「……なんだこれ」
ある日、足立朱里は自宅を出て直ぐに奇妙な拾い物をした。
「……これは
訂正、ヤバい拾い物をした。なんでこんなモノが落ちてんだ。しかもルー語を独り言で平然と話すようなヤベー奴の家の玄関先に。
ちなみにこの世界では仮面ライダーは普通に放映されている。なんなら1号から何十年も。なのでクウガも勿論放映済である。
「……腰に押し当てたら体内に取り込まれんのかな、コレ。実験したいけどなぁ……学校行かないとだしなぁ……うーん」
そう、本来は今日は学校は休みなのだが、彼女は訳アリで学校に行かなければならない。通学しようと家を出た瞬間にコレである。学生服を着たままウンウン唸っていた彼女だが、唐突に1つの名案が浮かぶ。
「家に置く……玄関先にこんなん置いてたらマジで怖ぇな。かといって持ち歩く訳にもなぁ……ひび、きはヤバいからOUTか。未来にでも預けて帰りに取りに行こう」
こういうヘンテコ物質に関する専門家の集まりであるS.O.N.Gの事も、名前を挙げた2人がどちらもその関係者、1人はモロ実働部隊な事も知らない彼女だが結果的にその判断は大正解であった。彼女は進路をリディアン寮へと変え、信頼する親友に電話をかけた。ワンコールで出た相手に安堵しつつ、彼女は要件を伝えていく。
「あ、未来?今ちょっといい?」
『珍しいね、どうしたの?』
「ちょっと変な拾い物してさ……危険物じゃないのは分かるんだけど、持ち歩くにもいかない物で……預かっててくれない?」
『なんでそんな物拾ったの……?』
「いや、それがさ……私の知ってる玩具が本物になった、みたいな?」
『……うーん?』
「取り敢えず危険物じゃないから預かって!バッグに入らないから手持ちしてるせいで今道行く人に凄い顔されてるの!」
『ま、まぁ朱里がそこまで言うなら……でもなんで私に預けようとしてるの?わざわざ私の所に来る理由が……』
「今日私補習あるの!」
『……えっ?』
そう、朱里が学校に行かなくてはならない理由とは補習であった。国語と英語に関しては全く勉強をしなくても学年上位を維持出来ている彼女だが、全ての学業が完璧という訳では無い。むしろ数学に限って言えば彼女は響よりも頭が悪かった。それこそ、この夏休みに補習をねじ込まれるぐらいには。
そんな訳で彼女は補習の為に学校に向かっているのであった。
『……ま、まぁ、それなら預かっておくよ、うん、えぇ、それがいい』
「すっごい口調崩れてない?どうしたの?」
『いや、朱里 も 今日補習なんだぁ、って』
「……まさか」
『そう、そのまさか』
「……もう胃が痛い」
『が、頑張って?』
言い方から察しただろうが、相手に選ばれなかったもう1人はどうやら朱里と同じ事情を抱えているようであった。何故2人きりになる事にこれ程に胃を痛めているのかはともかく、特に大きな問題もなく彼女はアークル(?)を未来に預けて学校へ向かった。
「せんせ〜来ました〜」
「足立さん遅いですよ!何をしてたんですか!」
「いや、ちょっと落し物を交番に」
「立花さんみたいな事を貴方も……まぁいいです、そこに座りなさい」
「へーい」
完全に魂が抜けてるかのようなテンションで教師に応答する朱里。そんな彼女が胃を痛める存在が、よりにもよってこのタイミングでやってきた。
「先生この課題終わ――朱里ちゃんも来てたんだ!」
「ゴボッ……」
「えぇっ!?」「足立さん!?」
丁度終わった課題を提出しに来た響。朱里を視認した瞬間に、居ないものだろうと彼女の中では確定していたので予想外の人物にあった様な反応をしたのだが、帰ってきたのは吐血だった。
Q.なんで血吐いたのん?
「ど、どうしたの?身体の調子悪いの?」
「アンタに学校の補習見られたとか死にたい……!」
「えぇ…?一緒に頑張ろうよ!」
「なんで補習を頑張る必要があんのよゲームしたかったのに!」
「貴方がゲームに費やした時間で数学を頑張っていれば良かった話でしょう足立さん」
「いやホント全くもって仰る通りでございます」
「認めるんだ……」
A.補習になってるのバレて死にたいから
逆になんでそれだけの理由で意図的に血吐けるんだ、とか突っ込んではいけない。そういう人間だから。
ちなみに未来がこの事を知っていた理由だが、小学校の頃から朱里は数字関連がダメダメであった為何度か補習を喰らっている。響も勿論別教科で喰らっている為受けているのだが難癖を付けて意図的に響が終わる辺りまで遅れ、響が出るタイミングでゲームで学んだ隠蔽技術で誰にもバレずに学校入りして補習を終わらせていた為である。今回もそれをしなかったのは
一方その頃、S.O.N.G仮設本部では……
「ふむ、コレが……」
「朱里が帰ってくるまでの間なので……約2時間でしょうか、その間に軽くで良いので調査をお願いしたくて」
「これは朱里という人物の所有物なのか?少々、いや相当特殊な物だが」
「いえ、拾って直ぐですけど大事そうに抱えていたので」
「……そ、そうか」
小日向未来と、S.O.N.Gの総司令であり『憲法に抵触している』とまで言われた武力の化け物である『風鳴弦十郎』がアークルを挟んで会話していた。
朱里が持ってきたアークルを見て直ぐに聖遺物関連の匂いを感じ取った未来により、即座にS.O.N.Gに持ち込まれた次第であった。
「にしてもその口ぶり……何かコレについて知っているんですか?」
「あぁ……少しばかり特殊なモノなのだが知ってはいる」
「朱里も玩具が本物になった、とか言っていましたが……」
「響くんには見せたのだが『仮面ライダー』という物に登場するアイテムでな……」
「名前は聞いた事ありますけど……どんな物なんですか?」
「簡単に言えば、作品内では腰に押し当てて適合した人間はヒーロー兼怪物となった」
「えっ!?」
シレッととんでもない発言をしているがあながち間違いでも無い。霊石アマダムが致死毒を受けた適合者を意図的に心肺停止状態にした後、解毒してから自力で復活させている時点で充分人間を超越している。
ちなみにコレが本物だった場合の事を考えているのか、珍しく弦十郎の目線は対話相手でなくアークルに結構吸われていた。
「取り敢えずこちらで調べてみる。2時間以内に終わりそうにない場合は連絡した後、返却しよう」
「それでお願いします。あ、それとシミュレータールームを借りて良いですか?」
「む?構わないが……未来くんは何か武術でもしているのか?」
「いえ、朱里に教えてもらった技を練習しようかと」
珍しくシミュレータールームを借りようとする未来。ちなみに彼女は装者ではない、本当にただの一般人である。
「ほう?ちなみにどんな技なんだ?」
「見てのお楽しみ、ではダメですか?」
「成程、ではそうさせてもらおう」
実際 朱里 技 という単語を出しただけでかなり食い気味だった為、完全に釣った形である。弦十郎としてはずっとやっていた書類仕事が後回しになった為願ったり叶ったりである。
という事でシミュレータールームにて……未来は自然体で立っていた。ちなみにホログラムのノイズを利用するらしく、エルフナインと……
「ふん、何故オレが同席せねばならん」
「まぁまぁ……かなり特殊な技だそうですよ?もしかしたら」
「錬金術をやる上で参考になる可能性があると?バカバカしい……」
キャロル!?キャロルなのか!?生きていたのか!自力で脱出を!?(無言の腹パン)
が居た。不機嫌そうな顔で文句をつらつら述べているが、目線は完全に未来の方に吸われていた。なんだかんだ一般人がホログラムのノイズを利用した技を使う事に興味津々の様である。
で、件の未来さんだが……先程からずっと右腕をくねらせている。何をする気なのだろうか。
「未来くん、どのような技なのか俺には予想がつかんのだが……ホログラムとはいえ、ノイズに対する有効打となるのか?」
「この技が上手く使えれば攻守両方に使えるとか言ってましたよ?聞いた感じ遠距離攻撃でしたし」
「成程……では見せてもらおうか!」
「ノイズ、出現させます!」
その声の後、ホログラムのノイズがまずは1体。二者間の距離は5m。ごく一般的な二足歩行で手先がアイロンみたいな事になっているタイプ。それに対して未来が起こした行動は……
「響を傷付ける相手は赦さない……ハァッ!」
なんか危ない愛を呟きつつ、右手で空気を圧縮するかのように掴んで一瞬腕を捻り、風を切る音が聞こえる速度で前に突き出して閉じた手を広げた。
その結果……
「衝撃波、だとぉ!?」
「倒すには至らなくてもノイズを吹き飛ばす程の衝撃波をあんな一瞬で!?」
「おいアレはどうなっている。風元素の下級錬金術の必要性が薄くなるぞ」
倒すには至らなかったが、中型ノイズが一撃で数m吹き飛ぶ程には強烈な衝撃波が発生した。ちなみに予備動作から打ち出すまでわずかコンマ4秒。成程完全な遠距離でコレが放てるのなら確かにアルカノイズから逃げやすくなるだろう。
「あれ、朱里ちゃんの技より全然威力も範囲も弱い……聞いただけじゃ、こんな感じかな」
放った本人だけは驚きもせず、なんなら萎えていた。というか聞いただけで再現しないでください。
ちなみにアークルだがこんな事をやっている間に鑑定結果が出た。霊石アマダムが入ってる本物だった為、個人管理させる訳もなく即座に封印が決定された。補習から帰ってきた朱里にS.O.N.G関連の事を可能な限り隠しつつアークルが封印された事を話す未来が親友3人組の中で1番胃が痛かったとか。
アークルくん封印しないとこのオリ主マジで装着して人間辞めそうだもん……仕方ないね
コラボしてみたいんだけどこの主人公コラボ先出れそう?
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行けるやろ
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無理やで