最強の能力者? なにそれおいしいの? 僕は無能力者ですけど? 作:暇です
ある日、先生から近いうち僕に誰か来訪があると言われた。詳しく聞いてみるとどうやらお相手は超能力者協会のお偉い方さんらしい。
え? もう僕の噂ってそんなレベルになってるの? そこまでの心当たりは……あるな、すごく。
超能力者協会とは今世界で1番の権力を持っていると言っても過言ではない組織だ。超能力者は成人した後、大半が超能力者協会に所属することとなる、そうすると協会お抱えの能力者もなれる訳だ。とは言ってもEランクやDランクで所属するのはかなり厳しい、なので協会に所属している能力者はいわゆるエリートと言われている。
恐らく、聖内学園に入れるような人は大体が所属できるだろう。そして待遇もいいので大抵所属する人が多い。
例外として、飛び抜けた実力を持っている能力者は成人せずとも能力者になれるとか。
まあぶっちゃけ僕には関係のないことだと思っていたけど……こんな形で関わることになるとは。超能力者協会のお偉いさんなんかどれだけの権力を持っているんだか。くれぐれも粗相のないようにしないと。
そういえば具体的に何の話なんだろうか? 僕が無能力者とされていたのに(勘違いで)能力者だったことについてかな。あちらからすれば、僕が能力を隠してたということになる。めんどくさいな……どうせ言っても勘違いは解けないんだろうし。
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先生から言われていた期日になり、先生に応接室へと呼ばれた。応接室の扉は存外豪華な作りとなっており、少し緊張してしまう。
「よりによっても幹部なのか……、何かしたら即終わりだな」
お偉いさんと言われても幹部とは思わなかった。まさか幹部が一生徒に会いに来るなんて思わなかったのだ。確か幹部って20人いないんじゃないんだっけ? 実質No.2ってことだよな。
恐る恐る扉を開ける。中にいたのは豊満な肉体をして年季を感じさせる顔をした男だった。身長は160くらいだろうか? 妙に身なりが良く、僕でも知っているブランド品を身につけていた。
まあ要は典型的なデブでハゲでチビのおっさんだ。
何となく表情もニチャニチャしていて気持ち悪い。お世辞にも顔は良いとは言えず、ぶっちゃけ全体的に悪印象だ。
いや、人を見た目で判断しちゃいけない。大事なのは中身だ。いくら顔が気持ち悪く、この世の汚物を混ぜ合わせたような容姿で、明らかに気取っていてもいい人の可能性はある。やっぱり表情気持ち悪っ!
「ああ、お前が斎藤武か」
「あ、はい。そうです」
「お前などにするのは癪だが一応自己紹介をしておこう。超能力者協会の幹部 心根 醜伊《こころねみにくい》だ。お前などとは住んでる世界が違う人間なのだ」
「は、はい……」
随分と高圧的な奴だな……やっぱりこういう奴は心まで醜いのか
「我が超能力者協会の検査システムは絶対なのだ。お前が無能力者なのは確定なのにも関わらず、どんな手を使ったんだ? どうせ姑息な真似をして他人の手柄を横取りしたんだろう」
こ、この人…………
やっぱりいい人だ! 根も歯もない情報や噂に騙されず、しっかりと僕のことを判断してくれている。さすが幹部は一味違う。
「はい、そうなんですよ! 僕は無能力者なのに勝手に周りから持ち上げられちゃって、いつの間にこんなことに……」
「なに?」
「やはり幹部は一味違う。周りの情報や根拠など一切気にせず、自分の勘のみで相手を判断する。システムをそこまで信じ切ることなんてそう簡単にできませんよ。流石ですね!」
「なっ! お前……」
「いや、見た時はデブでハゲてるおっさんだなとか思いましたが、実際はこんなに聡明な方だとは! このまま超能力者協会や他の人にそのことを訴えてもらって勘違いを正してもらえると助かります。期待してますよ!」
ん? なんか口が滑ったような気がするけど……まあいっか。
「なるほど……お前の言いたいことはよくわかった。ここまで私をコケにしたんだ。覚悟しとけよ」
バタン!
勢いよく扉を閉めておっさんは出て行く。応接室を静寂が包む。
…………あれ?
超能力者協会とテロ組織、両方敵にまわしていくスタイル。
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