猫シンクロ使いが行く遊戯王GX!   作:交響魔人

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GXの世界にS召喚を持ち込んでいますが、そもそもGXにおけるアドバンス召喚は『場にリリース要員』を用意し、『手札に上級モンスター』を引き込み召喚権を使って出す。
一方でS召喚は『場にチューナーと非チューナー』を用意すればエクストラデッキからSモンスターを『選べる』。

カードパワー云々以前にシステムとして強いのがS召喚以降の召喚方法です。

…最も拙作の才災校長はそこまで考えておらず「S召喚そのものを禁止にすれば門下生でも勝てる」と浅はかな考えで禁止にしますが。


第5話!シンクロ禁止令と才波光里の決断!

「猫崎俊二君。君はこれから、S召喚を用いないデッキを組みなさい」

「それは何故でしょうか、才災校長。」

「現在、S召喚は君が独占している。これは不公平です。よって君にもS召喚を使用しないデッキを組んでもらいます。」

 

 困ったな、言いがかりに近い事を言っているのだろうが、個人的には同意してしまう。

 S召喚を原作に持ち込むならGX以降の作品だろう。

 

「わかりました。才災校長。」

 

 俺が素直に頷いたのが意外だったのか、才災校長は目を丸くしている。

 

 

 一応、こういう事情があった旨をペガサス会長と海馬オーナーには報告する。

 さて、何デッキを組もうかな。

 

 

 次の月一試験では、またしてもサイバー流の門下生が相手だ。

 才花というらしい。ツンと尖った鼻と八重歯が印象に残る。

 

「フン、あんたが相手?さえない顔ね。」

「さっさと始めよう。」

 

 

 才波さんが不安そうな顔で見ている。

 卑怯で姑息なS召喚が無いならあんな奴一ひねり、という声が聞こえてくる。

 

 前世でエクストラ禁止の大会に参加したときは、ほんと色んなデッキが出て来て驚いたな。

 

 

「「デュエルッ!!」」

 

猫崎 ライフ4000

手5 場 

才花 ライフ4000

手5 場 

 

 

 

「先攻はあんたよ。さっさと引きなさい!」

「俺の先攻。ドロー!あー…。豊穣のアルテミスを召喚。カードを5枚セット。ターンエンド。」

 

 

 

猫崎 ライフ4000

手0 場 アルテミス 伏せ5

才花 ライフ4000

手5 場 

 

 

「何それ。一度にそんなに大量に伏せるなんて、S召喚が無いあんたって本当に馬鹿なのね。」

「そう思っているなら、思っていればいい。」

「あたしのターン、ドロー!」

「カウンター罠、強烈なはたき落とし!ドローカードは捨てて貰う。」

「っつ!死者蘇生が!」

 

 良いカードを落とせた。

 

「カウンター罠の発動に成功したことで1枚ドロー。」

「生意気ね!私は魔法カード、大嵐を発動!」

 

 禁止制限ってどうなっているんだろう?と思っていたらこの世界、エラッタ前の混沌帝龍、八汰烏、サンダー・ボルト、ハーピィの羽根帚だけ禁止なんだと。

 おかげで自由度が高くて困る。

 

 

「カウンター罠、魔宮の賄賂!大嵐を無効にして破壊、そして相手は1枚ドロー!俺もアルテミスの効果で一枚ドロー!」

「このっ…あたしは、サイバー・ドラゴンを特殊召喚!さらに融合呪印生物ー光を召喚!」

「カウンター罠、キックバック!融合呪印生物を手札に戻す!そしてカードを1枚ドロー!」

 

「きいいいっ!バトル!サイバー・ドラゴンでそいつを攻撃!」

「カウンター罠、攻撃の無力化!カードを一枚ドロー!」

「鬱陶しい!!カードを一枚伏せ、ターンエンド!」

 

 

 

 

猫崎 ライフ4000

手4 場 アルテミス 伏せ1

才花 ライフ4000

手3 場 サイバー・ドラゴン 伏せ1

 

 

「俺のターン、ドロー!手札を一枚捨て、魔法カード発動!ライトニング・ボルテックス!相手の表側表示モンスターを全て破壊!」

「サイバー・ドラゴンがっ!」

「バトル、アルテミスでダイレクトアタック!」

「罠発動!ドレインシールド!!攻撃を無効にして、その攻撃力分ライフを回復するわ!」

「カウンター罠、神の宣告!ライフを半分払ってドレインシールドの発動と効果を無効にして破壊!」ライフ4000から2000

「くっ…」

「そして、手札の冥王竜ヴァンダルギオンの効果発動!手札から特殊召喚!効果発動、罠カードを無効にして破壊したが、対象となるカードが無いな。いけ、二体でダイレクトアタック!」

「あ、い、いやああああああっ!」ライフ0

 

 

 デュエルは俺が勝ったが…。

 

 

「猫崎君。今のデュエル、貴方は対戦相手とカードへのリスペクト精神が微塵も感じられませんでした。」

「才災校長。俺は才花さんからリスペクト精神を感じられませんでした。」

「それは君の主観ですね。」

 

 ああ言えばこう言う、こう言えばハウアーユー。言葉が通じても話が通じない。

 

 

「カウンター罠を多用するデッキはリスペクトに反します。次は相手への敬意を持ってデュエルをするように。」

「では、才災校長。リスペクトに反するカードリストをお願いします。サイバー流ではない俺には分からないので。」

「才波に聞きなさい。話は以上です。」

 

 

 

 ちなみに、俺に負けたはずなのに才花さんはサイバー流から破門されなかった。

 どうやら、才災校長を慕っているか否かが破門する基準になっているみたいだな。

 

 

 場所を変え、俺は才波さんと相談する。

 

「…今のサイバー流で批判、否定されないカードね…。」

「どういうカードか、相談に乗ってもらいたい。」

「今は、カウンター罠、そして相手に効果ダメージを与えるカード、攻撃を封じるカードが否定されている。除去カードは批判されつつあるわ。」

「除去カードがダメって、グラヴィティバインドを使われたらどうするんだ?」

「だから、攻撃を封じるカードを否定している。」

「…光の護封剣は?」

「3ターンで自壊するから別にいいらしいわ。」

 

 霞の谷のファルコンでバウンスして使いまわすデッキでも組んでやろうかな。

 

「そもそも除去カードがダメというが、サイバー・レーザー・ドラゴンはダメなのか?それとサイバー・バリア・ドラゴンと暗黒の扉を組み合わせたら攻撃をロックできるぞ」

 

 あっ、と声を漏らす才波。

 

「…やはり、自分だけ一方的に攻撃して、相手の攻撃を封じるカードがダメのようね。バリアドラゴンは攻撃力800、相手の場に攻撃力800より高いステータスのモンスターがいたら攻撃できないもの」

「切り込みロックはありなのか?」

「少なくとも否定はしていないわ…。いまの所」

 

 

 俺は才波光里に相談し、デッキの方向を固める。

 言ってみれば、これは「制限デュエル」のようなものだ。

 

 

 そして、サイバー流の刺客が来るかもしれないとなれば、打点を跳ね上げるコンボが必要だ。

 なら…。

 

 

「デッキの方向は固まった。だが、いいのか才波?」

「何よ。」

「次のデュエル、俺は勝っても負けても君の立場は悪くなる。」

「別にいいわ。今のサイバー流を私は信じられないから。」

 

 真っすぐな、良い眼をしている。

 こういう門下生を切り捨てるか。鮫島校長なら絶対にしなかっただろう。

 

 

「でも猫崎。私とデュエルして。あのカウンター罠を使ったデッキを。」

「ああ、わかった。」

 

 

 てっきり忌み嫌いそうと思っていただけに、その反応は予想外だったが…。

 良い経験になると思い、俺はデュエルディスクを構える。

 

 

「「デュエルッ!!」」

 

猫崎 ライフ4000

手5 場 

才波 ライフ4000

手5 場 

 

 

「先攻は譲るわ。その上で勝って見せる!」

「なら俺の先攻。ドロー!俺は、豊穣のアルテミスを召喚!カードを5枚伏せ、ターンエンド!」

 

 

猫崎 ライフ4000

手0 場 アルテミス 伏せ5

才波 ライフ4000

手5 場 

 

 

「私のターン、ドロー!」

「カウンター罠、強烈なはたき落とし!」

「サイバー・ジラフが墓地に送られるわ。」

「そしてアルテミスの効果で1枚ドロー。」

 

「相手の場にのみモンスターが存在することで、サイバー・ドラゴンを特殊召喚!バトル、アルテミスを攻撃!」

「カウンター罠、攻撃の無力化!バトルフェイズを終了、1枚ドロー!」

「分かってはいたけれど、守りが硬いわね。カードを一枚伏せ、ターンエンド。」

 

 

 

猫崎 ライフ4000

手2 場 アルテミス 伏せ3

才波 ライフ4000

手3 場 サイバー・ドラゴン 伏せ1

 

 

「俺のターン、ドロー!」

「サイバー・ドラゴンの攻撃力は2100、そのデッキでどうやって突破するのかしら?」

「カウンター罠を多用する以上、攻撃力を上げる手段は少ない。だが、俺は天空聖者メルティウスを召喚!そして手札の天空の使者ゼラディアスを捨て、デッキからフィールド魔法、天空の聖域を手札に加え、発動!」

「天使族との戦闘ダメージを0にするフィールド魔法!」

「いかにも。カードを一枚伏せ、ターンエンド。」

 

 

 

猫崎 ライフ4000

手0 場 アルテミス メルティウス 天空の聖域 伏せ4

才波 ライフ4000

手3 場 サイバー・ドラゴン 伏せ1

 

「私のターン、ドロー!魔法カード、強欲な壺を発動!」

「カウンター罠、魔宮の賄賂!発動を無効にして破壊!相手は1枚ドローする。」

「なら、ドロー!」

「アルテミスの効果で1枚ドロー!そしてメルティウスはカウンター罠が発動するたびにライフを1000回復!そして場に天空の聖域が発動して居れば相手の場のカードを一枚破壊できる!サイバー・ドラゴンを破壊!」ライフ4000から5000

「そうやって突破するのね…。私はモンスターをセット。ターンエンド!」

 

 

 

猫崎 ライフ5000

手1 場 アルテミス メルティウス 天空の聖域 伏せ3

才波 ライフ4000

手3 場 セットモンスター 伏せ1

 

 

 

「俺のターン、ドロー!バトルだ、アルテミスで攻撃!」

「セットしていたのは、アーマード・サイバーン!守備力2000よ!」

「反射ダメージは天空の聖域により受けない。ターンエンドだ。」

 

 

 

猫崎 ライフ5000

手2 場 アルテミス メルティウス 天空の聖域 伏せ3

才波 ライフ4000

手3 場 アーマード・サイバーン 伏せ1

 

 

「私のターン、ドロー!プロト・サイバー・ドラゴンを召喚!そして罠発動!アタック・リフレクター・ユニット!場のサイバー・ドラゴンをリリースして。」

「カウンター罠、盗賊の七つ道具!ライフを1000支払い、罠カードの発動と効果を無効にして破壊!そして手札の冥王竜ヴァンダルギオンの効果発動!相手のカード効果をカウンター罠で無効にした時、手札から特殊召喚出来る。」ライフ5000から4000

「?!攻撃力2800!」

「そして効果発動、罠カードを無効にした事でアーマード・サイバーンを破壊!アルテミスで1枚ドロー!場にカードが無いため、メルティウスの効果は不発となる。」

 

 伏せられていたカードは、アタック・リフレクター・ユニットだった。

 

「…私はこれで、ターンエンド。」

 

 

猫崎 ライフ4000

手2 場 アルテミス メルティウス 冥王竜 ゼラディアス 天空の聖域 伏せ2

才波 ライフ4000

手3 場 

 

「俺のターン、ドロー!アルテミス、メルティウス、冥王竜ヴァンダルギオンでダイレクトアタック!」

「…また、勝てなかったか」ライフ0

 

 

 

 

「これが、エンジェルパーミッションだ。あまり使われていい気分のデッキではないか。」

「相手の動きを封じこめて押さえつけるデッキね。」

「そういうデッキだからな。だが、アーマード・サイバーンといったカードで守りを固めるのはよい対処だ。カウンター罠は相手がカードを発動しないと発動出来ないから。」

「そう、ね。参考になったわ。」

 

 

 

 俊二と別れた後、才波の前に三人の少年が現れる。

 

「?!…見ていたのね、丸藤様、いえ。丸藤。」

 

 門下生であり、常に敬称をつけていた才波光里が敬称をつけなくなった。

 その点で、丸藤亮は察する。

 

「才波。君はサイバー流から離れるつもりか?」

「今のサイバー流に席を置きたくない。もしかしたら、私を叩き潰せと才災師範が貴方に指示するかもしれない。でもその時は、全力で抗わせて貰う。」

 

 

 覚悟を決め、歩き出す才波。その道は木漏れ日によって明るく照らされていた。

 

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