最強の能力者? なにそれおいしいの? 僕は無能力者ですけど?   作:暇です

47 / 58
ギャンブルなんてやるべきじゃない (表)

 聖内学園では、行事やイベントがかなりの数ある。けど、そのどれもが任意であり、強制的に参加させられるものはかなり少ない。

 

 その数少ないうちの一つが文化祭である。

 

 どうせこの学校のことだから、文化祭もやばいんだろ。なんて思っていたが、案外文化祭は普通のようだ。

 去年の出し物を見ても、お化け屋敷やカフェなど一般校でやっていることとなにも変わらない。

 けれど、その代わりクオリティーがアホみたいに高い。能力と資金を使い、どれも本物顔負けの出来となっている。

 

 今はちょうどなにを出すか決めている真っ最中だ。

 

「はい! お化け屋敷はどうでしょうか?」

 

「僕はケラケラソリーがいいと思います」

 

 みんながそれぞれやりたい物を提案していく。黒板には、ベタなものから、見たことがないようなものまで並んでいる。

 というか、ケラケラソリーってなんだ。それは出し物なのか?

 

「はい! 私はカジノがいいと思います」

 

 また誰かが手を挙げ、発言する。

 

 カジノか……僕は正直言ってギャンブルには反対派だ。あんな物、胴元が勝つようにできているんだからやるだけ無駄だ。上手いことルールの穴をついて、多少なら儲けることは出来るらしいが、その労力を別のことに使えばもっと稼げたのではないのだろうか。

 

 と、愚痴はここまでにしよう。僕の考えとは裏腹に、クラスではカジノが推されている様子だ。多分このままカジノに決まるだろう。

 

 まあ、胴元側をやるのは初めての経験だし、この学校のことだからただのカジノではないのだろう。少し楽しみだ。

 

 

$ $ $ $ $

 

 

 ……僕は少しこの学園のことを、舐めていたのかもしれない。

 

 文化祭まで後数日、準備も差し支えなく終わったところなのだが。もはや、教室の原型は存在していなかった。壁と床は改装され、天井にはミラーボールが吊るしてあり、そこら中に本格的なギャンブルの装置が置いてある。

 

 他のところも全部こうなんだろうか、恐ろしい……

 

 それよりも、いつの間にかシフト表が決まっていた。まあ、別にいつでも良かったからいいか。シフトは生徒のみで行われる初日みたいだ。

役目も基本裏方の仕事みたいだし、気が楽でいいな。

 

 

 

 ーーなんて思っていた頃もあったよ。

 文化祭当日、蓋を開けてみれば思いっきり表舞台で働いている。どうやら「クラスの生徒に勝てれば景品が!」みたいなイベントらしいが、何故僕を選ぶんだ。もっと強い人を選べ。

 

 その上、僕が担当するギャンブルはどれも僕が知らない物ばかり、せめて選ばせてくれ。まあ、景品も大した物じゃないしむしろ勝ちやすい方がいいのか? なら、適当にやれば大丈夫だろう。

 

 最初の競技は麻雀か。そりゃあ見たことはあるけど……ルールは知らない。とにかくこの手牌? を揃えてロンだのツモだのすればいいらしい。まあ、ひたすら周りが上がるのを待ってればいいか。

 

 早速1戦目が始まった。

 周りは凄腕そうな人が集まっている、いかにもギャンブルやってます! みたいな生徒たちだ。

 

 ガシャン!

 

 やべっ! 手を滑らせて手牌を全て倒してしまった。急いで戻そうとする。

 

「て、天和だと……」

 

 てんほー? なにそれ? こういうミスのことを天和って言うのかな?

 そんなことを考えていると、牌が回収されてしまった。あ、僕のせいでやり直しになっちゃったのかな? 申し訳ない……

 

 まあ、気を取り直して次だ次!

 

 

$ $ $ $ $

 

 はい、死にたいです。あの後、意味が分からないぐらいに連続で手牌を倒し、愛想を尽かされたのか嫌そうな顔をしながら追い出されました。

 

 次に配属されたのはポーカーだ。裏方をやらせろ! しかもポーカーもルール知らねーよ! 知ってることはチップを賭けて強い役だった人が勝つってことだけだ。

 

 今回は一応勝負は出来てるみたいだが、チップは減るばかりだ。

 ついに、チップがなくなってしまう。負けか……。すると、急に一対一で勝負していた相手が笑い出した。

 

「くくっ! お前はもう俺の能力の掌の上だ。チップがなくなった今、お前の賭けれるものは自分の寿命と能力だけだ! そして俺はチップを全て賭ける!」

 

 ……何だこの人。ジョ○ョとか好きなのかな? せっかくだし乗ってあげるか。

 

「そうか、なら僕も全ての寿命……魂と能力を賭けよう」

 

 まあ僕は能力なんて持ってないんだけど。

 

「なっ、何だと! いきなり全て賭けるというのか!」

 

「ただし、ここまで賭けたんだ。お前もそれ相応の物をかけてもらうぜ」

 

「まさか、俺の命か?」

 

 この人もノリがいいな。まあ今、僕の手が良いのかすら分かっていないのだが。

 

 手札は❤️のK、♠️の8、♣️の4、♦️の2、❤️の5だ。これって良いのか?

 

 相手は迫真の演技で狼狽えている。

 

「くっ、くそ! 降りる、俺は降りるぞ!」

 

 そう言ってからは逃げ出して行ってしまった。最後まで演技うまかったな……

 

 何気なしに、相手の手札をめくってみると♠️のA、♠️のK、♠️のQ、♠️のJ、♠️の10だった。なんか揃ってるけどこれは強いのか? 

 

 一切なにも判ることなく、ポーカーは終わってしまった。

 

 

$ $ $ $ $

 

 初日は散々だったな……。まあ切り替えて、2日目から客として楽しむか!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




文化祭はまだ続きます
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。