遊城十代が行方不明になった。ボートで外に出た形跡が無いため、俊二としては頭を抱えるしかない。
十代が戻ってこなかったら詰みだ。そうなったら破滅の光により滅ぼされてしまう。
しかも、白い制服の生徒が現れ始めた。万丈目が洗脳されたとしても、少しでも対抗できるようにとブルー男子には色々と指導していたのだが。
一方、十代は気が付くと見知らぬ土地に居た。空を見上げ、絶句する十代。
「…あれって、も、木星!な、なんでこんなに大きく…。俺、とうとう頭がどうかしちまったのか…?」
「どうしてそう思うのかな?」
「だ、誰だ!」
十代の前に、白い宇宙人のような人型が現れる。
「私は、アナザー・ネオス。いつかネオスになるべく修行している身だ。そしてここは、ネオスペース。」
「はは…俺、本当に頭がおかしくなっちまったんだな…。」
「まぁ、今はそういう事でいいよ。」
アナザー・ネオスは色々話す。この世界を滅ぼそうとしている、破滅の光の事を。その破滅の光の影響を受けているのが斎王琢磨であること。
そして破滅の光と戦う事を運命づけられた、覇王の魂を持つ決闘者の事を。
「その覇王が、君なんだよ。遊城十代」
「俺が、覇王?」
「まだ、自覚は無いようだけど…しまった!奴らが現れた!破滅の光の先兵!」
「何だって!」
UFOが降り立つと、そこからロボットが現れる。
物陰に隠れる十代とアナザー・ネオス。
「あれが…」
「頼む、遊城十代!戦ってくれ!」
「そんなことを言われても!俺は光る剣とか持っていないし!」
「大丈夫!奴らとの戦いは、デュエルモンスターズなんだ!」
そう言われ、改めてロボットを見つめる十代。
腕にはデュエルディスクが装着されている。
「でも、俺にはデッキが」
「デッキなら、あのカプセルに入っていたよ。」
「何っ?!」
十代はそのカプセルに向かって走る。
表面の文字を削ると、ローマ字が浮かび上がる。
「…海馬コーポレーション…!まさか、このカプセルは!」
子供たちがデザインしたカードを、カプセルに詰めて宇宙に発射するという計画。
その発想にワクワクして、十代は応募した。
「そうか、これはあの時俺が応募したカードが…。」
「その通り。君がデザインしたカードが、こうして正しい闇の波動を受けてカードになった。」
「ピピピ!ターゲット、発見!」
「?!しまった、見つかった!」
十代は慌ててデッキをデュエルディスクにセットする。
「俺が相手だ!光の宇宙人!」
「ピピピ…」
「「デュエルッ!!」」
光の使者 ライフ4000
手5 場
十代 ライフ4000
手5 場
「私の先攻、ドロー。私は、手札から異次元の偵察機と異次元の戦士を捨て、光源獣 カンデラートを特殊召喚!」
「攻撃力3000?!」
「このカードは手札を2枚墓地に送った場合のみ、手札から特殊召喚する事が出来る。そしてこのカードの攻撃力は、私の手札の枚数×1000ポイントアップ。ターンエンド」
光の使者 ライフ4000
手3 場 光源獣 カンデラート
十代 ライフ4000
手5 場
「俺のターン、ドロー!」
引いたカードを十代は見つめる。
相変わらず、白い。だが、直後にカードが見えるようになる。
「わかるぜ、アナザー・ネオス!このデッキのコンセプトが!俺は、C・ドルフィーナを召喚!」
「攻撃力400。ゴミカード」
無表情に小馬鹿にされ、十代は怒る。
「俺のデッキに、ゴミなんて無い!フィールド魔法、ネオスペースを発動!ここで、C・ドルフィーナの効果発動!このカードをリリースして、デッキからN・アクア・ドルフィンを特殊召喚!」
「そんなモンスターに、何が出来る?」
「俺は魔法カード、フェイク・ヒーローを発動!現れろ、E・HEROネオス!ただし、攻撃宣言は出来ず、エンドフェイズに手札に戻る」
「それで、どうするつもりだ?」
「N・アクア・ドルフィンの効果発動!手札1枚を墓地に送る事で相手の手札を確認してモンスターカードを1枚選択!選択したモンスターの攻撃力以上のモンスターが自分フィールドにいるとき、選択したモンスターを破壊して、相手に500ポイントのダメージを与える!」
「何っ!手札破壊?!」
光の使者の手札は、異次元の女戦士、D.D.アサイラント、光源獣カンデラートだった。
「異次元の女戦士か。そいつを破壊して500ポイントのダメージだ!」
「ピピッ?!」ライフ4000から3500
「手札が一枚減ったことで、カンデラートの攻撃力は2000に下がる!俺は場のネオスとアクア・ドルフィンをコンタクト融合!現れろ!E・HEROアクア・ネオス!」
「攻撃力、3000?!」
「よし、バトル!俺はアクア・ネオスで光源獣カンデラートを攻撃!」
「ピピッ!」ライフ3500から2500
ライフを削られたが、光の宇宙人は手札を見つめる。
アサイラントで攻撃を行えば1300のダメージを受けるが、相手の場の融合モンスターは除外出来る。
そうなれば…
「速攻魔法、コンタクト・アウト!アクア・ネオスをデッキに戻し、融合素材モンスターがデッキにあれば、その融合素材モンスターを特殊召喚!現れろ!ネオス!アクア・ドルフィン!」
「ピピピ?!」
想定外の展開に光の宇宙人は驚愕する。
「ネオスで、カンデラートを攻撃!」
「ひ、光を!もっとヒカリヲー!」
そう叫ぶと、光の使者は爆発する。
「やったのか?これでネオスペースの平和は守られたのか?」
「いや。本当の戦いはこれから始まる。君は、テストデュエルに合格したんだ。」
「残念だが、お前はここで終わる!」
「?!」
十代とアナザー・ネオスが振り返ると、オレンジ色の爬虫類が立っている。
「?!ワームプリンス!破滅の光に屈した部族…!」
「屈したのではない。同盟を結んだだけだ。まぁ、あんなロボットしか送ってこないがな。」
ワームプリンスはデュエルディスクを構える。
「さぁ、デュエルだ!戦士よ、名を名乗れ!」
「俺は、遊城十代だ!」
「「デュエルッ!!」」
プリンス ライフ4000
手5 場
十代 ライフ4000
手5 場
「さぁ行くぞ!俺の先攻、ドロー!俺はワーム・ゼクスを召喚!効果発動、デッキからワーム・ヤガンを墓地に送り、墓地に送ったヤガンの効果発動!」
「何だ?」
「場にゼクスのみ存在する時、このカードを裏側守備表示で特殊召喚出来る!カードを二枚伏せてターンエンド!」
プリンス ライフ4000
手3 場 ゼクス (ヤガン) 伏せ2
十代 ライフ4000
手5 場
「一体、どんな効果が」
「ヤガンがリバースした時、相手モンスターを手札に戻す。そしてゼクスは、場にヤガンが表側表示で存在すれば戦闘で破壊されない。厄介な布陣だ。」
そんなアナザー・ネオスに対し、ワーム・プリンスがくぎを刺す。
「おいっ!カードの効果を説明するのはいいが、アドバイスはするなよ!」
「言われずとも、私の助言が無くとも遊城十代はお前を倒す!」
「俺は、E・HEROアナザー・ネオスを召喚!」
「攻撃力1900か。」
「バトルだ!ワーム・ゼクスを攻撃!」
「単調な攻撃だな!罠発動!W星雲隕石!場のセットモンスターを表側守備表示に変更!これにより、ヤガンを表側守備表示に変更!」
「げっ!」
「ヤガンがリバースした事で、アナザー・ネオスを手札に戻す!」
「攻撃は通らないか…。メインフェイズ2に入るぜ。俺はカードを二枚伏せてターンエンド!」
「このエンドフェイズに、W星雲隕石の効果発動!場の爬虫類族・光属性モンスターを全て裏側守備表示に。そしてこの効果で裏側守備表示にした枚数だけ、カードをドローする!」
「二枚ドローだって!」
「さらに、デッキからレベル7以上の爬虫類族・光属性モンスターを特殊召喚!現れろ!ワーム・キング!」
プリンス ライフ4000
手5 場 (ゼクス) (ヤガン) キング 伏せ1
十代 ライフ4000
手4 場 伏せ2
「俺のターン、ドロー!ワーム・キングの効果発動!場のワームをリリースして、相手の場のカードを破壊する。ヤガンをリリースして右の伏せカードを破壊!」
「チェーンして速攻魔法、スケープゴートを発動!羊トークンを4体、特殊召喚!」
「空振りか。だが攻守0の羊など瞬殺してくれる!ワーム・グルスを召喚!」
「罠発動!激流葬!場のモンスターを全て破壊する!」
怒涛の激流が、ワーム軍団を洗い流す!
「…ターンエンドだ!」
プリンス ライフ4000
手5 場 伏せ1
十代 ライフ4000
手4 場
「俺のターン、ドロー!よし、一気に攻めるぜ!E・HEROアナザー・ネオスを召喚!バトルだ、アナザー・ネオスでダイレクトアタック!」
「単調な攻撃だな!罠発動!」
ワーム・プリンスの伏せカードが発動される!
「な、なんだ!」
ボロボロのかかしが、アナザー・ネオスの攻撃を阻止する。
「くず鉄のかかし!相手モンスターの攻撃を一度だけ無効にする!」
「攻撃を止めるだけなら」
「その後、このカードは墓地に送らず、このままセットする。つまりお前はこの後、必ず攻撃を無効にされるという訳だ!」
「何ぃ!って事は今後攻撃を1度防がれるのか…俺は、カードを一枚伏せてターンエンド!」
プリンス ライフ4000
手5 場 (くず鉄のかかし)
十代 ライフ4000
手3 場 アナザー・ネオス 伏せ1
「俺のターン、ドロー!永続魔法、ワーム・コールを発動!相手の場にモンスターが存在し、俺の場にモンスターが存在しない時、手札のワームを裏側守備表示で特殊召喚出来る!ワーム・アグリィをセットする!」
「一体何を狙って…」
「アグリィをリリース、ワーム・ウォーロードをアドバンス召喚!リリースされたアグリィの効果!相手の場に攻撃表示で特殊召喚出来る!」
「なっ!攻撃力100!」
「バトルだ、ワーム・ウォーロードでアグリィを攻撃!」
「ぐううううっ!」ライフ4000から1750
「ウォーロードは戦闘で相手モンスターを破壊した時、もう一度攻撃できる!アナザーネオスを攻撃!」
「罠発動!ジャスティ・ブレイク!通常モンスターが攻撃対象になったことで、場の攻撃表示の通常モンスター以外を全て破壊!」
「…ターンエンド。」
プリンス ライフ4000
手3 場 ワーム・コール (くず鉄のかかし)
十代 ライフ1750
手3 場 アナザー・ネオス
「俺のターン、ドロー!このカードは…。よし、速攻魔法、デュアル・スパークを発動!アナザーネオスをリリースして、くず鉄のかかしを破壊する!」
「くそっ、だがこれでお前の場のモンスターは居なくなった。」
「そして、カードを一枚ドローする。魔法カード、O-オーバーソウルを発動!蘇れ、アナザー・ネオス!」
「ま、また蘇ってきたか…!」
「そして、アナザー・ネオスを召喚!」
「馬鹿な!そいつはすでに場に召喚されている!」
「アナザー・ネオスはデュアルモンスター、再度召喚することで効果モンスターとなり、モンスター効果を得る!」
「一体どんな効果が…」
「カード名をネオスとして扱う!」
「召喚権を使ってそんな効果しかないとは無様だな!私なら攻撃力1900のアタッカーとして運用するぞ?」
露骨に落ち込むアナザー・ネオス。
「意味ならあるさ!俺は二重召喚を発動!現れろ、N・エア・ハミングバード!こいつは相手の手札の枚数×500のライフを回復する」
「ライフ1500の回復か。」
「だが、この効果は使わず!俺は場のネオスとエア・ハミングバードをデッキに戻し、コンタクト融合!現れろ、E・HEROエアー・ネオス!」
「攻撃力2500!融合無しで融合召喚を行うだと!」
「効果発動、俺のライフが相手より少ないとき、その数値分攻撃力がアップする!」
「ば、馬鹿な!攻撃力は4750だとっ!」
「行け、エアー・ネオス!ダイレクトアタックだ!」
「アーッ!」ライフ0
ライフが尽きたワーム・プリンスは膝をつくが、即座に立ち上がる。
「おのれ、まだまだ諦めないぞ!必ずネオスペースを制圧し、忌々しいA・O・J連合軍を滅ぼしてあの惑星をわが物にしてくれる!おーい、皆逃げろ!」
捨て台詞を吐きながら、プリンスは部下を逃がした後、自身も逃げ出す。
「これで、本当に危機は去ったのか?」
「まだ、戦いは始まったばかりだ。君には完成させなければならないカードがある。」
「カードを完成?」
白紙のカードを提示するアナザー・ネオス。
十代が手に取ると、ドクン、と音を立てて脈打つ。
「融合を超えた融合。超融合!そのためには、ネオスペーシアンと絆を深めないといけない。」
「絆を深める…ってどうすればいいんだ?」
「コンタクト融合を6種類成功させて勝利する事だ。」
「何だって!あのコンタクト融合を…。」
「遊城十代。これを突破出来ないようでは、破滅の光を止めるなど到底無理だぞ!」
十代は改めてデッキの再構築に取り掛かる。