最強の能力者? なにそれおいしいの? 僕は無能力者ですけど?   作:暇です

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オークション (裏)

side〜金成 望〜

 

 はあっ、はあ。

 

 急いで道を足早に駆ける。少し息を切らしながらも、心の中では何とか焦る気持ちを落ち着かせる。

 急いでいる理由は、当日オークション会場に斎藤武が出品をしに来たからだ。

 

「まさか、本当に斎藤武が来るとは……」

 

 招待状は一応送ったものの、あくまで建前のものであった。来る確率はかなり低いと見ていたのだが、これは予想外だった。

 しばらく歩くとようやく目的の部屋までたどり着いた。慎重かつ丁寧な動作で扉を開け中に入る。

 

「ようこそ斎藤武様。私、このオークションの主催者である金成 望と申します」

 

 相手からの返事はない。続けて手短に要件を話すことにした。

 

「我がオークションに品物を出品して下さるということで。失礼ですが……お品物を拝見させていただけますか」

 

「品物はこれだ。確認してくれ、僕はもう行く」

 

 そうして、机に品物が入ったビニール袋が置かれる。

 

「はい? いやそれは……」

 

 いきなりのことで戸惑ってしまい、うまく言葉が出てこない。別に問題があるわけではないのだが、商品だけ置いて帰る人など見たことがない。

 しかし、私が狼狽してる間に彼はもう部屋から去ってしまった。

 

「何か用事でもあったのだろうか……」

 

 それよりも、持って来た品物をチェックしなければ。まず、何故ビニール袋の中に入れているんだ? 意味がわからない。

 

 普通、それなりの品なら専用の箱に入れて保管する物である。何か理由があるのだろうか?

 手袋をつけ、慎重に中身を取り出す。ビニール袋の見た目からも何個か入っているだろう。

 まず一つ目は、ハサミ……か?

 どこからどう見ても、ただのハサミだ。何か素材や装飾品に特徴があるわけでもない。

 というかこれは……。いや、そんなはずはない。だがこれはどう見ても100均のハサミだ。

 

 ビニール袋の中を覗いてみても中身は同じような物ばかり。まさか冷やかしか? そんな思考が頭をよぎった瞬間一つの物が目に入る。

 

 それはナイフだ。無造作に入れられている品物の中に怪しく光る一本のナイフが入っていた。

 

 これも同じように、これと言った特徴はない。けれど、何か自分惹きつけてやまない何かがあった。

 

 その勘を根拠にナイフを鑑定に回し、徹底的に調べ上げる。すると、衝撃の真実が発覚した。ナイフには能力が付与されていたのだ、それもかなり強力な。

 

 おそらくその強力さから、死の間際全ての力を使い果たしこのナイフに能力を込めたのだと考えられる。

 付与されている能力は斬撃が飛ぶようになるという物だ。他にも能力が付与されているのか、切れ味もかなりの物だった。

 

 しかもこのナイフ、頑丈さが桁違いだ。いくら負荷をかけても、壊れるどころか変化すら起きない。

 

 他にも自動で所有者を治癒し続ける石。失われたとされていた呪いの古文書も存在していた。これを個人で保持していて大丈夫だったのだろうか……まず間違いなく、常人ならば呪いがかかるか、何かに憑かれるかして気が狂ってしまうだろう。

 

 めぼしいのはこの3品のみだった。他は全部何の変哲もないただのガラクタ。まさか、ビニール袋にガラクタに紛れて入れていたのは、私達を試すためだったのかもしれない。

 

 とにかく、この三品はこのまま出品される。正直言ってどれくらいの値段がつくのか想像もつかない。

 

 だが、間違いなく言える。このオークションは伝説となり、これから語り継がれていくだろう。

 

 

$ $ $ $ $

 

「困った、とても困った」

 

 どう考えても預金額がおかしい。あんな桁初めて見たぞ。

 

 ん? 何故困ってるのかって? まあ普通の人なら喜びはしても、悲しんだりなどとはしないだろう。しかし僕の場合は違う。

 

 どう考えても悪運が強い僕ではこんな金を持っていたら絶対面倒ごとに巻き込まれる。というかそもそも、この額は個人で持っていていい物じゃないだろう。

 

 なら使えばいいと思うかもしれないが、この額をそう簡単に使い切ることなど出来はしない。その間に絶対何か起こる。

 

 何かしらに全額寄付するのが一番適切かなあ……それでも嫌な予感はするけど。

 

「毎回、毎回どうしてこうなるんだ……」

 

 

 




感想、評価よろしくお願いします(/ ´▽`)ノチョーダイ
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