もちろん、遊戯王以外の他作品から持ち込むのもありだと思います。
この度、拙作「猫シンクロ使いが行く遊戯王GX!」の23話のIFデュエルを、カイナ先生の「サイバー流系メスガキinデュエルアカデミア」に書いてもらいました。
「ふぅん、ご苦労だったな。」
「はい、海馬社長。」
「これで、九州に巣食っていたサイバー流は壊滅した。少なくとも、リスペクトの名のもとに相手を批判・否定する愚か者が多少残るだろうが、もはや再起不能だろう…そこで、お前たちにはデュエル・アカデミアで実技担当を行って貰う。」
「?!しかし、俺は教員免許を持っていません。」
「何を言っている。デュエルアカデミアは私立だ。特別非常勤講師として、実技を教えろ。といっても、この短期間で指導できるとは期待していない。クロノスのカリキュラムに沿って、多少手入れをしたうえで行え。」
「…そういえば、佐藤先生は?」
ふと思いついたことを口走る猫崎。
それに対し海馬瀬人は数秒沈黙したのち、口を開く。
「ふぅん…どうやら俺は貴様を酷使しすぎたようだ。佐藤という教員はデュエル・アカデミアに在籍していたが、才災の過激なリスペクト違反の生徒を入学させない、一方で気弱なリスペクト違反の生徒をいじめの対象にするべくあえて入れる、という方針に真っ向から反対した結果、クビになっている…貴様の編入より随分前にな。」
「…すみません、記憶が混濁しているようです。」
まともな感性を持つ教育者なら、誰でも反対する。そして反対した結果、佐藤先生はアカデミアを去った。
海馬は『何故、
「クロノスを校長にした今、教えられる手駒はお前だろう。それに、何かと金が入り用のはず。」
「…それは。」
「残りのブロックについては心配いらん。後は俺が片を付ける…。そうそう、我謝と言ったか。お前の義姉がクロノスの秘書に就職している。」
「透子義姉さんが!」
「それと、お前の猫シンクロデッキは使うなとは言わんが…別のSモンスターを開発したら適時テスターとしてデータ収集をして貰う。」
「かしこまりました。」
できれば、光の結社だの異世界編だのには関わりたくなかったが、透子義姉が就職しているなら行かないわけにはいかない。
身体能力は低くないが、相手が破滅の光だのユベルと凶悪過ぎる面々だ。
「…だが、政界や財界の関係者が異議を申し立てて来た…今後、レスキューキャットの効果は1ターンに1度、そして特殊召喚したモンスターの効果は無効という事になった。」
「わかりました。」
「才波光里、いや、今は猫崎光里か。そいつも補佐として連れていけ。」
こうして、猫崎俊二は再びアカデミアに戻る事になった。
卒業して一年とたたずに戻ったので、あまり懐かしい気分はしない。何というか、高校4年生のような気分だ。
留年したわけでもないのに。
デュエルアカデミアの校長室。
クロノス新校長は、着任するという新人について思いをはせる。
「失礼します。」
その声を聴いた我謝は思わず書類を取り落としそうになるも、咄嗟に体勢を整える。
「まさか!」
「お久しぶりです、クロノス新校長。そして就職おめでとう、透子義姉さん。」
「ああ~!やっぱりいい響き!」
「よく来てくれたノーネ、シニョール猫崎とシニョーラ才波…いや、今はどっちも猫崎なノーネ、ややこしいノーネ…。」
新たに引き継いだ作業が割と大変だったことなどを話すクロノス新校長。
雑談を終え、実技に関する採点基準、評価や教育方針に関する資料を渡す猫崎。
「…こうなっていたんですね。」
「少し前までは受けていた事を、教えるとなると大変だと思うノーネ。」
「良い選手が良いコーチになるとは限らない、と聞きます。クロノス新校長、今後もご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願いいたします!」
「うむ。任せるノーネ。」
資料を受け取り、ざっと目を通す猫崎夫妻。
色々と知らなかったことだらけだ。
「こうしてみると、小テストをするのって大変なのね。」
「隣同士で交換させて採点…とすると、トラブルになりそうだ。」
そう言いつつ、『自分が前世で知っている知識との差異』を密かにチェックする猫崎。
天上院吹雪は十代達と同じ2年生としてスタートだったが、ここでは三年生となっている。一応、1年留年という扱い。
丸藤翔は退学を選択しており、ここも相違点になっている。
教師陣の差異は、佐藤先生はすでに去っており、新たに入っていた才災師範の息がかかった教師がかなりの数居たが、それもクビ。
尤も、完全に入れ替わったわけではない。残念ながら数名残っている。
またアムナエルが去った事で代わりに響先生が、レッド寮長を兼任という形で着任している。教頭は才津からナポレオン教頭に変わっている。
「才災師範の教えを盲信する過激派は居なくなったが、それでもその思想よりの教員と生徒が残ったか。」
「影丸理事長の告発を聞いたときはびっくりしたわ…あんなことをしていたのね。」
教育者がいじめの温床を助長。目を覆う事態である。
「とりあえず、今から月一試験の準備を始めようか」
「そうね。」
過去の月一試験の問題文と模範解答をアカデミアのデータベースから引っ張った猫崎夫妻は、その画面に違和感を持つ。
何の気なしにサイバー・ドラゴンのイラストをクリックしたところ、パスワードを入力する画面があり、光里が「01546123」と入力したところチェックリストが表示。
目を丸くする俊二に対し、光里曰く、才災師範はパスワードを大抵『01546123』にしているとの事。そんなセキュリティで大丈夫か?
タイトルは、『月一試験において、リスペクト違反の決闘を行った生徒に対する対応』
①デュエル中に相手モンスターのコントロールを得た
②デュエル中に相手の魔法・罠・効果・攻撃・召喚に対しカウンター罠を発動した
③カード効果によって相手モンスターを破壊した
④カード効果によって相手モンスターを除外した
⑤カード効果によって相手モンスターを場から手札かデッキに戻した
⑥カード効果によって相手の手札を捨てさせた
⑦場のカードを全て破壊するカードを使用した上で、そのターン中に相手のライフを0にした
⑧カード効果のみで相手のライフを0にした
⑨反射ダメージのみで相手のライフを0にした
⑩カード効果を無効にするカードを使用した
⑪相手のデッキを切れさせてデュエルに勝利した
⑫特殊勝利条件を達成してデュエルに勝利した
このいずれかを満たした不適切な生徒をブラックリストに載せる。
またブラックリスト入りした生徒が校則違反を行った場合速やかに制裁デュエルを行う。
ブラックリスト入りの生徒については、その後月一試験にて『改善』が見られない場合、成績に関わらず昇格はさせない。
全ては、『正しい・リスペクト・デュエル』を広げるために。
というのが出て来たのだ。
「…なるほど、あのパスワードを入力しないとこのチェックリストにはたどり着けなかったのか。」
「そして、隠されていたからクロノス新校長は気づけなかったのね…」
「そういえば、才花相手にパーミッションデッキを使ったことがあったな。」
「あったわね、あの後校則違反をしていたら制裁デュエルだったって事?」
過去を振り返り、それで自分は昇格されなかったのか、と納得。
また少しでも校則違反をしていたら危うかったなと思っていると、後ろから声がかけられる。
「へぇ?こんなリストがあったの」
「?!響先生!」
「引継ぎ作業では、ここについて触れられていなかったけれど…。この分だとほかにもありそうね。ちょっとクロノス校長先生にこの事を伝えてくるわ。」
数分後、校長室の方角から振動を猫崎夫妻は感知したが、気づかないふりをした。
少し揺れたな、というのが二人の感想である。
「さて、とりあえず一息入れるか。」
「そうね。折角だし…デュエルしない?」
「いいな。何せレスキューキャットの効果が変わった。新学期が始まるまでの間に慣らしておかないと。」
場所を変え、二人はデュエルディスクを構える。
「「デュエルッ!!」」
俊二 ライフ4000
手5 場
光里 ライフ4000
手5 場
「先攻は、俺が貰ってもいいか?」
「いいわよ。」
「なら俺の先攻、ドロー!俺はレスキューキャットを召喚!このカードを墓地に送り、デッキからXセイバーエアベルンとコアラッコを特殊召喚!」
「ナチュル・ビーストね!」
この並びで気づかれることに苦笑しながら、俊二はデュエルを進める。
レベル2の地属性コアラッコに、レベル3の地属性エアベルンがチューニングされ、ナチュル・ビーストが現れる!
「カードを二枚伏せてターンエンド」
俊二 ライフ4000
手3 場 ナチュル・ビースト 伏せ2
光里 ライフ4000
手5 場
「私のターン、ドロー!相手の場にのみモンスターが存在することで、サイバー・ドラゴンを特殊召喚!」
「来たか!だが攻撃力は及ばないし、魔法カードはナチュル・ビーストが妨害する!」
「それに加えて、伏せカードもある…それに対する対策がこれよ!場のサイバー・ドラゴンをリリース!人造人間-サイコ・ショッカーを召喚!」
「?!さ、サイコ・ショッカー!何故持っている!」
にっこりとほほ笑む光里。
「驚いたみたいね!サイバー・グルメ弁当についていたパックを開封した時に、出たカードがこれよ!」
あの時か。
光里の場にいるサイコ・ショッカーはキラキラ輝いており、アルティメットレア仕様だ。
かなり挙動不審だったが、その理由に納得する俊二。
弁当のおまけで、これが出てきたら前世で猫崎が知っているどのデュエリストもびっくりするだろう。
「バトル!サイコ・ショッカーでナチュル・ビーストを攻撃!」
「ナチュル・ビーストがっ!」ライフ4000から3800
「カードを一枚伏せて、ターンエンドよ!」
俊二 ライフ3800
手3 場 伏せ2
光里 ライフ4000
手3 場 サイコ・ショッカー 伏せ1
「俺のターン、ドロー!」
「俊二!たとえ精神操作を使ってサイコ・ショッカーを奪っても、S召喚は難しいでしょう?チューナーのレベルは3と4!Lv9とLv10のSモンスターは三体のモンスターが必要だから!」
「その通り。だが!魔法カード、死者蘇生を発動!蘇れ、レスキューキャット!効果発動、このカードを墓地に送り、デッキから現れろ、Xセイバーエアベルン!異次元の狂獣!」
「ブリューナク、いや!」
「レベル3の異次元の狂獣に、レベル3の地属性エアベルンをチューニング!!S召喚!現れろ、ゴヨウ・ガーディアン!バトル!ゴヨウ・ガーディアンでサイコ・ショッカーを攻撃!」
「キャッ!」ライフ4000から3600
「そして、ゴヨウ・ガーディアンの効果発動!サイコ・ショッカーを守備表示で特殊召喚!ターンエンドだ!」
俊二 ライフ3800
手3 場 ゴヨウ・ガーディアン サイコ・ショッカー 伏せ2
光里 ライフ3600
手3 場 伏せ1
「私のターン、ドロー!サイバー・ドラゴン・コアを召喚!効果発動、デッキからサイバー・リペア・プラントを手札に加える。」
九州ブロックを制圧した時サイバー流の道場に保管されていた、サイバー・ランカーズのブロック代表に支給するために用意されていたサイバー・ドラゴンの派生カードを海馬コーポレーションが押収。
その派生カードは光里に与えられていた。
「魔法カード、機械複製術を発動!デッキからサイバー・ドラゴンを二体特殊召喚するわ!」
「?!キメラテック・フォートレス・ドラゴン…」
「それはどうかしら?俊二!この場所、覚えている?」
「ここって、デュエルリングだろ?」
「そう。初めて私達が出会った場所…。」
「そういえば…」
初めて、この場所でであった事を思い出す俊二。
「あの時は通用しなかったけれど、今は違うわ!魔法カード発動!パワー・ボンド!場のサイバー・ドラゴン2体とコアを融合!来なさい、サイバー・エンド・ドラゴン!」
「攻撃力8000!なら…?!」
伏せカードを発動させようとして、ふと自分の場にいるサイコ・ショッカーを見て愕然とする猫崎俊二。
「ふふっ、気が付いたみたいね。俊二!伏せカードがミラフォと和睦の二重の守りか、奈落の落とし穴と魔宮の賄賂といった組み合わせなら、サイコ・ショッカーは奪うべきでは無かったわね!」
「それが…狙いか?」
この、GXの並行世界の時間軸にはモンスターの攻撃力至上主義、というのがある。雑魚を並べるより、高打点のモンスターを貴ぶ。
ゆえに、手札を全て使い切ってサイバー・エンド・ドラゴンを出すサイバー流のデュエルがもてはやされた。
だが、OCG世界ではカードアドバンテージ、特にボードアドバンテージという概念がある。
俊二はボードアドバンテージを重視しているが、そのボードアドバンテージという概念について、光里に話した事は無い。
しかし、今まで猫崎俊二のデュエルを見て来た才波光里は、俊二が場のカードの枚数を重視する傾向がある事をおぼろげながらつかんだ。
才波光里が積み重ねて来た勝利のためのロジックは、OCG世界でしのぎを削っていた猫崎俊二にチェックメイトをかける!
「バトル!行きなさい、サイバー・エンド・ドラゴン!ゴヨウ・ガーディアンを攻撃!」
「…っつ!」ライフ0
初めて、サイバー流相手に負けた事に俊二は愕然とする。
「…俺の負けだ。」
「今まで、俊二と戦ってきたサイバー流の門下生や、サイバー・ランカーズとのデュエルで俊二の性格が分かってきたわ。場にモンスターを、カードを多く残す事を重視する決闘者。だからこそ、サイコ・ショッカーを出せば伏せカードを沈黙させることができる。」
「そして、サイコ・ショッカーは闇属性で攻撃力2400、ナチュル・ビーストやカタストルを処理できる…。才治の偉大魔獣ガーゼットからヒントを得たのか?」
「そうよ。ねぇ俊二、これからはもっと頼ってもいいのよ。」
「ああ、そうさせてもらう。」
スッと近づき、光里の顎に手を掛ける俊二。
光里は目を閉じて…
「そこまでなノーネ!」
「「うひゃああああっ?!」」
誰も見ていない、と思い込んでいた猫崎夫妻は素っ頓狂な声を上げる!
「全く!この神聖なるデュエルリングでおっぱじめるんじゃないノーネ!しかし、シニョーラ猫崎。まさかあのSデッキに勝つとは思わなかったノーネ。もしも、才災がシニョーラをブロック代表にしていたーラ」
「それは無いと思います。私はサイバー流の門下生で、一番俊二のデュエルを見て来た。その積み重ねがあってこその勝利です。」
「うむ。そしてシニョール猫崎、確かにシニョールは強いノーネ。でも、油断大敵なノーネ。それが今回わかったと思うノーネ」
少なくとも、海馬コーポレーション所属になって初めての敗北である。
前世では数えるのも億劫なほど黒星を重ねてきたが。
「はい、今回それをわからせてくれて本当に感謝しています。」
「今、デュエルアカデミアは試練の時なノーネ。さて、とりあえず才災が残した新たな火種が見つかった以上、オーナーに報告なノーネ。」
「あんな内容を見たら、そろそろ怒りで倒れそうですが。」
「全くなノーネ。」
この日、別件の仕事がうまくいって久々に瀬人様に良い報告が出来ると意気揚々と戻った磯野は、恐ろしいほど海馬社長の機嫌が悪かったことで、お褒めの言葉も頂けず胃を痛めるのだが、それはまた別の物語である。
序盤で主人公に負けたサイバー流門下生が、主人公に勝つ程に成長する…。
遊戯王GXは『成長』がテーマだと思います。
現地人の成長は描きやすいのですが、OCG民の成長の描写が難しいです…。