理由としてはプロットを考えているとアンチリスペクト物であるにも拘わらず、サイバー流とのやり取りがほぼ無くなってくる事に気づいたからです。
当初のプロットにおける『第29話!俊二VS才災勝作!』を最終回とさせていただきます。
また、拙作における丸藤翔君の名誉挽回、汚名返上のために新作を投稿していきます。
意気消沈しながらも、レッド寮のキャンプ地へ戻る俊二。
「俊二先生?万丈目は?」
「…遊城、明日、海馬ドームに一人で来てほしいとの事だ。来なければ、万丈目の無事は保証できないとの事だ」
「なんだって!」
「…行ってくれるか?」
「当たり前だ!止めても行くぜ!」
万丈目が洗脳されるというのは、絶対に避けたいことだったが、こうなってしまっては仕方ない。
おそらく待ち構えているのは、斎王の妹、美寿知。
翌日、海馬ドームに訪れる遊城十代。
そこには、5人の男女が待っていた。
「…影丸と雷丸か。」
「…美寿知様がお待ちだ。」
案内しようとする影丸。
「…あいつが遊城十代か。大した事の無さそうな奴だな。あれぐらいなら」
「やめろ氷丸。俺達は手を出すなというお達しだ」
「ああ?」
だが、氷丸に対して冷たい視線が4人から注がれた事で、流石に怯む。
「じょ、冗談だ」
「…なら構わない。」
一室に案内し、光海はその場を去る。
この先に、斎王の妹がいる。意を決し、十代は中に入る。
「…よくぞ来た。」
「美寿知だな?」
「いかにも。」
真相は光海から聞いている。その事を伝えようとして、十代は思いとどまる。
美寿知は見張られていると言っていた。なら、自分にできる事は全力でデュエルをする事だけ。
「行くぜ!」
「来るがいい!」
「「デュエルッ!!」」
十代 ライフ4000
手5 場
美寿知 ライフ4000
手5 場
「俺の先攻、ドロー!E・HEROバブルマンを召喚!効果発動!カードを二枚ドロー!よし、カードを一枚伏せ、ターンエンド!」
十代 ライフ4000
手6 場 バブルマン 伏せ1
美寿知 ライフ4000
手5 場
「私のターン、ドロー!様子見と言ったところか。」
「ああ。」
「…甘く見られたものだ。来い、インヴェルズを呼ぶ者!」
「インヴェルズ…?」
悪魔族使いという事に違和感を感じる十代。てっきり部下に支給していた【帝王】を使うと思っていたのだが。
「そして魔法カード、二重召喚!これでもう一度通常召喚が出来る!インヴェルズを呼ぶ者を生贄に、インヴェルズ・モースを召喚!効果発動、ライフを1000払い、そなたの場のカードを二枚手札に戻す!」ライフ4000から3000
「バウンス効果?!攻撃力2400といい、帝みたいなカードだな…チェーンしてリバースカードオープン!和睦の使者!このターン俺は戦闘ダメージを受けないぜ!」
「?!フリーチェーンだったか…。生贄になったインヴェルズを呼ぶ者の効果発動!デッキから下級インヴェルズを特殊召喚!現れろ、インヴェルズの先鋭!」
「攻撃力2400と1850!しかも二枚バウンスって事は大抵の相手をワンターンキルできるのか!」
「しのがれてしまったがな。ちなみに、インヴェルズの先鋭は場から墓地に送られたとき、場の融合・儀式・シンクロモンスターを破壊する。」
「…なんで効果を俺に教えたんだ?」
わざわざ相手にカード効果を説明する美寿知の行動。知らなければそのまま融合していただろう。
「これで対等だ。カードを伏せ、ターンエンド」
十代 ライフ4000
手7 場
美寿知 ライフ3000
手2 場 モース 先鋭 伏せ1
「よし、俺のターン、ドロー!先鋭を残しておくと厄介…。いや待てよ?」
それを相手が想定していないはずが無い。先鋭を融合モンスター以外のE・HEROによる戦闘破壊を狙ってくることは想定しているはず。
「俺はE・HEROバブルマンを召喚!カードを二枚ドローする!」
「…バウンスするべきでは無かったか。」
敵に塩を送る事になったため、美寿知はやや悄然とする。
「ワンターンキルを狙うならありだと思うぜ。魔法カード、融合を発動!場の水属性のバブルマンと、手札のクレイマンを融合!」
「その組み合わせは、マッドボールマンか。」
「融合召喚!E・HERO アブソルートZero!」
「?!光海からの情報に有ったカードか!」
「行くぜ、バトルだ!アブソルートZeroで、インヴェルズ・モースを攻撃!」
「甘い!罠発動!侵略の手段!デッキからインヴェルズ一体を墓地へ送る。インヴェルズの斥候を墓地へ!」
「このタイミングで墓地にモンスターカードを送ってどうしようと?」
「その後、場のインヴェルズを選択!選択したモンスターの攻撃力を800アップする!これでモースの攻撃力は3200!」
「なるほど、エッジマンで先鋭を攻撃すれば攻撃力2650になって返り討ちだったか…。」ライフ4000から3300
「推理していた割に、随分と余裕…?」
インヴェルズ達が氷漬けになっていく!
「これは!」
「HEROは死してなお、責務を果たす!このカードが場を離れた時、相手の場のモンスターを全て破壊する!」
「?!」
「メインフェイズ2だ、俺はカードを一枚伏せ、ターンエンド!」
十代 ライフ3300
手6 場 伏せ1
美寿知 ライフ3000
手2 場
「…私のターン、ドロー!メインフェイズの開始時、墓地のインヴェルズの斥候の効果発動!私の場に魔法・罠カードがない時、墓地から特殊召喚出来る!」
「黄泉ガエルみたいな効果だな…」
「やや制約があるがな。このターン、私は特殊召喚を行えない。」
「でも、インヴェルズデッキはアドバンス召喚が主体。つまり問題ないって事か。」
「私はインヴェルズの斥候をリリース、インヴェルズ・ギラファをアドバンス召喚!このカードはレベル7だが、インヴェルズを生贄に捧げるとき、リリースを一体減らせる!」
「攻撃力2600か!」
「効果発動、相手の場のカードを一枚墓地に送り、ライフを1000回復する。その伏せカードを墓地へ送る!」ライフ3000から4000
「だったらチェーンして罠発動!奈落の落とし穴!インヴェルズ・ギラファを破壊する!」
「させぬ!チェーンして速攻魔法、侵略の一手!ギラファを手札に戻し、カードを一枚ドロー!」
「躱された?!」
「カードを一枚伏せ、ターンエンド!」
十代 ライフ3300
手6 場
美寿知 ライフ4000
手2 場 伏せ1
「俺のターン、ドロー!」
斥候の効果を考えたら、あれはフリーチェーンの速攻魔法か罠カードだろう。
「俺はE・HEROプリズマーを召喚!効果発動、デッキからE・HEROグラン・ネオスを公開することで、デッキからE・HEROネオスを墓地に送る。」
「E・HEROの通常モンスター…」
「魔法カード、オーバーソウルを発動!墓地のネオスを特殊召喚!」
「一気に展開してきたが、それで私のライフを削り切れるかな?」
「バトル!行け、プリズマー!ダイレクトアタック!」
「罠発動!侵略の波紋!墓地のインヴェルズの先鋭を特殊召喚!」ライフ4000から3500
「っつ、バトルは巻き戻しだ。行け、ネオス!先鋭を攻撃!」
「ダメージは受けるが、このターンは凌がせてもらう!」ライフ3500から2850
「メインフェイズ2だ、カードを一枚伏せ、ターンエンド!」
十代 ライフ3300
手4 場 プリズマー ネオス 伏せ1
美寿知 ライフ2850
手2 場
「私のターン、ドロー!メインフェイズの開始時、インヴェルズの斥候を攻撃表示で特殊召喚!」
「…攻撃表示?」
「魔法カード、強制転移を発動!さぁ、モンスターを一体選んでもらう」
「俺は、プリズマーを渡す。もしかして、インヴェルズにも融合モンスターが」
プリズマーが、融合召喚主体のデッキだと使いやすい事が才宮とエド・フェニックス選手のデュエルで広まってしまい、プリズマーの価格は高騰している。
E・HEROという事で集めていたため十代には問題無いが、今からE・HEROデッキを組みたいという人には敷居が高いカードになってしまった。
「残念ながらおらぬ。だが、速攻魔法発動!帝王の烈旋!私はこのターン、そなたのモンスターをリリース出来る。私はインヴェルズの斥候をリリースし、インヴェルズ・ギラファを召喚!効果発動、ネオスを墓地に送る!」
「リバースカードオープン!手札のE・HEROネクロダークマンを捨てて、超融合を発動!」
「超、融合?」
「俺はネオスと闇属性のギラファを融合!現れろ、E・HEROエスクリダオ!」
「…そのモンスターにもアブソルートのように厄介な効果があるのか?相手の墓地に送られるカードが全て除外されたり、相手がデッキからカードを手札に加えたらハンデス…」
「そんな効果は無い。このカードの攻撃力は、墓地のE・HERO一体につき100ポイントアップする!よって攻撃力は3000!」
「…ターンエンド。」
十代 ライフ3300
手3 場 エスクリダオ
美寿知 ライフ2850
手0 場 プリズマー
「俺のターン、ドロー!墓地のネクロダークマンの効果発動!E・HEROをリリース無しで召喚出来る!現れろ、E・HEROエッジマン!」
「…負け、か」
「ああ。バトル!エッジマンでプリズマーを攻撃!」
「ああああっ!」ライフ2850から1950
「エスクリダオで、ダイレクトアタック!」
「…見事」ライフ0
『…敗れたか。まぁいい、これで遊城十代の底を知る事が出来た』
白い靄のような物が、その場を離れていく。
あいつが、どうやら見張りだったようだ…。
「ようやく、ようやく去ったか。」
「美寿知。影丸から事情は聴いている。」
「そう、か。光海が話したか。」
「兄ちゃんが別の人格に乗っ取られているってことだよな?」
「その通りだ。」
「…なぁ、あんたの兄ちゃんってどんな人だったんだ?」
「兄は、世界の破滅など望んでいない。遊城十代、お前に真相を伝えておく。」
「…D-HERO Blooo-D。そのカードを兄が拾った事で、全てが始まってしまった。」
「D-HEROって、エドが使っているテーマだな。」
「いかにも。エド・フェニックスの父親が最後に開発したカード。」
「なんで、それを斎王が拾うんだ?カードデザイナーが開発したカードってそうそう落ちていないと思うんだが…。」
「エド・フェニックスの父親の死は不可解であり、犯人は逮捕されるどころか特定すらされていない。」
「?!なんだって!」
「殺したのが、D-HERO Blooo-Dの精霊だからだ。」
「カードの精霊…でも、開発されたばかりのカードに精霊が宿るなんて」
「私が占った結果、D-HERO Blooo-Dのカードをフェニックス氏が封印しようとした時にD-HERO Blooo-Dのカードが強く反発。その意思を感じた破滅の光の盟主が降臨し、フェニックス氏を殺害した。」
「カードデザイナーが、自分の生み出したカードに…」
「そのカードは巡り巡って、我が兄に破滅の光の盟主を宿らせ、自ら行動するようになった…。遊城十代。我が兄を、救ってほしい。」
「ああ、任せろ!」
託された想いを背負って十代は海馬ドームを後にする。
同時刻。
「…美寿知は敗れたか。だが、もはや運命の輪を止めることは出来ぬ!光を、もっと光を!」
光の結社の盟主は、狂気をにじませた笑みを浮かべ、虚空に拳を突き上げる。
その夜。
メガ・サイバー流の実技担当最高責任者は、メガ・サイバー流から追放される事になった。
理由は、同じロイドデッキを使いながら負けたからである。
「そ、そんなぁ!追い出されたら、僕はどこに行けばいいんスかぁ?!」
「心配するな。行き先は用意した。」
「ほぅ?丸藤亮の弟…。わかりました」
「ちょ、ちょっと待つッス!」
明らかにやばそうな男達に拘束されるメガ・サイバー流の元実技担当最高責任者は、短い手足をバタバタ動かす。
「僕をどこへ連れて行くつもりッスか!」
「地下デュエルだ」
「ち、地下…?」
「報酬は高いぞ。」
「ほ、報酬が…え、エヘ、エヘヘヘヘ…」
その醜態を見たメガ・サイバー流の門下生たちは、心の底からあきれ返る。
「では、連れて行きます。」
「よろしく頼む。」
丸藤亮が先日地下から脱出してしまった事で、新たな獲物を探していた地下デュエル場の経営者達は、才津の話に飛びついた。
勝てばよし、負けたとしても見世物にはなるからだ。