サイバー流の新師範となった才災勝作は、周囲の門下生を見渡す。
ついに、この時が来た。
サイバー流師範の座を鮫島から奪い、自分がトップに立った。
ここから、サイバー流は栄光を掴むのだ!
「オホン。これより模範デュエルを行います。才津さん、準備はいいですね?」
「はい、才災師範!」
多くの門下生が見守る中、二人はデュエルディスクを起動する。
才災が構えるのはサイバードラゴンを連想させる白を基調とし、銀色で縁取りされたサイバー・ディスク。
「「デュエルッ!!」」
才災 ライフ4000
手5 フィールド
魔法・罠
才津 ライフ4000
手5 フィールド
魔法・罠
「先攻は君からです。才津君。」
「では行きます…ドロー!魔法カード、パワー・ボンドを発動!手札のサイバー・ドラゴン3体を墓地に送り、サイバー・エンド・ドラゴンを融合召喚!」
融合の渦が出現し、三体のサイバー・ドラゴンが渦に吸い込まれていく。
その渦から、三つ首の機光竜が出現し、咆哮を上げる!
「ほう、いきなりサイバー・エンド・ドラゴンを!」
「パワー・ボンドにより、攻撃力は二倍の8000になります!ここで、サイバー・ジラフを召喚!このカードを生贄に捧げ、私が受ける効果ダメージを0にします!ターンエンドです!」
才災 ライフ4000
手5 フィールド
魔法・罠
才津 ライフ4000
手1 フィールド サイバー・エンド・ドラゴン
魔法・罠
筋肉質な男、才郷 五郎は才津の場にいるサイバー・エンド・ドラゴンを見つめる。
「これは、決まったか?」
左目に眼帯を付けた才澤 頼子は才郷に目を向ける。
「これで終わるようなら、サイバー・ランカーズ制度についても再考が必要になるわ。」
多くの視線が集まる中、才災はデッキに手を置く。
「私のターン、ドロー!魔法カード、融合を発動!手札のサイバー・ドラゴン3体を墓地に送り、サイバー・エンド・ドラゴンを融合召喚!」
先ほどと同じように光の渦が現れ、そこからサイバー・エンド・ドラゴンが出現する!
「流石は才災師範!ですが、パワー・ボンドで融合召喚していないため、攻撃力は4000のまま。」
「バトル、サイバー・エンド・ドラゴンで、サイバー・エンド・ドラゴンを攻撃!」
「まさか、自滅?!」
黒い振袖に身を包んだ才園 麗華は目を見開く。
「機械族である以上、あの速攻魔法だろう。」
それに対し、髪の毛を七三分けした才宮 幹夫が口を開く。
「手札から速攻魔法、リミッター解除を発動!これで攻撃力は8000になります!」
パワー・ボンドで強化されたサイバー・エンド・ドラゴンに対し、リミッター解除により、サイバー・エンド・ドラゴンも限界を超える!
凄まじい光の奔流が、サイバー流門下生の眼を焼く。
「あ、相打ち?!」
「メインフェイズ2です。カードを1枚伏せてターンエンド!」
才災 ライフ4000
手0 フィールド
魔法・罠 伏せ1
才津 ライフ4000
手1 フィールド
魔法・罠
「私のターン、ドロー!魔法カード、死者蘇生を発動!蘇れ、サイバー・エンド・ドラゴン!」
再び現れるサイバー・エンド・ドラゴン。
力強く咆哮を上げる!
「ここでサイバー・エンド・ドラゴンを復活させますか。」
「バトル、サイバー・エンド・ドラゴンでダイレクトアタック!」
「リバースカードオープン!リビングデッドの呼び声!これにより、墓地からサイバー・エンド・ドラゴンを特殊召喚します!」
ダイレクトアタックしようとするサイバー・エンド・ドラゴンの目の前に、サイバー・エンド・ドラゴンが立ちはだかる!
「これは…迷う所だな。」
銀髪の青年、才獏 良は思わず口を開く。
「いや、ここは攻撃だろう。」
角刈りの青年、才川 雄介はそう告げる。
「…そのまま攻撃です!行きなさい、サイバー・エンド・ドラゴン!」
「迎え撃ちなさい、サイバー・エンド・ドラゴン!!」
またしても相打ちになる、サイバー・エンド・ドラゴン。
「カードを1枚伏せて、ターンエンド!」
才災 ライフ4000
手0 フィールド
魔法・罠
才津 ライフ4000
手0 フィールド
魔法・罠 伏せ1
「私のターン、ドロー!魔法カード、強欲な壺を発動!デッキからカードを2枚ドロー!ライフを半分払い、速攻魔法、サイバネッティック・フュージョン・サポートを発動!このターン、私が機械族の融合モンスターを融合召喚する場合に1度だけ、その融合モンスターカードによって決められた融合素材モンスターを私の手札・フィールド上・墓地から選んでゲームから除外することで、融合素材にできます!」ライフ4000から2000
「という事は…。」
「パワー・ボンドを発動!墓地のサイバー・ドラゴン3体を除外!現れろ、サイバー・エンド・ドラゴン!」
攻撃力8000になったサイバー・エンド・ドラゴンが才災の場に現れる!
「バトル!サイバー・エンド・ドラゴンでダイレクトアタック!」
「り、リバースカードオープン!リビングデッドの呼び声!墓地からサイバー・エンド・ドラゴンを特殊召喚…!」
負けは確定だが、それでも才津は抗う。
「バトル続行!サイバー・エンド・ドラゴンで、サイバー・エンド・ドラゴンを攻撃!」
「うわあああああああ!」ライフ0
勝ったのは才災だった。
「す、す、す、凄すぎるッス~!!」
「素晴らしいデュエルです!」
丸藤兄弟が賞賛の声を上げる。
二人だけではない。
「すっげぇえええええ!」
「素晴らしいばい!!」
「これだ、これこそがリスペクト精神に則った最高のデュエル!」
周りの門下生は才災を口々に褒めたたえる。
負けた才津にも、声援が飛ぶ。
歓声を浴びながら、才災は周りを見渡す。
自分が望んだ、理想の世界が広がっている。
だが、才災は見つけてしまった。冷たい眼をした門下生の少女を。
彼女の名前を、才災は知っている。
才波 光里。
どうやらサイバー流の中にいる異分子もこの機会に『排除』しなければならないようだ。
才災は行動方針を決めた。