猫シンクロ使いが行く遊戯王GX!   作:交響魔人

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拙作ですが、実はガトリング・オーガによるワンキルを入学試験で行い、それを鮫島校長が批判する…という構想もありました。
没にしたのは、そんなことをやらかした生徒はどう考えてもノース校に飛ばされるからです。江戸川さんはどうでもいいですが、橘一角というファンデッキの鏡を先攻ワンキルするのは心が痛みます。


第9話!『ガトリング・オーガはリスペクトに反しています。今すぐあのカードを禁止』

「…無い。」

 

 猫崎は茫然とする。部屋が荒らされており、デッキが盗まれていた。

 余ったカードで即席デッキを組む。

 

「奪ったデッキで仕掛けてくるだろうな。だとしても…。」

 

 このデッキならば問題なく勝てる。一応校長には報告しておくか。

 そう思って報告する猫崎だったが…。

 

 

「怠慢ですね。君の自己管理が出来ていないからこうなるんです。」

 

 こいつは教師の資格は持っていても、資質は無いな。

 

「では、奪われた物は自分で取り返します。他人のデッキを奪う行為は『リスペクトに反して』いますよね?」

「…ええ、リスペクトに反した行為ですね。」

「それが聞けて良かったです。失礼します。」

 

 

 さて。来るなら来い。

 

 

 なるべく一人になるように…一人になりやすいがそれでもあえて仕掛けやすいように行動する。

 すると。

 

 

 

「おい、そこのオシリスレッド!俺とデュエルだ!」

「…来たか。」

 

 天然パーマのラーイエロー生はニヤニヤ笑っている。

 彼の事を猫崎は知っている。塗須戸(ぬすと)というラーイエローの生徒で、サイバー流の似非ペクトとは対立している。

 DNA改造手術で機械族を宣言し、エレクトリック・ワームでコントロールを奪い、システム・ダウンで除外する【雷族】使い。

 手を組めないかと思ったが、オシリスレッド寮生というだけで相手を見下すため、これまで交流は無かった。

 

 

 

「「デュエルッ!!」」

 

猫崎 ライフ4000

手5 場 

塗須戸 ライフ4000

手5 場 

 

 

「俺の先攻、ドロー!レスキューキャットを召喚!墓地に送ってモンスター効果発動!デッキからチューナーモンスター、X-セイバー エアベルンとコアラッコを特殊召喚!レベル2の地属性、コアラッコにレベル3のエアベルンをチューニング!S召喚!Lv5、ナチュル・ビースト!」

 

 魔法を封じるシンクロモンスターが現れる。

 ナチュル・ビーストは相手が猫崎であることに気付くと、振り返る。知らないデュエリストが持っている事から、大体事情を察すると、気乗りしない態度を露わにする。

 

 

 

「さらに魔法カード、死者蘇生!蘇れ、レスキューキャット!墓地に送り効果発動!X-セイバー エアベルンと逆ギレパンダを特殊召喚!レベル3の地属性、逆ギレパンダにレベル3のエアベルンをチューニング!S召喚!Lv6、ナチュル・パルキオン!」

 

 今度は罠を封じるシンクロモンスターを出してくる。

 ナチュル・パルキオンは隣を見、対戦相手を見て、後ろに視線を向け、全ての事情を察するとため息をついて気だるげに座り込む。

 

 その有様に、塗須戸は一切気づかず、気にも留めない。

 

 

「魔法カード、光の護封剣を発動!これでお前は攻撃出来ず、魔法カードも罠カードも使えない!ククク、俺の見立て通り、このデッキなら三沢や神楽坂に勝てる!カードを3枚伏せてターンエンドだ!」

 

 

猫崎 ライフ4000

手5 場 

塗須戸 ライフ4000

手0 場 ナチュル・ビースト ナチュル・パルキオン 光の護封剣(3) 伏せ3

 

 

「お前、俺のデッキを盗んだな?」

「おいおい、言いがかりはよせよ。証拠はあるのか証拠はぁ?」

「ペガサス会長と海馬瀬人が作ったカードだから、出所を探せば即座にばれる…今から俺が使うデッキを批判する資格は無いぞ。」

「はっ!それがどうした。このデッキなら、その二人と戦っても勝てる!」

 

 

 まぁ、魔法カードが多めのペガサス会長ならナチュル・ビーストの効果は刺さるだろうし、罠カードさえ封じてしまえば青眼の白龍によるごり押ししか無い海馬瀬人相手に善戦出来るだろう。

 勝てるかどうかは置いといて。

 

 

「俺はガトリング・オーガを召喚!」

「何だ?攻撃力800か。そんな雑魚は守備表示で出すんだな!」

「カードを4枚伏せ、ガトリング・オーガの効果発動!この効果は、1ターンに3度まで使用できる!俺の魔法・罠ゾーンの裏側表示カードを任意の枚数墓地へ送る事で、送った枚数×800ポイントのダメージを与える!4枚墓地に送って、3200ポイントのダメージだ!」

 

 

 猫崎は、強欲な壺、昼夜の大火事、自業自得、拷問車輪を墓地に送る。

 ガトリング・オーガが銃撃を浴びせる!

 

 

「うぎゃああああああ!」ライフ4000から800

 

「ただし、発動したターン、悪魔族以外のモンスター効果でお前が受ける全ての効果ダメージは0になる。」

「くそ、ここまでライフを削られるとは…。だが、最後の手札、それは魔法・罠カードではないようだな?さしずめ、二枚目のガトリング・オーガといったところか?」

「だとしたら?次のターンで魔法・罠カードを引いた瞬間、俺の勝ちだ。ターンエンド。」

 

 

猫崎 ライフ4000

手1 場 ガトリング・オーガ

塗須戸 ライフ800

手0 場 ナチュル・ビースト ナチュル・パルキオン 光の護封剣(2) 伏せ3

 

 

「俺のターン、ドロー!なるほど、お前は俺のシンクロ・モンスターで攻撃されてもまだライフが100残ると思っているんだな?」

「違う。」

「何ぃ?」

「それはお前のシンクロモンスターでは無い。俺のシンクロモンスターだ。」

「黙れ!すぐに思い知らせてやる!この俺の実力を!俺のターン、ドロー!」

 

 塗須戸のドローカードに猫崎は集中する。

 あのデッキで引かれた瞬間、負けが確定するカードは二枚。精神操作と洗脳-ブレインコントロール。ライトニング・ボルテックスも入っているが、手札コストが無いから発動出来ない。

 相手の予想通り、手札は二枚目のガトリング・オーガだ。

 

 

「よし、これで俺の勝ちだ!ライトロードハンターライコウを召喚!」

 

 リバース効果モンスターを攻撃表示で出され、猫崎は一瞬驚く。

 場に出たライトロードハンター ライコウもまた、周りを見渡し困惑する。

 

 

「バトルだ!ナチュル・パルキオンでガトリング・オーガを攻撃!」

「ガトリング・オーガの効果発動!1ターンに1度、攻撃対象に選択された時、相手の場の攻撃表示モンスターの数×500ポイントのダメージを与え、バトルフェイズを終了する!」

「何だとぉ!うわああああああっ!」ライフ0

 

 

 

 フルバーンデッキで猫崎はラーイエロー寮生を倒す。こんなのデュエルじゃあない?そもそも猫崎はデッキを盗む奴などデュエリストと認めない。

 気絶した相手の前でデッキトップを捲ると、黒いペンダントだった。

 相手の伏せカードは、奈落の落とし穴、和睦の使者、イージーチューニングだった。

 

 

 

 

 デュエルモンスターズのカードデザイン募集。そこでアニメ版のガトリング・オーガのイラストと効果をインダストリアルイリュージョン社に送った猫崎だが…。

 無限ループによる手札コストによるワンターンキルを警戒され、そのままカード化されず、1ターンに3度までという制約と他の悪魔族以外での効果ダメージの無効化が付いた。

 その上、攻撃されればダメージを与えたうえでバトルフェイズ終了と防御面も強化された実物が送られてきた時、猫崎は本当に驚いた。

 手札次第ではワンターンキルが成立してしまう凶悪なカードなのだが。

 

 除去カードを全否定する似非ペクトを掲げるサイバー流では突破不可能なカードにしたのは、サイバー流に変わって欲しいというペガサス会長からのメッセージなのだろう。

 

 猫崎はデッキを取り戻し、海馬オーナーにメールを送り、寮へ戻る。

 

 

 

 数日後、俺は才災校長に呼ばれた。

 ラーイエローの男子、塗須戸 健田(ぬすと たけだ)は退学処分になった。前々から追い出したかったようだが、今回のデッキを盗んだ事をきっかけに退学となった。

 まぁ、デッキを盗むのは言語道断だから猫崎としても異論はない。

 

 …デュエリストキングダムで、モクバが人食い植物とクロコダイラス辺りが入ったデッキとスターチップを盗んでいたような気がするが…。

 彼の手元に、デッキは戻ったのだろうか?

 

 

「デッキを奪われた怒りは理解できますが、ガトリング・オーガはリスペクトに反しているので禁止カードにします」

「はい、よろしくお願いします。」

 

 どうやらペガサス会長の想いは届かなかったようだ。

 まぁ、ガトリング・オーガを野放しにすると後々大変。猫崎は利用出来る物は何でも利用すると決めていた。

 GXからゴッズまでどれぐらい時間が空いているのかわからないが、これで不動遊星の苦難は一つ減るはずだ。

 

「待ってください、才災校長」

「才津君、どうしたのですか?」

 

 教頭の才津が話に割り込んできた。

 

「こんなカードを応募し、送られてきたカードでリスペクトに反するデュエルをする生徒をこれ以上野放しには出来ません。私のリスペクト精神でたたき直します!」

「いいでしょう。才津君!君に任せます!」

 

 とうとう教頭のお出ましか。

 

 

「「デュエルッ!!」」

 

才津 ライフ4000

手5 場 

猫崎 ライフ4000

手5 場 

 

 

「先攻は君に譲りましょう」

「…俺のターン、ドロー。レスキューキャットを召喚。このカードを墓地に送り、デッキから異次元の狂獣とX-セイバーエアベルンを特殊召喚!レベル3の異次元の狂獣にレベル3の地属性エアベルンをチューニング!S召喚!現れろ、ゴヨウ・ガーディアン!」

「攻撃力2800ですか。」

「俺はカードを3枚伏せてターンエンド」

 

 

才津 ライフ4000

手5 場 

猫崎 ライフ4000

手2 場 ゴヨウ・ガーディアン 伏せ3

 

 

「私のターン、ドロー!魔法カード、強欲な壺を発動!カードを2枚ドロー!フフフ、魔法カード発動!融合!手札のサイバー・ドラゴン二体を融合!現れなさい、サイバー・ツイン・ドラゴン!」

「罠発動、奈落の落とし穴。サイバー・ツイン・ドラゴンを破壊してゲームから除外する。」

 

 穴から出てきた男が、サイバー・ツイン・ドラゴンを引きずり込む!

 

「な、なんというカードを!モンスター同士の手に汗握る激突がデュエルモンスターズの醍醐味!それを汚すなど!」

「なら、サイコ・ショッカーでも使ったらどうですか?」

「あんな気色悪くてグロテスクな陰キャなサイコ流御用達のモンスターなんて誰が使いますか!」

 

 やはりというか、サイコ流は存在しておりサイバー流に弾圧されているらしい。

 

「ならば魔法カード、融合回収を発動!墓地の融合とサイバー・ドラゴンを手札に戻し、融合を発動!現れなさい、サイバー・ツイン・ドラゴン!」

「罠発動、奈落の落とし穴!」

「に、二枚目…どこまでも卑怯な…!」

 

 先ほどと同じようにサイバー・ツイン・ドラゴンが引きずり込まれて破壊される!

 ここで才災校長が口を開く。

 

 

「猫崎君、まさかその伏せカードも奈落の落とし穴ですか?」

「…答える義理はありませんが、これは奈落の落とし穴ではありません。」

「グヌヌ、魔法カード、融合回収を発動!墓地の融合とサイバー・ドラゴンを手札に戻す!」

「ですが、サイバー・ドラゴン二体は既に墓地。これでは」

「フン、私はプロト・サイバー・ドラゴンを召喚!魔法カード、融合!現れなさい、サイバー・ツイン・ドラゴン!」

 

 執念とばかりに現れるサイバー・ツイン・ドラゴン。

 

 

「見ましたか!何度破壊されようと、そして思惑を阻止されようと…信じあったデュエリストとデッキはその意思を貫く!これがリスペクトデュエルなのです!」

「…ですが、それだけでデュエルを制することは出来ません。ゴヨウ・ガーディアンと相打ちしますか?」

「いいえ。私はこれでターンエンドです。」

 

 

才津 ライフ4000

手0 場 サイバー・ツイン・ドラゴン

猫崎 ライフ4000

手2 場 ゴヨウ・ガーディアン 伏せ1

 

 

「俺のターン、ドロー!バトル、ゴヨウ・ガーディアンでサイバー・ツイン・ドラゴンを攻撃!」

「なっ!モンスターを自滅させるとは!対戦相手どころか自分のモンスターすら平然と切り捨てるとは…。貴方のゴヨウ・ガーディアン、泣いていますよ!」

「切り捨ててはいません。罠発動!和睦の使者!このターン、俺のモンスターは戦闘では破壊されず、俺が受ける戦闘ダメージも0になる!」

「な、何?!それは防御カード、それを自分のターンで使い捨てるとは…カードへのリスペクト精神が足りないから、プレイングミスをするのです!」

 

 寝言を言う才津教頭だが。

 

「…い、いや!ま、まさかこれは?!」

 

 才災校長は気が付いたようだ。

 

「ゴヨウ・ガーディアンは戦闘破壊されない。よって破壊されるのはサイバー・ツイン・ドラゴン!」

「な、何ぃ!」

「そして、ゴヨウ・ガーディアンの効果発動!戦闘破壊したサイバー・ツイン・ドラゴンを墓地から特殊召喚!」

「ひ、卑怯者!」

 

 

 わめく才津教頭。

 

「も、モンスターを奪うとは!な、なんというリスペクトに反したカードを使うんだ…。」

「なら奪い返したらどうですか?俺はカードを1枚伏せてターンエンド。」

 

 

 

 

才津 ライフ4000

手0 場 

猫崎 ライフ4000

手2 場 ゴヨウ・ガーディアン サイバー・ツイン・ドラゴン 伏せ1

 

 

「ぐ、ぐうううっ…。私のターン、ドロー!モンスターをセットして、ターンエンドです!」

 

 

 

才津 ライフ4000

手0 場 セットモンスター

猫崎 ライフ4000

手2 場 ゴヨウ・ガーディアン サイバー・ツイン・ドラゴン 伏せ1

 

 

 

「俺のターン、ドロー。サイバー・ツイン・ドラゴンを攻撃表示に変更。バトル!ゴヨウ・ガーディアンでセットモンスターを攻撃!」

「破壊されたシャインエンジェルの効果発動!デッキからシャインエンジェルを特殊召喚します!さぁ、ゴヨウ・ガーディアンで奪いなさい!」

「ゴヨウ・ガーディアンの効果は発動しない。」

「なっ?!う、奪う価値も無いというのですか?!」

 

 リクルーターを特殊召喚しても、次のターンに戦闘破壊されたら後続を出されるだけ。ゴヨウの効果は強制ではない。

 

「ツイン・ドラゴンでシャインエンジェルを攻撃」

「ぐうううっ!ですが、3体目のシャインエンジェルを特殊召喚!」ライフ4000から2600

「なら、バトルフェイズは終了。ターンエンドです。」

「何ぃ?!な、何故攻撃しないのですか!」

「教頭先生のターンです」

 

 

才津 ライフ2600

手0 場 シャインエンジェル

猫崎 ライフ4000

手3 場 ゴヨウ・ガーディアン サイバー・ツイン・ドラゴン 伏せ1

 

 

「わ、私のターン、ドロー!魔法カード、貪欲な壺を発動!墓地のシャインエンジェル2体とサイバー・ドラゴン3体をデッキに戻して二枚ドロー!よし、シャインエンジェルを守備表示に変更。カードを二枚伏せてターンエンドです!」

 

 

才津 ライフ2600

手0 場 シャインエンジェル 伏せ2

猫崎 ライフ4000

手3 場 ゴヨウ・ガーディアン サイバー・ツイン・ドラゴン 伏せ1

 

 

「俺のターン、ドロー!魔法カード、大嵐を発動!俺の場の月の書が破壊されるが、そちらの伏せカード二枚も破壊する!」

「?!ドレインシールドとメタル化魔法反射装甲が!」

「バトル、ツイン・ドラゴンで攻撃!」

「ですが、シャインエンジェルは先ほど貪欲な壺でデッキに戻しています。現れなさい、シャインエンジェル!」

「ゴヨウ・ガーディアンでシャインエンジェルを攻撃!」

「ぐううううっ!三体目のシャインエンジェルを特殊召喚!」ライフ2600から1200

「ツイン・ドラゴンでシャインエンジェルを攻撃」

「ば、馬鹿なぁあああああああ!」ライフ0

 

 

 

 

 

 

 茫然とへたり込む才津教頭。

 

「な、何故手加減したのですか!」

「手加減はしていませんよ。前のターン、ツイン・ドラゴンで連続攻撃していたら、プロト・サイバー・ドラゴンか、融合呪印生物-光といったモンスターを特殊召喚されていたかもしれない。だからあえて攻撃しなかった。」

「ぐぬぬ…覚えておきなさい。サイバー流は負けません!」

 

 

 今さっき、お前の直属の部下が負けたんだけどな。と言いかけた猫崎はぐっとこらえる。

 

 

 

 

 その夜。

 デュエルアカデミアの校長室にて。

 

 

『…才災君。最近、君の学校で妙なカードを使う生徒がいるみたいだねぇ?』

「はっ、その通りです。」

『サイバー流は負けないだろうね?』

「ご心配ありません。サイバー流の優秀な門下生ならば問題なく打倒せます。今まで負けたのはサイバー流の落ちこぼれとサイバー流ではない教職員と生徒です。」

『ならば良い。』

 

 後援者があの少年を懸念している。

 早急に『排除』せねば。

 才災はそう決意を固める。

 

 

 




 後にガトリング・オーガが禁止カードになったことで、鉱山の利権がらみで某決闘者がガトリング・オーガを手に入れる為に一苦労する上に、使った時には対戦相手どころか味方に非難される羽目になるのだが、それはまた別の物語である。
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