ!」
「攻撃力3100!」
「まだだ!ネイキッドの効果発動!装備カードを装備した時、相手モンスターを破壊する!俺はサイバー・ツイン・ドラゴンを破壊!」
「さ、サイバー・ツイン・ドラゴン!」
「卑怯だぞ!効果でモンスターを破壊するなんて!」
「モンスターで殴り合え!」
ギャラリーというか、取り巻きの言動に苛立つ城之内だが、一々指摘していてはキリが無いと判断し、デュエルを続行する。
「バトルだ!俺は剣聖-ネイキッド・ギア・フリードでサイバー・ドラゴンを攻撃!」
「っつ!でも、残りの切り込み隊長は、サイバー・ドラゴンで返り討ち!」ライフ4000から3000
「そいつはどうかな?速攻魔法発動!瞬間融合!場の光属性のネイキッド・ギア・フリードと、地属性の切り込み隊長を融合!現れろ、鋼鉄の魔導騎士-ギルティギア・フリード!」
「攻撃力2700!」
「こいつが場のモンスターを融合素材にした事で、一度のバトルフェイズで二回攻撃が出来る!行け、ギルティギア・フリード!サイバー・ドラゴンを攻撃!ここでギルティギア・フリードの効果発動!相手モンスターと戦闘を行うとき、1ターンに1度墓地の魔法カードを除外することでこのカードの守備力の半分、攻撃力がアップする!墓地の拘束解除を除外し、攻撃力を800ポイントアップさせる!」
「攻撃力、3500!」ライフ3000から1600
「ギルティギア・フリードの攻撃力は元に戻るが、二回目の攻撃が残っている!」
「こ、これが伝説の決闘者の実力…!」
「行け、ギルティギア・フリード!ダイレクトアタック!」
「きゃあああああああっ!」ライフ0
予定時刻通り到着した猪爪は、やや当惑する。
「何故城之内さんと、サイバー流がデュエルをしたんだ?」
「んー、俺を倒して名を上げようって挑戦されたから受けてたったんだ。あの子の対戦相手はお前か?」
「あ、はい。俺は猪爪誠。サイコ流継承者として、サイバー流と決着をつけるために…。」
「事情は知らねぇが、折角だから見物させて貰うぜ。」
数歩引いて、城之内は場を離れる。
改めて対峙する猪爪と才魔。
「逃げずに来たことだけは、褒めてやるぞ。サイバー流!」
「…外道流派、サイコ流!お前たちの復興はこの才魔が必ず阻止する!」
少し離れたところで、猪爪の仲間らしき人物がカメラで撮影を開始する。
「「デュエルッ!!」」
才魔 ライフ4000
手5 場
猪爪 ライフ4000
手5 場
「俺の先攻、ドロー!俺はモンスターをセット、カードを一枚伏せてターンエンド!」
才魔 ライフ4000
手5 場
猪爪 ライフ4000
手4 場 セットモンスター 伏せ1
「私のターン、ドロー!相手の場にのみモンスターが存在することで、サイバー・ドラゴンを特殊召喚!」
「来たな、サイバー流のエースモンスター!」
「私はさらにサイバー・ドラゴン・ツヴァイを召喚!バトル!ツヴァイでセットモンスターを攻撃!ここでツヴァイの効果発動!攻撃力を300ポイントアップする!」
「ハッ、こいつはスフィア・ボム球体時限爆弾!こいつをツヴァイに装備させるぜ!」
襲い掛かったツヴァイの胴体に装着する時限爆弾!
「サイバー・ドラゴン・ツヴァイッ!」
「な、何だあのモンスター!」
「初めて見たぞ…」
そんな才魔とギャラリーに、城之内が解説する。
「あれは、次の相手ターンのスタンバイフェイズになれば装備モンスターを破壊してその攻撃力分のダメージを与えるモンスターだ。」
「くっ、相手モンスターを破壊した上に効果ダメージを与えるモンスターを使うとは、やはりサイコ流は外道流派!」
「はぁ?」
その才魔のセリフに対し、思わず声を漏らす城之内。
「私はサイバー・ドラゴンでダイレクトアタック!」
「罠発動!ガード・ブロック!戦闘ダメージを0にして、一枚ドロー!」
「凌がれたか!メインフェイズ2で私はカードを一枚伏せて、ターンエンド!」
才魔 ライフ4000
手3 場 サイバー・ドラゴン サイバー・ドラゴン・ツヴァイ 伏せ1
猪爪 ライフ4000
手5 場 スフィア・ボム球体時限爆弾
「俺のターン、ドロー!ライフを800払い、魔法カード洗脳-ブレインコントロールを発動!サイバー・ドラゴンのコントロールを得る!」
「相手モンスターのコントロールを奪うだと!対戦相手へのリスペクト精神は無いの!」
目を開けたまま寝言をいう才魔に、城之内が待ったをかける。
「ちょっといいか?」
「な、何?」
「デュエルモンスターズで、除去とかコントロール奪取を使うのって当たり前だろ?」
「何を言っている!モンスターを奪うのは卑怯!」
「いやいやいや。そういう除去カードやコントロール奪取を元々持っていないなら仕方ないけれど、持っているなら使ってもいいだろう?」
「そういう行為を野放しにすれば、相手への敬意を失ったデュエリストが増えてしまう!私はそういうデュエリストにリスペクト・デュエルの正しさと素晴らしさを広める!」
「…お前、何を言っているんだ?」
カードを除去されるなど当たり前の環境で戦ってきた城之内からすれば、子供が駄々をこねているようにしか見えない。
そんな才魔の妄言に対し、猪爪は大笑いする。
「ハハハハ!城之内さん、サイバー流はこういう連中なんですよ!鮫島元師範の頃はまともだったが、才災という男に変わってから、こいつらは対戦相手へのリスペクト精神が無いと言って、批判・否定するようになった!我がサイコ流も批判された流派!コントロール奪取とサイコ・ショッカーを主軸に置いていたことで、批判対象になった!」
「リスペクト、ねぇ。俺から見ればサイバー流の方がよっぽど対戦相手をリスペクトしていないと思うぜ?」
「なっ?!わ、我らサイバー流は相手のカードを除去したり、コントロール奪取したり、バーンカードやカウンター罠のような卑怯なカードを使ったりしない!」
そんな才魔に冷たい目を向ける城之内。
「だから?」
「え?」
「だから使わないでくださいってか?甘ったれんじゃねぇ!いいか、デュエリストは皆勝ちたいと思ってデュエルしているんだ!お前が使わないと決めていたからと言って、相手がなんでそれに合わせる必要があるんだ!」
「対戦相手へのリスペクト精神があれば、そんなカードはデッキに入らない!」
「ああそうか!なら使わないっていう信念を貫けばいい、だけどな!それを相手に押し付けんじゃねぇよ!例えお前が使わないカードを使われて負けたとしても、文句を言うんじゃねぇよ!」
一呼吸おいて、城之内は怒鳴る!
「お前が言っているのは相手に自分のルールに合わせた上で勝たせてくださいって事だろ!」
「ち、違っ…。」
「何が違うんだよ!ええ?言ってみろよ!」
サイバー・ランカーズとしてサイバー流の重要な戦力となっていた才魔だが、数々の死闘を繰り広げて来た城之内克也と比べればぬるま湯でしかない。
故に、まっすぐ正論をぶつけられると答える術を持ち合わせない。
「お前さぁ、相手を卑怯だなんだと言っているが、逆に対戦相手が『俺はサイバー・ツイン・ドラゴンのような攻撃力の高いモンスターを持っていないから、使わないでください』と言ってきたら、お前は合わせるのか?」
「それ…は。」
「…なんだ、合わせないのか。訳が分かんねぇ。」
冷めきった目で、才魔を睨む城之内だが、そんな城之内に猪爪が声を上げる。
「…そろそろ、デュエルに戻らせてもらう。俺はサイバー・ドラゴンをリリース!人造人間サイコ・ショッカーをアドバンス召喚!」
「くっ、罠封じのモンスター…。」
「まだだ!俺はサイコ・ショッカーをリリースして、人造人間サイコ・ロードを特殊召喚!」
新たな人造人間モンスターを、感慨深げに見つめる城之内。
「サイコショッカーの進化系モンスターか!俺がミズガルズ王国に巣食っていたデュエル・ギャングや過激な環境保護団体、そしてその裏で糸を引いていたラング伯爵一族を成敗している間に、随分変わったんだな…。」
「このカードこそ、俺のデッキの真の切り札!俺はカードを一枚伏せてターンエンド!」
才魔 ライフ4000
手3 場 サイバー・ドラゴン・ツヴァイ 伏せ1
猪爪 ライフ3200
手2 場 人造人間サイコ・ロード スフィア・ボム球体時限爆弾 伏せ1
「私のターン、ドロー!」
「ここでスフィア・ボムの効果発動!ツヴァイを破壊し、その攻撃力分のダメージを与える!」
「きゃあああああああっ!」ライフ4000から2500
スフィア・ボムが大爆発を起こし、ツヴァイも爆発。その余波が才魔を襲う!
「さ、才魔様!」
「あいつ…除去カードなんて使いやがって。除去カードを使えば誰だって勝て」
その門下生は、そのセリフを言い終わる事が出来なかった。
「なんだとぉ!」
サイバー流の門下生のセリフに、城之内が激昂したからだ。
「ひぃっ?!」
「お前、今なんて言った!ええ?除去カードを使えば誰でも勝てるだぁ?なら使えよ!使って勝ちまくってその上で言えよ!こんな風に除去カードを使えば誰でも勝てるから、使うなって!」
「そ、そんなの」
「出来ねぇんだろ。当たり前だ、それで勝てるならなぁ…誰も苦労なんかしないんだよ!」
その城之内の魂の叫びは、サイバー流の門下生だけでなく、サイコ流の継承者まで怯ませる。
「…わ、私は。魔法カード、エマージェンシー・サイバーを発動!デッキからサイバー・ドラゴン・コアを手札に加えて、召喚!コアの効果発動!デッキからサイバー・リペア・プラントを手札に加え、発動!墓地にサイバー・ドラゴンが存在することで、デッキからサイバー・ドラゴンを手札に加える!魔法カード、パワー・ボンドを発動!場のサイバー・ドラゴン・コアと手札のサイバー・ドラゴン二体を融合!現れろ、サイバー・エンド・ドラゴン!」
「攻撃力4000!攻撃力だけなら神のカードに匹敵するじゃねぇか」
「まだよ!パワー・ボンドにより、その攻撃力は元々の攻撃力分アップする!」
「って事は…攻撃力8000!なんてパワーだ!」
「ハハハハ!ようやくお出ましか、サイバー流の切り札、サイバー・エンド・ドラゴン!」
「バトル!サイバー・エンド・ドラゴンでサイコ・ロードを攻撃!」
「フッ、リバースカードオープン!エネミーコントローラー!サイバー・エンド・ドラゴンの表示形式を変更する!」
「っつ…。」
サイバー・エンド・ドラゴンの攻撃が止まったことで、意気消沈する才魔と周りの門下生。
「ん?なんであんなに落ち込んでいるんだ?」
「ハハハ!パワー・ボンドにはリスクがある!」
「何?どういう事だ?」
「…ターン、エンド。エンドフェイズにパワー・ボンドにより、特殊召喚したモンスターの元々の攻撃力分のダメージを受ける」ライフ0
決着はついた。
「ハハハ!やった、やったぞ!ついにサイコ流がサイバー流を打ち負かした!これで我がサイコ流がデュエルの表舞台に立てる!」
高笑いをする猪爪に対し、サイバー流の門下生は完全に戦意が喪失する。
「も、もうサイバー流はお終いだ。」
「あ、ああ…どうしてこんな事に。少し前まではあんなに栄えていたのに…。」
「リスペクト精神を持ち合わせない屑だらけの、カードゲーム界にもう未来は無いな…。」
負け惜しみを言いながら去っていくサイバー流の連中を眺めていた城之内だが、立ち去ろうとする猪爪に声をかける。
「ちょっと待てよ。」
「えっ?お、俺に何か用ですか?」
相手が伝説の決闘者と言う事もあって動揺する猪爪だが、城之内はブラックデュエルディスクを構える。
「連戦で悪いが、俺とデュエルしようぜ。」
「?!城之内さんと…。では、よろしくお願いします!おい、撮影は続けろよ!」
「当たり前だ。これを撮影しないなんてありえない!」
青年がカメラを回す中、城之内と猪爪は対峙する。
「「デュエルッ!!」」
城之内 ライフ4000
手5 場
猪爪 ライフ4000
手5 場
「先攻は貰います。」
「ああ、いいぜ!」
「俺の先攻、ドロー!俺は終末の騎士を召喚!効果発動、デッキから闇属性モンスターを選択して墓地に送る。俺は、人造人間サイコ・ショッカーを墓地へ送る!出し惜しみはしない!魔法カード、死者蘇生!蘇れ!人造人間サイコ・ショッカー!」
「サイコ・ショッカー…。これで互いに罠は使えなくなったか。」
「この安定感が我がサイコ流の神髄!俺はカードを二枚伏せてターンエンド!」
城之内 ライフ4000
手5 場
猪爪 ライフ4000
手2 場 終末の騎士 サイコ・ショッカー 伏せ2
「俺のターン、ドロー!相手の場にモンスターが2体以上多い事で、魔導ギガサイバーを特殊召喚!」
「攻撃力2200!」
「そしてものマネ幻想師を召喚!効果発動、こいつでお前のサイコ・ショッカーの攻撃力をコピーするぜ!」
「ぐっ、攻撃力で並ばれた!」
「バトルだ!魔導ギガサイバーで、終末の騎士を攻撃!」
「ぐうううううっ!」ライフ4000から3200
「さらにものマネ幻想師で、サイコ・ショッカーを攻撃!」
「相打ち…!」
「カードを一枚伏せてターンエンド!」
「エンドフェイズに永続罠、リビングデッドの呼び声を発動!人造人間サイコ・ショッカーを特殊召喚!」
城之内 ライフ4000
手3 場 魔導ギガサイバー 伏せ1
猪爪 ライフ3200
手2 場 サイコ・ショッカー リビングデッドの呼び声 伏せ1
「俺のターン、ドロー!俺はサイコ・ショッカーをリリース!現れろ、人造人間サイコ・ロード!」
「出たな、お前のエースモンスター!」
「サイコ・ロードの効果発動!1ターンに1度、場の表側表示の罠カードを全て破壊し、破壊したカード一枚につき300ポイントのダメージを与える!」
「リビングデッドの呼び声が破壊されて、俺に300のダメージか」ライフ4000から3700
「バトル!人造人間サイコ・ロードで魔導ギガサイバーを攻撃!」
「リバースカードオープン!天使のサイコロ!」
「?!サイコロを振って出た目の数×100ポイント攻撃力を上げる速攻魔法!4以上でればサイコ・ロードは破壊される…。」
「ダイスロール!出た目は…5だ!よってギガサイバーの攻撃力は2700!」
「ぐっ!サイコ・ロード!」ライフ3200から3100
天使のサイコロで、サイコロードを返り討ちにする魔導ギガサイバー!
「メインフェイズ2!俺は魔法カード、精神操作を発動!相手モンスターのコントロールを得る!」
「洗脳戦術ってやつか。だが、精神操作で奪ったモンスターは攻撃もリリースも出来ねぇ。」
「罠発動!生贄の祭壇!俺の場のモンスターを墓地に送り、その元々の攻撃力分、ライフを回復する!」ライフ3100から5300
「おお。やるじゃねぇか!」
「俺はモンスターをセットして、ターンエンド!」
城之内 ライフ3700
手3 場
猪爪 ライフ5300
手0 場 セットモンスター
「俺のターン、ドロー!俺は魔法カード、死者蘇生を発動!お前の墓地から、人造人間サイコ・ショッカーを特殊召喚!」
「…は?えっ?」
「そしてぇ!ジェネティック・ワーウルフを召喚!」
「レベル4で攻撃力2000の、通常モンスター?!」
「バトルだ!ジェネティック・ワーウルフでセットモンスターを攻撃!」
「じ、人造人間サイコ・リターナーの効果発動。墓地に送られたとき、墓地のサイコ・ショッカーを特殊召喚出来る…。」
「だが、お前の墓地にサイコ・ショッカーは居ない。行け、サイコ・ショッカー!ダイレクトアタック!」
「ぐうううっ!」ライフ5300から2900
「ターンエンドだ」
城之内 ライフ3700
手2 場 サイコ・ショッカー ジェネティック・ワーウルフ
猪爪 ライフ2900
手0 場
「俺のターン、ドロー!ライフを800ポイント支払い、魔法カード、洗脳-ブレインコントロールを発動!サイコ・ショッカーは返してもらう!」ライフ2900から2100
「…ああ、いいぜ」
「バトル!サイコ・ショッカーでジェネティック・ワーウルフを攻撃!」
「……」ライフ3700から3300
「ターン、エンド。エンドフェイズに、サイコ・ショッカーのコントロールは元に戻る。」
城之内 ライフ3300
手2 場 サイコ・ショッカー
猪爪 ライフ2100
手0 場
「俺のターン、ドロー!バトルだ、サイコ・ショッカーでダイレクトアタック!」
「ぐわあああああっ!」ライフ0
ライフが尽きた猪爪は膝をつき、直後に拳を地面に叩きつける!
「…次は、次は勝つ!」
「いいぜ。俺はどんな時でも受けてたつ。」
そんな猪爪に、仲間らしき青年が近づく。
「強かったな、あれが伝説の決闘者、か。」
「強くなったと思っていたが、まだまだだ。いくら積み重ねても、上には上が居る事を思い知らされる。」
青年は自らのデッキを取り出す。
「破滅の女神ルインだろ?」
「…儀式モンスターは使いづらいと言われるけれど、こいつは俺のフェイバリットカードだ。今までも、そしてこれからも。」
信念を持つ青年に対し頷く猪爪。彼もまた、サイコ・ショッカーがフェイバリットカードである。
そんな二人にちらりと目を向けた城之内は荷物を持つと、亀のゲーム屋に向かって歩き出す。
ミズガルズ王国で手に入れたお土産と土産話を双六爺さんとするために。