Fate/spring blade (仮名) 《Fate×SAO》   作:クロス・アラベル

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今回も短めです


The sound of everyday collapse ③

 

 

 

 

「和人、アズリカ先生呼んでたわよ」

「アズリカ先生が呼んでた?」

 

放課後。

夕暮れの教室でユージオに今日小テストで出ていた問題についてユージオから教えて貰っていたら、アリスからアズリカ先生の伝言をもらった。

「うん。あなた、何かやらかしたんじゃないでしょうね?」

「いや、そんな事は_____ない」

「和人、何故返事するのに間が空いたのかな。それ自信ないんじゃ…」

まぁ、俺自身やらかしたことなんてちょくちょくある訳だが、今日って事は多分___

「……やっぱり、今日の小テストについてか…?」

「有り得そうだけど、先生日直のあなたに頼みたいって言ってたわ。早めに行ってきたら?」

「あー……そだな。行ってくるか。ユージオ、ありがとな。この続きはまた明日にでも」

「うん、わかった。待ってるね」

「いや、待たなくていいよ。先に帰っておいてくれ。多分時間かかるだろうからさ………多分、俺がこの前日直の仕事完全に忘れてたこと根に持ってるんだよ」

 

1週間前くらいだろうか。

日直の仕事を完全に忘れていたことがあった。忘れたまま家に帰ってゲームしてたんだから、そりゃ先生も怒る。

特にあの先生は怖い。無表情だし、怒るといつも口数が少ないって言うのに、より無口になる。

無言の威圧…というか。

一応今日の日直の仕事は終わったはずなんだけどなぁ。

まぁ、居残り掃除でもなんでもやりますか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あー……こんなに遅くなるとは」

先生から頼まれた掃除を終わらせて学校を出たのが10分前。

今の時間は7時を回った所。なれないところの掃除だったからこれだけ遅くなってしまった。

 

「そんなに怒ることないだろ…いや、確かに日直の仕事忘れて速攻で家帰ってゲームしてた俺に全ての非はあるけどさ…」

まぁ、俺が全て悪いので文句言わずにやった。

我ながらよくやったと思う。

 

辺りはもう暗くなっている。

早く家に帰らないと妹のスグに怒られる。

少し走ろうかと足を早めた___その時。

俺のスマホが鳴った。

 

「ん…スグ……か?」

電話の主は家の固定電話からだった。

まさか早く帰ってこいという催促の電話だろうか。

「もしもし、俺だけど」

『あ、お兄ちゃん!今帰り道?』

「ああ、スグか。ちょっと先生に頼まれて雑用やってたからちょっといつもより遅くなったんだ。ごめんな」

『別にいいよ。いきなりで悪いんだけど、ちょっと頼み事聞いてくれない?』

「頼み事…というか、なんでお前スマホからかけないんだよ」

『それなの!私、学校にスマホ忘れちゃって…』

 

なんと。

今の時代に携帯電話を忘れる奴もいるのか。

「んー……取りに行けばいいのか?」

『うん!ごめんねお兄ちゃん、お願い!』

「まぁ、いいよ。でも遅くなるからな先にご飯食べててもいいし。スグは明日も朝練だろ?」

『え?朝練無いよ?』

「む……あ、そうか、今朝先生言ってたな。部活動は活動時間短くなるって。まぁ、俺のことは気にしなくていいから、早く寝ろよ」

『うん!ありがとう!よろしくねー!』

「ん。」

そう言って電話を切った。

「…ったく」

…全く、しっかりしているようでまだまだ子供だ。仕方ないなと思いながら学校へ戻ることに____

 

「……なんだ、これ?」

携帯を持つ左手。

その手の甲に、何か赤いものが____

「…血か、これ……?」

蚯蚓脹れのような跡が着いている。

右手で擦っても濡れてもいないし、右手に跡がつくことも無い。

 

「______今朝はこんなのなかったよな」

記憶が正しければ授業の時も、こんなのは無かった。

…掃除の時にどこかにぶつけたか?

内出血してるのかもしれない。

 

「…痛みは無いし、別にいいか」

別になんともないので無視して学校へ戻ることにした。

 

 


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