Fate/Grand Order operation Ark 作:山川山
誤字報告もありがとうございます。
第7話 事故/裏切り(?)
「よし。じゃあ、ブリーフィングを始めよう」
ドクターがレイシフトについてのブリーフィングを開始する。今回のレイシフトメンバーは私とマシュはもちろんのこと、小次郎、エミヤ、そして前回から引き続きアークがレイシフトすることになった。本来ならば電力の関係上一緒にレイシフト出来るのはマシュを含めて3人のサーヴァントが限界だけど、アークは前回の特異点で単独で行動していたように妙に魔力消費が少ないため、人数に含めなくて大丈夫なサーヴァントとして、これからは常に同行することになった。今現在のカルデアにいるサーヴァントの中で最上位の実力を持っていて、信頼出来る仲間のアークが毎回同行してくれるのは、本当に心強い。
「君たちの特異点での目的は──」
ドクターの話をまとめると主目的は2点。1つ、特異点の調査及び修正。2つ、聖杯の回収。わかりやすくまとめると、現在に至るために必要な"事変"を見つけ、それを正しい形に戻し、そしてさらにその改変の原因であると思われる聖杯を回収することが私達の目的だ。目標の1つとして召喚サークルを設置することがあるけど、これも物資などの支援を貰えるようになるからなるべく達成したい。
「おい、そこのお調子者。いつまで私を待たせておく気だ」
そう言って出てきたのは、あのモナ・リザがそのまま出てきたような美人。ドクターが言うにはこの人物はあのレオナルド・ダ・ヴィンチで美を追求するあまり、性別も超越してモナ・リザになったらしい。マシュもびっくりしていたし、事前に知っていたらしいアーク以外のサーヴァントもやや苦い顔をしていた。
「まあ、そんなこんなでそろそろレイシフトを始めようと思う。みんなコフィンに入ってくれ」
今回のレイシフトメンバーが全員コフィンと呼ばれる機械に入る。その名の通り棺に入れられているようでなんだか気分が落ち着かない。
『アンサモンプログラム、スタート。霊子変換を開始します』
機械的な音声が聞こえる。いよいよ始まるのだと思うと、緊張してきた。
『レイシフト開始まで、あと3、2、1……』
『全工程、
眩い光が見えたと思ったら、私は草原に立っていた。
「フォーウ!」
「フォウさん!?」
カルデアからフォウ君がついてきてしまったようだ。マシュ曰く、私か、マシュか、どちらかのコフィンに入っていたようで、私達が帰還すれば一緒に帰れるらしい。フォウ君がマシュの肩に乗っかるのを見届けた後、おもむろに空を見上げるとそこには見たことのないものが出現していた。
「マシュ、あれ…」
「どうかしましたか?先ぱ…い…」
私が指差す先を見てマシュが絶句する。
『あーあー、聞こえるかい?よし、映像も見えるようになったぞ。って、どうしたんだい2人とも?空なんか見上げて』
「いや、実はちょっと…」
「ドクター、映像を送ります。あれは、何でしょうか」
空に現れている奇妙なもの、その映像をマシュがドクターに届ける。
『これは…、光の輪…いや、衛星軌道上に展開された何らかの魔術式か…?なんにせよとんでもない大きさだ。下手をすると北米大陸と同サイズか…?』
あれが、魔術?あんなもの、どうやって作り出したのだろうか?
『ともあれ、君たちのいるその時代、1431年にあんな現象が発生したという記録はない。間違いなく未来消失の理由の一端だろう。こっちでも解析してみるけど…君はどう思う、アーク?』
そうだ、アークなら何か知ってるかもしれないし、解析能力で何かわかるかもしれない。私が振り返るとさっきまでの私と同じように空を見上げるエミヤと小次郎、そして…
「あれ?」
アークが、いない?
『あれ?返事がないな。立香ちゃん、もしアークが気付いて無ければ教えてあげてくれないかな?』
「それどころじゃないよ、ドクター。アークがいない」
『ええ!?』
ドクターのおどろいた声に全員が反応する。アークがいない事にすぐに気付いて、エミヤと小次郎が周囲の探索に向ってくれた。
「ドクター、アークさんはどこに?」
『うーん、反応がない。何らかの理由で反応が遮断されているか、表示範囲の外にいるのか。とにかく、探索の終わりを待って…』
「周囲の探索、完了だ。こちらではアークを見つけられなかった」
「こちらもだ」
エミヤと小次郎が戻って来て報告をしてくれる。辺りにはいないってことは一体どこに…?
「ドクター、カルデアにアークが取り残されてたりしない?」
『いや、こっちでしっかりアークのレイシフトを確認した。少なくともその特異点に転移したのは確定だ。考えられるのは事故によって、レイシフトの座標がずれた可能性があるってことかな』
どうしよう。いきなりこんなトラブルが起きるなんて想定外だ。アークを探す?いや、手がかりもない中で特異点修復と同時にだなんて無理だ。だからといって特異点修復を後回しにしてしまっては本末転倒だし…。
「マスターよ、あやつのことは放っておいてもいいのではないか?」
「…やや不本意だが、私も同意見だ」
え?そんな…。
「ああ、何も見捨てようと言うわけではない。あやつの強さはマスターがよくわかっているであろう?」
小次郎はさっきの言葉を補足する。確かにアークは強いけど…、前の特異点でも頼りっぱなしだったし。
「どうやら、マスターはサーヴァントに頼り切りになる事に負い目があるようだな。例え、サーヴァントでも人のように接する。それは美点ではあるが、同時に欠点でもある。私達はサーヴァント、もっと端的に言えば使い魔だ。マスターに仕えるのが私達の本懐だ。まあ、一部例外もあるが…。それはそれとして、私達は頼られる存在だ。高位の魔術師でもそのほとんどはサーヴァントに頼り切りになる。君は新米の魔術師ながらよくやっていると私は思う。もっとサーヴァントに頼ってもいいのではないか?」
エミヤがそう言うけど、これからも頼りにするわけだし、こっちも何かできることはやりたいというか何というか。
『とにかく、手がかりのない今は進むしかない。その途中で、きっとアークとは再会できるさ』
そうだね、そうするしかない。今は、アークを信じよう。
「よし!みんな、行こう!」
気合いを入れ直す。また、きっと会えるはず。そう信じて頑張ろう!
「ちょっと待って下さい、先輩。あそこに見えるのはフランスの斥候部隊ではないでしょうか?情報収集の為の
「わかった、そうしよう」
「それは構わないが、今は百年戦争の真っ只中だということを忘れないように。もし英語で話しかけようものなら…」
「ヘイ、エクスキューズミー。こんにちは。私達は旅の者ですが───」
「遅かったか…」
エミヤがマシュに注意を促すが、遅かったようだ。そういえば、百年戦争でフランスの敵の言語は…。
「て、敵襲!敵襲ー!」
…私達の前途は多難そうだ。
俺は今、とある部屋の中に居る。見た目はなかなかにきれいだが、焼け焦げた死体があるという1点で全てが台無しになっている。
「あら?どういうことかしら、ジル?新しくサーヴァントが召喚されたようですが」
「おそらく、余剰分の魔力で召喚が行われたのではないでしょうか。ともかく、いかなる英霊か鑑定してみては?」
「そうね。そうしましょう。………!」
「いかがいたしましたか、ジャンヌ?」
「ふふ…、ジル、この英霊すごいわ!今いるサーヴァントの中でも、ぶっちぎりにステータスが高い!」
「おお…!それは、素晴らしい!さぞ、優秀な戦力になるでしょう!」
「ええ!そこの貴方、私の側仕えに任命します。しっかり私の役に立つのですよ。なんと呼びましょうか…まあ、無難にライダーでいいか」
目の前で、目の飛び出た男性と黒い鎧を着た女性が会話をしている。パスを確認をしてみると繋がっているパスは2本、片方は遠い場所から、もう片方は目の前の女性から繋がっている。
「何故だ……」
拝啓、立香とマシュ、そして仲間達へ
俺はなんの因果か、ジャンヌ・オルタのサーヴァントになってしまったようです。
単独顕現君「わー!きれいな悪意だ〜!」