Fate/Grand Order operation Ark 作:山川山
今回すごく頑張った。(白目)
あービックリした。いや、だって召喚されたらだよ?周りに誰もいなくてマシュの盾だけが置いてあるとか、マジでそこらのホラーゲームよりこわいからね?
マシュの…というかマシュの中にいる英霊の強みは、盾の圧倒的防御性能と、それを利用したカウンター攻撃で、今の力を覚醒させたばかりのマシュは盾の防御性に頼っているだけだ。ついでに宝具も使えない。ぶっちゃけ、盾を手放すとかただの自殺行為だ。だが、それをやったっていう事はそれだけ状況が切羽詰まってるって事なわけで…
軽くパニックだったね。そこまで思いついた俺は盾を拾いながら、周りに積もっている瓦礫の向こう側へ跳躍、召喚されるまで龍の腹の中でラーニングしたアークの各種機能を総動員して、まだ見ぬマスターと盾の持ち主であるマシュ、そしてまだ存命しているはずの所長を全力で探した。まあ、反対側から所長の声が聞こえてきたから全く検討違いな方向を探していたことに気づいた訳だが。
「みつけたぞ」
全速力で声の方に駆けつけると人影をみつけた。真っ先に見えたのはマシュだ。そして、感知系の機能が盾からの反応を検知した。持ち主の接近に反応したのか?
「やはりこれはサーヴァントのものだったか」
右手に持った盾を観察する。一応、召喚機能だけのレプリカの可能性も考えていたが、先程の盾の反応、そして、マシュが盾を持っていないところを見るとこれは本物らしい。
「これはお前のものだろう?受け取るといい」
とりあえず返しておこう。にしても話す言葉がアークっぽくなるこれはどういう仕組みなんだろうか?
「えーと、その、ありがとうございます?」
「いや、礼を言う程のことじゃない」
マシュの言葉に返事をして残りの二人を見る。まずは所長、そして…
「女か…」
思わず声に出てしまった。向こうに聞こえてしまっただろうか?少し距離があるから、大丈夫なはずだ。とりあえず、3人とも疲労はあるものの無事なようだ。簡単にだが解析も行なったから間違いない。男性主人公だと思っていたんだが…まあ、いいか。
「令呪を持っているということは、マスターであるということだ。この辺りに生存者の気配はお前達以外ない。つまりはそういう事なのだろうな」
そう言いながら自らのマスターへと近づく、実際にさっき捜索をしたとき動いていたのはスケルトンだけだ、もちろん遠隔で倒したが。そして、予想とは違ったが相手は自分のマスターだ。ならば、やることがある。恒例の
「サーヴァント、ライダー。真名、アーク。召喚に応じ参上した。お前が私のマスターか?」
こうして俺は、マスター…藤丸立香と契約した。
召喚したサーヴァント、アークと契約した私と、マシュ、所長、そしてドクターの4人は、アークについてた良く知るために話を聞いていた。
「ヒューマギア、デイブレイク…どれも聞いたことない単語ね」
『こちらのデータベースにも記録がありません。しかも、彼の話を聞く限り、ヒューマギアはかなり社会に浸透していたようですし、これは本当に…』
「異世界…それもある程度近い可能性の平行世界ではなく、かなり遠い可能性の平行世界、もしくは根幹から異なる完全な別世界からの、しかも未来からの来訪者…ああ、もうっ!魔術師としては喜ぶべきなんでしょうけど、こんな状況じゃ…うぅ、レフ…」
なんとアークは異世界人、いや異世界英霊で、同時に未来英霊だったのだ。そして、所長やドクターは何か慌ててるみたいだけど、どうしたんだろう?
「ねえ、マシュ。異世界がすごいのは私にもわかるんだけど、魔術師の人たちは魔術でそういう事をしているんじゃないの?」
「いいえ、先輩。世界の移動とは第二魔法というものに分類されています。そして、魔法と魔術は似て非なるものです。例えば、"火を付ける"という魔術があります。一見、なにもない所から火を取り出したり、人によっては豪火を作り出したりするのは魔法のように見えますが、本質的にはただライターで火を付けるのと変わりません。魔術は神秘があるというのをのぞいて、ある程度科学で再現できるのです。それに対して魔法は…」
「科学じゃ再現できない、本当に神秘に包まれたものってこと?」
マシュが頷く。さらにマシュは、魔術師は根源というのを目指していて、魔法を手にするということは根源への到達と同義であると教えてくれた。確かにいきなり目的の手がかりが現れたら慌てるよね。
「マスター。提案がある。こっちに来てくれ」
アークが私に話しかけてきた。何かあったのかな?
「なに?どうしたの?」
「そろそろ移動をするべきだ。私の召喚の際の様子を聞く限り周囲にはかなりの量の魔力が放出されたはずだ。あまり長い間留まりすぎると
ヒュッ、という風切り音がしたと思ったらアークが何かを掴んでいた。杭のようなものがついた鎖だ。
こうなる」
アークが鎖を投げ返すと瓦礫が破壊されて襲撃者の姿が露わになる。先程の鎖がついた大きな鎌を持った長い髪の女性だ。
「決まったと思ったのですが、フフフ…やりますね」
『サーヴァントの反応が出た!気をつけて!』
「遅いぞ。ロマニ・アーキマン」
『ご、ごめん』
遅れて通信してきたドクターがアークに謝っている。
「構わない。こちらに被害はなかった。それよりも、もう一体いるはずだ。」
『えぇ!?あ、本当だ!ってこの座標は!』
ドクターの言葉に、まさかと思って所長を見るとその背後に影が立っていた。
「所長!後ろ!」
「え?」
私の呼び掛けで所長が振り返ると、影はいままさに手に持ったナイフのようなもので所長を切り裂こうとしていた。
「ヒッ!」
「やああっ!!」
影が所長を切り裂く前に、マシュが影に盾を叩きつける。
「ご無事ですか?所長」
「え?あ、だ、大丈夫よ」
良かった。所長は無事だ。
『ナイス!マシュ!』
「マシュ・キリエライト、そのままそちらは受け持ってもらいたい。マスター、指示を」
「あっ」
そうだ。指示を出さなきゃ。でも、目の前の敵は明らかにさっきの骸骨よりも強い。それは、マシュもアークも傷つくかもしれないって事で…
「どうしたマスター?指示を出すのがマスターの仕事だ。お前はただ"行け"と命令すればいい」
「でも…」
「なんだマスター?怖気づいたか?それとも…」
2人が傷つくのは…
「私達が信じられないか?」
「!!!」
そうだ。2人とも、私のサーヴァントで、とっても強いんだ。それを、誰よりも私が信じないで、どうするんだ!
「ううん!私は、2人を信じる!2人とも、お願い!」
「了解しました。行きます、先輩!」
「了解した、マスター」
私の言葉に答えると同時に2人は走り出す。アークは瞬間移動でもしたかのように相手に近づいくと、同時に放たれた鎌の連撃を躱す。マシュも、放たれたナイフを盾でふせぎながら着実に接近していく。
「2人とも、頑張って…!」
「了解しました。行きます、先輩!」
「─────!」
声にならない声を上げながら、影が短剣を投擲してくるが全て盾で防ぎ、そのまま前進する。
「はっ!」
射程圏内にはいった影に攻撃を仕掛けるが、防がれる。しかし、手に持った短剣を弾き飛ばすことに成功する。
「やああっ!」
好機だと思いそのまま連続で攻撃を実行する。サーヴァントだと聞いていたが想定よりも動きは遅く、また右腕は何故か布で包まれていてうごかす様子は見られない。これなら!
「っ…もう一度!」
どこからか取り出した短剣で攻撃を防がれる。さらに、もっと、と繰り出した攻撃も全て防がれる。次こそは!
「ぁ」
スルリと攻撃を躱され、致命的な隙をさらしてしまう。そこで攻撃を誘われたことに気付くがもう遅い。待っていましたとばかりに右腕の布が蠢き、異形の腕が現れ、こちらに襲いかかる。しまった!これをくらったら、死…
「緊急回避!」
グンッと引っ張られるような感覚がすると、目の前には攻撃を外して隙をさらしている影がいた。さっきとは逆の立場だ。
「今だよ!マシュ!瞬間強化!」
「!はああっ!」
「倒せた…。やりましたよ!先輩!わたし…っ」
「マシュ!」
よろけたわたしを、先輩が駆け寄って来て、支えてくれた。思ったよりも疲労が溜まっていたらしい。
「そういえば、何故、先輩は礼装を扱えたんですか?」
「あ、うん。アークがこっちは大丈夫だからマシュをって言ってくれて、途中で合流した所長に教えてもらって、あとはぶっつけ本番」
先輩とアークさんはすごい人だ。先輩は強い心と土壇場での勝負強さを持っている。アークさん見た目は怖いけど優しさを持っている。それに比べてわたしは…
「マシュ?どうしたの?」
「な、何でもありません。あ、先輩、アークさんが帰って来たみたいですよ」
あの特徴的な鎧はアークさんだ。となりに誰かを連れているようにみえるが、誰だろうか?
「おう、嬢ちゃん達。少しばかりみさせてもらったが、なかなかやるじゃねえか」
「了解した、マスター」
立香に答えて走り出す。一瞬で距離を詰めるが読まれて鎌の連撃を放たれる。まあ、アークの予測を使えば簡単に避けられるのだが、あとはこの状態をしばらくキープして…、うん余裕だな。立香には、マシュの援護に行ってもらおう。
(マスター。聞こえるか?)
(えっ、アーク?なんで声が?)
よしよし、念話はつながるみたいだな。
(念話だ。マスターとサーヴァント間のテレパシーのようなものだと考えてくれ。早速だがマスター、こちらはもう勝利が見えてきた。マシュ・キリエライトの援護に向かってくれ)
(…大丈夫なの?)
こんな明らかに悪役ですみたいな姿をしたやつを心配してくれるのか、優しいなぁ、立香は。
(問題ない。早く援護に行ってやれ)
(わかった。ありがとう、アーク)
(ああ)
念話終了っと、攻撃避けながら会話するとか、俺も器用になったな。
「他の事に意識を向けながら戦闘だなんて、随分余裕ですね」
「実際、余裕だ」
そろそろ…来た!
「ッ!避けてばかりでは、この私には勝てませんよ!」
鎌の大振りを、後ろにとんで回避する。
「ラーニング、完了。お前を5手で倒す」
「何を、ふざけたことを!」
鎖による攻撃。右手で掴み取り、鎖を引っ張って敵を引き寄せ左の拳でみぞおちを攻撃。1手。
「ごはっ!」
右手を鎖から放し、右の拳で頭部を殴打、勢いでとんで行く前に髪を掴んで頭部への膝蹴りで眼前に腹部が来るように浮かせる。2手と3手。
「ガッ!」
貫手の要領で骨のない腹部から手を突っ込み、胸部へと侵入。4手。そして、
「ぉ…ぁ…」
粒子となって泥のように崩れていく。霧散ではなく、崩れるのは聖杯の泥に侵食された影響か?それと…
「そろそろ出て来たらどうだ?いるのはわかっている」
「なんだ、気付いてたのかよ。気配を消すルーンを使ってたんだがな。にしても、エグい殺し方しやがる。お前さんほどならもっとサクッと倒せるだろうによ」
俺の呼び掛けにキャスニキ…、キャスタークーフーリンが姿を現す。てか、仮にもキャスニキのルーンを突破するとか、強化されているとはいえアークの機能すごいな。
「それはお互い様だろう。アルスターの光の御子。聞いた話によると相手の尻にあの朱槍を突き刺したらしいじゃないか」
「してねぇよ!?どっからの情報だよそれ!?つーか、なんで俺の真名知ってやがんだ!?」
あれ?違うんだ。じゃあ威力で防御を破ったのか。改めてすごいな
「それは企業秘密というやつだ。とりあえず、私のマスターのもとへ行かないか?お前ならばマスターと会わせても問題なさそうだ。」
「納得いかねぇ…。まあ、いいけどよ」
キャスニキとしばらく移動をすると、マシュが戦闘をしているのが見えてきた。あ、攻撃外した。あれ、やばくね?助けに…っと立香のサポートで攻撃避けて、急所を一撃か。使ったのは緊急回避と瞬間強化かな?
「へぇ…、マスターもサーヴァントもまだまだ青いが、けっこうやるじゃねえか」
「当たり前だ。私のマスターと同僚なのだからな」
すごいぞぅ、立香とマシュは。なんせ世界を救う女達だからな。さてと、戦闘も終わったようだし。
「行くぞ」
「おう」
合流したら、少し休んで移動かな。
途中で出てきたゲイ・ボルクを尻にの話はクーフーリンが兄弟弟子であるフェルディアとの決闘をしたときの逸話の一つです。
また前話の人物紹介を書き換えしました。