とある女学生の混沌とした日常   作:きりきりばい

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死ぬ程遅刻しながら頑張って響を愛でたら小説が生えました
XDくんはまさかのみくクリで映画見に行くメモリアが来ててビックリしましたねホント……応援上映という発想は無かった

皆もひびみくクリを崇めろ(謎の半強制)


特別編:とある女学生の混沌とした響祝い

「スゥ…………スゥ…………」

「うへへ…………うへへぇ……」

 

「……あのバカ2号(朱里)の醜態はなんだ?なんで寝てるバカ1号()の背中に抱き着いてハァハァしてんだよ気持ちわりぃ……」

「ココ最近のバイトが激務で響成分が足りてないとかなんとか」

「……知りたくない一面を知ってしまった。ていうかアイツバイトしてたのな」

「何処で仕事してるのか教えてくれないんだよね……給料は凄いらしいけど」

「……それ、大丈夫な所か?」

「……多分」

 

 

9月13日。それは立花響の誕生日である。平日な為にもちろん学校はある。しかし昼休みに昼食を食べるだけ食べて響、無事爆睡。その背中に抱き着いて危険な声を出しながらスリスリしてる朱里がそこには居た。流石に他の女学生もドン引いてる様で、中庭の一部分にはいつものメンバー以外が全く寄り付いていない。

 

 

「……朱里先輩って、いつもこんなんでしたっけ?」

「たまにおかしくなるだけだから」

「……たまに?」

「それ以上はやめたげて。朱里の名誉の為にも」

 

「急に見た事も聞いた事も無い神話の話とかして凄い先輩だとは思うんデスけどねぇ……」

「ホント、朱里の名誉の為にもそれ以上はやめたげて……」

「流石にこれは駄目デスよ、朱里先輩」

「やめたげてよぉ!?」

 

 

後輩2人から滅多打ちにされる朱里。当の本人は無我夢中で響に抱き着いてる為どうでも良さそうだが、付き人の胃は直前の昼食と相まって破壊寸前であった。

 

「……ところでこれ、いつ終わるの?」

「よし、成分補給完了」

「終わったんだ」

「調ちゃんと切歌ちゃん、後で屋上ね」

「しっかり聞かれてたデス!?」

「お、自覚有りか?」

「切ちゃん嵌められてる……」

「デデデ!?私を嵌めたデスか!?」

「わっかりやっす。あまりの反応の良さに朱里さんビックリ!」

「声の割に顔死んでるよ朱里」

「だぁってぇ〜!バイトしんどいもおぉぉぉん!」

「そ、そんなに?」

「給料ちょっとでも下がったら絶対辞めて未来に養ってもらう」

「お願いだから働いて?」

「ヤダ!」

 

「…………(無言の右拳構え)」

「待って、待って。冗談だから、ね?未来さん?あの、ジョークはやはり笑い飛ばs──ゲフォオ!?」

「「朱里先輩!?」」

「……後輩の前で言う事じゃないでしょ」

「ハイ、ええ、ソウデスネ。申し訳ナッシング」

「本当に反省してるのかなぁ……」

 

 

頭部に見事なタンコブを作り上げた朱里は、痛む頭を擦りながらも流し目で響を見る。抱き着かれて奇声をあげられていたにも関わらずグッスリと眠り続けている様子は、余程疲れているのだという事を見る者に感じさせる。

 

と、ここで朱里。何かを思いついた様子。

 

「いい誕生日プレゼントを思いついたんだが……」

「絶対ロクでも無いでしょ」

「ちょっと未来さん?今日辛辣過ぎません?」

「普段の朱里が悪いんだよ?響を想う気持ちは分かるけど……

「言い返せねぇ……ん、なんか言った?」

「何も言ってないっ」

「えっ……えっ……めっちゃ冷たい…………」

「朱里先輩涙出てますよ!?」

「うん、調ちゃんハンカチありがとう……グスッ

「え、えぇ……?」

「未来さんは困ってるデスよ……?」

 

明らかに警戒される朱里のプレゼント。一体何を送り付けるつもりなのだろうか。

 

 

「……スゥ…………スゥ…………」

 

 

それは、眠り続ける響には預かり知らぬ事である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

──────────────────―

 

 

「「「「「「「「お誕生日、おめでとう!」」」」」」」」

「わあっ……!皆ありがとうっ!」

 

夜の7時。誕生日パーティが始まり、会場として使われる事となった朱里の自宅には計8人が集合。

この場に居るのは朱里、響、未来、切歌、調に響の父、母、祖母。マリア、セレナ、翼、奏はチャリティーライブで海外に向かっているらしく、残念ながら欠席。

 

 

「さぁ喰らえこの12人前油淋鶏をォ!」

「なんで?」

「いただきまぁす!」

「なんで?」

 

 

苦労人未来、ここでも気苦労が絶えない様であった。

 

 

「ねぇ、なんで朱里は12人前用意してるの?」

「え?前のメンバーが集まるんだったら12人前かな〜って」

「前って……ああ、翼さんの時?でもあの時って1、2……14人じゃない?」

「うん」

「え?ん、ん?なんで12人前なの?」

「まずツヴァイウィングの2人とマリアさん姉妹は今チャリティーライブしてるから来れないじゃん?」

「うん」

「となると、ツヴァイウィングのマネージャーも来ないじゃん?」

「うん」

「マネージャーと一緒に呑んでたあの人は内閣官房の1人だし、そもそもなんで来てたのあの人?」

「風鳴、八紘さんだからでしょ?」

「あ、ホントだ。で」

「で じゃないんだけど。誕生日パーティーに居た人の名前覚えてないってどうなの」

「今はそこはあんまり重要じゃない。で」

「もういいや。で?」

「弦十郎さんだっけ、あの人も翼さんの家族だから来ないじゃん。で、今回響の誕生日なんだから響の家族が来るかもしれないじゃん?」

「うん」

「そういう事よ」

「ー7の+3だからどう計算しても10人だけど」

「響が3人前ぐらいペロリと食べるかなって」

「うーん……一理ある」

「でしょ?」

 

 

「響さん!そんなに急いで食べたらむせますよ!?」

らいひょうふ(だいじょうぶ)ゆっふりふぁから(ゆっくりだから)!」

「ホントに大丈夫なんデスかね?あとこれでゆっくりってマジデスか……?」

 

 

「響は良い友人を持ったな……特に、朱里と未来、と言ったか」

「彼女、ホントに色々手伝ってくれてるみたいだし、今日の料理も彼女が殆ど自作したらしいし……頭が上がらないわね」

「助かるわねぇ」

 

 

それぞれが思い思いの時間を過ごす中、自然と始まったのはプレゼント送りの時間。各々が考えに考え抜いたプレゼントを渡して行く。

 

 

「響さん。私からはコレを」

「わっ、ネックレス……ハートが付いてる!ありがとう!」

「響先輩!私からはコレデース!」

「お、お米……ありがとう!」

「響、お誕生日おめでとう。コレが良いかなって、思ったんだけど……」

「わあっ、私の欲しかった眼鏡!」

「「眼鏡!?」」

「こうやって掛けて……どう!?」

「美人捜査官みたい……」

「び、美人なんてそんな……///」

 

「……あれ、そう言えば朱里ちゃんは?」

「朱里先輩、『プレゼント取ってくる』って言った限りで帰ってこないデスね……」

「あ、帰ってきた」

 

 

 

パーティー用も兼ねた広々とした応接間。そこに襖を音を立てながら大きく開いてやってきた朱里は──どう見ても直径1m超えの謎の球体を転がしてきた。

 

 

「うん…………うん?朱里ちゃん?」

「さぁこれが私のプレゼントだァ!」

「朱里ちゃん!?」

 

 

叫びながら球体にまさかの全力パンチ。殴り付けた部分にヒビが入り、そこから球体が少しずつ割れていく。ヒビからは謎の閃光も溢れ出し、たまらず皆が目を閉じる。

 

「えっ、えっ!?」

「何が起きてるの!?」

「何の光!?」

「目がァァアアデスゥゥ!? 」

 

徐々にヒビ割れが増えていき、遂に球体の中身が解き放たれる──

 

 

 

 

 

 

 

「……ナニコレ?」

「カードです」

「カード……?」

「まぁまぁ、持ってみて」

「うん」

 

 

出てきたのは、全面が青白く染まった、手で持てるほどの大きさの何も描かれていない板。朱里曰く『カード』らしく、それを響に持つように促す。

 

 

「持ったよ──うわ、なんか絵柄が出てきてる!?」

「『心を映し出す』……それが私の考えたプレゼント。そのカードは響、貴方の隠し通している物も含めた本心を見透かす……!」

「えっ、ええっ!?」

 

 

手に取った瞬間、橙色に変色したカードは少しずつ絵柄が映し出されていく。

しばらく経ち、そこに描かれていたのは……

 

 

「……皆の集合写真?」

「後ろにはとんでもない量のお米があるデスよ」

「未来さんと響さんが占める範囲、意外と小さいですね」

「そりゃこんだけ居たらねぇ……いや多過ぎない?」

「だ、だってぇ……」

「だって?」

 

「皆と手を繋げた事が、嬉しくて……」

「………………」

「ちょっ、ちょっと朱里ちゃん?無言で手を繋いできてどうしたの?あとこんなに力弱かったっけ?」

 

 

響が映し出された風景の意味を恥ずかしげに言った瞬間、朱里が無言で両手を包み込む。その力は異様に弱々しかった。

 

 

 

「……響……決して、手を繋ぐ事を諦めないで」

「えっ……う、うん!」

「……なら良し!さぁ呑むぞォ!酒持ってこい酒ェ!」

「朱里ちゃん未成年じゃん!?」

「じゃあジュースでも飲む?今家にあるのお酢だけなんだけど良い?」

「ジュースって言ったのにお酢?お酢飲むの!?」

「お酢は飲み物じゃなかったの……?」

「朱里ちゃん今度病院行こ?私もついてくから」

「ヤダ!ゲーム出来ないのヤダ!」

「拒否する理由そこ!?」

 

 

少しばかり暗い雰囲気になったのも束の間、即座に未成年飲酒を行おうとしつつも無理矢理雰囲気を戻した朱里は、後々作り過ぎて皆が食べ切れなかった料理に苦悶したとかなんとか。

 

 

 

 

 

 

 

「ねぇ未来。私のプレゼント、良かったでしょ?」

「……なんで、()()()()()()()()()()()()の?」

「それでいいんだよ、それで。何も間違った事はないない」

「……本心を映し出すんじゃなかったの?響の中には朱里は居ないって言いたいの!?」

「落ち着いて未来。別に人の本心を勝手に推測してやってる訳じゃないんだから」

「じゃあなんで!」

()()()()()()()()()からかな」

「……それってどういう意味?」

「今はまだまだ。数ヶ月もすりゃ分かる分かる」

「……その時になったら、教えてもらうから」

「もっちろん。だからその時まで待っててね、お姫様?」

「…………からかってるの?」

「騎士サマの方が良かっ──グッヘェ!?」

「ばかっ、そういうことじゃないよ!」

「手が出るのが大変早い、ようで……」

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