Fate/Grand Order operation Ark 作:山川山
一応完成はしていたのですが、自分で読んでいてあまりにも面白くねぇっっ!!ってなったので何回も書き直してたら一ヶ月経っていました。まだ、個人的に満足していませんが、これ以上悩んでもさらに良いものが出来そうにない上に自分で決めた締切なので投稿です。
P.S
仮面ライダーリバイス、オーズとかダブルとか電王っぽくて面白そうですね!
「見えてきましたね」
「ああ」
人の目にはそこそこの大きさのものの集まり程度にしか見えないだろうが、サーヴァントにとってはそれが村であると当然に理解出来る。そこに向かってもう少しだけ近づく。目視では人を確認出来ないが、家の中には反応がある。
「では、ライダー。対軍宝具の使用を許可します。準備を」
「了解した、マスター」
アークドライバー
「変身」
アークライズ オール・ゼロ…
ドロリと黒い液体のようなものが俺の周りで蠢き、体に纏わりつくと固形化。装甲を形成する。
「思うのですが、最初からその状態になっていた方がいいのではないですか?聖杯を所有する私にとってその程度の魔力消費は有ってないようなものですよ?」
そうだろうね。ストレートに本音を言うと、カッコイイから、なのだが…。まあ、しいて言うなら。
「もちろん、魔力消費を抑えるといった意味合いもある。だが、これは私にとっての一種の"ルーティーン"なのだ。戦闘に意識を切り替える為のな。私としては常在戦場で在りたいとは思っているが。それに…」
「それに?」
「ティータイムに物々しいフルアーマーを着た奴が茶を淹れていたら少なからず気分を害するし、出された茶も美味いと思えるわけがないだろう?私はマスターの
はい、アルトじゃーないと!今のはサーヴァントと召使いを掛けた非常に面白いギャグでだな…。いや、上手くないな。似たようなもんだと思って言ってみたが、召使いと側仕えって似てるようで微妙に違うし…。
「…あっそ。じゃあ、早く宝具を撃ってください」
ほら!邪ンヌも呆れてそっぽ向いちゃったじゃん!チキショー、アークに面白ギャグ作成機能とかないかね?ないよな…。
オールエクスティンクション
オールエクスティンクション
村が爆炎に包まれる。きっとそこには人が居て、日々の生活を営んでいただろう。だがそんなものは関係ない。俺の宝具はそこにあった全てを破壊した。
「素晴らしい…!何度見ても素晴らしいですよ、ライダー!あの村の奴らは命乞いも、悲鳴すらあげる暇なく死にました!効率という点でも良い!アハ、アハハハハハハハ─────!」
横で狂ったように邪ンヌが笑い続ける。それはまるで、無垢な子供のようだ。
「フフッ。では、ライダー。あの村は貴方の物です。血でも、肉でも、魂でも、なんでも貴方の魔力に換えてきて良いですよ」
「それは、いいのだが。私だけでいいのか?他のサーヴァントは?」
「バーサーク・サーヴァント達はオルレアンで思ったよりも補給出来ましたから。それに、なんと言いましたか、そう、"働かざる者食うべからず"です」
「…そうか、了解した。では、先に行っていてくれ。後で追いつく。ああ、それと。例の件はどうなっている?」
「ほとんど完成して、あとは仕上げだけです。合流した時に渡しますよ」
「そうか、感謝する。では、また後で」
シャルの背から地面へと降り立つ。空を見上げると邪ンヌ達を乗せたワイバーンの群れが次の場所へと飛んでいくのが見えた。
「行ったか…」
ある程度、邪ンヌ達が離れたのを確認してからそう呟く。さてと…、やりますか。
「………」
目の前にひろがる瓦礫の山を見渡す。仕方のない事とはいえ酷い事をした。精神的にちょっとキツイな、これは。
「生存者は…」
自分の出来る限りの感知能力で生存者を探す。ふむふむ、なるほど、事前の調査との差異なし。
「うっ…」
瓦礫を押しのけて出て来た黒い塊…宝具に混ぜておいた流体金属が村の住民を吐き出す。同様の光景がいたる所で繰り広げられている。
「おい」
「うぅ…いったい何が…ひっ!」
一番近くにいる年老いた男性に声をかける。
「お、おお、お助けを!この老いぼれはどうなっても構いません!どうか!村は!村の皆だけは殺さないでください!!」
「待て、落ち着け」
いや、確かに村を破壊したのは俺だけど、あんな上空じゃこのご老人には姿は見えなかったはずだし、そもそも家の中に居たし、なんでそんな怯えて…、あっ!変身解除してねぇ!!
「お許しを…、お許しを…!」
ああ、そりゃあ怖いよね。何が起きてるのかわからないのに2メートル近い異形が目の前に現れたら。でも、まだ救助が終わってないから我慢して貰うしかない。
「いいか?まずは、落ち着け。少し特殊だが、これは鎧だ。ここの村長…、村のまとめ役は誰だ?」
「わ、私です。私が村長です!」
「お前が?」
へぇ、それは幸先がいい。
「は、はい、そうです!な、何がお望みですか?財ですか?食料ですか?命というならば、私の命を差し上げます!だから、村の皆だけは…!」
「待て待て、私は誰の命も取らん」
「では、財を!」
「何も要らん!」
いや、何も要らないからさ、ホント。
「村長、どこに…ヒエッ…」
村人の1人だと思われる女性が現れる。見た目怖くて本当にごめんなさい。
「ん?お、お前さんか…、済まない…。今、この方が…」
「私は構わない。用件は?」
「そ、その…、あの子が…。私の子供が見つからないのです」
「何だと!?」
マジ?
「何ということだ。あの子は今!」
「はい。ですから、村長ならば何か知らないかと…「どこだ?」はい?」
「お前の家の場所はどこだと聞いている」
見つからないなら俺の責任だ。早く見つけなければ!
「え、でも、貴方はいったい…?」
「そんな事はどうでもいい。早く案内しろ」
「は、はい!こっちです!」
女性についていくと、瓦礫の山の1つに辿り着いた。
「ここです」
「ふむ…」
瓦礫の山に対して感知機能を発動する。おかしいなこの程度の瓦礫、流体金属なら簡単に押しのけて…見つけた。流体金属での保護は成功してるのになんで出てこないんだ?いや、保護対象のバイタルが弱い…?
「お前の子供は何か病気にでも掛かっているのか?」
「いえ、でも怪我をして…それからずっと…」
「衰弱していると」
つまり動かそうにも動かせないのか。流体金属に設定してある
「………」
流体金属にむけて魔力を送る。すると、ボコリと瓦礫が盛り上がりそこから流体金属が出て来て子供を地面へとゆっくり吐き出した。めっちゃ包帯巻かれてんじゃん。
「ああ、坊や!」
「待て、触るな!」
子供に抱きつこうとした女性を制止して、診察を行なう。打撲に骨のヒビ、何か硬いものに叩かれたような感じだな。それに…噛み傷?なんで?とりあえず治療を…。
「この子が怪我を負った時の状況は?」
「それは…」
「私から説明いたします」
治療魔術をかけながら尋ねた質問に村長が代わりに答えると言ってきた。
「信じ難い話ですが、その子は人狼に襲われたのです。他の子達と遊んでいる時に。他の子ども達も襲われましたがその子ほどの怪我ではなく、きっと野犬にでも襲われたのだろうとその時は思っていました。危険な事に変わりはありませんから村の猟師の何人かが狩りに行きました。しかし、猟師は見てしまったのです。本物を」
「人狼…なるほど…」
だったらこの傷も納得がいく。これも、人理の揺らぎによる影響か…。
「つかぬことを聞くが、この村に使者は来なかったか?」
「使者…、ああ、あの変なソリに乗った。ええ、来ましたよ」
来てたのか"犬ぞりwithさうざー"。この時代のフランス人っぽくカスタムしたヒューマギアを乗せて村や街に手あたり次第に避難を促すように指示を出しておいたが順調らしいな。実際この村を含めて今まで襲った村や街のほぼ10割は無人だったし。ならどうして…。
「何故、逃げなかった?村が、住民が大切ならば逃げるべきだっただろう?」
「逃げられません。怪我をした子ども達の中には足を怪我した子もいます。その子達を置いていくなど、とても…。村の皆も了承してます」
「そう…か…」
うわっ、聖人!この村の人達マジ聖人!どうしたら埋め合わせできるだろうか?
「出た!出たぞ!アイツらがやって来た!」
「どうした!?まさか人狼か!?」
「それだけじゃない!ヤツら、イノシシを手懐けてそれに乗って攻めてきた!今は少し離れた所で様子を見てるが、もうじき…」
「数は?」
「は?」
「敵の数は?」
「10か、20か…そんぐらいだけど、なんでそんなことを…?そもそも、アンタはいったい…?」
よし、治療完了!綺麗に治ったな!
「お前の子供はもうかなり治っていたようだぞ。包帯も外して大丈夫そうだ」
「本当ですか!?ありがとうございます!」
「礼だったら、その子の生命力にしておけ。そして、そこのお前。その人狼がいる場所はどこだ?」
「あ、あっちだけど…」
「ふむ…」
敵の数は…36?あ、人狼とイノシシのペアで数えたのか。じゃあ18だから、情報通りだな。
「では、行くとしよう」
「アンタ、行くってどこに?」
ん?そんなの決まってるじゃん。
「その人狼達を倒しに」
「
「
偵察役のヤツが
「ふむ、報告で聞くのと実際に見るのとではやはり違うな。ウェアウルフはもちろんだが、イノシシも魔力を帯びかけている」
「
村の方から黒い何かが歩いてくる。前に襲ったことのある硬いものを身に着けたヤツラに似てるが、その仲間か?
「装備もそれなりだな。棍棒に槍か」
「
「
群れの中で1番下っ端のヤツに命令する。アイツみたいな硬いものを着たヤツは群れでいると面倒だが、1人だけなら大したことはない。それにああいうのは肉が硬いからな、下っ端にくれてやってもいい。
「
「ほう?」
棍棒を振りかぶりながらイノシシで突進して行く。これでアイツは首無しに…。
ショットライザー
「
ズドンッ!という音が2つ重なって聞こえたかと思うと突進していた筈の仲間とイノシシの頭が消し飛んでいた。ヤツの手にはさっきまで無かった何かが握られていた。
「今のが開戦の合図で良かったか?」
「
群れの全員に号令をかける。全員でかかれば、あんなヤ…ツ…?
「
いつの間にかアイツが手に握っているものが、アイツのまわりに沢山浮かんでいた。
「伝わっているかわからんが先に言っておこう、命乞いなら無意味だぞ?」
「イノシシの肉はなるべく早く…と言わずともわかるか。それと、これは人狼の持っていた薬草を使って作った怪我をした子供用の傷薬だ。包帯か何かに付けて傷口に当てておけ」
「本当によろしいのですか?こんなに良くしてもらって?」
「代償ならすでにお前たちは払っている。後は私について黙っていてくれるのならば何も問題は無い」
人狼の群れを軽く叩きのめした後、建物の廃材から簡単な荷車やら今の薬やら何やらを作って今に至る。三十分掛からなかったのは流石アークの機能ってところだな。あと、これは償いのようなものだから気にしなくていいぞ村長。
「わかりました。ありがたく頂きます」
「ああ。おっと、忘れていた。これを」
「これは…十字架?」
「まあ、魔除けの様なものだ。避難場所までの無事を祈ってな」
今、出来る限りでそこそこの出来の魔除けです。さっきの人狼やワイバーン程度なら余裕で遠ざけられるから安心してね。
「では、私はこれで行くとしよう」
「あ、あの!」
ん?
走る。目が覚める前まで痛くて苦しかったのが嘘みたいだ。
「はっ…はっ…」
"診察してくれた人がもう傷は治りかけだったと言っていた"母はそう言うが、そんな訳がない。身じろぎするだけで軋む骨が、息をするだけで熱を持つ傷が、あんなにすぐ治らないのは自分でも理解出来る。
「はぁ…はぁ…」
辺りを見渡す。見つけた。村長と話す、母から聞いた通りの姿を確認してもう少しだけまだダルい体にムチを打つ。
「では、私はこれで行くとしよう」
「あ、あの!」
声をかける。その仮面かぶとに覆われた顔がゆっくりと自分の方を向く。
「私か?」
「は、はい!えっと、その…!」
感謝だとか、どうやって治してくれたのかだとか聞くことは沢山あったと思うけど口から出たのは…。
「な、名前…」
「?」
「名前を教えて下さい!」
命を救ってくれた人の名前ぐらいは知っておきたいという気持ちが強くてその言葉が出た。だが、その人は何か困っているようだ。
「ふむ、これは…」
「あー、この方はな…」
「いや、大丈夫だ村長。私から説明する」
こっちに向くのが顔だけでなく体もこちらを向く。
「済まないな。私は、訳あって名を教えられない。容姿についても追って村長から知らせられるだろうが口外しないでもらう事になる。だから、その要望には否と答えるしかない」
「で、でも…」
「それに、私はお前の人生において端役もいいところだ。お前の人生には遥かに尊いものが溢れている。それを見つける事に拾った命を使え。では、さらばだ」
もう語ることはないと言う様に、その人は背を向けて遠ざかっていく。
「貴方は、貴方は何なんですか!」
名前は分からなくてもその正体だけは知りたいと思って叫ぶ。その人は立ち止まって振り向きながらこう言った。
「通りすがりの…騎士だ。覚えなくて良い」
犬ぞりwithさうざーの下りを書いている時に"フランス国民に避難を促すヒューマギア"という言葉が思い浮かびました。
物品紹介
犬ぞりwithさうざー
アーク様が開発したさうざー(成犬ver)×4を利用した犬ぞり。最高時速は200km前後というかなりの速度での移動が可能。