最強の能力者? なにそれおいしいの? 僕は無能力者ですけど? 作:暇です
今日は文化祭の2日目。外部からもお客さんがやってくる日だ。昨日は一日中シフトが入っていて、ろくに遊べなかったからな。
今日は楽しむぞ!
しかし、大きな問題が一つある。一緒にまわる相手がいないのだ。よくよく考えたらぼくはぼっちなのだ。今こうして、教室で仮の朝礼をしているのだが、周りを見ても知ってる人がほとんどいない。僕の交友関係狭くないか?
でも、ここで悩んでいても仕方ない。勇気を持って話しかけてみよう。
……山田くんに。
「山田くん。今日空いてる? 一緒に文化祭回らない?」
「おう。今日は空いてるからいいぜ」
しゃああああ! ないす! ぼっち回避!
これで今日は安心だな。
「では、これで朝礼を終わる」
最後に礼をして朝礼が終わる。ついに2日目の始まりだ。
「じゃあ、行くか」
「うん、分かった」
そうして、文化祭を回りにいく。外部から人が来たこともあり、昨日よりも廊下はやや混んでいる。でも特に、廊下を進むのに支障はないレベルだ。
文化祭は戦闘科の校舎で行われる。校舎は3階建てで、今僕らは1階にいる。一階は基本僕達一年生の出し物だけど、どこから行こうか?
「まずはどこに行く? 山田くん」
「うーん……、とりあえず端から回って行くか」
まず、端の教室に向かい、扉を開け中に入る。ちょうど並んでる人がいなかったのですぐ入ることができた。
そして入った瞬間ーー
部屋中の視線が僕に集まった。やめて、注目しないで。中はモグラ叩きをやっていたのだが、全員手が止まり、もぐらだけがピョコピョコ穴から出たり入ったりしている。
やがて、みんなが動き出すが。相変わらず視線は僕から外れていない。ちょっとそこの君、前を見なさい。君が叩いているのは先生の頭だ。僕から視線を外しなさい。
「やっぱ……ここはやめとこう」
「お、おう」
その後も、めげずに色々な出し物に行ってみるが結果は全て同じ。無惨な結果に終わった。
「ん、あれは……」
偶然、歩いていると鈴さんのことを見かけた。鈴さんも生徒会長だし忙しいのかな。すると、鈴さんも僕達のことを見つけたようで近づいてきた。
「お久しぶりです、武さん」
「久しぶり、鈴さん」
「武さん、そちらの方は……お友達ですか?」
「うん、クラスで隣の席なんだ」
「あ、俺は山田春人。よろしくな! お前……、生徒会長だよな?」
初対面の人に対してもコミュ力高いな。流石陽キャ……でも先輩には敬語使いなさい。
「山田君ですか、よろしくお願いします。おっしゃる通り私は生徒会長の藤桜鈴です」
「つっ……」
何故か急に山田くんの顔が青ざめた。どうしたんだろう? 体調でも悪いのかな?
「わ、悪い武。俺用事思い出したから行くわ」
「え? あ、うん」
そういって山田くんは走り去って行った。どうしたんだろう? なんか焦ってた様子だったけど。
というか、これでまたぼっちじゃん。
「お友達は行ってしまったのですか? なら……私と一緒に回りませんか? もちろん武さんがよろしければですけど」
救いの神が現れた。やはり天使か。
「う、うん。もちろん」
あれ、これまたデートしてるようなもんじゃない? 山田くんナイス!
「じゃあ、行こうか」
そう言ってまた歩き出す。やはり視線が痛い。ただでさえ噂のせいで注目を集めるのに、その隣にはSランク能力者と来た。そりゃあ目立つわな……分かってはいたけど。
ふと、誰かに袖を掴まれていることに気がついた。見ると高校生しかいない中では背丈の低い少女ーー平野 愛がいた。
平野さんとはまだ2回しか会ったことはないが仲良くさせてもらっている。Sランク能力者ではあるが、もはやこの際一緒に回れたらいいな。
「ああ、平野さん久しぶり」
「久しぶり」
「武さん? その女は誰ですか?」
なんか言い方に棘がない? 「その女」って。鈴さんを見るとなんだか顔が引き攣っている。やっぱり仲が悪いのかな、前も喧嘩してたし。
「いや、平野さんだけど……」
「悪いですが、武さんは今わたしと回っているので、引っ込んでてもらえませんかね?」
いや、3人で回ればいいでしょ。なんで二人で回ろうとするの?
「だめ……。武さんは私と回る」
「へえ……いい度胸じゃない」
「ok。3人で回ろうか」
君たちなにを始めるつもりなんだ。やめなさい。
「「チッ」」
舌打ちしない!
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はあ、無事文化祭も終わったか……。あの後、2日目は鈴さんと平野さんに連れまわされたけど、3日目は凛さんとゆっくり回れて良かった。途中でこの前の不法侵入者の福井さんに「主さま」とか呼ばれたせいで引かれたけど。
まあ、今回は比較的穏やかな日常だったな。
感想、評価よろしくおねがいしますε=ε=(ノ*・∀・)ノ