時系列としては、猫崎が入学するより数年前です。
デュエルアカデミアの校長にして、サイバー流の師範となった、才災勝作。
そんな彼は、アカデミアに在籍している生徒の中から、リスペクトに反したデュエルをする生徒を排除するべく行動を開始した。
「皆さん、席についてください。授業の前に、大事なお知らせがあります。今からオベリスク・ブルーの影谷(かげたに)君と、ラー・イエローの西鷹(にしたか)君は、寮の入れ替えを掛けたデュエルをしてもらいます。」
事前に話を持ち掛けられていた西鷹はともかく、寝耳に水な影谷は仰天する。
「俺が西鷹と入れ替えデュエル?!才災校長、どういうことです!」
「それは貴方が、リスペクトに反するデュエルをするからです。」
「リスペクト…?」
サイバー流の門下生から時折言われるが、敗者の戯言として見なしていた事もあり、影谷は困惑する。
思い当たるところはある。
パワー・ボンドでサイバー・エンド・ドラゴンを呼び出した門下生のバトルフェイズを凌いだ後、メインフェイズ2で自信満々に召喚してきたサイバー・ジラフにキックバックを使ってバウンス、パワー・ボンドのリスクダメージで自滅させた。
とはいえ、入れ替えデュエルに勝てばいいだけの話。
「これで、俺はオベリスク・ブルーに昇格出来る。」
「…そうか。お前は先に話を持ち掛けられていたんだな。まぁいい、勝つのは俺だ。」
「「デュエルッ!!」」
影谷 ライフ4000
手5 フィールド
魔法・罠
西鷹 ライフ4000
手5 フィールド
魔法・罠
「先攻は影谷君からです。」
才災校長がそう宣言した事で、影谷はカードを引く。
(…俺に先攻を譲ったのは、いきなり入れ替えデュエルをさせてしまう引け目だろうな。まぁいい。)
「俺はモンスターをセット、カードを2枚伏せてターンエンドだ!」
影谷 ライフ4000
手3 フィールド セットモンスター
魔法・罠 伏せ2
西鷹 ライフ4000
手5 フィールド
魔法・罠
「俺のターン、ドロー!相手の場にのみモンスターが存在する事で、サイバー・ドラゴンを手札から特殊召喚!」
「さ、サイバー・ドラゴン?!馬鹿な、お前のデッキは太陽の戦士を主軸に置いた【戦士族】だったはず!」
デッキが変わっている事に驚く影谷。
「魔法カード、パワー・ボンドを発動!手札のサイバー・ドラゴン2体を融合!現れろ、サイバー・ツイン・ドラゴン!」
「攻撃力2800だが、パワー・ボンドで攻撃力5600…。」
「サイバー・ツイン・ドラゴンに装備魔法、メテオストライクを装備!これでサイバー・ツイン・ドラゴンは貫通能力を得る!バトルだ!」
「攻撃力5600で二回攻撃出来る奴に貫通まで付与か。ならばメインフェイズ終了時に永続罠、スピリットバリアを発動!モンスターとの戦闘ダメージを俺は受けない!」
光のバリアが発動し、影谷を守る。
「バトルだ、サイバー・ツイン・ドラゴンでセットモンスターを攻撃!」
「こいつは共鳴虫!戦闘で破壊された事で効果発動!デッキから共鳴虫を守備表示で特殊召喚!」
「リクルーターか、ならいけ、サイバー・ドラゴン!エヴォリューション・バースト!」
「っつ、二体目の共鳴虫の効果で、3体目の共鳴虫を特殊召喚!」
「追撃だ、サイバー・ツイン・ドラゴン!」
「3体目の共鳴虫の効果発動!魔導雑貨商人を特殊召喚!」
「メインフェイズ2で、サイバー・ジラフを召喚!効果発動、このカードを生贄に捧げ」
「カウンター罠、キックバック!通常召喚したモンスターを手札に戻す!」
そのプレイングをみた才災の視線が険しくなる。
「ターンエンドだ。エンドフェイズ、パワー・ボンドにより2800ポイントのダメージを受ける…。」ライフ4000から1200
影谷 ライフ4000
手3 フィールド 魔導雑貨商人
魔法・罠 スピリット・バリア
西鷹 ライフ1200
手1 フィールド サイバー・ドラゴン サイバー・ツイン・ドラゴン
魔法・罠 メテオストライク
「俺のターン、ドロー!速攻魔法、月の書を発動!魔導雑貨商人を裏側守備表示に変更。そしてメインフェイズに入る。魔導雑貨商人を反転召喚!リバース効果発動!デッキの上からカードをめくる。魔法・罠が出るまでめくり、それ以外のモンスターは全て墓地に送る!」
素早いモモンガ、ジャイアントウイルス、メカウサー、巨大ネズミといったリクルーターが15体。人造人間サイコ・ショッカー、サイバティック・ワイバーンといった上級モンスターが2体、墓地へ送られる。
「…よし!俺が捲ったのは、呪いの双子人形!そのまま魔法カード、呪いの双子人形を発動!」
場に、赤と黒の箱を持った不気味な人形が出現する。
「赤の箱か黒の箱を選べ。赤の箱を選べば、墓地にカードが置かれる度に200ポイントライフを回復する。黒の箱は墓地が消滅する。まぁ、お前がどちらを選んでも結末は同じだがな!」
「戯言を!俺は赤の箱を選ぶ!」
「いいぞ、これで俺の墓地は消滅した。」
影谷の場に、浮遊霊となった昆虫族モンスターが浮遊する!
それだけではなく、月の書、キックバックといった魔法・罠も同様に浮遊する!
「俺はザ・カリキュレーターを召喚。こいつは俺のモンスターのレベルの合計×300だ。」
「お前の場には、魔導雑貨商人というレベル1の雑魚と、レベル2のその雑魚だけ。よって攻撃力は900だな。」
「いいや。浮遊霊となったモンスターもカウントする。よってレベル2の素早いモモンガが3体、レベル2のジャイアントウイルス3体、レベル2のメカウサーが3体、レベル3の共鳴虫が3体、レベル4の巨大ネズミが3体、レベル5のサイバティック・ワイバーンと、レベル6のサイコ・ショッカーもカウントされる。よってレベルの合計は53!攻撃力は15900!」
「何だと!?」
「どうだ、これがオベリスク・ブルーのデュエル・エリートのデュエルタクティクス!バトルだ!行け、ザ・カリキュレーター!サイバー・ツイン・ドラゴンを攻撃!」
「うぎゃああああああああ!」ライフ0
「このデュエルは、無効とします。」
「何故ですか、才災校長。」
「モンスターを浮遊霊として扱わせる行為は、プロデュエリストとしてふさわしくありません。モンスターへのリスペクトに反します。」
まぁ、呪いの双子人形がリスペクトにのっとった素晴らしいカードとは使っていて思えない影谷。
「そもそも。それが通用するのは初見のみ。二度目はありません。それは相手が赤の箱を選んでくれることが前提のコンボですよね?」
「いいえ。相手が黒の箱を選んだ場合も想定しています。」
「何?」
影谷は残った手札の1枚を見せる。
「相手が黒の箱を選んだ場合、墓地のモンスターは浮遊霊として相手の場に増える。つまり、黒の箱を選んでいれば、西鷹の場にはサイバー・ドラゴンが浮遊霊として2体存在する扱いになるので、自業自得によるダメージが2000ポイントになる訳です。」
「いいですか?呪いの双子人形はリスペクトに反します。今すぐ使用を禁じます。」
そう言われた影谷は周りを見渡す。
ニヤニヤと見る目が大半。どうやら、このデュエルアカデミアは変わってしまったらしい。
「嫌だと言ったら、どうなりますか?」
教育長に対して、生徒が言うべきではないとわかっていたが、影谷はそれを口にした。
「分校への転校となります。」
「わかりました。転校の手続きを取ります。」
この騒動から二週間後、影谷はノース校へ転校する事となる…。
Q:インセクト女王が場にある状態で、コカローチナイトが浮遊霊として存在しています。攻撃力はどうなりますか?
A:2600となります。
Q:切り込み隊長が場にある状態で、コマンド・ナイトが浮遊霊として存在してます。攻撃力はどうなりますか?
A:1200となります。浮遊霊は「場のモンスター」に効果を及ぼしません。
Q:浮遊霊として増援が存在しています。この状態で装備魔法、魔導師の力を発動しました。攻撃力と守備力はどうなりますか?
A:1000ポイントアップします。
Q:浮遊霊として存在しているモンスターをリリースする、または浮遊霊のモンスターでS召喚・X召喚・リンク召喚は行えますか?
A:できません。
Q:呪いの双子人形の黒の箱が適用されているプレイヤーの場で、ライトロード・アサシン・ライデンの効果は発動できますか?
A:できません。
Q:呪いの双子人形の黒の箱が適用されているプレイヤーの場で、王宮の鉄壁を発動した場合、どうなりますか?
A:デュエルは強制終了となります。デュエルの勝敗は強制終了時点でライフが多い方が勝者となります。