最強の能力者? なにそれおいしいの? 僕は無能力者ですけど? 作:暇です
side~学園長~
静寂に包まれた部屋に一人の女性がたたずんでいる。
そして部屋にノックの音が響き、ドアが開く。
「失礼します」
一見すると何の変哲もない一人の少年が部屋に入ってくる。
「よく来てくれたわね、斎藤君…でいいかな?」
「あ、はい、そうです」
一見するとただの一般人に見えてしまうが、十中八九この態度は演技だろう。
この十何年の間自分の力を隠し通してきたのだからこの程度のこと朝飯前だろう。
「まあ、時間もないことだし、さっさと本題に入っちゃうわね、編入の件についてはーーー」
「そのことについてなんですが、僕無能力者ですよ?他にも大した特技はありませんし、何かの間違いだと思います」
(こうやって力を隠そうとしてくるのは、想定済みだし、こちらとしても構わないわね)
「そのことについてはこちらも了解してるわ、ここの学校に在籍する以外は貴方は普通の高校生と同じ生活をしてもらっても構わないわ」
とりあえずその旨を伝えておく。
「そ、そうなんですか?」
「えぇ、もう話は通っているから、異能力が必要な授業や戦闘訓練に関しては免除してもらうし、寮の用意も完了してるわ」
「至れり尽くせりじゃないですか…」
これならおそらく断ったりはしないと思うけど…
「分かりました、問題ないです」
よし、とりあえず大丈夫なようね。
その後はこの学校の説明をした後すぐ帰ってもらった。
「とりあえず、これで心配事が一つ減ったわね」
まぁ、無能力者の入学となったらどちらにせよ一波乱あるんでしょうけど…
side〜???〜
暗い部屋で二人の男が話し合っている。
片方は大きく、ガッチリとした体つきをしているがもう片方はひょろひょろで背も低く今にも倒れそうだ。
「斎藤武ねぇ…、どうせ噂だけだろ」
「そ、そうだよ。ど、どうせ偶然が重なったからで…、本人は大したことないよ。ヒヒッ」
「まぁ、俺たちはどんな相手だろうと念入りに準備を重ねる、油断は禁物だ」
「う、うん。そうだね、ヒヒヒッ」
「ハハハッ」
部屋中に二人の笑い声が響く。
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一方その頃、武は引っ越しを終えて聖内学園の寮でくつろいでいた。
「ヘクチっ、…風邪かな?」
「寮って言っても想像より豪華だったなぁ、さすが名門」
寮となると一部屋に何人がいるのを想像するがそんなことは特になく。
普通のアパートぐらいの部屋に一人で住むらしい。
「ついに明日から学校か〜、馴染めるかな?」
この学校は調べたところ、実力主義なところがあり、バリバリ戦闘をするらしく、重傷者や死者が出ることもあるとかないとか。
「まぁ流石に嘘だよね、嘘だよね?」
(まぁ俺は無能力者だし、戦闘訓練とやらもレート制やらも関係ないだろう)
そんな武の想いはすぐに裏切られることになる。
そろそろ本格的に勘違いを始めるかな〜