Fate/Grand Order operation Ark   作:山川山

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個人的に前回のやつは余りいい出来ではなかったんですが、あれ以上いいの思いつかなかったんですよね。


幕間2 善意回収/夢

目覚めると赤い空が見えた。ここは…

 

「目覚めたか。現実では眠っているが」

 

上半身を起こすと後ろから声が聞こえた。立ち上がって振り返ると予想通りアークがそこには立っていた。現実では眠っているということはこれは夢か。

 

「では、始めよう。そこから動くな」

 

アークがこちらへと手を向けると、俺の体から発生した青い粒子がその手に吸収されて行く。一部赤いのは、俺が悪意に飲まれたせいだろう。

 

「ふむ?一部悪意が含まれているが…まあ、いいだろう」

「なあ、聞きたい事があるんだ」

「ほう、話せるようになったか。なんだ?」

 

声を出すと、アークから返事が帰って来た。今回は声が届くようだ。俺は、あの時の声について聞く。

 

「ダメだったって何がだ?」

「なんのことだ?」

 

表情はわからないが、はぐらかしているというわけではなさそうだ。どういうことだ?

 

「質問は終わりか?」

「ああ、もう聞く事はない」

 

疑問は残るが、仕方ない。今後に期待しよう。

 

「ならばいい、善意の収集ご苦労。私はこれから善意の解析にかかる。しばらく、会うことはないだろう」

「そうか」

 

アークの言葉に返事をする。それじゃ、俺は帰るとしようか。…どうやって帰るんだ?これ。

 

「それでは、さらばだ」

「へ?うおおおおぉおぉお───!?」

 

アークが指を鳴らすと地面にぽっかり穴が開く。なんで毎回…と言っても2回目だが、こういう心臓に悪いやり方なのだろうか?暗い空間を風を切りながら落ちていく。ある程度落ちると、何か赤い光が見えて来た。スピードが緩やかになって、まるで宇宙空間を漂うような感じになる。泳ぐように動くと方向転換をしてそちらに進む事が可能だ。光に向かって進むと少し透けて見える人工物が見えて来た。

 

「これは…通信衛星のアークか?」

 

どこも壊れておらず、一見別物に見えるが、あの赤い光を放つ丸いレンズのようなものは通信衛星アークの特徴だ。そして、その透けたレンズの先、そこには人影が見える。

 

「立香…!」

 

俺を召喚したマスター、立香がそこにいた。"悪"や"憎"などの悪意の具現化した文字に囚われ、もがいている。早く助けないとヤバい!立香のいる場所へスピードを速めて進んで行く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

目覚めると黒い空間にいた。ここは…?

 

「!?」

 

今私が立っている場所のすぐ前、そこから黒と赤の何かが溢れ出してくる。アークの足元から溢れ出ていたあの大量の文字だ。直感的にあれは危険なモノだと判断してそこから後ずさる。グチャッと何かを踏んだ感覚がして、足に何かが纏わりつく。

 

「え?あ…」

 

足に纏わりついていたのは、先程とは別の文字群だ。少しずつ足を登って来る。

 

「嫌…」

 

辺りを見渡すと同じように文字が溢れ出している。だんだん集まって私を飲み込もうとしてくる。

 

「放して!」

 

首から下が飲み込まれる。頭痛と悲鳴のようなものが聞こえて来て、全身が不快感に包まれる。必死でもがくけど、体はどんどん沈んでいく。

 

「───!」

 

顔まで飲み込まれて息ができなくなる。必死に叫んで助けを求めるが声が出ているのかすらわからない。

 

「!ゲホッ…ゴホッ…」

 

手首をぐいっと引っ張り上げられる。助けてくれたのはアークだ。

 

「すまない、立香。こちらの不手際だ」

「ううん…大…丈夫…」

 

アークが楽な姿勢をとらせてくれる。

 

「ここは…?」

「私の精神世界…もしくは夢と言い換えてもいいかもいいかもしれない。立香はそれに巻き込まれたようだ」

 

召喚の後ドクターから話は聞いていた。マスターはサーヴァントの過去や精神世界に夢を介して繋がる事があるって。それじゃ、アークは…

 

「アークは大丈夫なの…?」

「む?私か?問題ないに決まっている。今気にするべきは立香についてだ」

 

心の中がこんなことになっていて本当に大丈夫だろうか?アークはしばらく黙っていたが、口を開く。

 

「外傷はない。悪意による侵蝕もなし。問題なさそうだ」

 

どうやら私の事を検査してくれていたようだ。検査結果を聞いた途端激しい眠気が襲って来た。

 

「眠るといい。目が覚めたら、少なくとも体調は良くなっているはずだ」

 

その言葉にしたがって目を閉じる。私は深い眠りに落ちていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「む…」

 

ベッドの上で目が覚める。立香が眠った後、俺も眠ってしまった。だが、そのおかげでこちらへ帰って来ることが出来たようだ。

 

「様子を見に行くとするか」

 

ベッドから立ち上がり、一旦霊体化して寝癖等を整える。部屋を出て、廊下を歩いているとドクターと会った。

 

「あっ、アーク。立香ちゃんがどこにいるか知ってるかい?」

「おそらく部屋にいるだろう。何かあったか?」

「ああ、特異点の詳細な座標が特定できてね。次のレイシフトの打ち合わせをしようと思って」

「ならば、私から伝えておこう。今から向かうところだ」

「本当かい?じゃあ、お願いするよ」

「ああ」

 

ドクターと別れて立香の部屋ヘと進む。部屋の前についてその扉を叩いた。

 

「立香、いるか?」

「アーク?ちょっと待って」

 

中からドタバタと音が聞こえる。扉が開くといつもの服装の立香が出てきた。

 

「ごめん。ちょうど着替えてて」

「構わない。いきなり来たこちらが悪かった。それで、体に異常はないか?」

「夢の事?うん、大丈夫」

 

あちらでは問題なくても、こちらでは何かあるかもしれないと思ったが大丈夫なようだ。

 

「そうか、ならばいい。それと、ロマンが呼んでいたぞ。次のレイシフトの打ち合わせだそうだ。管制室にいるだろう」

「わかった。よし、行ってくるね。アークもがんばって!」

 

立香が管制室に向かって走って行く。さて、立香にがんばれって言われたし俺もシミュレーターに行って訓練してくるか。次の特異点に向けてしっかり調整しておかないとな。




次回から特異点突入です。
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