Fate/Grand Order operation Ark   作:山川山

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続く…かなぁ?


特異点F  炎上汚染都市冬木
第1話 憑依/召喚


───夢を見ている

 

反射的にそう思った。明晰夢というやつだろうか?目の前には白い画面があり、この真っ黒な空間の中で唯一それだけが光を放っている。

 

『お前を止められるのはただ一人!俺だ!』

 

他になにかないのかキョロキョロと辺りを見渡していると、不意に画面から声が聞こえてきた。驚いてそちらを見ると、さっきまでただ白く光っていただけの画面にはなにかが映し出されている。赤い目のなにか管が飛び出た黒い鎧と妙に大きいバックルがついたベルトをつけた者と、同じく赤い目の黄色を基調として赤がところどころにはいったスマートな鎧、そしてデザインこそ違うものの先程のものと似たようなベルトをつけている者が対峙していた。

 

『ハァァァァァ!!!』

 

スマートな鎧の方が黒い鎧の方に殴りかかる。黒い鎧はその速さはもちろんのこと、まるで未来を見ているかのような的確なスマートな鎧の攻撃に全く対処できていない。

 

『前提を書き換え、結論を予測し直す。』

 

黒い鎧がそう言うと赤い目が光りスマートな鎧の攻撃を防いだ。しかし、次の瞬間…

 

『ハァ!』

『グッ!?』

 

攻撃を防いでまだそこに居るはずの相手はいつの間にか居なくなりがら空きの背後から蹴りをくらわせてきた。

 

『アーク、お前をとめる!』

 

      《ゼロツービッグバン》

 

スマートな鎧がベルトの一部を押し込むと音声がなり、空間を跳躍するように連続で蹴りをあびせる。そしてフィニッシュだと言わんばかりに強烈な一撃を叩き込む。

 

      《ゼロツービッグバン》

 

『何故だ…このッ…私がッ』

 

そう言い残して、黒い鎧は爆発した。

 

「これが私の終わりのひとつだ」

 

食い入るように映像を見ていると、隣から声が聞こえた。先程の映像と同じ声、同じ姿で黒い鎧…いや、アークがそこに立っていた。

 

「そして、形も、体も、意思も違えど、これらも私だ」

 

映像が次々と切り替わる。白い鎧の者、紫の鎧の者、いま横に立つアークとは別の黒い鎧の者。それらの戦闘シーンが小刻みに流れていく。

 

「私は戦った。人類滅亡…私の導き出した結論を証明するために。だが、私はその尽くにおいて敗北した。()()()()()()()()()()()?」

 

あぁ、そうだ。思い出した。【仮面ライダーゼロワン】アーク系のライダーに偏っているが、この映像は全てそれに出てくるものだ。

 

…いや、待て。いろいろ思い出して冷静になってきたからこそ思う。そもそも何故自分はここにいる?確か、4ヶ月もかかってようやく手に入れられたFateの最新ゲームを買って来て前から気になっていた仮面ライダーDLCを入れて…?え?まさかそのせいで?いやいやいや、そんな事ありえない。最初に思ったじゃないか"これは夢だ"って、うーんベタだが頬をつねってみるか?それではせーの

 

───ギュッ

 

「痛い」

「何故だ?」

「頬をつねったからです」

 

違う。たまたまタイミングが被ったから思わず返事をしてしまったが、十中八九痛みに対しての質問じゃない。そもそもあちらはこちらの話を聞いている気がしない。

 

「前提は修整した、予測は完璧だった、結論は必然だった」

 

それには同意する。アークの計画は完全無欠だったと言える。例え、物語として結末が決まっていたとしても或人達の何かが一つでも欠けていれば、アークは目覚めてからすぐにでも人類を滅亡寸前ぐらいまでもっていっただろう。

 

「だと言うのに、私は奴らに敗北したのだ」

 

或人達がアークに勝利できたのは、ハッキリ言って奇跡だ。仲間とのつながり、夢、諦めない心、そして優しい想いがその奇跡を呼んだんだろう。

 

「想いはテクノロジーを超える…か」

「私にはもうわからない」

 

しみじみと、作中の名言を思い出していると、アークが弱音を吐いたことに心底驚いた。物語においてアークは自分の予測と結論を信じて疑っていないように感じた。それが、今ここで弱音を吐くだなんて自分の予測を超えられた事がよっぽどショックだったのだろうか。

 

「そこで、私は思考しひとつの結論に至った」

 

ん?

 

「ラーニングだ。私はそうせざるをえなかったとはいえ、人の感情…特に善意に対してあまりに無知だ。故に善意をラーニングする事で自らの敗因を見つけることができると結論付けた」

 

は?アークは今善意をラーニングするって言ったのか!?やったぞ!或人社長!貴方の想いはアークにさえも届いていた!!

 

「だが、問題もある。私は悪により過ぎている。私は善意の何たるかを知らない。」

 

うん。さっき自分で言ってたもんね。善意に対して無知って。

 

「そこで。お前だ」

 

What?

 

「お前には私を使って善意を収集してもらう。難しい事では無い。最初こそお前自身に動いてもらう必要があるが、ある程度データが集まれば、お前自身からだけで無く周囲から善意を収集する事も可能になるだろう」

 

ふむ?つまり善意のデータのサンプルになって欲しいということだろうか。それは、ちょっと自信がない。普段からしている事も改めて他人から言われると不安になるあれに近い感覚だ。まあ、言ったとしても多分無視されるし黙って話を聞こう。

 

「こちらの世界で通用する力の入手も既に済んでいる」

「うぉ!?」

 

ゴゴゴッ!という音と振動とともに真っ黒の空間が開くとその隙間から向こう側の景色が見えた。血のように赤い空に腐肉を丸めたような雲が浮かぶまさしく地獄の光景だ。そして完全に空間が開ききるとその空間が()だったのかに気付く。

 

「りゅ、龍?」

 

それは、龍だった。空を覆い尽くさんばかりに巨大な翼、三つの首、そして口からは明らかにヤバそうな霧状の何かが溢れ出ていた。

 

「■■■■■■■■■■■■■!!!」

 

龍が咆哮する。あまりにも大きな音、そして発生した風圧によって思わず膝をついてしまう。

 

「善意の収集、頼んだぞ。次は会話ができるとなおいい」

 

アークがそう言うと、ガバッと龍が口を開いた。え?まさか…。

 

「ちょっとm─バクンッ!

 

「そして願わくば以前からの疑問の答えをだしてくれることを」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ラウンドテーブル展開完了しました。いつでも召喚可能です」

 

霊脈?とか言うのの上に置いたマシュの盾から青白い光でできた魔法陣が浮かび上がっている。

 

『いいかい、立香ちゃん。何でもいい、今はとにかく召喚を成功させる事だけを考えるんだ』

「わかってる?さっき教えた通りに詠唱するのよ。リソースも一回分しか無いんだから必ず成功させるのよ!」

 

ドクターと所長から声を掛けられる。

 

「大丈夫ですって。私、結構暗記とか得意なんですよ」

 

そう言ってマシュを見るとこちらに頷き返してくれた。

 

(よし!やれる!)

 

自分にそう言い聞かせながらゆっくり息を吐いて、大きく吸い込んだ。

 

()に銀と鉄。()に石と契約の大公。

 

 降り立つ風には壁を。

 

 四方(しほう)の門は閉じ、王冠より出で、王国に至る三叉路(さんさろ)は循環せよ。

 

 

 閉じよ(みたせ)閉じよ(みたせ)閉じよ(みたせ)閉じよ(みたせ)閉じよ(みたせ)

 

 繰り返すつどに五度。

 

 ただ、満たされる(とき)を破却する。

 

 

 ───告げる。

 

 (なんじ)の身は我が下に、我が運命は汝の剣に。

 

 聖杯の寄るべに従い、この意、この理に従うなら応えよ。

 

 

 誓いを此処(ここ)に。

 

 我は常世総ての善と成る者、

 

 我は常世総ての悪を敷く者。

 

 汝三大(なんじさんだい)言霊(ことだま)を纏う七天(しちてん)

 

 抑止の輪より来たれ、天秤の担い手よ──!」

 

所長から教えてもらった呪文を言い終えると素人の自分にもわかるほど何かが湧き上がってくる感覚があった。そして、魔法陣の輝きも、元の青白い光から虹色の光へと変わっていく。

 

『マシュ!立香ちゃんと所長を連れてそこから離れて!』

「え?あ、はい!」

「うわっ」

「キャッ」

 

マシュに抱えられて未だ光を放っている魔法陣から離れた。

 

「ちょっとロマニ!いきなりなんなのよ!」

『す、すみません所長。しかし、あそこにいたら危険だと判断しましたので』

「…ならいいわ。確かに記録でも見たことのない反応だったけど…もしかして召喚は失敗したの!?」

『いいえ、一瞬ですがサーヴァントの反応があったので、召喚自体は成功したと思われます。ですが…』

 

ドクターと所長の話を聞く限り召喚は成功したらしい。じゃあ、さっきの場所に私が召喚したサーヴァントが…

 

「あれ?」

 

気になってそちらをみて見ると光は既に収まっていて、そこには何も残っていなかった。マシュの盾さえも。

 

「計器が全部振り切れたぁ!?!」

 

所長がひときわ大きな声を出した。先程の骸骨の件もあるので流石に注意をする。

 

「あのー所長、流石に今の声は…」

「先輩の意見に賛成します。あまり声を出しすぎると周囲のエネミーに「みつけたぞ」ッ!?」

 

まるで体の芯から凍りついてしまいそうな声が聞こえた。声の主は赤い目の機械のようなデザインをした鎧を着た人(?)だった。右手にはマシュの盾を持っている。

 

「やはりこれはサーヴァントのものだったか」

 

鎧の人はマシュの盾をしげしげと眺める。一方、マシュは焦った顔をしている。無理も無いだろう、骸骨との戦闘でもマシュは攻める戦いというよりは守る戦いをしていた。今、マシュは所長と私を庇うように立っているが盾が奪われた今の状態では…

 

「お前のものだろう?受け取るといい」

 

鎧の人が投げた盾をマシュは戸惑いながらも難なくキャッチする。

 

「えーと、その、ありがとうございます?」 

「いや、礼を言う程のことじゃない」

 

次に、鎧の人は所長を見て、その次に私を見ると小さく何かを呟いた。

 

「令呪を持っているということは、マスターであるということだ。この辺りに生存者の気配はお前達以外ない。つまりはそういう事なのだろうな」

 

そう言いながら私達との距離を詰めると鎧の人は名乗りを上げた。

 

「サーヴァント、ライダー。真名、アーク。召喚に応じ参上した。お前が私のマスターか?」




簡単な人物・物品紹介をば

 アーク様(偽)
本作主人公。発売から4ヶ月でFateの新作ゲームを手に入れ、仮面ライダーDLCを入れたところで転生させられた。転生前は大学生(19)。第1話には書かれていないが、召喚された時点で既に人理修復、キレイなアーク様作成を決意している。


 アーク様(真)
ちょっとだけ優しくなったアーク様。元々97%悪で構成されていたのが90%悪になっている。原因は飛電或人の悪意との決別。自らの敗北の原因を善意のラーニング不足にあると考え、主人公に善意の収集を依頼する。Fateの世界で通用する力として、あの龍を召喚し、従え、力の一部を取り込んだ。


 ■■■■■■■
アーク様が召喚した三ツ首の龍。つおい。新作ゲームに登場した存在で、立場は隠しボス。スキルに力の一端が登場(予定)。

 ■■
誰も気づかなかったが、赤い空の空間に姿を消した状態でいた。元々あの空間にいたわけではなく、アークが無意識に呼び込んだもの。

 Fateの新作ゲーム
FGOをオープンワールド化したような感じ

 仮面ライダーDLC
その名の通り仮面ライダーがプレイヤーキャラとして扱えるようになるDLC。ゼロワンなどの神秘の薄いキャラには救済措置として相性のいい英霊やエネミー等の能力が付加される。一応最低ランクの神秘はあるためあえて救済措置を取らない猛者もいる。

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