最強の能力者? なにそれおいしいの? 僕は無能力者ですけど?   作:暇です

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こんなにお金はいらないです (裏)

side〜難病の少女〜

 

 超能力社会になって良くなった事はいくつもある。より文明は進歩したし、景気も良くなった。だが、実はそれ以上にデメリットも多い。

 例えば、無能力者への差別、能力による犯罪の増加、あとは……新種の難病の出現とか。

 

 病室のベットから青く晴れている空を眺める。私の憂鬱とした気持ちとは不釣り合いな天気だ。

 そう、私は超能力発言によって起きた新種の病気なのだ。治療法は、ない。超能力と言っても万能ではないのだ、直せない病気は存在する。

 今、治療法が研究されている最中なのだ。しかし、この病気の数は少ない上に費用もかかるため後回しにされている。

 そもそもこの病気の原因は能力の不具合による物である。自分自身の能力で自分を傷つけているのだ。

 

「なんかもう、疲れたなぁ」

 

 両親はとっくのとうに見舞いに来なくなった。もはや諦めており、顔も見たくないのだろう。

 

 ネットで寄付を募ってみたが、そんなマイナーな病気のため寄付するような物好きはいない。画面に映った0が私の心を抉って仕方ない。

 

 ポロン

 

「ん? なんだろ」

 

 そんな時に、急にスマホに通知が来た。

 内容を見ると、なんと寄付が来たらしい。私はその瞬間、喜びに包まれた。寄付された人数は1人だけ、それで何かになるというわけでもないだろう。けれど、長らく人の善意に触れてこなかった私にとってはそれでも十分だったのだ。

 

 額など関係ないが、一応寄付された内容を見に行く。誰に寄付されたか気になったからだ。

 

「えーっと、これかな? ……えっ」

 

 だが、内容を見た瞬間私はその人生で一度も感じたことかない衝撃を受ける。

 寄付してきた人は匿名だ。別にそれ自体はおかしな事ではない、けれど額が明らかにおかしかったのだ。とても個人で所有し、こんなところに寄付して良い金額では無いほどに。

 

 これだけのお金があれば、研究も完成させる事ができるだろう。早速研究施設にその旨を連絡して、その資金を渡した。あとは時間さえあれば大丈夫だろう。

 

「何か、恩返しはできないのかしら」

 

 こんな事をしてもらって、何も礼をしないというのは失礼すぎる。だからと言って私に返せるものなんて……

 

 そこである一つの考えに辿り着く。この人の名前を調べ、その功績とともにタレコミを入れるのはどうだろう。

 そうすれば、名声や名誉を礼としてあげられるのではないか。

 

 本人としては名声を得たくてやったわけではないのだろうが、こんな事をできる人間は賞賛されるべきだと思う。

 

 私は早速考えを実行に移すため、行動を始めた。

 

 

$ $ $ $ $

 

 何故か僕が寄付したことがどんどんバレている。なんで? 匿名の意味は?

 

 この混乱に乗じて有る事無い事いろんな噂がばら撒かれている。聞いた話では僕が寄付した人達によって新しい組織が造られているとか。

 

 ……これ使わない方がマシだったんじゃ?

 

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