猫シンクロ使いが行く遊戯王GX!   作:交響魔人

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今回は才災師範の考え方の原点に触れます。何故自分が使わないカードを、相手は当たり前のように使うんだ?と悩んだ結果、自分の考えを押し付ける方向に向かってしまいました。

ここで『人には人の考えがあるのだから自分の考えを押し付けるのではなく、自分の考えを貫いた姿を見せ続けなさい』と諭す人が居れば違う道があったのかもしれません。


第6話!『龍牙実習生、君のイカサマはリスペクトに反しています』

 俺がカウンター罠以外のデッキを組んだというと、デュエルが組まれた。

 相手は教育実習生だった。

 

「君が噂のS召喚というのを使う生徒だね?」

「はい。」

「実は私はカードコレクターでね、私にもSモンスターを分けて欲しい。」

「ペガサス会長と海馬社長に頼んでください。」

「…生意気な」

 

 

 本性漏れているぞ。漫画版だと、アカデミアの教育者になり教え子に影響力を及ぼしてカードゲーム界を操ろう的な事を考えていたが、一方で教え子からレアカードをカツアゲするという恨みを買うような真似もしていた。影響力を及ぼしたいなら、教え子は大切にしないといけないだろうに…。

 

 

「「デュエルッ!!」」

 

猫崎 ライフ4000

手5 場 

龍牙 ライフ4000

手5 場 

 

 

「私の先攻!ドロー!私は手札から俊足のギラザウルスを特殊召喚!そして魔法カード、大進化薬を発動!俊足のギラザウルスをリリース。これで3ターン、私は恐竜族を召喚するときにリリースは不要となる。現れろ、究極恐獣!」

 

 龍牙が呼び出したのは、攻撃力3000の大型恐竜族。

 

「カードを一枚伏せ、ターンエンド。」

 

 

猫崎 ライフ4000

手5 場 

龍牙 ライフ4000

手2 場 究極恐獣 大進化薬(3) 伏せ1

 

 

「俺のターン、ドロー!フィールド魔法、天空の聖域を発動。モンスターをセット、カードを一枚伏せ、永続魔法天空の泉を発動。ターンエンド。」

 

猫崎 ライフ4000

手2 場 セットモンスター 天空の聖域 天空の泉 伏せ1

龍牙 ライフ4000

手2 場 究極恐獣 大進化薬(3) 伏せ1

 

 

「私のターン、ドロー!現れろ、暗黒ドリケラトプス!バトルだ!天空の聖域と言う事でセットモンスターはどうせ天使族だろうが、この攻撃力なら敵ではない!」

 

 襲い掛かる究極恐獣。だが

 

「コーリングノヴァの効果でコーリングノヴァを特殊召喚。天空の泉で戦闘破壊されたコーリングノヴァを除外し、ライフを1400回復。」ライフ4000から5400

「小癪な!叩き潰せ!」

 

 次々と破壊されるコーリングノヴァ。

 しかし、俺のライフは5400から6800、6800から8200と回復する。

 

「シャインエンジェルを特殊召喚。」

「そんなリクルーターを呼び出して何になる!」

 

 シャインエンジェルもまた破壊される。

 8200から9600、9600から11000、11000から12400。

 ここまで予定通りだと笑いがこみあげてくる。

 

「シャインエンジェルの効果で、デッキから力の代行者マーズを特殊召喚。このカードはライフが相手を上回る数値だけ攻撃力がアップする。」

「攻撃力8400だと!ああっ!ダメだ!」

「究極恐獣は、相手の場のモンスターに攻撃しなければならない。攻撃してもらうぞ。」

「うわぁああああああっ!」ライフ0

 

 

 ライフが尽き、茫然とする龍牙。

 ホーリージャベリンを使う必要は無かったな。ドレインシールドの下位互換とされている罠だが、このデッキなら疑似的なオネストとして使える。

 どんなカードにも、存在する以上必要とされる力がある。

 

 だが、龍牙は立ち直り俺を睨みつける。

 

 

「そのデッキ、S召喚をするデッキでは無いな!」

「才災校長の指示で、S召喚をしないデッキを用意せよとの事でしたので。」

「なら…才災校長!S召喚デッキとデュエルさせてください!」

 

 そんな龍牙を、才災校長は見つめる。

 

「別に構わないが、勝てるかね?」

「勝てます!というのも…」

 

 何やら耳打ちする。

 

「なるほど。猫崎君、S召喚出来るデッキを用意しなさい。」

 

 一度寮まで取りに戻る羽目になった。

 戻ってきたら…。

 

「そのデッキを使いなさい。ただしS召喚を行ってはいけません。」

 

 と才災校長に言われた。

 なるほど、エクストラから出てくるSモンスターが強いのであってメインデッキのモンスターだけなら勝てると思ったか。

 まぁ、否定はしない。真帝王の領域を張られたら機能停止するデッキをそれなりに見てきた。

 

 

 

 

「「デュエルッ!!」」

 

猫崎 ライフ4000

手5 場 

龍牙 ライフ4000

手5 場 

 

 

「俺の先攻、ドロー!手加減無しだ!俺はベビケラサウルスを召喚!カードを一枚伏せてターンエンド!」

 

 

猫崎 ライフ4000

手5 場 

龍牙 ライフ4000

手4 場 ベビケラサウルス 伏せ1

 

 

「俺のターン、ドロー!逆切れパンダを召喚!」

「罠発動!激流葬!場のモンスターを全て破壊する!」

「ベビケラサウルスを巻き込んだ…!」

 

 ベビケラサウルスには厄介な効果がある。それは…。

 

「破壊されたベビケラサウルスの効果発動!デッキからハイパーハンマーヘッドを特殊召喚!」

「…カードを一枚伏せ、光の護封剣を発動してターンエンド!」

 

 

 

 

猫崎 ライフ4000

手4 場 光の護封剣(3) 伏せ1

龍牙 ライフ4000

手4 場 ハイパーハンマーヘッド 

 

 

「私のターン、ドロー!手札のキラーザウルスを捨てて、デッキからジュラシックワールドを手札に加え、発動!」

「恐竜族の攻守が300アップする…フィールド魔法か。」

 

 アニメだとほかにも色々効果があったが…。これ以外に効果は無さそうでほっとする。

 

「私はハイドロゲドンを召喚!バトルだ、ハイパーハンマーヘッドとハイドロゲドンでダイレクトアタック!」

「?!」ライフ4000から2200、2200から300

 

 光の護封剣をすり抜けて、襲い掛かる恐竜軍団。

 俺のライフが削られるが、周囲もその様子に反応する。

 

「な、何故光の護封剣があるのに攻撃できるの!」

「おい、一体どうなっているんだ?流石におかしくないか?」

 

 寒川さんと門士郎が、騒ぎ出す。

 

「フン、卑怯者だからこんな目に合うのよ!」

「いやいや、これはおかしすぎる。」

 

 一方でサイバー流の門下生だが…こちらは意見が割れている。

 

 

「どうやらデュエルディスクの故障のようですね。まさか攻撃が通ってしまうとは。カードを1枚伏せてターンエンド」

 

 分厚い面の皮だな。

 

 

猫崎 ライフ300

手4 場 光の護封剣(3) 伏せ1

龍牙 ライフ4000

手4 場 ハイパーハンマーヘッド ハイドロゲドン ジュラシックワールド 伏せ1 

 

 

「…俺のターン、ドロー!召喚僧サモンプリーストを召喚!手札の精神操作を捨てて、デッキからレスキューキャットを特殊召喚!このカードを墓地に送り、デッキからコアラッコとX-セイバーエアベルンを特殊召喚!コアラッコの効果発動!俺の場に他に獣族が居れば相手モンスターの攻撃力を0に出来る!俺はハイパーハンマーヘッドの攻撃力を0にする!」

「ちっ」

「バトル!エアベルンでハイパーハンマーヘッドを攻撃!」

「がああああっ!」ライフ4000から2400

「ハイパーハンマーヘッドの効果でエアベルンは手札に戻る。カードを1枚伏せてターンエンド。エンドフェイズにレスキューキャットで特殊召喚したコアラッコは破壊される。」

 

 

 

猫崎 ライフ300

手3 場 召喚僧サモンプリースト 光の護封剣(3) 伏せ2

龍牙 ライフ2400

手4 場 ハイドロゲドン ジュラシックワールド 伏せ1 

 

 

 

「私のターン、ドロー!バトル!ハイドロゲドンでサモンプリーストを攻撃!」

「罠発動!聖なるバリア-ミラーフォースー!」

「ちっ、なら永続罠発動!化石発掘!手札の超電導恐獣を捨てて、今捨てた超電導恐獣を特殊召喚!」

「罠発動!奈落の落とし穴!超電導恐獣を除外!」

「なんだとぉ!ぐっ、カードを一枚伏せてターン、エンド。」

 

 …光の護封剣のターンカウントが進まない。これ、ずっと意味のないカードとして場に残るのか?

 

 

猫崎 ライフ300

手3 場 召喚僧サモンプリースト 光の護封剣(3) 

龍牙 ライフ2400

手3 場 ジュラシックワールド 伏せ1

 

 

「俺のターン、ドロー!サモンプリーストの効果発動、手札の大寒波を捨てて、デッキから二体目のレスキューキャットを特殊召喚。このカードを墓地に送り、デッキからエアベルンを二体特殊召喚!」

「ば、馬鹿な!」

「エアベルンを通常召喚!バトル!エアベルンでダイレクトアタック!」

「罠発動!生存本能!墓地のベビケラサウルス、キラーザウルス、ハイパーハンマーヘッド、ハイドロゲドン、超電導恐獣を除外して2000ポイントライフを回復!」ライフ2400から4400

「それでも、エアベルン三体の攻撃はしのぎ切れない!」

「うわああああああっ!」ライフ0

 

 

 

 

 やり辛いにも程があったが、何とか勝てた。

 さて、これで文句は無いはずだが、ここからどういちゃもんをつけてくる?

 俺は才災校長に目を向けると。

 

 何故か、龍牙を睨んでいる。どういう風の吹き回しだ?

 

 

「龍牙君。今のデュエルで猫崎の光の護封剣の処理が不明瞭でした。」

「それは、彼がメンテナンスを怠っていたからでしょう?」

「いいえ。あれは電磁波を受けた時に表示される現象です。光の護封剣や悪夢の鉄檻など、場にとどまる通常魔法は電磁波を受けるとターンカウントが行われません。」

「な、なんだと!」

「つまり、今の電磁波の出所を調べれば…。さて、龍牙君。君を調べさせて貰いますよ。ああ、猫崎君はもう寮へ戻りなさい。」

 

 なるほど。どうやら今回才災校長は俺を倒せればそれでよし、失敗したら龍牙を処罰するつもりだったわけか。

 しかし、デュエルディスクの不具合について詳しいとは…。

 鮫島校長を追い落としてサイバー流師範に上っていたが、少なくとも単なる無能な老害という訳では無さそうだ。

 

 才災校長を見ていると、電話が鳴ったようで通話を始める。

 

「もしもし…か、海馬オーナー…。はっ、いえそのようなつもりは…はい、はい…。かしこまりました。」

 

 電話を切った後、親の仇のような目を携帯電話に向ける才災校長。

 

「猫崎君…。君のS召喚ですが…今後は許可します。」

「わかりました。」

 

 

 海馬オーナーが動いたか。猫崎は久々にS召喚が出来ると考える。一方で連行されていく龍牙を見ながら、才災は昔を思い出す。

 

 プロデュエリスト昇格試験の際に行われた不正。

 電磁波により自分の魔法カードを発動させず、人造人間サイコ・ショッカーで罠を封じられて一方的に負けた。その為にプロデュエリストになるのが一年遅れた。

 

 その後不正を暴き、憎い相手のデッキを没収。公式大会から永久追放処分を下した時は本当に快感だった。

 私は正しい。あいつは対戦相手の魔法と罠を封じて圧倒するなんて卑怯なことをしたから、罰が当たった。

 

 

 …ああ、プロデュエリストになったものの、結果を出せずにスポンサーとの契約が打ち切られそうになった時は焦った。

 今まで練り上げた、真紅眼の黒竜やメテオ・ドラゴン等のドラゴン族の通常モンスターを凡骨の意地で大量に補充し、フュージョン・ゲートでF・G・Dやメテオ・ブラック・ドラゴン、カイザー・ドラゴンを呼び出すという戦略は通じなかったからだ。だから、サイバー流に入った。

 

 サイコ流との対立が深まり、ランクが低くてもプロデュエリストである私をサイバー流は即戦力として欲しかったようだった。

 初めてサイバー流を公式戦で使ってサイコ流継承者の弟である、サイコ流の伝承者に勝利。あの時は輝いていた…が。

 

 

 その後の公式戦で、融合召喚したサイバー・ツイン・ドラゴンを強奪で奪われて負けた。

 サイバー・バリア・ドラゴンを強制脱出装置でバウンスされ、サイバー・レーザー・ドラゴンを地砕きで破壊され、グリーン・ガジェットやレッド・ガジェットという下級モンスターによって敗北した。

 リミッター解除で強化したサイバー・ドラゴンの攻撃を、魔法の筒で跳ね返された。

 卑怯なカウンター罠に追い詰められ、これで逆転出来る!と思って発動したパワー・ボンドすら神の宣告で妨害された時は、意識が一瞬飛んだ。

 強引な番兵、押収、いたずら好きな双子悪魔という魔法カードを先攻1ターン目から連打され、手札を破壊されそのまま負けた…。

 終焉の王デミスとデビルドーザーで場を一掃され、ワンターンキルで負けた…。

 

 レベル制限B地区やグラヴィティ・バインド-超重力の網-で攻撃を妨害され、ダイレクトアタックが出来る逆巻く炎の精霊に一方的に負けたこともあった。

 …おジャマトリオと群雄割拠でモンスターの展開を妨害され、マジック・キャンセラーで強化されたロックはどうやっても崩せず…ボーガニアンによって成すすべなく負けた。

 

 

 思うようには、勝てなかった。やっとの思いでプロになったのに、プロの資格をいつ失うのかとビクビク怯えて眠れなかった日々。

 その時、気付いた。私は卑怯なコントロール奪取を、除去カードを、バーンカードを、カウンター罠を、ハンデスカードを、全体除去からのワンキルを、ロックカードを使わないのに、何故相手は当たり前のように使う?

 

 ああ、そうか。そういうカードを使う奴は、リスペクト精神が無いからだ。だったら…。

 リスペクト精神を、『正しいデュエル』を世界に広めなければならない。それが、私の使命だ。

 

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