とある女学生の混沌とした日常   作:きりきりばい

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ワクチン副作用が打って2日ぐらいしてから強烈なのが来ました。ずっと熱は引かないし腕痛いし頭痛し出すし散々でしたねホント……うわ、私の身体の免疫力無さすぎ……?(多分違う)

3000字以内で終わるかなーって適当に概算して、書き終わったら4000字近くあるんですけどなんでですか


とある女学生の混沌とした別世界 最終話

とある一軒家の古びた部屋。そこに光が5つ生まれ、その中から飛び出してきたのは

 

「いよっ、とっ、とっとォ!?」

「バランス感覚無さ過ぎるよ朱里ちゃん……」

「わざわざ言わなくていいでしょひびッ、ガっ、あったっタァ!?」

「あぁ朱里ちゃん!?」

 

「なんであの子軽くつまづいただけであんなに事故起こしてるの?」

「アレが朱里なので……」

「天性のドジか……」

 

謎の世界へ飛ばされていた5人だった。飛び出してきて早々凄まじい音を立てて壁に衝突した朱里とそれを介抱している響を他所に、残りの3人は部屋の中を精査していた。

そうして見つかった、3つの物品。

 

「何ですかこの儀礼剣」

「貴方がそれ使って魔法陣描いてたのよ」

「えっ何それは……」

 

「燃え尽きたナニカ……?」

「私がクトゥグアをこの紙に書いてた呪文で呼び出したんだけど……」

「見事に何も分からないですね。ていうか紙だったんですか」

 

「これが魔法陣、ですか……アレ?ナイアルラ呼び出す術式になんかアレンジ入ってる……」

「なんで知ってるのか、はもう聞かないわよ」

 

 

燃え尽きた紙切れだったモノ、少し先が欠けた儀礼剣、完成しているがそれだけの、落書きの様な魔法陣。

しばらく確認を続けていると

 

 

「……あれっ?こんな所に手紙ありましたっけ?」

「まるで『今降ってきました』ぐらいのタイミングね。明らかに周りの物よりも綺麗過ぎるし」

「……開けます?」

「開けてみないと始まらないだろ」

「罠の可能性考えてください奏さん」

 

 

周りの静止も聞かず封を開けて手紙を読み始めた奏。特に罠もなかった為、全員がホッとしつつ内容を聞いてみる事に。

 

 

「で、奏さん。それ何が書いてます?」

「……これは、地図か。マークが入ってる……来いって事か?」

「まるで意味が分からんぞ!」

「これは『理解する気が無い』って意思表示です」

「ごめんなさい。お願いします未来さんその説明だけは……」

「……ホント楽しそうね貴方達」

 

 

手紙に描かれていたのはこの街の物と思われる地図。その中で一つだけ赤で丸を付けられている場所は、偶然にも5人が最初に出会った公園を指していた。

 

全てが終わったと信じ、5人は直ぐにでも最初の公園へ向かった。家内に侵入するまではまだ日も天高く昇っていたというのに、気付けば既に日は沈んで現在19時18分。

いつの間にかパーカーが消失した朱里が寒い寒いと言うので紫羽が貸したジャケットを羽織り、何故かサングラスまで借りてアブナイ見た目になった朱里は「エ〇バ…」とか呟きながら先陣を切って公園に着いた。

 

「……何も無い?」

「茂みに潜んでる……って訳でも無さそうだな」

「最初、ココで会ったのを懐かしく感じるんだけど……」

「もうココで会ってから1週間近く経ってますもんね……時間の流れってのは早いもんです」

「朱里ちゃん、年配者みたいな事言ってない?」

「自分で言っててホントにそれは思った」

 

最初に5人が出会った公園でそれぞれの、短くも濃密だった想い出を語り合う中、誰かが空を見上げた。

 

「わぁっ……!」

「中々珍しい……」

「凄い偶然ね」

「綺麗なモンだな……」

 

降り注ぐ流星群。満天の星空。19時18分。

朱里には、ある物に思考を結び付けるには充分過ぎる程に要素が揃い続けていた。

 

 

 

「……ああ、成程、そういう事かぁ……」

 

 

 

脳細胞を総動員して術式と呪文を思い出す。

必要な呪具(バルザイの偃月刀)は既にこの手の中に。

後は地に術式を刻み付け、呪文を確実に紡いでいく。

 

いつしか彼女の意識は失われていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

──────────────────────

 

『……またか』

『うん、またなんだよ。君のせいだけどね』

『いやまぁそうなんだけどね、()()助』

『ヨグ助、ってどんな呼び方なんだ……』

 

 

ついさっきまで居た、歪んだ世界に朱里は再び居た。

ヘドロの様な黒ずんだ空と、数えるのも億劫になる膨大な量の球体(世界)。またも朱里はその辺にドカッと座り込み、ヨグ助と呼ばれた青年も呆れ返りながら対面に座り込む。

 

 

『で?なんでまた私は呼ばれてるんですか』

『君が()()()()を書いたからだろう』

『違う。あの召喚術式はアンタの()()()()1()()()()()()()()()()()()だけに過ぎない。精神をヨグの元に飛ばすなんて術式、私は知らない』

『チッ、バレてたか……』

『知識を放り込んだのはアンタだぞ』

 

どうやらこの世界に再び朱里が訪れたのはイレギュラーな事態であるらしい。

怪訝そうな顔を青年に向ける朱里にヘラヘラしつつ、青年は真相を語り出した。

 

 

『実はね、僕も1枚噛んでたんだよ』

『……ヘぇ?()()()()()()私を消す為に?』

『いんや?ナイアルラに痛い目合わせてやる為に、さ』

『ハ?まるで意味が分かりませんけど?』

 

『そもそもナイアルラは神出鬼没過ぎて本体どころか分身体すら殆ど捕捉出来ない、っていうのは』

『知ってますよ──あ、そういう……』

『どういう訳か、奴はキミの身体を乗っ取る、という作戦の為に僕の分身体にコンタクトを取ってきた。向こうも分身体の1つとはいえ、上手く利用すれば力を削いでやれる……と思ってね』

『つまり私達は、アンタらの勢力争いに利用されたと』

『人聞きが悪いな。ナイアルラの脅威は君も知っているハズだ』

『ハイハイ、そういう事にしておきます』

『面倒くさがりなモノだ。話はしっかり聞いておかないと損するぞ?』

『あーあー耳がいたーい』

『……何故この世界線のキミはこれ程まで適当なんだ』

『知りませんよそんなの。むしろ別世界線の私はいい子ちゃんな事にビックリです』

 

 

旧支配者達の勢力争いに巻き込まれた事を知った朱里。不機嫌な顔ではあるものの、ナイアルラの脅威を()()()()()からこそ、青年に対して大きくは出れなかった。

 

 

『……で、結局私をここに呼んだ理由が分かりませんけど』

『僕なりの謝罪さ。もう1回旧支配者の身体を見せて皆を発狂させるのはダメだろう?』

『……もしかして今、私の身体乗っ取ってます?』

『術式を介して今ちょっと、ね。にしてもあの召喚術式はまだしも、効力を発するタイミングは凄い抽象的な言い方だったからね。キミの事だから忘れてるものかと』

『失礼な。必要な情報はしっかり覚えてますよ。それ以外は全く覚えてないってだけで』

『物忘れが激しいと言うべきか、記憶の要領が良いと言うべきか』

『聞こえのいい風に言うべきですよ、神サマ?』

『しっかり心に刻んでおくとしよう』

『心もクソも無い癖に冗談だけは上手いっすね』

『キミ、僕の()()()1()()()()()()()()の分かって言っているかい?』

 

『だって自分しかその叡智を理解出来る存在が居ないって、虚し過ぎませんか?』

『……ほう?』

『孤独ってのは虚しいモノだ。せめて、1つでいいから、理解が欲しい。そういうモノを何処かに全ての存在は秘めている』

『………ハハハ!冗談も休み休み言えよ人間。旧支配者の力の一片を託された事で思い上がらない事だ』

『その反応がそうでしょう。理解されない、その時が永過ぎた。耐えれず破滅するならまだしも、()()()()()()()()()ら、次は《理解の否定》を始める。孤独の王であると、言い聞かせて。タチが悪いのは、本当にアンタは王であった事だ。未だどの存在も理解出来ない、叡智を持ってしまった』

『……ならば、どうすると言うんだい?』

 

『私が、アンタの理解者になってみせる』

 

 

ヨグ=ソトース(全知全能の神)に対する挑戦。その意を表明した朱里に対して

 

 

『………なら、楽しみにしていよう。キミが、僕の領域に辿り着くのを』

 

 

青年の顔は、狂気に満ちた笑みで応えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

──────────────────────

 

 

「………ん、んぅ……あり?」

 

 

目を覚ました朱里。何処かも分からない公園のベンチに寝転がっていた彼女は、ゆっくりと身体を起こして周りを見渡す。

数少ない休日だからか、遊びに来ている家族。日課なのか、散歩に来ている老人。自分よりも若い学生が楽しそうに遊んでいる光景。

いつも通りの日常の風景を見て、いつの間にか張り詰めていた自分を落ち着かせる様に息を吐いた朱里は、ある事に気付いた。

 

「……サングラスとジャケット、持って来ちゃったよ」

 

きっと誰かの物であっただろう、自分の持っていないサングラスとジャケット。それを身につけていた朱里は、フッと笑いつつも携帯電話を手に取り、ある事を伝えた。

 

 

()()()()()()。お礼の手紙、あの人に送っておいてくれないかな」

 

 

その手紙が、あの人 と言う人の元へ届いたかどうかは、また別の話である。

 

「朱里ちゃーん!」

「ん……響、あんな遠くから叫んでも意味無いでしょうに……周りの目線めっちゃ集めてるし」

 

「朱里ちゃん、起きたんだね!」

「起きたって……私倒れたの?」

「そうだよ!急にそこの大通りで倒れてホントにビックリしたんだから!」

「アハハ……ゴメンゴメン。もう私は大丈夫だからさ、何処か遊びに行こうか?」

「良いね!何処に行く!?」

「ゲーセンで」

「朱里ちゃんゲーセン好き過ぎない?」

「良く言われる。んじゃ、未来が来たら行くとしますか!」

「そうだね!」

 

 

これは2世界の、有り得たかもしれない、有り得ない狂った1つの物語。




これにてようやくコラボ話、私の方でも完結となります。異常なまでの私のコラボ話の書く速度の遅さに絶対辟易した人も居るでしょうが、ここまでお付き合い頂いた読者の皆様、ありがとうございます。

次話からは何を書きましょうか……過去編のシリアスな感じも書きたいんですけど、リアルの方でまた別次元に脳ミソが飛んで行った会話が出たので、それも話に起こしてみたいんですよね……まぁゆったりと進めます。

あともしかしたら『錬金術師の野望』を色々改変して1からやり直すかもしれません()
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