そのキャラクターの言動から「もしかしたらこのキャラにはこういう過去があったのでは?」と考える事があります。
今回は、思いついたので拙作にて儀式召喚を侮辱した才金さんの過去話を送ります。
「ちょっと、一体どうしたの?!」
サイバー流に所属した才金は、友人が泣いていた為話しかける。
「実は…。獅子谷(ししたに)が…。」
「変なことをされたの?」
「違う、の。ずっと聞きたくない話ばかりされて…。」
直接的にセクハラをされたわけでは無いようだが…友人を泣かせたのは許せない。
才金は話を付ける事にした。
「それで。僕になんの用かな?」
「上舞(かみまい)ともう関わらないで。」
「どうしてそれを君に言われないといけないんだ?これは僕と上舞さんの」
「頼まれたのよ。あんたがやった事はもう看過出来ない!」
「だったら、デュエルだ!僕が勝ったらこの話に口をはさ…いや。」
気色悪い笑みを浮かべ、獅子谷は才金を見る。
「僕と上舞が交際できるように、サポートしろ!」
「…女の子を泣くまで追い込んだくせに交際出来ると思っているの?信じられない。」
嫌悪感をむき出しにしながら、才金はデュエルディスクを構える。
『おっ、デュエルか!相手は誰と誰だ?』
『才金さんと…あいつか。あいつとデュエルしてもつまらないんだよな~。』
「「デュエルッ!!」」
才金 ライフ4000
手5 フィールド
魔法・罠
獅子谷 ライフ4000
手5 フィールド
魔法・罠
「先攻は譲ってあげるわ。」
「なら僕の先攻、ドロー!手札から儀式魔法、悪魔鏡の儀式!」
獅子谷の場に、おどろおどろしい魔法陣が出現する!
観戦していたクラスメイトの一人が首をかしげる。
『ん?おい、なんだその魔法カードは?』
「知らないのか。これは儀式魔法だ!」
『儀式…魔法?』
「見ていろよ!フィールドか手札から、儀式モンスターのレベルと同じか、それ以上のモンスターを生贄に捧げることで、手札から儀式モンスターを特殊召喚出来るのだ!」
得意げに言う獅子谷。
「僕は手札からレベル6の絶対防御将軍を生贄に捧げ、デビルズ・ミラーを儀式召喚する!」
絶対防御将軍が魔法陣に吸い込まれて消滅。
直後、邪悪な鏡が出現し、才金の前に立ちはだかる!
『こ、攻撃力2100?!おいおい、俺のフレイム・キラー(星5/炎属性/炎族/攻1900/守1300)より強いじゃないか!』
『先攻1ターン目で、いきなり攻撃力2000以上のモンスターを出せるの?!』
「そう!儀式召喚というのは難易度が高く、誰もが使えるわけでは無い!!だが、儀式モンスターは攻撃力・守備力が高い!そんな儀式召喚を使いこなせる僕は、優れたデュエリストというわけだ!ターンエンド!」
才金 ライフ4000
手5 フィールド
魔法・罠
獅子谷 ライフ4000
手3 フィールド デビルズ・ミラー
魔法・罠
「わたくしのターン、ドロー!相手の場にのみモンスターが存在することで、サイバー・ドラゴンを手札から特殊召喚!」
才金の場に、金色に輝くサイバー・ドラゴンが現れる!
『えええええ?!』
『まぶしッ!』
「な、なんだ?!こ、攻撃力2100がいきなり…。」
「これこそサイバー流の主力モンスター、サイバー・ドラゴン!しかもわたくしが使っているのは、ゴールドレア仕様よ!」
「だ、だが、攻撃力はこちらも同じ2100だ。まだ勝負は…。」
「わたくしは、電池メン-単二型を召喚!効果発動、わたくしの場の機械族モンスターの攻撃力は500ポイントアップ!」
「攻撃力2600?!」
電池メンが電流を流すと、サイバー・ドラゴンはエネルギーを得て大きく咆哮を上げる!
「バトル!サイバー・ドラゴンで、デビルズ・ミラーを攻撃!エヴォリューション・バーストッ!」
「うわあああああああ!ぼ、僕のデビルズ・ミラーがぁあああああ?!」ライフ4000から3500
獅子谷のデビルズ・ミラーは一瞬で打ち砕かれて消滅する!
「メインフェイズ2、カードを1枚伏せてターンエンド!」
才金 ライフ4000
手3 フィールド 電池メン-単二型 サイバー・ドラゴン
魔法・罠 伏せ1
獅子谷 ライフ3500
手3 フィールド
魔法・罠
「ぼ、僕のターンだ、ドロー…。」
意気消沈しながらも、獅子谷はカードを引く。引いたカードを見た獅子谷はにやりと笑う。
「よしっ!儀式魔法、ライオンの儀式を発動!手札のメタル化寄生生物-ルナタイトを生贄に捧げ、スーパー・ウォー・ライオンを儀式召喚する!」
獅子谷の場に大柄な獅子が現れ、勇ましく吠える!
『い、いきなり攻撃力2300?!』
『だ、だけど才金さんのサイバー・ドラゴンの方が攻撃力は上よ。』
『まずいな。獅子谷のヤツ、サイバー・ドラゴンの攻撃力を底上げしている電池メン-単二型を攻撃するつもりだぜ。あいつは弱っている相手に付けこむからな。』
『そういうプレイング自体は間違っていないんだが…。あいつは体育の授業で、体調が悪い奴に勝負を仕掛けるからなぁ。』
「バトルだ!いけ、スーパー・ウォー・ライオン!電池メン-単二型を攻撃だぁ!」
「罠発動!援護射撃!」
「え、援護射撃?」
「電池メン-単二型の攻撃力は、サイバー・ドラゴンの攻撃力分アップする!」
電池メンに襲いかかるスーパー・ウォー・ライオンに対し、サイバー・ドラゴンが援護射撃を行う!
「う、うわあああああああああ!ぼ、僕のデッキ最強のスーパー・ウォー・ライオンがぁああああああ?!」ライフ3500から3200
デビルズ・ミラーに続き、エースモンスターを撃破された獅子谷は焦る。
「め、メインフェイズ2だ!僕は装備魔法を発動する!」
「あんたの場にモンスターなんていないわ。一体どのモンスターに…。」
「装備するのは…お前のモンスターだ!装備魔法、呪魂の仮面!これでサイバー・ドラゴンは攻撃できない!」
呪われた仮面を装備されたサイバー・ドラゴンは首を振って外そうとするが、呪魂の仮面は外れない。
『ちっ!あれはあいつのスタンバイフェイズ事に、相手に500ポイントのダメージを与える厄介な効果がある。』
『これでは、才金は攻撃すら出来ん…。」
「思い知ったか、ターンエンドだ!」
才金 ライフ4000
手3 フィールド 電池メン-単二型 サイバー・ドラゴン
魔法・罠
獅子谷 ライフ3200
手0 フィールド
魔法・罠 呪魂の仮面
「攻撃を封じる上に、バーン効果?アンタ、相手に対するリスペクト精神はないの!」
「はぁ?何で相手を尊敬しないといけないんだ?相手が僕を尊敬するならともかく。」
「妨害札なんて使わず、正々堂々とモンスター同士で戦いなさいよ!」
『…どう思う?』
『って言われてもなぁ。大会の主催者とかならともかく、選手が言うのは変だろ?というより』
『なんだ?』
『あの獅子谷に誰かを尊敬するなんて無理だろ?』
『そりゃそうだ。この前も教育実習生の物理の授業中に『アンタから学ぶことはもう何も無い』とか言って出て行ったからな。』
「わたくしのターン、ドロー!魔法カード、パワー・ボンドを発動!」
「ぱ、パワー・ボンド?」
融合の渦が才金の目の前に現れる!
『あれって、融合召喚の時に出てくる渦?』
『そうみたいだな。という事は才金がこれからするのは、融合召喚ってわけか』
『え?ちょっと待って。融合召喚って魔法カード、融合が必要でしょう?』
『いや、融合には融合以外にも融合召喚を行える魔法カードが存在する。フュージョン・ゲートや平行世界融合とかな。』
「これは、機械族専用の融合魔法…。決められたモンスターを墓地に送り、融合デッキから機械族の融合モンスターを特殊召喚するわ!わたくしは場のサイバー・ドラゴンと手札のサイバー・ドラゴンを融合!融合召喚!サイバー・ツイン・ドラゴンッ!」
二つの首を持つ機光竜が咆哮を上げる!
「こ、攻撃力2800?!」
「パワー・ボンドにより、特殊召喚された機械族モンスターの攻撃力は元々の攻撃力分アップする。よって攻撃力は5600!さらに、電池メン-単二型の効果で攻撃力が500ポイントアップし、攻撃力は…」
「攻撃力6100ゥ?!」
「この一撃で終わりよ!サイバー・ツイン・ドラゴンで、ダイレクトアタック!」
「うぎゃあああああああああああああああああああ!」ライフ0
ライフが尽きた獅子谷は項垂れる。
「わたくしの勝ちね。これに懲りたら、もう上舞に関わらないで!」
「いや、まだだ。まだ僕は負けていない…。」
「はぁ?!」
「お前、僕に先攻を譲ったが…後攻を取る事でサイバー・ドラゴンの特殊召喚をする事が狙いだったんだろ!」
「いいわ。なら今度はわたくしが先攻で始める。」
「「デュエルッ!!」」
才金 ライフ4000
手5 フィールド
魔法・罠
獅子谷 ライフ4000
手5 フィールド
魔法・罠
「わたくしの先攻、ドロー!私はモンスターをセット、カードを1枚伏せてターンエンド!」
才金 ライフ4000
手4 フィールド セットモンスター
魔法・罠 伏せ1
獅子谷 ライフ4000
手5 フィールド
魔法・罠
「僕のターン、ドロー!儀式魔法、ライオンの儀式を発動だ!手札のレベル3、プリズマンとレベル4のワイバーンを生贄に捧げ…スーパー・ウォー・ライオンを儀式召喚する!」
獅子谷の場に、エースモンスターであるスーパー・ウォー・ライオンが出現する!
「バトルだ、行け、スーパー・ウォー・ライオン!セットモンスターを撃破しろ!」
「プロト・サイバー・ドラゴンが破壊されるわ…。」
「プロト?英語だと失敗作という意味だったな。なるほど、ステータスもレベルも低い、失敗作だな!僕はカードを2枚伏せてターンエンド!」
才金 ライフ4000
手4 フィールド
魔法・罠 伏せ1
獅子谷 ライフ4000
手0 フィールド スーパー・ウォー・ライオン
魔法・罠 伏せ2
英語の無知をさらけ出す獅子谷を睨みながら、才金はデュエルを進める。
「わたくしのターン、ドロー!リバースカードオープン!リビングデッドの呼び声!墓地からプロト・サイバー・ドラゴンを特殊召喚!」
「フン、そんな雑魚を呼び出したところで、スーパー・ウォー・ライオンの敵ではない!」
「速攻魔法、地獄の暴走召喚を発動!相手フィールドに表側表示でモンスターが存在していて、わたくしの場に攻撃力1500以下のモンスター1体のみが特殊召喚された時に発動!
その特殊召喚したモンスターの同名モンスターをわたくしの手札・デッキ・墓地から可能な限り攻撃表示で特殊召喚し、相手は自身のフィールドの表側表示モンスター1体を選んで、同名モンスターを手札・デッキ・墓地から可能な限り特殊召喚する!」
『そんな!それじゃあ!』
『才金さんの場にモンスターが並んでも、獅子谷の場には強力なモンスターが並んでしまう…!』
「フン、そんな戦況が不利にしかならないカードをデッキに入れているのか。」
「プロト・サイバー・ドラゴンは場に存在する限り、カード名をサイバー・ドラゴンとして扱う。よってわたくしはデッキからサイバー・ドラゴンを3体特殊召喚!」
「何ぃ?!」
現れた3体のサイバー・ドラゴンを見て、獅子谷は一瞬だけ焦るが、直後にニヤリと笑う。
「だが、こっちもスーパー・ウォー・ライオンを…あ、あれ?」
『どうしたのかしら?』
『デュエルディスクの故障か何かだろ。』
「くそっ。」
デッキから取り出した2枚のスーパー・ウォー・ライオンがデュエルディスクに反応しないため、獅子谷はあきらめてスーパー・ウォー・ライオンをデッキに戻し、シャッフルする。
だが、獅子谷の余裕は消えない。伏せカードに目を向け、ニヤニヤとほくそ笑む。
「ここで魔法カード、大嵐を発動!」
「何?!く、くそっ!串刺しの落とし穴と攻撃誘導アーマーが!」
除去罠が二枚とも破壊され、獅子谷は焦る。
「だ、だが…。まだスーパー・ウォー・ライオンの方が攻撃力は上!次のターンから一体ずつ破壊してやる!」
「フィールド魔法、シャインスパークを発動。場の光属性モンスターの攻撃力は500ポイントアップして、守備力は400ポイントダウンする。」
「という事は、サイバー・ドラゴンの攻撃力は…2600?!」
光の波動を受け、サイバー・ドラゴンが咆哮を上げる!
「バトル、サイバー・ドラゴンで、スーパー・ウォー・ライオンを攻撃!エヴォリューション・バーストッ!」
「うわあああああああああ?!す、スーパー・ウォー・ライオンがああああああ!」ライフ4000から3700
「サイバー・ドラゴン二体でダイレクトアタック!」
「うぎゃあああああああああああ?!」ライフ3700から1100、1100から0
またしてもライフが尽き、獅子谷は倒れる。
「どう!わたくしの勝ちよ!」
「で、デュエルディスクが故障して、スーパー・ウォー・ライオンを特殊召喚出来なかったからだ!僕はまだ負けていない、負けていないんだぁ…。」
諦めが悪い獅子谷に、才金はため息をつく。
「もしも、スーパー・ウォー・ライオンが出ていてもわたくしの勝ちよ。」
「そんな、そんなはずはない!」
「わたくしの手札には速攻魔法、リミッター解除がある。これは機械族モンスターの攻撃力を2倍にする。これを使えば、サイバー・ドラゴンの攻撃力は5200になるわ。」
「う、ううう…。」
ようやく黙り込んだことで、才金は天井を仰ぐ。
なぜか、どっと疲れた。
『ねぇ…思ったんだけど。儀式召喚って大したことなくない?多少、ステータスは高めでも超えられない数字ではないわ。』
『まぁ、専用の儀式魔法と儀式モンスターと生贄用のモンスターが必要だからな。手間がかかる。俺だってイリュージョンの儀式は持っているけど、サクリファイスを持っていない。』
『俺はライカン・スロープを持っているぜ!合成魔術が無いから意味無いが。』
周りのクラスメイト達の発言を聞き、才金の中で儀式召喚に対する評価が低下していく。
もしも、彼女と初めてデュエルをした儀式使いが真っ当なデュエリストであれば、ここまで悪い印象を持つことは無かっただろう。
だが、最初に出会ったのが頭も性格も悪い獅子谷だったことで、彼女の中で儀式召喚を使うデュエリストを軽んじる人格が形成されてしまった…。
というわけで、才金さんの過去でした。スーパー・ウォー・ライオンのファンの方、申しわけございません。
才金さんはサイバー流に入っていますが、日が浅いので、色々と試行錯誤している段階だったりします。
ストラクチャーデッキを買って、色々試しているときって楽しいですよね?
特定の召喚法を侮辱するキャラクターには、その召喚法を実際に使ったとか、使い手とデュエルした、あるいはデュエルしている所を見て分析した、といった過去があると思います。
獅子谷のデッキにはセンジュ・ゴッドやソニックバードといった儀式サポートモンスターすら入っていません。ただ、儀式魔法と儀式モンスターが運よく揃ったら儀式召喚する程度です。
拙作のサイバー流門下生全員の過去話をするつもりはありません。敵キャラにこういう描写を挟むと話のテンポも悪くなってしまいます。