猫シンクロ使いが行く遊戯王GX!   作:交響魔人

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ヒーロー像、というのは人それぞれだと思います。ダークヒーローとして、辛い過去を背負いながら戦うヒーローに共感する人も居れば、かっこよさに惹かれる人も居るでしょう。

個人的に初期のエドは狭量だなという印象でしたが、元々ヒーローの登場にワクワクする純粋な少年だったのが、父親の死というつらい経験をした事で変わってしまった事を思えば、憧れだけでヒーロー使いとなった十代を快く思わないのも今なら納得できます。


第34話!プロリーグの戦い!才宮VSエド・フェニックス!

 デュエルワールドリーグにて、エド・フェニックスがデュエルをするという事で生中継を見る事にした俊二。

 もしかしたら、丸藤亮が出てくるかもしれない。

 

 

「あれ、俊二先生?」

「十代と…ラーイエローの一年か?」

 

 あえてすっとぼけ、やや考えるそぶりをする俊二。

 

「いや、思い出した。ティラノ剣山か。珍しいな、ラーイエローが一緒に居るとは」

「俺は十代のアニキについていくことにしたドン!」

「丸藤翔といい、人を引き付ける才能があるようだな。」

「…翔。」

 

 やや落ち込む十代。

 

「一体誰ドン?」

「同級生だったが、自主退学したオシリスレッドの生徒だ。十代を兄貴と慕っていた。」

「へぇ~。でも、何故下の名前で呼ぶドン?」

「昨年まで、オシリスレッドの生徒だったからな…。」

 

 そうやって話していると、後ろから声がかけられる。

 水差しを持った光里だ。

 

 

「俊二、麦茶を持ってき…ああ、追加が必要みたいね。」

「光里、俺が取ってくる。チャンネルは合わせておいた。」

「わかったわ。」

 

 

 入れ替わりにコップを追加分取りに行く俊二。

 

「随分仲が良さそうドン」

「夫婦だからな。」

「ええっ?!ず、随分早いカップルだドン…。」

 

 

 デュエルワールドリーグの生中継の番組に合わせる光里。

 

「…才宮様とエド・フェニックス…」

「ええっ!?え、エドって…嘘だろ?あいつ、プロデュエリストだったのか?!なんで今更デュエルアカデミアに通う必要があるんだ?」

 

「兄貴、知り合いザウルス?」

「一度デュエルをしたことがあるけれど…、どういう事なんだ?」

 

 

 

 戻ってきた俊二は、対戦相手の組み合わせを知って素直に驚く。

 髪型は七三分けから、ツンツンヘアーに変わっているが、その顔に見覚えがあった。

 

「あの散々勧誘してきた力の求道者と、エド・フェニックスが…」

「俊二、賭けをしない?勝った方が貸し一つって事で」

「いいぞ。俺はエド・フェニックスに賭ける。」

「そう。なら私は才宮様に賭ける。」

 

「アニキはどっちが勝つと思うドン?」

「…正直、エドと対戦した時は、光の護封壁で攻撃を防ぎ、メイセイで魔法を封じてダイレクトアタッカーとプロミネンス・ドラゴンで戦うデッキだったが。あれは適当に組んだデッキ。」

「となると、エドが有利ザウルス?」

「エドが本気を出したらどこまで強いのかは知らない。でも、相手はサイバー流でも最高位のサイバー・ランカーズのブロック代表…才宮選手が勝つかもしれない。」

 

 

 

 

『さぁ、ついに始まります!才宮選手と期待の新人、エド・フェニックス選手の三本勝負!』

『どちらが勝つと思いますか?』

『才宮選手はこのデュエルで、サイバー流に入った時から今まで封印してきたデッキを改良して使うと公言しており、エド・フェニックス選手もデビュー戦で最も信頼しているデッキを披露するとの事です!』

 

 

 才宮選手が入ってくるが、ブーイングや罵声の嵐。

 クサイバー、という罵声があちこちから飛んでくる。

 

 エドの方からサイバー・ランカーズだった人物とのデュエルをサイバー流に申し込み、それに対し受けてたったのが才宮だった。

 こうして罵声を浴びるのは覚悟の上、ここで退けば真っ当に努力していたサイバー流の門下生の肩身が狭くなる。そうさせないために、才宮はこの場に来ていた。

 

 

 

「…エド、いや。フェニックス選手と呼んだ方がいいか?」

「フン。サイバー流の奴が気安く呼ぶな。」

「随分嫌われているようだな。俺達は初対面のはずだが。」

「何だと?お前たちサイバー流が、デュエルモンスターズにどれほどの悪影響をもたらしたと思っている!僕はお前たちを許さない!」

「才災師範がやってきた事は知っている。だが、俺達はプロとしてこの場に立っている。ならば交わすべきは言葉では無く」

 

 

 デュエルディスクを構える才宮。

 

「カードのはずだ。違うか?」

「知った風な口を利くな!すぐにその減らず口を利けないようにしてやる!」

 

 

 

「「デュエルッ!!」」

 

エド ライフ4000

手5 場 

才宮 ライフ4000

手5 場 

 

 

「僕の先攻、ドロー!僕は魔法カード、E-エマージェンシー・コールを発動!デッキからE・HEROフェザーマンを手札に加える!さらに魔法カード、増援を発動!デッキからE・HEROバーストレディを手札に加える!さらに手札の沼地の魔神王のエフェクト発動!このカードを墓地に送り、デッキから融合を手札に加える!」

 

『怒涛のサーチカードを連打!フェニックス選手の新兵器は…!』

 

「魔法カード、融合!フェザーマンとバーストレディを融合!現れろ、E・HEROフェニックスガイ!」

 

『え、エレメンタルヒーロー!HEROデッキです!』

『これは面白くなりそうです!デュエルアカデミアで行われたノース校との親善試合でも、使い手が現れたと聞いています!』

 

 

「僕はカードを一枚伏せてターンエンド!」

 

 

 

エド ライフ4000

手2 場 E・HEROフェニックスガイ 伏せ1

才宮 ライフ4000

手5 場 

 

 

「俺のターン、ドロー!」

 

『さぁ、才宮選手の新デッキは…』

 

「俺はE・HEROプリズマーを召喚!」

 

『何と!これはミラーマッ』

 

 だが、解説を遮るように、大声が響き渡る!!

 

 

「ふざけるなぁっ!」

 

 

「何?」

「サイバー流が!リスペクトの名のもとにカードを批判・否定したお前たちサイバー流が、HEROを使うだと!どこまで侮辱すれば気が済むんだ!」

「別に侮辱する意図はないが。このデッキを再度使う際にデッキ調整をしようと考えていたら、このカードの相性が良かっただけだ…。実は、あるサイバー流の元門下生が都道府県代表相手にこのカードを使ったと聞いてな。俺も試しに入れて回したら、思わぬコンボが成立した。今からそれを披露しよう。」

 

 

 才宮はその元門下生を誰とは言わなかった。俊二はちらりと目線を横に向ける。

 光里の頬は、熟れたリンゴのように真っ赤になっていた。

 

 

「プリズマーの効果発動!俺は融合デッキの剣闘獣ガイザレスを公開し、デッキから剣闘獣ベストロウリィを墓地に送る!」

 

『何と!【剣闘獣】です!』

『才災勝作が否定したテーマですが、才災勝作が失脚した今、使っても咎められる云われはないという事でしょうか』

 

「ぐ、剣闘獣?お前はサイバー流だろう!」

「元々、俺は剣闘獣使いだぞ?マスター鮫島に完敗し、サイバー流に入った際にデッキを封印。その封印を解いただけだ。」

「…だから、もうサイバー流の悪行とは無関係だというつもりか?どこまでもふざけた奴め!」

 

 

 肩をすくめる才宮。

 

「埒が明かないな。デュエルを進めさせてもらう。場に剣闘獣ベストロウリィとなったプリズマーが居る事で、スレイブタイガーを特殊召喚!」

 

 

『おや、見た事のないカードですね?』

『あれは場に剣闘獣がいるとき、手札から特殊召喚出来るモンスターです。そして、スレイブタイガーの効果は、自身をリリースし、自分フィールドの「剣闘獣」モンスター1体を対象として発動、その自分の「剣闘獣」モンスターをデッキに戻し、デッキから「剣闘獣」モンスター1体を特殊召喚。この効果で特殊召喚したモンスターは、「剣闘獣」モンスターの効果で特殊召喚した扱いとするモンスターです』

 

 

「そしてスレイブタイガーの効果発動!このカードとプリズマーをデッキに戻し、デッキから剣闘獣ダリウスを特殊召喚!ダリウスの効果発動、剣闘獣の効果で特殊召喚された時、墓地の剣闘獣の効果を無効にして特殊召喚!いやしのはどう!蘇れ、ベストロウリィ!」

「剣闘獣が二体…」

「俺はダリウスとベストロウリィをデッキに戻し、現れろ!剣闘獣ガイザレスッ!効果発動!フェニックスガイと伏せカードを破壊!ゴッドバード!」

「罠発動!和睦の使者!これで僕が受ける戦闘ダメージを0にする!」

 

 

『ああ~!惜しい!和睦の使者でこのターン、才宮選手は攻撃しても意味がない』

『それはどうでしょう?』

 

 

「バトル、ガイザレスでダイレクトアタック!ブレイブバード!」

「フン、だけど戦闘ダメージを受けない。無駄だったな。」

「バトル終了、ここでガイザレスの効果発動!このカードをデッキに戻し、デッキからベストロウリィ以外の剣闘獣を二体特殊召喚!とんぼがえり!現れろ、剣闘獣ラクエル、剣闘獣ディカエリィ!」

 

 ガイザレスは大きく頷くと、跳躍してエクストラデッキに戻り、代わりにデッキから二体の剣闘獣が駆け付ける!

 

「ラクエルは剣闘獣の効果で特殊召喚された時、攻撃力が300ポイントアップする!ビルドアップ!」

 

 ラクエルの攻撃力が1800から2100になり。

 

「そしてディカエリィは二回の攻撃が可能になる。きあいだめ!」

 

 ディカエリィははりきっている!

 

「ぐっ…こんな事が!」

「俺はカードを二枚伏せ、ターンエンド!」

 

 

エド ライフ4000

手2 場 

才宮 ライフ4000

手2 場 ラクエル ディカエリィ 伏せ2

 

 

 

『これは厳しい!エド・フェニックス選手、ここから巻き返せるかー?!』

 

「…ムカつく。」

「ん?」

「ムカつくんだよ。お前のような屑が、HEROを使うなんて!」

「俺を屑呼ばわりするのは別に構わない。だが、何故そこまでHEROに拘る?」

「当たり前だ!HEROシリーズは、僕の父さんが作ったカードだ!」

 

 

 ふむ、と考え込む才宮。

 

「そもそもHEROは背負った十字架の重さ、苦しみと憎しみがあるんだ!それを知らないお前が、HEROを使うな!」

 

 そんなエドに対し、才宮は諭すように話す。

 

「HEROとは、自らの意思で世界を変えようとする心と行動に移す事だと俺は思っている。誰かの力になりたいという優しさ、例え我が身を危険にさらそうと行動できる一握りの勇気。」

 

 滔々と自論を述べる才宮。

 

「そこに、苦しみと憎しみを知れ、という考えは甘え。俺はそう考えるが…どうやらお前は違うようだ」

「あ、甘えだと!言うに事を欠いて!」

「お前がどういう想いでHEROを使っているのかは理解した。納得は出来ないが…俺には俺の考えと信念がある。互いの信念が相容れないならば、デュエリストらしくカードで語れ。お前のターンだぞ。」

 

 

『うーむ、どう思いますか?』

『…創作物のヒーローが、僕はこんなに苦悩しながら頑張っているんですぅ、と泣き言を周囲に漏らすのは割と幻滅しますね。』

『ええ。そういう苦しみを決して人に知らせない上で勝利をおさめ、人に希望をもたらすのが輝かしく、そういう存在をヒーローと言うのだと、私は思います。』

 

 

「…僕のターン、ドロー!カモン!ならず者傭兵部隊!効果発動!このカードをリリースして、ラクエルを」

「カウンター罠、剣闘獣の戦車を発動!場に剣闘獣がいるとき、モンスター効果の発動と効果を無効にして破壊!」

 

 エドの場に現れた傭兵部隊がラクエルを包囲してなぶり殺しにしようとするが、ラクエルは戦車にまたがると、逆にならず者を蹴散らす!

 それを見ていた十代が思わず声を漏らす。

 

「HEROデッキに、ならず者傭兵部隊?」

「戦士族だから、増援に対応している。召喚権を使うがモンスターを除去できるのはいいぞ」

 

 その会話を聞きながら、光里はハネクリボーを入れている遊城の方が、HEROデッキとしては違和感があると思っていた。

 

 

 

 

 

「っつ…魔法カード、ミラクルフュージョンを発動!墓地の沼地の魔神王とフェニックスガイを除外し、現れろ!E・HEROシャイニング・フェニックス・ガイ!」

「墓地のHEROはフェザーマンとバーストレディのみ。攻撃力は3100か」

「バトルだ!行け、シャイニング・フェニックス・ガイ!剣闘獣ラクエルを攻撃!」

「罠発動!ディフェンシブ・タクティクス!場に剣闘獣が存在しているとき発動!このターン、俺のモンスターは破壊されず、俺が受ける戦闘ダメージも0になる!迎撃しろ、ラクエル!ニトロチャージ!」

 

 ラクエルとシャイニング・フェニックス・ガイがぶつかり合うが、どちらも破壊されない。

 

 

「そしてディフェンシブ・タクティクスはデッキの一番下に戻る!」

「…バトル終了」

「ならばラクエルの効果発動!このカードをデッキに戻し、デッキから剣闘獣ムルミロを特殊召喚!バトンタッチ!」

 

 

 ラクエルが場を離れ、代わりに新たな剣闘獣が現れる!

 

 

「ムルミロが剣闘獣の効果で特殊召喚された事で、効果発動!相手モンスターを破壊する!ハイドロポンプ!」

 

 ムルミロが放つ水が、シャイニング・フェニックス・ガイを破壊する!

 

「…まだだ!僕は光の護封剣を発動!ターンエンドだ。」

 

 

 

エド ライフ4000

手0 場 光の護封剣(3)

才宮 ライフ4000

手2 場 ムルミロ ディカエリィ 

 

 

「俺のターン、ドロー!速攻魔法、サイクロン!光の護封剣を破壊する!」

「?!」

 

『これは…!』

『うーむ、フェニックス選手はかなり善戦しましたが…』

 

「バトルだ!剣闘獣ムルミロでダイレクトアタック!アクアジェット!」

「うわっ!」ライフ4000から3200

「そして、剣闘獣ディカエリィは二回攻撃出来る!ダブルアタック!」

「うわああああああああ~!」ライフ3200から1600、1600から0

 

 

『き、決まりましたー!勝ったのは、才宮選手!』

『才宮選手がサイバー流を使ってくると予想していたようですが、実際は剣闘獣デッキだった事で計算が狂ったようですね。』

 

 

 ブーイングしていた観客の半数が不満げな顔をしているが、大半の観客が拍手していた。

 現金な物だ、と俊二は苦笑する。

 

 

 

『互いにインターバルを置いた後、再戦となります!』

『しかし、才宮選手は今回、サイバー流デッキは持ってきていないのでしょうか?』

『少々残念ですね』

 

 

 

 放送席に目を向けていた才宮は、口を開く。

 

 

「俺がサイバー流デッキを使う事をお望みなら、次の試合で用いよう」

『?!なんと!ぜひお願いします!』

 

 

 両選手が退場し、CMが入る。

 

 

「兄貴、エドが負けちまったドン…」

「そう、だな。俺、HEROデッキはカッコいいという憧れで使っていた。けれど、そうではない考え方の人も居るんだな…」

 

 

 そんな十代に、俊二は声をかける。

 

「俺は才宮さんの考え方に賛成だ。」

「俊二先生?」

「遊城。こういう意見の対立で大事なのは自分の考え方をしっかり持つ。その上で相手の意見を理解し、自分の考えを押し付けない事だ。」

「押し付けない事…」

「自分の考えを押し付ける行為がもたらす行為の危険性は知っているはずだぞ。才災がリスペクトの名のもとに何をした?」

「!?」

「あんな風になりたいなら、止めはしない。」

 

 

「…そろそろ始まるわ」

「そうだな。だが、この調子だと…」

 

 

 再び対峙する二人。親の敵とばかりに睨みつけるエドに対し、一切揺らがない才宮。

 

 

『三本勝負でいきなり敗北してしまったエド・フェニックス選手!ここで巻き返しを図りたい!』

 

 

 

 俊二はこの勝敗が見えてしまった。エドは怒りと復讐心にとりつかれている。

 これでは、勝てる勝負も勝てはしない。

 

 

 

「絶対に叩き潰す!行くぞ!」

「…来い!」

 

 

「「デュエルッ!!」」

 

エド ライフ4000

手5 場 

才宮 ライフ4000

手5 場 

 

 

「先攻は貰うぞ!」

「構わない。」

「僕の先攻、ドロー!魔法カード、デステニー・ドローを発動!手札のD-HEROを捨てて、カードを二枚ドローする!僕はディアボリックガイを捨てる!」

「ディー、HERO?」

「そうだ!父さんが残したHERO、Dシリーズ!デステニー、デストロイ、デス…すべてにおいてE・HEROのさらに上を行く、新たなHERO、それがD-HEROだ!」

 

 

 

『何と!ではあれが本当の新兵器だったという訳ですか!』

『ダークヒーロー、という感じが漂いますね。先ほどのE・HEROとは別物な感じがします…。両者、デッキを変えての再戦になりました!』

 

 

「魔法カード、D-スピリッツを発動!僕の場にD-HEROが存在しない時、手札からD-HEROを特殊召喚!現れろ、D-HEROダイヤモンドガイ!」

「ダイヤモンドガイ…」

 

 西洋風のダークヒーローが現れ、マントをなびかせる。

 

「効果発動!デッキトップをめくり、通常魔法だった場合、次のターンでエフェクトを発動する!引いたカードは終わりの始まり、よって次のターン、カードを3枚ドロー出来る」

「終わりの始まりは、墓地に7体以上の闇属性モンスターが存在し、5体を除外してカードを3枚ドローする…だが、効果の発動だけなら発動条件もコストも無視できるという訳か。色々コンボが出来そうだな。」

「当たり前だ、これは父さんが僕のために残してくれたカード!魔法カード、トレード・インを発動!手札からレベル8のドレッドガイを捨てて、二枚ドロー!」

「レベル8のモンスターもいるのか。トレード・インが入っているなら、レベル8のモンスターは比較的多そうだな…」

「墓地のD-HEROディアボリックガイのエフェクト発動!墓地から除外して、デッキから二体目のディアボリックガイを特殊召喚!」

「レベル6をデッキから出せるのか?!」

「さらにD-HEROドゥームガイを通常召喚!僕は三体のD-HEROをリリース!現れろ、D-HEROドグマガイ!」

「攻撃力、3400!どんな効果が…」

「すぐにわかる。僕はカードを2枚伏せ、ターンエンド!」

 

 

 

エド ライフ4000

手0 場 ドグマガイ 伏せ2

才宮 ライフ4000

手5 場 

 

 

 

「俺のターン、ドロー!」

「このスタンバイフェイズに、ドグマガイの効果発動!相手のライフを半分にする!」

「強力な効果だな!」ライフ4000から2000

 

「さらに、このスタンバイフェイズで罠発動!マジカル・エクスプロージョン!さらにファイアー・ダーツ!この二枚はボクの手札が0枚の時、発動出来る!」

「墓地の魔法カードは4枚、800のダメージに加えてサイコロ3つの合計が12を超えていれば俺の負け…。」

「思い知れ!僕の怒りの炎を!」

 

 サイコロの出目は4、5、6。

 

『ファイアー・ダーツの効果はサイコロを3つ振り、出た目の合計×100のダメージを与えるカード!』

『安定性は低いですが、流石はプロ!ここで出目の合計は15!1500ポイントのダメージ!それに加えてマジカル・エクスプロージョンの効果で800のダメージとなれば!』

『ワンターンキル…。こ、これは防ぎようがありません!』

 

 

 2300ポイントのダメージが、才宮を襲う!

 

 

「…それがお前のデュエルか。」ライフ2000

 

 

 降り注ぐ炎を、小さな天使が一身に受け止める!

 

 

『決着ー?!な、なんという事でしょう!ライフが残っています!』

『サイバー流はパワー・ボンドのリスク回避のためにバーン対策カードを入れているパターンがありますが…。この状況を回避できるカードなど…』

 

 

 

「?!馬鹿な!な、何故ライフが残る!そのモンスターはなんだ!」

「チューナーモンスター、ハネワタだ。」

「なっ…」

「このカードを手札から捨てる事で、このターン俺が受ける効果ダメージを0にする。」

「馬鹿、な…。チューナーが、何故、サイバー流に?」

「チューナーだから入れたわけでは無い。このカードが俺のデッキと相性がいいから入れた。」

 

 

 

『何と何と!チューナーの効果でエド・フェニックス選手のワンターンキルを回避!』

『チューナーをデッキに入れるとは、思い切ったことをしますね。しかし、ワンターンキルを仕掛けて仕留めきれなかったのは思わぬ誤算!』

『しかし、このターンを凌げば、通常ドローと終わりの始まりの効果により、エド・フェニックス選手の手札は4枚まで増えます!そうなれば…』

 

 

 

「俺はサイバー・ドラゴン・コアを召喚し、効果発動。デッキからエマージェンシー・サイバーを手札に加えて、発動。デッキからサイバー・ドラゴンを手札に加える。魔法カード、パワー・ボンドを発動。場のサイバー・ドラゴン・コアと手札のサイバー・ドラゴンを融合。現れろ、サイバー・ツイン・ドラゴン」

「こ、攻撃力5600…」

 

「バトルだ、サイバー・ツイン・ドラゴンで、ドグマガイを攻撃!」

「うわあああああああっ!」ライフ4000から1800

「サイバー・ツイン・ドラゴンは、二回攻撃できる。もう一度、ダイレクトアタックだ。」

「ば、馬鹿な…!」ライフ0

 

 

 

『何という事でしょう!ワンターンキルを仕掛けたエド選手の奇襲を見事に回避!』

『返しにワンターンキルを仕掛けてフィニッシュ!三本勝負になりましたが、二回勝利で才宮選手のストレート勝利です!』

『それでは、インタビューに入ります!皆さん、チャンネルはそのままで!』

 

 

 

 

 デュエルアカデミアにて、その生放送を見ていた十代は興奮が抑えられなかった。

 

「すげぇ、すげぇよ、あの人!俊二先生はあの人に勝ったんだよな?」

「その時はサイバー流を使っていたが…。本来は剣闘獣デッキだったのか。」

 

 

「チューナーを取り込むなんて」

「サイバー・ジラフの代わりに入れたんだろう。」

「サイバー流なら、レベル6のSモンスターか。ナチュル・パルキオンは」

「地属性チューナーとそれ以外が地属性でなければならない。」

「…サイバー流は融合召喚主体で行くしか無いのかしら…?」

 

 

 場面が切り替わり、才宮選手のインタビューが行われている。

 

『この度はおめでとうございます!見事な勝利でしたね!』

『ありがとうございます。』

『しかし、マスター鮫島の頃ならともかく、破壊効果を多用する剣闘獣は才災師範だと肩身が狭かったのでは?』

『才災師範に変わる前から、剣闘獣デッキは封じていましたので、その辺りについて指摘されることは無かったですね。元剣闘獣使いというのは秘密にしていましたから。まぁ、知っている人は居ましたが』

『サイバー流の師範が才災師範に変わった時に辞めなかったのは何故ですか?』

『サイバー流に切り替えた時も除去やカウンター罠を多用していたので、それらを使わないという才災師範の教えの中でどうやって勝つかという事を研鑽する絶好の機会と考え、サイバー流にとどまりました。』

 

 

『しかし、同じサイバー・ランカーズの才郷さんは、剣闘獣ガイザレスを使えば誰でも勝てると以前述べておられましたが…仲はどうだったのですか?』

『今だから言いますけれど、普通に悪かったです。似たような考えを持つ才魔と才獏と同じ部屋で過ごす羽目になった時は、ものすごく気まずかったです。まぁ、才郷、才魔、才獏が行きつけの店はどれも享楽的に旨かったので、食の好みは合うのかもしれませんね。』

 

 

『今回、プリズマーを使ったという元門下生は、サイバー流と対立している猫崎俊二と交際があるとの事ですが、何故その元門下生の戦術を使ったのですか?』

『別に元門下生が誰と交際しようが、俺には関係ありません。参考にしたら新たな可能性が見えたから今回用いただけです。』

 

 

『今回、剣闘獣デッキを使った理由は?』

『サイバー流の一員であった過去も含めて、気持ちを切り替えて前に進むためです。もちろん、サイバー流のデッキは改良しています。』

 

 

『今後、猫崎俊二さんにリベンジする予定は?』

『今は、デュエルアカデミアで実技を担当しているとか。しばらく様子を見て、機会があれば再戦します。【猫シンクロ】と【剣闘獣】でぶつかり合って、どこまでも高みを目指していきたいです。』

 

 

『今回、サイバー流にチューナーを入れた理由は?S召喚を取り込むつもりでしょうか?』

『入れた理由は、効果ダメージ対策としての要素が強いです。バーンデッキへの対策になり、パワー・ボンドのリスクを回避する事も出来ます。S召喚をサイバー流に入れるかどうかは…今後Sモンスターを手に入れられるかどうかですね』

 

 

 

『フェニックス選手とヒーローの在り方について語っておられましたが、フェニックス選手の考えをどう思いましたか?』

『ヒーローの事情を知らずに、ヒーローについて語るな、という考えは理解はできてもやはり納得はできません。残念ながら、彼とヒーロー談義はできそうに無いですね。』

 

 

『参考までに、好きなヒーローについて話していただけませんか?』

『ゾンバイアです!元死神だった彼が、人間との愛に目覚めて人間のために悪と戦うのですが、その代償として素顔は醜くなり、命も削られていく…しかし、それでも彼は悪に立ち向かう!これこそがヒーローだと思います!とはいえ、原作がアメコミなのでこれについて語り合える相手が日本にはほぼいないのが残念です。』

 

 一呼吸おいて、才宮はつぶやく。

 

『才災師範とは一晩中語り明かしたことがあるのですが…。』

 

 

 インタビューにつつがなく答える才宮。

 しかし、これでエドが十代に挑む展開はどうなるのか?と俊二は考え込む。

 

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